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このことは多分、誰も知らない。 中3になって、親友が学校になくなりました。 理由は、家庭の事情ってやつです。 学校ではいつも、その子と一緒にふたりでいました。 だから、その子がいなくなったことは、非常に大きなダメージでした。 表面的には明るく振舞っていたけど、笑顔は確実に減っていきました。 毎日が暗く、まるで深海で一人ポツリと泳いでいるようでした。 何かにかけて、自分は一人なんだと嘆き、密かに泣きました。 ボンヤリと日々が過ぎていきました。 そして、とうとうおかしくなりました。 ブレーキが壊れるような。雪の重みに耐え切れなくなった屋根が、突然潰れるような。 ふっと自分が壊れました。 薬をたくさん飲みました。ポケットにあった薬を全部。 フラフラになって、学校を早退して。 もう目の前は真っ暗に、絶望になりました。 何を大袈裟な、と思うでしょう。 でも、その子の存在はそれくらい大きなものでした。 私が壊れても、世界は回ります。時は進みます。 ある日、大きな光を見つけました。 黒く、暗く染まっていく私には眩しすぎる光でした。 目を瞑り、身を小さく閉ざしても、その光は見えました。 周りに、「必要以上に構うな」というオーラを出していたのに、その光は、彼は、 無遠慮に近づいてきました。 彼は、ニコニコと私にいたずらを仕掛けて、それに引っかかるとケラケラと笑いました。 私のちょっとした趣味に合わせてくれ、楽しそうにしてくれました。 この人のようになりたいと、微かに思い始めました。 彼は、自分の趣味を教えてくれました。 そして私を誘ってくれました。その話をする彼は、生き生きとしていました。 彼の趣味が、私の趣味にもなりました。 話が合うと嬉しくて、もっとたくさん知りたいと努力しました。 気づいたら、笑顔が増えていました。 親友を忘れたわけではありません。 今でも大好きです。 ただ、その子への依存を解きました。 深海から引っ張り上げてくれて、 クラスから浮かずに済んだのは、 彼のおかげです。 彼もまた、私を助けたなんて、微塵も感じていないでしょう。 だからこれは、 誰も知らない、私だけの話。 だけど、知ってほしい気持ちもあります。そしてお礼を言って、伝えたい。 ありがとう。
このことは多分、誰も知らない。 中3になって、親友が学校に来なくなりました。 理由は、家庭の事情ってやつです。 学校ではいつも、その子と一緒にふたりでいました。 だから、その子がいなくなったことは、非常に大きなダメージでした。 表面的には明るく振舞っていたけど、笑顔は確実に減っていきました。 毎日が暗く、まるで深海で一人ポツリと泳いでいるようでした。 何かにかけて、自分は一人なんだと嘆き、密かに泣きました。 ボンヤリと日々が過ぎていきました。 そして、とうとうおかしくなりました。 ブレーキが壊れるような。雪の重みに耐え切れなくなった屋根が、突然潰れるような。 ふっと自分が壊れました。 薬をたくさん飲みました。ポケットにあった薬を全部。 フラフラになって、学校を早退して。 もう目の前は真っ暗に、絶望になりました。 何を大袈裟な、と思うでしょう。 でも、その子の存在はそれくらい大きなものでした。 私が壊れても、世界は回ります。時は進みます。 ある日、大きな光を見つけました。 黒く、暗く染まっていく私には眩しすぎる光でした。 目を瞑り、身を小さく閉ざしても、その光は見えました。 周りに、「必要以上に構うな」というオーラを出していたのに、その光は、彼は、 無遠慮に近づいてきました。 彼は、ニコニコと私にいたずらを仕掛けて、それに引っかかるとケラケラと笑いました。 私のちょっとした趣味に合わせてくれ、楽しそうにしてくれました。 この人のようになりたいと、微かに思い始めました。 彼は、自分の趣味を教えてくれました。 そして私を誘ってくれました。その話をする彼は、とても生き生きとしていました。 彼の趣味が、私の趣味にもなりました。 話が合うと嬉しくて、もっとたくさん知りたいと努力しました。 彼のような人になりたいと、努力しました。 気づいたら、笑顔が増えていました。 親友を忘れたわけではありません。 今でも大好きです。 ただ、その子への依存を解きました。 深海から引っ張り上げてくれて、 クラスから浮かずに済んだのは、 彼のおかげです。 彼もまた、私を助けたなんて、微塵も感じていないでしょう。 だからこれは、 誰も知らない、私だけの話。 だけど、知ってほしい気持ちもあります。そしてお礼を言って、伝えたい。 ありがとう。

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