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川越シェフがバトルロワイアル中に料理をしている画像下さい

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匿名ユーザー

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川越シェフがバトルロワイアル中に料理をしている画像下さい ◆i7XcZU0oTM




はい、それではですね、殺し合いの最中ですが、ちょっとしたお料理を作ろうかと思います。
 せっかく、良い"お肉"が手に入ったので、つい我慢できなくなりまして。
 さて、さっそく調理にかかりましょう。
 血抜きと内臓の処理は既に行っていますから、その点は心配ありません。
 なにしろ、始まってすぐに作業に取りかかったので。

「さて、まずやることは……下ごしらえです。臭みが少々あるようなので、香辛料で臭みを消します」

 誰もいない厨房。
 木霊するのは、僕の声だけ。
 傍らに転がるのは、切り落とした鳥のような生き物の頭。
 ――――そう、僕が一番最初に出会った生き物だ。
 名前は分からなかったが、なんとなく鳥っぽかった。
 そう思った瞬間だった。僕が、「いい料理になりそうだ」と思ったのは。
 それから先は、あまり語る必要はないでしょう。

(全く見た事のない生き物だっただけに、肉質や臭みがあるかどうか分からなかったけれど……
 予想以上に、いいお肉でしたね。これは、いい料理になりますよ!)

 僕も、料理人の端くれだ。
 いい料理、美味しい料理が作れると言うのは、素直に嬉しい。
 例え、こんな状況でも。
 だから、僕はここで料理を作る。
 このお肉で、美味しい料理を作る。
 そして、殺し合いに乗ってしまった人達に、食べて貰う。

(僕は、殺し合いなんてしたくない。でも、もしかしたら僕の知らない誰かは、殺し合う気があるかも。
 でも、そんな人だって、美味しい料理を食べれば、気が変わるはずだ!)

 僕が、一番最初に辿り着いたのが、レストランだったのも、幸運だった。
 色んな材料や道具が揃っていたおかげで、こうやって料理ができるんだから……。
 ……おっといけない、そろそろ野菜の用意をしないと。

「……どんな料理になるか、楽しみだなぁ!」










「一体、何でこんなことに……?」

 当てもない、目的もない、何でこんな事になってるのか分からない。
 でも、じっとしていてもどうしようもない。
 だから……僕は、とりあえず街中を見て回ってみることにした。
 ――――そう思って、歩き出してから少し経った。
 未だに、誰かに会った訳でも無ければ、何かを見つけた訳でも無かった。

(まさか、ここにいるのは僕だけ、なんてことはない……よね?)

 いくら何でも、それはない……と、否定したいところだけど。
 そう言い切れないのが、辛い。
 むしろ、1人の方が危なくないんじゃないか?
 1人なら、襲われる事も、殺されそうになることもない……。
 …………。
 駄目だ駄目だ。
 こんなこと考えてると、すぐに気が滅入ってしまう。

「……せめて、誰かと遭遇すればなぁ」

 街灯が、ぽつぽつと人気の無い道を照らす。
 それが、何だか不安と恐怖を駆り立てるようで、何だか気味が悪い。
 人のいない街が、こんなにも寒々とした物だったなんて、知らなかった。
 この街もきっと、いつもは人の行き交う賑やかな街なのかもしれないのに。
 ……駄目だ。
 やっぱり、1人じゃ心細くて、仕方が無い…………そう思っていた時。
 僕の鼻を、何だかいい匂いがくすぐる。

(え? まさか、こんな状況なのに、料理をしてる人がいるの?)

 まさか、そんな訳がない。
 だって、今はいつ襲われるか分からない殺し合いの場なのに。
 匂いは今も、僕をしきりに、一軒のレストランに誘っている。
 一体、誰がこんなことを?どうしても、気になる。
 ……それに、何だかお腹が空いて仕方がない。この美味しそうな匂いのせいだろうか?

(とにかく行ってみよう。行ってみなきゃ、始まらない)

 小走りでレストランまで向かい、扉を開く。
 カラン……と扉に取り付けられていた鈴が、小さな音を立てる。
 そして、またまた僕の鼻は匂いに包まれ、少しの幸福感を僕に与えてくれる。
 ……一瞬、ここが殺し合いの場であることを忘れる程、心地いい。
 本当、これが殺し合いじゃなかったら……。
 普通に、食事して行きたいのに。

「誰かいらっしゃるんですか……?」

 少し控え目に、小声で呼びかける
 ……返事はない。

「誰か、いらっしゃるんですかー?」





「いらっしゃいませ。気付けなくてすいません。何しろ僕しかいないので。お席へどうぞ」

 今度は、僕の声が聞こえたようだ。
 厨房があるであろう場所から出て来たのは、白い服を着た、一目でシェフと分かるような人だった。
 ……本当にシェフなのかは分からないけど。

「えっ、あ、いや、そうじゃなくて」
「あら、食べに来たんじゃなかったんですか?」
「いや、そうじゃなくて……その気持ちも、無かった訳じゃないけど……って、それより。
 何で、こんな時に料理をしてるんです? 危ない人に見つかりでもしたら……」
「大丈夫です。そんな人達にも、僕の料理を振舞うつもりなので!」

 …………。
 何て言えばいいんだろう。
 今の状況を理解してないのか、それとも、理解した上で言っているのか。

「本気で言ってるんですか? それ……」
「こんな状況で、ふざける訳ないでしょう! 僕は、至って真面目ですよ」

 少なくとも、本人は至って真面目に考えているようだ。

「おっと、フライパンを火にかけてる最中なのを忘れてました。……お好きな席で、お待ち下さい。
 もう少しで、出来ますから!」
「……はい」

 とりあえず、近くの席に、適当に腰かける。
 机の上には、既にナイフやフォークが並べられていた。
 そして、それらをおぼろげな光で写し出す、燭台の上の蝋燭。
 いつの間に、こんな物を。そう言えば、店内の明かりが、厨房以外全て消されている。
 不意に、辺りに静寂が戻る。
 聞こえてくる音は、厨房から聞こえてくる調理の音だけ。

 ……さっきは、あの人のペースに飲まれたおかげで、あまり思考が纏まらなかったけど。
 ふと1人になると、やっぱり「気になる事」が現れて来た。
 僕の知り合いは、ここにいるのか?
 ここは、いったい何処なのか。
 何で、僕がここにいるのか。

(どの疑問も、答えの出しようがないじゃないか……)

 さっきまで、何となく浮ついていた気持ちが、急に沈んでしまった。

(……気分転換……って訳でもないけど……鞄、調べてみようかな)

 流石に、さっきまで床に置いていた物を、机の上に上げるのは気が引ける。
 とりあえず、鞄自体は横の椅子に置く事にした。
 まず、「基本支給品一式」だ。
 地図にコンパス、筆記用具に時計。ランタンに、水と食料。
 そして、PDA。
 説明通り、ちゃんと2ちゃんねるにアクセス出来た。
 ……ひろゆきが言っていた通り、出来るのはスレを読む事だけだけど。
 どんなに書き込もうとしても、上手く行かない。
 どこのスレでもいい。もし、書き込む事が出来れば。この事を、書き込めれば。
 この殺し合いを、何とか出来るかもしれない。
 ……書き込んだ所で、殺し合いなんて荒唐無稽な話を、信じてくれる人がいるか、分からないけど。

「……どうしました?」
「うわあっ!!」

 突然、声をかけられた。
 本当に突然だったお陰で、飛び上がりそうな程驚いてしまった。

「ああ、びっくりした……」
「それはこっちの台詞ですよ。どうしたんです?」
「いえ、料理が出来たので持ってきたんですよ」
「あ……どうも」










「どうも、ご馳走様でした……随分と美味しいお肉でしたね。どこからこれを?」
「たまたま、手に入ったんですよ」

 たまたま?
 たまたま、この店の冷蔵庫にでも、入ってたのかな。
 しかし、答えは僕が想像していた物とは違っていた。

「丁度、大きな鳥と出会ったんですよ。それで僕はピンと来たんです。これはいい料理になる、って」
「へぇ……」

 大きな鳥……一体、どんな感じだったのだろう?
 そして、そんな鳥を捕まえて、さばいてしまうこの人は、一体。
 もしかして、結構強い?その「大きい鳥」が、どんな物だったのか分からないけど。
 何だか、急にこの人が頼もしく見えて来た気がする。
 そんな事を考えていた時だった。突然、

「そう言えば、まだ名前を聞いていませんでしたね。聞かせてもらえませんか」

 と、僕の名前を聞いてきた。
 僕の名前……。名前……?
 あれ?





 僕の名前、何て言うんだっけ?





「ぼ、僕は……マウンテンバイク……」

 つい、ハンドルネームが口から漏れる。
 でも、僕の「名前」として記憶に残っているのは、これだ。
 じゃあ、これが僕の本名?いや、そんなことはない!
 じゃあ、何で……何で、思い出せないんだ?
 まるで、僕の記憶に、靄がかかっているような。
 誰かが、僕の記憶を隠しているような。
 そんな、奇妙な感覚だ。

「マウンテンバイク?」
「ごめんなさい。どうしても、僕の本名が、思い出せないんです……!」
「……そうなんですか……」
「やっぱり、怪しいですよね。こんな、変な名前」

 がっくりと項垂れる。
 どうしても、本名が思い出せない。
 でも、こんな名前では……怪しい、と思われても仕方が無い。
 そう思っていると……僕の想像していた答えとは、違う答えが返ってきた。

「…………呼びやすいように、"バイク君"でいいですか?」
「えっ?」
「よろしく、バイク君! 僕は、川越達也」
「よ、よろしくお願いします……川越さん」

 特に何か聞かれる事無く、会話は終わった。
 ……一体、何故?

「あの……どうして、僕の名前の事、聞かないんですか」
「思い出せないんじゃ、聞いてもどうしようも無いじゃないですか。思い出したら。教えて下さい」
「え、あ、はい……」

 僕には、この人が、よく分からない。
 でも、悪い人ではないのは……確か、みたい。



【D-3・レストラン/1日目・深夜】
【川越達也@ニュー速VIP】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=01】)、不明支給品×0~3、包丁@現実
[思考・状況]
基本:僕の料理の力で、殺し合いを止める
1:もっと、沢山作った方がよさそうだ……
2:バイク君と行動しようかな?本人が良ければしたい


【マウンテンバイク@オカルト】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、不明支給品×0~3
[思考・状況]
基本:殺し合う気はない
1:川越さん……
2:川越さんと行動しようかな?










 誰もいない厨房の、片隅にあるゴミ箱。
 その中に、それはあった。
 「大きい鳥」の頭――――参加者の1人であった、オエーの頭だ。
 参加者である以上、首には、当然首輪が装着されている。
 なら、なぜ川越達也はそれに気が付かなかったのか?
 気が付いていれば、間違い無くオエーを屠ることはなかっただろう。
 なのに、何故気が付かなかったのか。
 答えは単純である。
 ――――首輪に気が付く前に、良い食材を見つけた、と言う喜びの方が、大きかったのだろう。
 結果、川越達也は首輪に気付く事もなく、オエーを殺害、その肉を調理したのだ。
 それを、本人が知ったら。
 その肉を食べた、マウンテンバイクがそれを知ったら。
 果たして、どうなるだろうか。





        ___
    ___/   ヽ
   /  / /⌒ヽ|
  / ( )/ / /
  /   ト、/。⌒ヽ。
 彳   \\゚。∴。o
`/    \\。゚。o
/     /⌒\U∴)
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         U
【オエー@AA 死亡】
【残り 63人】
※オエーの頭部はゴミ箱に、肉は冷蔵庫に入っています
※オエーのデイパックは、レストランの厨房に放置されています


No.07:街道上のぐう畜 時系列順 No.09:リア充爆発しろ
No.07:街道上のぐう畜 投下順 No.09:リア充爆発しろ
川越達也 No.25:かなりやばい資料見つけました
マウンテンバイク No.25:かなりやばい資料見つけました
オエー 死亡

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