4月5日朝7時のNHKニュースのトップ6項目を心覚えして置きます。
(1)原発内部の危機的状況を回避するための緊急避難として、「低レベル汚染水」の海洋投棄を決定、政府が即承認して4月5日19:00ごろから投棄が始まった問題。
NHK:下記
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110405/t10015101811000.html
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110404/k10015096941000.html
各社:
(2)2号機タービン建屋、「トレンチ」、「ピット」からからの「超高レベル汚染水」の漏出が一向に留められない問題
NHK:下記
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110405/k10015101701000.html
各社:
(3)北茨城市沖でとれたコウナゴ(小女子)から、4080ベクレルのヨウ素131が検出された問題。
NHK:下記
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110404/k10015085781000.html
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110404/k10015097061000.html
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110404/k10015097061000.html
各社:
(4)原発北西30キロを少し超える「浪江町のある地点」で、積算放射線量が退避命令の目安の10ミリシーベルトを超えたにもかかわらず、原子力安全委員会が「だいじょーぶダ~」と声明した問題
NHK:
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110404/k10015095581000.html
各社:
(5)農産物の出荷制限は、県単位ではなく市町村単位に変更する問題。週1回検査して、3回基準値を下回れば規制解除。厚生労働省として検討して、「暫定」値を承認、変更なし。
NHK:
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110404/t10015092311000.html
各社:
http://news.google.co.jp/news/more?pz=1&cf=all&ned=jp&cf=all&ncl=dbid3ApC-P9C2yM9SM2cFIkJSC01M
(6)夏の電力使用制限の問題。
NHK:
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110405/t10015101661000.html
(1)~(5)までは、命と健康の問題として、何れも大問題です。
可能な限り個別のエントリーを建てていきたいと思います。
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(1)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110405/t10015101811000.html
福島第一原子力発電所の事故で、東京電力は4日夜、施設内にたまっている低レベルの放射性物質に汚 染された水を海に放出するという措置に踏み切りました。法律に基づく「緊急時のやむをえない措置」として国も了承しましたが、低レベルとはいえ、みずから 放射性物質を海に放出するという異例な事態となっています。国や東京電力には、海への影響の監視の強化や、汚染された水の放出をできるだけ抑えるための対 応が急がれるとともに、こうした措置に踏み切った詳しい説明が求められます。
福島第一原発では、2号機のタービン建屋の地下にたまった水などから、高濃度の放射性物質に汚染さ れた水が見つかっているほか、さらに同じような高い濃度の汚染水が海に直接流出し、一刻も早く海への流出を止めることが求められています。ところが、流出 を食い止めるために検討されていた対策がことごとくうまくいっていないほか、タービン建屋の地下にある高濃度の汚染水の処理なども難航しており、東京電力 によりますと、緊急に対策を取らなければ外部の環境などに危険が生じるおそれがあると判断したということです。このため東京電力は、高濃度に汚染された水 の貯蔵先を確保する必要があるとして、施設内にたまっている低レベルの放射性物質に汚染された水を4日夜、海に放出する措置に踏み切りました。
これは、原 子炉等規制法の64条に基づく「緊急時の措置」で、4日の午後3時に経済産業省の原子力安全・保安院に報告され、その後、30分以内という短時間に国の原 子力安全委員会から助言を受けたうえで、「やむをえない措置」として了承されました。
これを受けて東京電力は、4日夜7時すぎから「廃棄物集中処理施設」 にたまっているおよそ1万トンの低レベルの汚染水を、また、5号機と6号機の地下水を集める「サブドレンピット」と呼ばれる施設にたまっている合わせて 1500トンの低レベルの汚染水を4日夜9時から放出を始めました。今後、数日かけて海に放出するとしています。
東京電力によりますと、放出される水に含 まれる放射性物質の濃度は、法律で定める排出基準の限度のおよそ100倍に当たりますが、付近の魚などを毎日食べ続けた場合に、1年間に受ける放射線量は 0.6ミリシーベルトで、一般の人が1年間に浴びても差し支えないとされる1ミリシーベルトを下回るとしています。
ただ低レベルとはいえ放射性物質を海に 放出するという重大な決断が何の前触れもなく、急に発表されたうえ、そこまでせっぱ詰まった状況だったのか、国や東京電力も4日の記者会見で、十分に説明 しきれていません。事故の発生から3週間余り、みずから放射性物質を海に放出するという異例な事態となっており、国や東京電力には、海への影響の監視の強 化や、汚染された水の放出をできるだけ抑えるための対応が急がれるとともに、こうした措置を取ったことへの詳しい説明が求められます。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110404/k10015096941000.html
福島第一原子力発電所の周辺の海水からは、先月30日に、法律で定められた基準値の4000倍を超える放射性物質が検出されましたが、その後、数値は下がっているものの、引き続き高い水準で検出されていることが分かりました。
東京電力によりますと、福島第一原発の周辺で行っている海水の調査で、1号機から4号機の水を流す放水口の南、330メートルの地点で、先月31日の午後2時に採取した海水から、国の基準値の2200倍にあたる1cc当たり87ベクレルのヨウ素131が検出されました。
また、この地点からおよそ1.6キロ北にある福島第一原発の5号機と6号機の水を流す放水口の北、30メートルの地点では、今月1日午前8時40分に採取された海水から、国の基準の3000倍にあたる1cc当たり120ベクレルのヨウ素131が検出されました。
この調査では、1号機から4号機の放水口の南、330メートルの地点で、先月30日に基準値の4385倍にあたるヨウ素131が検出されるなど、連日、高い濃度の放射性物質が検出されています。
数値は、その後、下がる傾向にありますが、ヨウ素131の濃度のレベルは3日午後の時点で、1号機から4号機の放水口の南、330メートルの地点で基準値の630倍、5号機と6号機の放水口の北、30メートルの地点で基準値の240倍と引き続き高い水準で検出されています。
また、海での拡散の状況を調べるため、東京電力は2日から沖合15キロの3か所で海水の調査を始めましたが、3か所のうち最も北にある福島第一原発の東、15キロの地点で採取した海水から基準値の3.7倍にあたるヨウ素131が検出されました。
海水に含まれる放射性物質のデータについては、東京電力が放射性物質の種類や濃度を計算するプログラムの一部にミスがあったとして今月1日から公表を一時中断してデータの精査を進めていました。
(2)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110405/k10015101701000.html
東京電力・福島第一原子力発電所で、「ピット」と呼ばれる施設から高濃度の放射性物質に汚染された水が海に流出し続けている問題で、東京電力は、5日からこの施設の周りを特殊な薬剤で固めて、流出を食い止める対策を始めることにしています。
福島第一原発では、2号機の海沿いにあるピットと呼ばれる電源ケーブルを納めた施設から、今月2日 に高濃度の放射性物質に汚染された水が海に流出しているのが見つかりました。東京電力は、このピットにコンクリートを流し込んだり、汚染された水のルート を遮断するため、ピットにつながる配管に水を含むと膨張する「吸水性ポリマー」などを投入したりしましたが、ピットから海への水の流出は止まりませんでし た。このため東京電力は、汚染された水は、配管などの亀裂からピットの周りにある石を敷き詰めた層にしみ出し、ピットを通じて海に流れ出していることが考 えられるとして、地上から穴を掘って、石の層に特殊な薬剤を流し込んで固める新たな対策をとることにしました。また汚染された水が、周辺の海に拡散するの をできるだけ抑えるため、東京電力はピットからの水が流れ込んでいる2号機の取水口付近や、外海への出口になっている防波堤の突端部分など、海のあわせて 3か所に「シルトフェンス」と呼ばれるカーテン状の覆いを設置することを検討しています。
(3)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110404/k10015085781000.html
福島第一原子力発電所の事故の影響で漁を見合わせている茨城県ひたちなか市の2つの漁協が、4日、魚の安全性を調べるため、サンプルを取る漁を行いました。
茨城県では、漁港や漁船が津波で大きな被害を受けたうえ、福島第一原発の事故の影響で漁の見合わせ が続いていて、4日は、ひたちなか市にある那珂湊漁協と磯崎漁協が魚の安全性を確かめるため、サンプルを取る漁を行いました。このうち、那珂湊漁協では沖 合6キロ付近で取ったイワシや13キロ付近で取ったヒラメなどを水揚げしました。磯崎漁協では沖合300メートル付近で取ったマコガレイや沖合2キロ付近 で取ったコウナゴなどを水揚げしました。2つの漁協では、4日に取れた魚を県の機関に依頼して調べることにしていて、結果は5日に分かるということです。 那珂湊漁協の根本一実参事は「原発から汚染された水が海に流れ出ている状況が続いているということだが、一刻も早く止めてもらいたい。取引先の小売店から は今後も定期的に検査を行ってほしいという要望があり、対応していきたい」と話していました。茨城県内では、大洗町、鹿嶋市、神栖市の3つの漁協が今月1 日にサンプルの漁を行った結果、放射性物質の量が国の暫定基準値を下回ったとして、2日、安全宣言を出しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110404/k10015097061000.html
茨城県沖のコウナゴから1キログラム当たり4000ベクレルを超える放射性ヨウ素が検出されまし た。これについて、厚生労働省は「食べたとしても直ちに健康に影響を及ぼす値ではない」としたうえで、魚については暫定基準値が設定されていなかったた め、早急に基準値を検討する方針を示しました。
厚生労働省によりますと、北茨城市沖1キロ付近で今月1日に取れた「コウナゴ」から1キログラム当 たり4080ベクレルの放射性ヨウ素が検出されました。放射性ヨウ素は、野菜類については1キログラム当たり2000ベクレルという暫定基準値が設けられ ていますが、肉や魚、卵、それに穀類には暫定基準値が設けられていません。これにについて、厚生労働省は「放射性ヨウ素は、放射性セシウムと違って半減期 が8日間と短い。海では拡散するスピードも速いため、魚の場合は、人が食べるまでには相当程度薄まると考えられていたため」としています。また、今回のコ ウナゴの数値について、厚生労働省は「食べたとしても直ちに健康に影響を及ぼす値ではない」としたうえで、魚の暫定基準値を早急に検討する方針を示しまし た。
(4)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110404/k10015095581000.html
福島第一原子力発電所から北西に30キロ余りの浪江町の地点で、3日までの11日間、連続して屋外にいた場合に浴びる放射線の量が、屋内退避の目安とされる10ミリシーベルトを超えました。この地点では、それ以前からも高い放射線量が続いていますが、国の原子力安全委員会は「地域は限定的であり、現時点では屋内退避の地域を変更する状況にはない」としています。しかし、専門家は「国が決めた目安の値を超えているのに、住民への十分な説明がないのは問題で、国は住民への説明責任を果すべきだ」と指摘しています。
文部科学省は、避難や屋内退避の指示が出ていない30キロ圏外の地域でも、局地的に比較的高い放射線が検出されていることから、合わせて13か所に放射線量を連続して測定し積算できる計測器を設置し、放射線量の変化を監視しています。
その結果、原発から北西30キロ余りに位置する浪江町の1か所で、3日までの11日間、仮に連続して屋外にいた場合の積算で、10.3ミリシーベルトの放射線量が検出されました。
この値は、自然に浴びる放射線や医療用を除いて、一般の人が浴びて差し支えないとされる限度の値の10倍ですが、直ちに健康に影響が出るレベルではありません。しかし、国は一般の住民の被ばく量を少しでも減らすため、屋内退避の適用を検討する目安とされる値として10ミリシーベルトを示していて、その値は超えています。
この地点では、それ以前からも高い放射線量が続いていましたが、国の原子力安全委員会は「目安の放射線量を超えている地域は限定的であり、現時点では屋内退避の地域を変更する状況にはない」としています。
これについて、放射線の人体への影響に詳しい広島大学原爆放射線医科学研究所の星正治教授は「国が決めた目安の値を超えているのに、住民への十分な説明がないのは問題だ。値はあくまで目安なので、状況に応じて対応を検討することは必要だが、不安を感じている住民への説明責任を果すべきだ」と話しています。
(5)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110404/t10015092311000.html
枝野官房長官は、記者会見で、国の暫定基準を超える放射性物質が検出された農産物の出荷制限の設定と解除の対象範囲について、都道府県単位だけなく、市町村単位など、より細かい地域の単位でも行うことを発表しました。
政府は、国の暫定基準値を超える放射性物質が検出された福島、茨城、栃木、群馬の各県で生産されたほうれんそうや、かきな、それに福島県や茨城県で生産された原乳などについて、出荷制限を関係する県などに指示しています。
これについて、枝野官房長官は午後の記者会見で、出荷制限の設定と解除の対象範囲について、これまで都道府県単位を対象としていましたが、今後は、市町村単位など、より細かい地域の単位でも行うことを発表しました。
これに基づいて、4日、新たに、▽千葉県の香取市と多古町で生産されたほうれんそうと、▽旭市で生産されたほうれんそう、チンゲン菜、春菊、サンチュ、セロリ、パセリについて、出荷を制限するよう千葉県知事に指示しました。
また、枝野長官は、摂取や出荷の制限について、1週間ごとに検査を行い、3回連続で放射性物質が基準を下回っていることが確認されれば制限を解除することとし、制限の解除後も、原子力発電所から放射性物質の放出が継続している間は、1週間ごとに検査を行うことを明らかにしました。
さらに、枝野長官は、福島第一原子力発電所の事故を受けて定められた、食品に含まれる放射性物質の暫定基準値について、妥当だとして、当分の間、見直しを行わないとしました。
これについて、枝野長官は「今後さらにきめ細かく規制の監視を行っていくので、単に産地による風評に基づく対応がないよう、冷静に対応をお願いしたい」と述べました。
(6)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110405/t10015101661000.html
政府は、ことしの夏に東京電力の管内で、電力の大幅な供給不足が見込まれることから、大規模な工場など大口の需要家に対し、法律に基づく電力の使用制限をかけることについて、経済界などと具体的な調整に入りました。
東京電力の管内では、ことしの夏、電力の大幅な供給不足が見込まれていることから、政府の電力需給緊急対策本部は、今月末をめどに総合的な対策をまとめることにしています。その一環として政府は、電気事業法に基づいて、大規模な工場など大口の需要家に対し、使われる電力のピークを通常よりも抑え、それに違反した需要家には罰金を科すことのできる電力の使用制限を実施する検討を進めています。
企業の節電を巡っては、日本経団連が月内に行動計画を策定することにしていますが、企業の間からも、節電の効果を高めるためには法的な強制力が必要だという意見が出されています。このため政府は、使用制限を実施する場合の具体的な条件などについて経済界との間で調整に入ったもので夏の電力使用のピークとなる平日の午前10時から午後9時にかけて電力の使用を制限することなどを柱に調整を進めることにしています。
ただ、東京電力の管内では販売電力量に占める家庭のシェアが3分の1ほどにまで高まっていることから、政府は、大口需要家に対する使用制限を検討する一方で、法律で制限の対象になっていない中小企業や家庭に対しても、電力消費の削減目標を設けて節電を要請する方向で具体的な目標値などの検討を急いでいます。
電力の使用制限は、第一次石油ショック直後の昭和49年に実施されたことがあります。当時は、主力だった火力発電所の燃料不足に対応するため石油の使用量を削減することが主な目的でした。しかし、政府がことしの夏に電力の使用制限を検討しているのは、石油ショックの当時とは大きく事情が異なります。それは原発の事故などで電力の供給不足が懸念されていることから、大規模な停電を回避するために、電力使用のピークを電力を供給できる範囲に抑えなければならないからです。
このため政府は、使用制限とともに▽電力使用が減る夜間に工場を操業してもらうことや▽企業の間で夏休みの期間をずらしてもらうことなど、夏場の電力消費を抑える対策を検討しています。
ただ、現在、全国の家庭で使われる電力の使用量は、石油ショック前の昭和45年に比べ、5倍以上に増えており、大規模な工場など大口の需要家の電力使用を抑えるだけでなく、家庭での電力使用をいかに抑えるかが重要な課題となっています。