ピッチ補正の種類


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サドルでのオクターブ調節だけで補い切れないピッチのズレを補正する加工一覧。
このズレは11フレットから1フレットにかけて大きくなり、最大でおおよそ平均律における半音の2~5%程度(アコギは5~10%)になる。
ただ、ボーカルやバイオリンなどのフレットレスのような演奏者任せな楽器や
頻繁に調律が行われないピアノなどはもっと大幅なズレがあるので誤差の範囲ではある。


補正する目的の加工一覧




オクターブ調整をより正確にする加工



サドルのオクターブ調節で補いきれないピッチのズレをナットやフレットを移動させることで100%に近づける加工。
ナットの加工は補正ナット(Compensated Nut)という。
具体的には各弦の弦高が存在することによる張力変化に合わせてナットを前に出しフレットをおおよそ正しい位置に配置させるというもの。

レギュラー弦のエレキギターにおける通常のものと比べた場合のナットの移動距離
1弦 2弦 3弦 4弦 5弦 6弦
0.50mm前後 1.20mm前後 2.30mm前後 1.20mm前後 1.50mm前後 2.50mm前後

各メーカーの加工/パーツ
製作過程や名前が微妙に違うだけでやってることはみんな同じである。
名前 開発元 移動させる箇所/方法 市販 開発年 Google Patent 公式
Compensated Nut Dudley Gimpel
(Music Man)
各弦ごとにナットを前に出す × 1998 URL URL
Tune-X Tuning System Flaxwood 各弦ごとにナットを前に出す ×
The Funky Nut Phil Hartley 各弦ごとにナットを前に出す URL
イントナット O2 Factory 各弦ごとにナットを前に出す URL
Merkelタイプ Steven Merkel 各弦ごとにナットを前に出す × 2003 URL
Minehara Tuning System
(MTS)
工房ミネハラ 各弦ごとにナットを前に出す 2003 URL
SCUD SOS
(MTSライセンス商品)
HOSCO ナットの間に各弦ごとに削られたスペーサーを挟む URL
eNut Tuning System Monte Allums 自分で削りナットの間にスペーサーを挟む URL
True Temperament
Fretting System
True Temperament 各弦ごとにフレットを後ろに動かす 2006 URL URL
Intonation Adjustable Nut Toone & Townsend オクターブ調節できるナット
Micro Nut Micro-Frets オクターブ調節できるナット
Guitar Nut Compensationt Dennis Hook 各弦ごとにナットを前に出す URL

市販=市販もしているかどうか。自社のみや技術特許のみは×。△は取り付けサービスのみ。


ややオクターブ調整を正確にする加工



一つ一つ精密な計算が行われておらず、おおまかに張力に合わせてオクターブ調整をより改善させる加工。
普通のよりかは幾分かマシというもの。

名前 開発元 加工方法 移動数値 市販 開発年 Google Patent 公式
Polychronis式のシェルフナット W.J. Polychronis ナットを指板に覆いかぶさるようにし位置を若干前に動かす加工。 0.5mm程度 × 1922 URL
PRSタイプのナット DiMarzio
Paul R. Smith
アコギのサドルのようにおおまかに各弦のゲージに合わせて、
まっすぐ斜めにナットを前に出す加工。
1~6弦:0.5mm~2.5mm × 1980 URL
Aristidesタイプのナット Aristides アコギのサドルのようにおおまかに各弦のゲージに合わせて、
まっすぐ斜めにナットを前に出す加工。
1~6弦:0.5mm~2.5mm × 1999 URL
Compensated Scale Length Melancon フレットの位置を通常よりも若干後ろに下げる加工。 全フレット:1thou(0.0254mm) ×
Earvana Earvana 各弦のゲージに合わせて、ナットを前に動かす加工。
微妙に計算が間違っているため完全に正確にはならない。
今までErnie Ballの特許侵害で販売停止になっていたが、最近再び販売を始めた。
LSRローラーナット用の溝と互換性がある。
1~6弦:0.5mm~2.1mm 1998 URL
Greg Byersタイプ Greg Byers HP上でビルダーがデータを公開している。 × URL





Buzz Feiten Tuning System (BFTS)



https://www.google.co.jp/patents/US6870084
https://www.google.co.jp/patents/US7179975
2003年にBuzz Feiten氏が考案した平均律ではない新たな音律にする加工。
ナットを1つ1つ動かすのはめんどくさいけど、全部動かしたら大雑把にしかできないからもう音律自体を変えてしまえという加工。
平均律ではなくなり、西洋音楽の枠組みから明後日の方向へと外れていってしまう加工なので、他の楽器がある音楽では避けたほうが良い。
ただ、加工自体はPolychronisのシェルフナットのパクリなので、通常のチューニングとオクターブ調節にすればズレを若干緩和する加工にはなる。

加工方法
ナットの加工方法 エレキ:ナットと1フレットの距離を2.1%短くする(レギュラースケールの場合:0.76mm)
アコギ:ナットと1フレットの距離を1.4%短くする(レギュラースケールの場合:0.50mm)

チューニングの仕方
エレキの場合 1弦 2弦 3弦 4弦 5弦 6弦
開放弦(Cent) 0 +1 -2 -2 -2 -2
オクターブ(Cent) 0 0 +1 +1 0 0
アコギの場合 1弦 2弦 3弦 4弦 5弦 6弦
開放弦(Cent) 0 0 0 0 -1
7フレット(Cent) +4 +2
オクターブ(Cent) +1 0 +2 +3 +5




ピッチ補正する加工だとよく誤解される加工




ピッチを補正するものではないのにピッチを補正するものだと誤解されやすい加工一覧。

名前 開発元 加工方法 実際に改善される事 短所
ゼロフレット 不明
(18世紀頃~)
ナットをヘッド側へずらし本来のナットの部分をフレットに置き換える加工。 フレットを打ち込むだけで調節不要の完璧なセッティングになる。
開放弦もフレットを押さえたときと同じ音色にする。
消耗しやすい(普通のナットにも言えることだが)。
他のフレットよりも若干高いフレットを用意する必要がある。
Circle Fretting System
(CFS)
T.M.P.
フジゲン
ナットとフレットを円弧状に湾曲させ全弦のスケール値を同じにする加工。 結果として弦とフレットが垂直に接触するので音がビビリにくくなる。 湾曲している分人によっては演奏性の低下が生じやすい。
精密性が要求されるのでリフレットが簡単には出来ない。
補正ナットを使う場合数値が変わるので取り替え辛い。
Fanned Frets Novax Guitars フレットとナットとサドルを斜めに配置し各弦のスケール値を変える加工。 各弦の張力が変わり変則的なチューニングにすることが出来る。 巻き弦とプレーン弦を考慮していないのでいい加減である。
斜めになっている分演奏性の低下が生じやすい。