「国立がんセンター」、これでは…」


非常に重要な追記があります。 3/30 01:45

友人からのメール情報で今も更新中です。3/30 11:28

 

 

 「健康被害問題なし」

 

 

28日、国立がん研究センターの嘉山孝正理事長が緊急記者会見を行ったそうです。この『非常時』に際して、嘉山理事長は素人が相手だからといって、随分とイイカゲンなことを言うものです。

 

第1に、チェルノブイリで死亡した作業員数などは、ソ連政府が政治的配慮で表明した、最も少ない数をオウム返しに使っているようです。

最も重い急性放射線症候群となった作業員は、4千~6千ミリシーベルトの被ばくをした134人で、被ばくが原因で死亡したのは、そのうち28人だけ(※追記 3/31 参照

 

 

我が国の放射線医療は、チェルノブイリ原発事故の過小評価によって辛うじて成り立っているとでもいうのでしょうか? 日本のトップに立つ医師が、このようなことをいうのでは、1年に何回も無制限にX線CTを撮る(他病院で撮っても患者の被曝量は累積します)無知無謀なお医者さんが、全国に溢れているのも、うなづけます。

 

X線CTだって確率としては発ガンリスクがあります。嘉山先生ご専門の脳腫瘍の患者さんには、その診断や治療のために、発ガンリスク以上のメリットがあるでしょうが、病気でもなんでも無い人間に、そのリスクを押し付けてよいのでしょうか? とくに、放射線の遺伝子攻撃が身体の傷害となるリスクが高い、妊婦、胎児、乳児、幼児、若い人たちには心配です。

 

第2に、ヨウ素131の乳児に対する健康影響については、乳児の甲状腺への集積影響、それによる甲状腺がんや甲状腺肥大の増加など、チェルノブイリで起きた結果を充分に考慮しているとはいえません。

 

我が国の摂食規準値は、チェルノブイリの放射線災害を過少に評価しすぎていると、世界の学者たちから批判されている、ICRP(国際放射線防護委員会)の見解と換算係数を採用しています。

 

それ自体がもともと問題なのですが、それを採用せざるを得ない国立研究機関の責任ある学者が、その説明においてスリカエを行っているのですから、「何をかいわんや」といえましょう。

 

今日本で問題になっている。ヨウ素131の水道水の汚染について、肝腎の乳児への影響を説明するのに、嘉山理事長もしくは伊丹放射線科長は、ICRP成人のための「換算係数」で説明して計算しています。記事下線部の

水道水1キログラム当たり210ベクレルの放射性ヨウ素を検出、乳児の基準100ベクレルを超えた。だがこれは216リットルを飲むと、1ミリシーベルトの被ばくを受けるという量

の部分です。 

これは、

経口した場合の係数: 

2,2x10のマイナス8乗(Sv/Bq) 

という成人のための係数を使ったものです。

http://www.remnet.jp/lecture/b05_01/4_1.html

210Bq/L X 216L X 2,2x10のマイナス8乗Sv/Bq

=9,979x 10のマイナス4乗Sv

≒1x 10のマイナス3乗Sv

=1ミリSv

乳児のことをいうなら、乳児のための影響係数を用いなければならないのではありませんか?

 

もし新聞記者に誤解があるというなら、国立がんセンター首脳部は至急訂正を申し入れてください。あなたがたの説明による誤解が世論となって、基準値が改定されようとしているからです。誤解を与えたあなた方の国民に対する責任なのですから。

 

よくよく胸に手をあてて考えてください。

 

 

http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011032801000862.html

原発事故、健康被害の心配なし がんセンター緊急会見

2011年3月28日 20時33分

 

 福島第1原発事故で、周辺地域で通常より高い放射線や放射性物質が観測、検出されていることについて、国立がん研究センターの嘉山孝正理事長らが28日午後、緊急記者会見を開き「原発で作業を行っている人以外、ほとんど問題がない。正しい知識に基づいた冷静な行動を取ってほしい」と平静を保つよう求めた。

 

 ▽喫煙と同じ

 

 自然の放射線以外で、一般の人が被ばくしても問題にならない1年間の量は1ミリシーベルト。今回の原発事故ではまず、一般の人がこれだけ被ばくすることは、現時点で考えにくいという。

 

 実際は1ミリシーベルトもかなり余裕をみた数字だ。同センターがん対策情報センターの祖父江友孝がん情報・統計部長によると、広島や長崎の被爆者でも、一度に浴びた量が200ミリシーベルト以下だと、白血病やがんの発症との関係ははっきり確認できないという。祖父江部長は「時間をかけて被ばくした場合の影響は、さらに少なくなる」とした。

 

 

 逆に成人が一度に千ミリシーベルトを被ばくすると、がんの発症リスクが1・6倍に上昇するが、これは非喫煙者と比べた場合の喫煙者に生じる危険性と同レベルだという。

 

 同センター中央病院の伊丹純・放射線治療科長は「福島第1原発から放出されている放射性物質の量は、1986年に起きた旧ソ連のチェルノブイリ原発事故よりも少ない」と指摘。

 

 

 最も重い急性放射線症候群となった作業員は、4千~6千ミリシーベルトの被ばくをした134人で、被ばくが原因で死亡したのは、そのうち28人だけ。全体で数十万人が現場で作業に当たったが、千ミリ以上被ばくした人に限って、白血病などにかかる割合の上昇が示唆されたという。

 

 ▽ヨウ素対策が大事

 

 20年間の追跡調査の結果によると、チェルノブイリ事故で周辺住民が受けた深刻な健康被害は、ほぼ放射性ヨウ素による被ばくに限られる。その影響で発生した甲状腺がんの多くは、ヨウ素剤服用で防げたはずで、当時のソ連では一律にヨウ素剤は配布されなかったが、配られた地域では発生率は低かった。

 

 ヨウ素剤服用のタイミングについて伊丹科長は「一度に100ミリシーベルトの被ばくが予測される前6時間もしくは、被ばく後3時間以内」と説明。発症までに長い時間がかかることなどから、40歳以上の人はそもそも服用の必要がないという。

 

 放射性ヨウ素による健康被害は若いほど、特に乳児に対して大きい。東京都水道局の浄水場では22日に、水道水1キログラム当たり210ベクレルの放射性ヨウ素を検出、乳児の基準100ベクレルを超えた。だがこれは216リットルを飲むと、1ミリシーベルトの被ばくを受けるという量。伊丹科長は「実生活で問題になる量ではなく、ヨウ素剤が必要となるような被ばくでもない」とした。

 

 「心配なのは、原発で作業をする人」と嘉山理事長。造血機能が低下する恐れもあるので、将来に備え「事前に自分の末梢血幹細胞を保存することを提案する」とした。

これはWEBで拾えた共同通信の記事ですが、同様の記事は他紙にもあるようです。私が読んだ29日東京新聞24面にも、「規準値」や「ベクレルからシーベルトへの換算」について、初めての記事として精しく書かれていました。

 

 

追記 3月30日 01:35

 

日本の放射線診断、放射線治療の最先端を自負する国立がん研究センターのトップにたつ医師たちは、3重4重の誤りを犯して、放射線リスク人体影響に関して2桁もの誤認を国民に押し付けたことが分かりました。

 

国立がん研究センター理事長たちが行った記者たちへのレクチャー。そこでに用いた、労働厚生省の飲料水や食物にかんする摂取量の暫定規準は、原子力安全委員会がさだめた「実効線量係数」によって数値が定められたものです。

 

したがって、それを用いて論じなければなりません。

私はWEB上を必死に探してみました
 

やっと見つかりました。
環境放射線モニタリング指針」平成 20年 3月 原子力安全委員会
http://www.nsc.go.jp/anzen/sonota/houkoku/houkoku20080327.pdf
これのP42~

I 線量の推定と評価法
2.内部被ばくによる預託線量
の項に、「ベクレル」から「シーベルト」へ換算するための「実効線量係数」が記されていました。
 

記述を抜粋します

2.内部被ばくによる預託線量

 

ある放射性核種の一年間の経口摂取又は呼吸による預託実効線量は、〔表I-1〕の実効線量係数を用いて次式により計算することができる。
 

 

預託実効線量(mSv)=実効線量係数・表I-1の値(mSv/Bq)×年間の核種摂取量(Bq)
 

 

市場希釈補正、調理等による減少補正は必要があれば行う。

 

(中略)

 

また、放射性ヨウ素については、〔表I-2〕より、年齢に応じた適切な実効線量係数を用いる。

 

なお、原則として甲状腺等の預託等価線量は平常時のモニタリングにおいては算定の必要性はないが、原子力施設からの予期しない放射性物質の放出があった場合等において放射性ヨウ素による甲状腺の預託等価線量が相当に上昇する可能性があって算定の必要が生じた場合には、〔表I-3〕の線量係数を用いて、上記と同様な方法で計算できる。なお、計算に用いる呼吸率は〔表I-4〕に示した。

 

(後略)

これに忠実に添って計算してみましたところ、国立がん研究センター理事長らのレクチャーが、全くのデタラメであることが良く分かりました。

 

(1)甲状腺蓄積を考えなくて良い低レベル:大人の場合
〔表I-1〕1Bqを経口又は吸入摂取した場合の成人の実効線量係数(mSv/Bq)

I-131 経口摂取  1.6×10-5
を線量係数として用います。
 

すると、210ベクレル/リットルの水を何リットル飲むと、通常人大人の1年間の定められた限界実効線量1ミリシーベルトに達するかは、次の式のXとして得られます。
 

1mSv=1.6×10-5mSv/Bq × 210Bq/L × X L
X=1÷(1.6×10-5)÷210
=2.98×10-3×10+5
=298リットル
 

結果は、被曝限界実効線量1ミリシーベルトに達する量は、298リットルとなり、国立がんセンター値よりも大きくなります。

 

しかし、
(2)同、小児や乳児では
〔表I-2〕1Bqの放射性ヨウ素を経口又は吸入摂取した場合の幼児及び乳児の実効線量係数*(mSv/Bq)の値
I-131 経口摂取  幼児7.5×10-5  乳児1.4×10-4
を用いなければなりません。すると、

 

幼児(~4歳)
X=1÷(7.5×10-5)÷210
=6.35×10-4×10+5
=63.5リットル

となって
定められた限界実効線量1ミリシーベルトに達する量は、わずか63.5リットルです。

 

乳児(~1歳)
X=1÷(1.4×10-4)÷210
=3.40×10-4×10+5
=34.0リットル

となって
定められた限界実効線量1ミリシーベルトに達する量は、わずか34.0リットルです。

 

ところが、さらに、


(3)甲状腺蓄積を考えなくては高レベルでは
今回のような原子力施設からの予期しない放射性物質の放出があった場合においては、甲状腺の預託等価線量として
〔表I-3〕1Bqの放射性ヨウ素を経口又は吸入摂取した場合の成人、幼児及び乳児の甲状腺の等価線量に係る線量係数(mSv/Bq)

I-131 経口摂取 

成人3.2×10-4 

幼児1.5×10-3 

乳児2.8×10-3
を用いなければなりません。すると、

 

成人では
X=1÷(3.2×10-4)÷210
=1.49×10-3×10+4
=14.9リットル
限界実効線量1ミリシーベルトに達する量は、わずか14.9リットルです。 

・・・・成人6日分ぐらいの飲料水でしょうか

 

幼児では
X=1÷(1.5×10-3)÷210
=3.17×10-3×10+3
=3.17リットル
限界実効線量1ミリシーベルトに達する量は、わずか3.17リットルです。
・・・・体重15kg幼児で2日分ぐらいでしょうか


乳児では
X=1÷(2.8×10-3)÷210
=1.70×10-3×10+3
=1.70リットル
限界実効線量1ミリシーベルトに達する量は、わずか1.70リットルです。
・・・・1歳児体重10kgでしたら1.5日分もありません


 

これほど、シビアな値になります
 

あくまでもICRP(国際放射線防護委員会)の勧告に準拠した、原子力安全委員会の規準に従った結果です。

 

 

 

ここまできて、私の体には震えがきました。

 

日本の医学界を指導する、国立がんセンターの著名な医師たちが、「緊急記者会見」と称して、


1.70リットル/216リットル=1/y
y=127


原子力安全委員会の127倍ものニセ許容値を示して、国民を騙し、洗脳したことを。


 

もしこれが本当なら、日本は恐ろしい国です。


専門家とマスコミは、

至急、確かな情報によって、

これを差し替えてください。

 

それをしなければ、
日本国民および日本居住民は

世界に笑われる前に、

自分の身を守る知識を失ったが故に、

滅びてしまうでしょう。

 

追記2 3/30 0543

 

なお、緊急記者会見中に例示されていたとおり、

210ベクレル/リットルの水道水を216リットルを飲んだとすれば、 

原子力安全委員会の実効線量係数を使えば、

乳児の実効線量は、

 

実効線量

=2.8×10-3ミリシーベルト/ベクレル×210ベクレル/リットル×216リットル 

=1.27 × 10+5 × 10-3

=127 ミリシーベルト

 

にもなって、

通常人のリミットである1ミリシーベルトの127倍、

「放射線安全主義者」の皆さんが放射線急性傷害発生の境目だという、100ミリシーベルトも軽く超えてしまうのです。

 

まったくムチャクチャな内容の記者会見です。

2桁も、国民に伝えるべきデータを改竄していたのです。
 
 ※意図的な改竄でないとしたら、
   理事長らは、飲食物の暫定規準算出の基礎となっている
   原子力安全委員会の基本文書を全く読んでない、
   ということを示しています。
 ※基本文書とは、
  ■「原子力施設等の防災対策について」原子力安全委員会
   http://www.nsc.go.jp/shinsashishin/pdf/history/59-15.pdf
   5-2 防護対策(抜粋)⑤ 飲食物摂取制限について
   5-3 防護対策のための指標(3) 飲食物の摂取制限に関する指標
  ■同付属資料14 「飲食物摂取制限に関する指標について」
   第39回原子力発電所等周辺防災対策専門部会(平成12年4月14日)
  ■「環境放射線モニタリング指針」平成 20年 3月原子力安全委員会
   http://www.nsc.go.jp/anzen/sonota/houkoku/houkoku20080327.pdf
  ■「発電用軽水型原子炉施設周辺の線量目標値に対する評価指針」平成13年3月29日更新
    原子力安全委員会(追記)
   http://www.nsc.go.jp/shinsashishin/pdf/1/si016.pdf
  ■「線量評価用パラメータの見直しについて」平成19年12月7日原子力安全委員会事務局
   http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/kanhou_shishin/kanhou_shishin005/siryo5-3.pdf
  ■「(別紙)放射性物質を含む水道水の飲用以外の利用に関するリスクについて」
   http://trustrad.sixcore.jp/wp-content/uploads/2011/03/8b53ba068992b396bd3bd85b72846a98.pdf
   です。もちろん、私もこの数日で知ったのですから、他にもあるでしょう。

 ※なお、総ての元になって居るらしい、ICRP(国際放射線防護委員会)の
  当該勧告文書(72番)は、国会図書館の検索に掛けてみましたが見つ
  かりません。国会議員さんでも読んだ人はおそらくいなさそうです。
  ICRPのウブサイトからCDロムを注文すれば買えるみたいですが、誰で
  も買えるかどうかは知りません。

  ※日本の原子力安全委員会が定めた「平常時」「成人」に適用する係数が、

   国際機関ICRPのそれと違うのは、日本人の食生活などが考慮された可能

   性が考えられますが、原子力安全委員会に尋ねるまでは、想像の域を出

   ません。

 

  ※「文部科学省の委託事業として、(財)原子力安全研究協会が運営して

   います。」というWEBサイトも、おそらく、原子力安全委員会が定めた

   指針を読まずに編集されているのだと思います。

   『緊急被曝医療研修のためのホームページ』

   http://www.remnet.jp/lecture/b05_01/4_1.html

   そして多分、ICRP(国際放射線防護委員会)の勧告文書(72番)のプリン

   シプルはオミットされているのでしょう。

   

  ※ 「環境放射線モニタリング指針」平成 20年 3月 原子力安全委員

   会を使って、いろいろ試算作業することによって、先日の安全委員会に

   よるSPEEDI線量シミュレーションが、「乳児の甲状腺当量」といって

   いた意味が、いくらか分かってきました。そういう条件での換算係数を用

   いた、という意味だったのですね。 

 

   ※ 210ベクレル/リットルが検出された時、乳児がいる家庭にペットボト

   ル3本1.5リットルずつを配ったのは実に適確で、1日分を凌ぐ最低限の

   措置であり、大袈裟でもなんでもなかったのです。

 

 

(※追記 3/31)

これは陪席者である伊丹純・放射線治療科長の説明であったかもしれませんが、嘉山理事長の下での発言であることには変わりありません。これは恐らく、

「国連科学委員会の総会に対する2000年報告書」の記述からのものだと思われます。

チェルノブイリ事故は、その直後に多くの重篤な放射線障害をもたらした。1986年4月26日早朝にサイトにいた600人の作業者の中134名が高線量(0.7-13.4Gy)を受け、放射線症となった。この中28名が最初の3か月以内に、他に2名が事故直後に死亡した。

これは「原子力百科事典ATOMICA」の要約ですが、どのような伝言ゲームを経たのか、超一流医学者のトンデモ発言に変質してしまったようです。国立がんセンターでは、『3ヶ月以内の急性放射線傷害しか問題にしない』ということの証明でしょうか?もしそうなら、甲状腺がんなど後発性被曝傷害を問題にする飲食物の規制に対して、国立がんセンターは、もはや発言する資格がないといえましょう。

(なお、この国連への報告書は、チェルノブイリ原発事故の過小評価だとして批判を受けています。)







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最終更新:2019年02月07日 22:17