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一つ罪なき男女を殺し、二つ開いた殺し合い、三つ卑劣な管理人を、退治てくれよ鬼淑女  ◆m8iVFhkTec




鬼女は激怒した
必ずや、かの邪智暴虐のひろゆきを社会的に抹殺せねばならないと決意した
彼女は家庭においてはごく一般的な可愛い奥様である
だが、インターネットの世界では、未成年犯罪者や不正行為で私腹を肥やす企業などを社会的に抹殺する組織『鬼女』の一人である
たった一枚の写真から住所を割り出し、またたく間に個人情報を暴いてネットに公開する…
そんな彼女たちの情報収集能力は、CIAにも匹敵するとも言われている

もちろん暇つぶしで行うこともあるだろうが、彼女たちの原動力はそれだけではない
『正義感』
既に3人の命を奪い、そして多くの人間に殺し合いを強要したひろゆきの所業は許されるべきではない
絶対に吊るし上げられなければならない!決して逃がしたりはしない!

「待ってなさいひろゆき…アタシから平和な日常を奪った罪、必ず後悔させてやるわ!」

一人で行動しても勝ち目はない、まずはコネクションを作らなくてはいけないだろう
多数派の力こそが、相手を追い詰めるのに最も容易で、何よりも強大なのだから

近くに落ちているデイバックを拾い上げたところで、彼女はすぐ近くに神社があるのに気がついた
こんな道の真ん中で中身を確認するのも良くないし、とりあえず神社内へ行こう
石段を登り、鳥居をくぐったところで、彼女は神社の前に人影があるのに気がついた


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「う、うぅ~ん…」
日本鬼子(ひのもとおにこ)は小さくうめき声を上げながら目を覚ました

ここは一体どこなのでしょうか?
変な男に突然「殺し合いをしてもらいます」などととんでもないことを言われましたが…

先ほどの変な空間ではないみたいです
ひんやりとした空気から、おそらく室外だとは思いますが…

鬼子は目をこすり、周囲の様子を確認する
やけに眩しく感じていたが、どうやら電灯の光の下にいるようである
木製の床、目の前には木箱…というより賽銭箱が置かれており、天井には大きな鈴とそこから垂れる紅白が織り込まれた紐…
そう、おそらく自分は今、神社の屋敷の扉の前にいるのだ

鬼子は着物の裾をはたきながら立ち上がる
なんとなく賽銭箱の前に立ち、鈴を鳴らしてみた
深夜の静まった世界に、ガシャンガシャンと頼りない音が響く、ついでに手を二回ほど叩いて祈っておく
とりあえず無事に帰れるようにと願っておいた。賽銭が無いのが残念である
目を開けて下を見ると、足元にデイバックが転がっていることに気づいた

あの男、確か名前を「ひろゆき」と言っておりました
罪のない女性と、勇気ある男性、そしてアザラシのような生き物を殺めた非道な人物
まともな人間の所業では無い、おそらく彼は心を『鬼』に取り憑かれた被害者なのではないでしょうか?
もしもそうであれば、彼の心に住まう鬼を退治するのは私の役目です
このデイバックの中には、その「殺し合い」をさせるための武器などが入っているのでしょう
どうか、これ以上被害者を増やさないためにも、私の力になってくれる道具が入っていますように…

願いも虚しく、日本鬼子は困惑せざるを得なかった
デイバックの中に入っていたのはトゲトゲした変な剣、なんか変な雑草、そして画面ばかりでボタンの無い変な機械が出てきた
付属されている説明書に目を通すも
『グラットンソード:高い攻撃力を誇る片手剣。全ステータスが-1されるが、VITが+7される』
『これね、ミキプルーンの苗木』と、意味不明の一言
機械の方に至っては説明書が付いていなかった
剣はともかく、他の二つはどうやって扱えばいいのかさっぱりわからない…

と、その時、石段を歩く足音が響き、一人の女性がこちらに近寄ってきた
鬼子は反射的に剣を女性に向けて、質問をぶつけた

「…貴女は殺し合いには乗っていますか?」
「いいえ安心して、私は殺し合いには反対派よ。アナタのような若い女の子まで巻き込まれてるのに、怒りを感じるほどよ」

女性は柔和な顔でそう言う
そして、自分に向けられている剣をチラリと見て、なだめるような口調で話した

「だから、その物騒な剣を降ろしてもらえるかしら?」
「いいえ、まだ信用には足りませんわ。油断させて闇討ちすることも考えられますもの」

依然として警戒を解かない鬼子に対し、鬼女は大きく息を吐くと静かな口調でこう言った

「…そう、それじゃあ、アタシの思いを聞いてもらえれば信用してくれるかしら」
「ええ、話してみてください」

鬼子が了承した直後、女性の顔から柔らかな笑顔が消えた
目をカッと見開いて、歯をむき出しにし、叩きつけるような口調で早口で語りだした

「アタシはね、他人の命を軽々しく奪って平気な顔をするゴミクズみたいな人間が死ぬほど嫌いなのよ!
 アナタ知ってる? 最近のいじめは、『ある一人の子をいじめて、その子が何日で自殺するか』だなんてゲーム感覚で行うところもあるらしいのよ?
 しかも未成年を理由に、犯罪を犯してもテレビでは名前も顔も明かされない!少年院に入っても数年後にはケロリとした顔で出てくる!
 こんなバカみたいな話ほかにあると思う? いじめられて苦しんで、悩んで、そして自殺した子供は未来を奪われたのに、
 ゲーム感覚で『人殺し』をしたクズは、大したペナルティを受けずにのうのうと生きていけるのよ?
 アタシはこんな事絶対許させるべきじゃないと思うの! だからこそ、アタシたちがそいつらを社会的に抹殺しないといけないの!
 この殺し合いだってそうよ! 罪のない人同士で命を奪い合わせて、その様子を見てほくそ笑む奴らがいるってことよね?
 アタシたちはそんな悪党を野放しにしてはいけないの! 必ず報いを与えなくてはいけないの! だから私はこんなふざけた殺し合いには乗らない!!
 絶対に、ひろゆきを縛り上げるの! 絶対にあの野郎の思い通りにさせてはダメなの!! わかった!?」

話している間の彼女は、出会い頭の印象は完全に消え去っていた
その姿はまさに『鬼のような形相』というのに相応しい表情だろう

「…とまぁ、アタシの思いはこんな感じね」

力説が終わったところで、女性の顔は一瞬で元の柔らかな笑顔に戻っていた
何故だか自分が怒られているような感覚に陥っていた鬼子は、思わず安堵の息を漏らした
若干泣いていたかもしれない

「す、スミマセンでした…ご、誤解しておりましたわ…貴女はとても信頼出来るお人柄のようです…」
「わかればいいんですわ」

はぁ…正直この方にも鬼が宿ってるのかと思いましたわ…
でもどうやら悪いお人では無いみたいです、ギャップが恐ろしすぎますけれども…

「おっと、申し遅れましたわ、私の名は日本鬼子と言います。」
「あら、変わった名前ね!えーっとアタシは…」

と、女性は名乗ろうとしたところで何故か言葉を止めてしまった
その様子に不思議そうな顔をする鬼子

「どうかなさったのですか」
「おかしいわ…自分の名前が思い出せないなんて…」

それはまるで、記憶にフィルターが掛かっているかのように思い出すことができなかった
氏名を記入してる時、誰かに名前を呼ばれた時
どれを思い出しても、そこだけぼんやりと掠れていた

「…これもひろゆきの仕業に違いないわ! アタシの日常だけでなく、記憶まで奪い取るなんて…万死に値する!」

彼女は大いに憤慨し、ひどく物騒な単語まで飛び出してきた
またしても顔が恐ろしいことになって来たので、鬼子は慌てて話を逸らそうとする

「そ、そうですわ! 私、この支給品がよくわからないんですの!機械が滅法苦手なもので…」

そう言って鬼子はデイバックを開き、先ほどの変な機械を取り出して見せた

「あら、それがひろゆきの言っていたPDAよ」
「ぴーでぃーえー…ですか。よろしければ私に使い方を指南して頂けませんか?」
「いいわよ、こう見えても昔はSEやっていたから、機械には詳しいのよ」

しすてむえんじにあ…? と呟く鬼子を尻目に、女性は自らのデイバックからPDAを取り出す

ちょうど手のひらに収まるサイズで、電源ボタンのみが側面についている
表側全体が液晶に、裏側にはタッチペンを収納する穴と、カメラのレンズが付いていた
女性は電源を付け、しばらく一人で機能の把握に努めた

「ふーん…」だの「ハァ!?」だの呟きつつも数分後、「OK、簡潔に説明するわ」と口を開いた

「まず、主な使える機能は、カメラ、手書きメモ、ボイスレコーダー、GPSマップ…つまり現在地のわかる地図
 あと2ch、そして忍法帖プログラムね」

女性はおもむろにレンズを鬼子に向けて、画面をタッチする

「今写真を撮ってみたんだけど、こんな風にシャッター音が鳴らないみたい
 つまり、盗撮するのには打ってつけだわね」

口調こそ皮肉が込められているものの、表情はニヤニヤとしていた
この機能はもちろん、盗撮よりもスパイ目的に使用するのに非常に都合が良い
そうして、画面左下の『戻る』ボタンで最初のメニューへ飛ぶ

「カメラで撮った写真とか、メモとかはこのデータフォルダに保存されるわ
 あと、肝心のインターネット機能なんだけど、どうも2ch以外のページにジャンプしても、『403エラー』が発生するわ」
「えっ?えーと…、じゃんぷ…? よんぜろさん…?」
「つまり、2ch掲示板しか見れないのよね」
「はあ、なるほど…」
「2chのスレッドは全て閲覧可能だけれど、キーボードやボタンが無いから書き込みが出来ないわね
 あと、ひろゆきが言ってた特設板ってのが、この『バトルロワイヤル板』って言うスレね」

鬼子が画面を見ると、以下のように書き込まれていた

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

1 名前: ひろゆき :20XX/09/01(月) 00:00:00 ID:??????
  この板では6時間毎に脱落者、禁止エリア、殺害者の実名をこちらに掲示します。
  それ以外にも諸君に伝えたい情報があるときは随時ここでお知らせするので、時々見ていただければと思います。
  なお忍法帖プログラムは『オーナー情報』から行えるので、恩恵を利用したい人はそちらからどうぞ。

  ちなみに開始前に脱落した不運な参加者は、
   S県月宮
   荒巻スカルチノフ
   室伏広治
  の三名です。

  それでは、皆様がご活躍出来ることを期待しております。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「禁止エリアとやらがあるので少なくとも六時間毎…
 しかし、いつ緊急連絡が入るかわからないので、時々は確認する必要があるのですね…」

女性はそこでインターネットを閉じて、『オーナー情報』を開く

「忍法帖プログラムなんだけど、ここで自分のレベルの確認と、レベルに応じた恩恵のオーダーが出来るみたいね」

無論、今表示されているレベルは0
誰かを殺すことでレベルが上がり、表示が更新されるのだろう

「…おや、こちらに書かれているのは貴女のお名前では無いのですか?」

オーナー情報の画面上部には『鬼女』の二文字が書かれていた
それを見て、女性は小さくため息をついた

「いいえ、『鬼女』って言うのはアタシがよく利用している既婚女性板の住民の通称よ
 だからこれはアタシの本名じゃないわ…

 確かにアタシは鬼女だけれど、これじゃまるで、私自身の存在を否定されてる気分じゃない」
「………」

『鬼女』さんはPDAの電源を切り、寂しそうな顔をして深くため息をついた
なにか慰めの言葉をかけるべきなのでしょうが、私にはなんと言えば良いのか思い付きません
名前を奪われることの辛さは、私には想像することが出来ませんでした

しばらく沈黙が続いたところで、鬼女は気持ちを切り替えたかのように声をあげた

「さぁ、こんなことは後回しよ!早く他の味方を探さないと!」

その時、鬼子はピーンと思い付いた顔をして、そして鬼女の言葉にこう答えた

「わかりました、これからお互いに頑張りましょう! 『おにめ』さん」
「えっ…? おにめ…さん?」

唐突に呼ばれた名前に、鬼女は驚いた表情を浮かべる

「ほら、『鬼女』と言う文字は『おにめ』とも読むことが出来ますわ!
 ですので本名を取り戻すまでは、代わりにこちらを使用して頂くというのはいかがでしょうか?」

と、ここまで説明したところで、鬼子は不意に恥ずかしくなってきた

「…あぁ、私としたことが…やはりこれでは安直過ぎますし、お気に召していただけませんわ…」

すると、顔を紅潮させる鬼子に対し、鬼女は微笑んでこう答えた

「ううん、そんなことないわ!素敵な名前を付けてくれて、とっても嬉しいわよ
 それに、鬼子ちゃんとお揃いみたいで、いいじゃない!」
「本当ですか! そう言って頂ければ、私も嬉しいです」

電灯の光だけが照らす、薄暗い神社の中で二人はお互いに微笑み合った
そしてこの二人の鬼は殺し合いを打破するために手を取り合ったのである
これから彼女たちに何が待ち受けるのか…それはまだ誰にもわからない



【A-3 神社境内/一日目・深夜】

【日本鬼子@創作発表】
[状態]:健康
[装備]:グラットンソード@FF11
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、ミキプルーンの苗木@ミキプルーンコピペ
[思考・状況]
基本:殺し合いを打破する
1:鬼女と協力する
2:早くPDAを使えるようにしなくてはいけませんね…

【鬼女@既婚女性】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、ランダム支給品0~3
[思考・状況]
基本:殺し合いを打破する
1:鬼子を信頼、協力する
2:殺し合い打倒派の協力者を集める
※自分の本名がわからないため、仮名として『鬼女(おにめ)』と名乗ることにしました

《支給品解説》

【グラットンソード@FF11】
ナイトの武器の中で最高峰と言われる剣
片手剣だが、大振りになるところを見ると、そこそこの重さだと思われる
VIT+7とは、簡単に言えば被ダメージを大幅に軽減出来ると言う効果を意味する
出典元では装備可能レベルが存在するが、本ロワにおいては誰でも装備可能
ただ、他人へ譲渡することが出来ない仕様となっている

【ミキプルーンの苗木@ミキプルーンコピペ】
説明書には苗木と称されているものの、実際は校庭に生えている雑草



No.04:照英がバトルロワイアルに参加させられてる画像ください 時系列順 No.06:Across the――――/お断りします
No.04:照英がバトルロワイアルに参加させられてる画像ください 投下順 No.06:Across the――――/お断りします
日本鬼子 No.30:Nightmare、そして現実へ
鬼女 No.30:Nightmare、そして現実へ