放影研の最新の論文は、

「山下=鈴木、県民管理委員会」の根底を揺るがす

DATE: 09/28/2012 08:11:00 のiza blogを移転

標題の説明

 

  • 放影研=放射線影響研究所
  • 県民管理委員会=福島県県民健康管理調査検討委員会
  • 山下=山下俊一、福島県立医科大学副学長、福島県県民健康管理調査検討委員会座長
  • 鈴木=鈴木眞一、福島県立医科大学教授、福島県県民健康管理調査検討委員会オブザーバー、甲状腺検査担当の福島県災害医療調整医監

 

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なお山下俊一さんは、もと放射線影響研究所理事長・長崎大学教授であった長瀧重信さんの一番弟子。つまり、「山下=鈴木、県民管理委員会」は、放影研の末裔なのです。

 

その放影研が最近論文を発表しました。最近といっても、3月のことだそうです。英文雑誌に発表したので、英文です。

 

「100ミリシーベルトまでは大丈夫、広島・長崎の経験が物語っている」

 

という、山下さんや鈴木さんの信念を、お二人の本社ともいえる放影研が覆してしまったのです。では、四の五の言わずに、論文をご紹介します。まえがき(要約)の部分です。

 

 


 

Studies of the Mortality of Atomic Bomb Survivors, Report 14, 1950-2003:
An Overview of Cancer and Noncancer Diseases
原爆被爆者の死亡率の研究、レポート14、1950-2003:
がんとがん以外の病気の概要

 

Kotaro Ozasa,  Yukiko Shimizu, Akihiko Suyama, Fumiyoshi Kasagi, Midori Soda, Eric J. Grant, Ritsu Sakata, Hiromi Sugiyamaa and Kazunori Kodama


 

 

This is the 14th report in a series of periodic general reports on mortality in the Life Span Study (LSS) cohort of atomic bomb survivors followed by the Radiation Effects Research Foundation to investigate the late health effects of the radiation from the atomic bombs. During the period 1950-2003, 58% of the 86,611 LSS cohort members with DS02 dose estimates have died.

 

(1)これは、放射線影響研究所によって継続的に行われた、原爆被爆者コホートの一般的な寿命研究(LSS)にもとづく、被爆者の死亡率に関する14 番目ののレポートです。DS02 の線量推定によれば1950 年-2003 の間に86,611 人、LSS コホートメンバーの58 %が、死亡したことになります。

 

  • 註解:「原爆被爆者コホート」とは、調査対象者を固定し一生調査しつづけることです。この第14報は、86,611 人を1950 年-2003 の間フォローした結果の報告だといってます。

 

The 6 years of additional follow-up since the previous report provide substantially more information at longer periods after radiation exposure (17% more cancer deaths), especially among those under age 10 at exposure (58% more deaths). Poisson regression methods were used to investigate the magnitude of the radiation-associated risks, the shape of the dose response, and effect modification by gender, age at exposure, and attained age.

 

(2)以前のレポート以来6 年間を追加フォローし、被爆後の期間が延びた分のデータ(17%の癌死の増加)や、とくに被曝時10 歳以下においては(58%の癌死の増加)など、多くのデータを提供しています。ポアソン回帰の方法で、放射線関連のリスク、線量応答の形、性別、被曝時年令、到達年齢による影響の違いを解明しました。

 

  • 調査の対象とした人たち全体では、被曝してない人に較べて17%の癌死の増加を見、被曝時10歳以下の人たちでは、43~53年間の人生で、同じ年代の被曝してない人に較べて、58%の癌死の増加をみました。
  • 「ポアソン回帰」とは、線量が違う集団を比較するために、統計的に都合のよい区分けをする方法のひとつです


The risk of all causes of death was positively associated with radiation dose. Importantly, for solid cancers the additive radiation risk (i.e., excess cancer cases per 10^4 person-years per Gy) continues to increase throughout life with a linear dose.response relationship.


(3)死の原因となったすべてのリスクは、被曝線量と積極的に関連付けられました。重要なことは、固体癌の過剰放射線リスク(つまり、過剰症例10の4乗人・年/ Gy ごと) が、一生涯にわたって線形の線量―反応関係で増加を続けていることです。

 

  • 「過剰放射線リスク」とは、被曝した人が被曝しない人に較べて何人多く亡くなったか、ということです。ここでは10万人の集団で、較べています。
  • 「線形の線量―反応関係で増加」とは、反応(犠牲)の数が線量に比例して増加しているということです。

 

The sex-averaged excess relative risk per Gy was 0.42 [95% confidence interval (CI): 0.32, 0.53] for all solid cancer at age 70 years after exposure at age 30 based on a linear model.


(4)男女平均の過剰相対リスクは、線形モデルで解析したところ、被曝時30 歳で70 歳までの全固形がんで、Gy あたり0.42 でした[95%信頼区間: 0.32-0.53] 。

 

  • 「過剰相対リスク」とは、被曝してない集団の癌死の割合を1としたときに、被曝した集団ではその割合が1よりどのくらい多くなったかを示します。1グレイあたり4割2分増しといってます。


The risk increased by about 29% per decade decrease in age at exposure (95% CI: 17%, 41%). The estimated lowest dose range with a significant ERR for all solid cancer was 0 to 0.20 Gy, and a formal dose-threshold analysis indicated no threshold; i.e., zero dose was the best estimate of the threshold.


(5)被爆時の年齢が10 歳下回るごとのリスクの増加は、約29 % でした(95 %信頼区間CI: 17 %-41 %)。全固形がんにおける有意なERR(過剰相対リスク)が得られた最低線量区画は、0 から0.20 Gy の区画で、定式どおり線量-しきい値分析をしたところ、しきい値はありませんでした。すなわち、線量ゼロが最適なしきい値推定値だということです。

 

  • 「被爆時の年齢が10 歳下回るごとのリスクの増加は、約29 % でした」ということは、被曝時0歳は10歳の29%増し、10歳は20歳の29%増し、20歳は30歳の29%増し、ということですから、1.29の3乗 = 2.15 で、被曝時0歳は被曝時0歳の115% 増しということになります。
  • 「有意なERR(過剰相対リスク)が得られた最低線量区画は、0 から0.20 Gy の区画」とは、0~200mSvの区画で、統計的に確かなリスクの数値が得られたということです。200mSv以下では確かな値が得られなかったということではありません。
  • 「線量ゼロが最適なしきい値推定値」とは、線量ゼロになるまで、いかに低線量の被曝であっても癌死のリスクがある、ということです。

 

The risk of cancer mortality increased significantly for most major sites, including stomach, lung, liver, colon, breast, gallbladder, esophagus, bladder and ovary, whereas rectum, pancreas, uterus, prostate and kidney parenchyma did not have significantly increased risks.

 

(6)癌死亡のリスクは、胃、肺、肝臓、結腸、乳房、胆嚢、食道、膀胱、卵巣を含むほとんどの主要な臓器で有意に増加していました。直腸、膵臓、子宮、前立腺・腎臓では有意な増加は見られませんでした


An increased risk of non-neoplastic diseases including the circulatory, respiratory and digestive systems was
observed, but whether these are causal relationships requires further investigation. There was no evidence of a radiation effect for infectious or external causes of death.


(7)非がん疾患のリスクは、循環器、呼吸器や消化器系を含んで観測されました。しかし、これらの因果関係があるかどうかは、さらに調査が必要です。感染または外因死については、放射線影響の証拠はありませんでした。

 


その他、情報はこちらで

http://www16.atwiki.jp/pipopipo555jp/pages/3207.html












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