※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

ステマ ~Stealth Murder~  ◆shCEdpbZWw





   巛彡彡ミミミミミ彡彡
  巛巛巛巛巛巛巛彡彡
  |:::::::           i  フッ
  |::::::::    ⌒   ⌒ |
  |:::::    -・=- , (-・=-
  | (6    ⌒ ) ・ ・)( ^ヽ
  | |.     ┏━━┓ |   あーあー、まったくかなわんわー
  ∧ |      ┃ヽ三ノ ┃ |
/\\ヽ     ┗━┛ ノ
/  \ \ヽ.  ─── /|\     ノ7_,,, 、
    (⌒、"⌒ソ⌒ヽ- イノ  `、  ( ィ⌒ -'"",う
    ~''(_)(_)(_)(_)ソ-ィ     ヽノ   ,イ^
  _ヽ /`、_, ィ/   ヽ      ヽ─/
/,ィ'"/     /    `、     ) /
         /           i



愚痴るようにして関西弁の男が起き上がる。
プロ野球選手、中村紀洋――御年39歳。
高校時代には無名の公立高校を甲子園へと導き、プロでは390本のアーチを描いてきた。
ほんの僅かとはいえ、メジャーのグラウンドにだって立った、そんな一流のアスリートだ。

にも関わらず、世間の彼に対する風当たりは冷たい。
彼に付き纏うイメージは幾度と無く行われた"銭闘"行為などからくる黒っぽいものであった。
だが、そのことを彼は気にも留めない。

39歳の自分がプロ野球の舞台で第一線で働けるのももう残り僅かという自覚があった。
超一流の証である400本塁打、そして2000本安打にもう一歩というところまで迫った今。
彼は「ノリさん」という名の持つブランドイメージをそんな黒さを吹き飛ばすほどの輝きを持たせねばならぬと考えていた。
そのためには懐に憂いを感じることなく野球に打ち込めるだけの収入は必要不可欠だ。
引退後の身の振り方も定まっていない今、プロとして"カネ"にこだわる彼の姿はある意味で正しい。

チームは今年も惨たらしく負けを重ね続けた。
それでもなお、プロである以上は最高の状態でグランドに立ち続けねばならない。
リターンにこだわるプロだからこそ、そこに至るまでの準備だって当然手は抜けない。
だからこそ、消化試合だった残りの試合や秋に控えるキャンプでもう一度鍛えなおそう。
ノリさんはそう考えながら自宅で眠りについた……はずだったのだ。



……が、気がついたら何やら訳の分からない場所にいて。
そこで唇の特徴的な変な男に殺し合いをするように命じられ。
まるで見せしめにでもするかのように3人が殺されるのを見て。
そしてまたそこで意識が飛んで現在に至る。

「何でワイがこんなことに……」

思わず愚痴るノリさんだったが、そんなことで状況が好転するわけがない。
何せ、口にした通り自分が殺し合いに巻き込まれる心当たりなんてないからだ。
プロ野球の世界はある意味で生存競争である。
レギュラーの枠を巡って……それはつまり自らの生活、いや人生を賭けての争いだ。
そんな世界に20年以上身を置いて生き残ってきたノリさんとはいえ、本当に生命を賭けての争いなど経験が無い。

「と、とにかく……誰かに襲われたらたまらんからな」

自分から打って出るにしろ、あるいは向かってくる敵を迎撃するにしろ。
手持ちのカードを確かめてみないことには話が始まらない。
早速ノリさんが傍らのデイバッグに手を突っ込んだ。

「何やこれは……名簿、か?」

ズラリと65人の名前が連なった名簿を手にノリさんは首をかしげる。
それもそのはず、「中村紀洋」で探したところでその名前で彼は掲載されていないのだから。
数分名簿とにらめっこをしたノリさんは、ようやくその他の名前が凡そまともな人間の名前でないものが多いことに気づく。

「どうなっとるんや……? こんなやる夫やらクマーやら……よ、よるかみつき……か?
 とにかく普通の人間の名前とは思えん名前ばっかりやないか」

そこに気づいたノリさんは、ようやく自分の名前と思われる「ノリさん」にあたりをつけた。

「つーか、まず間違いなくこれがワイのことやろな。
 まったく、面倒くさいことしおって……」

たかだか自分の名前を探すだけで手間取ったノリさんに苛立ちが募り始める。
しばらくそのふざけた名簿と格闘するうちに、あるひとつの名前に目が留まる。

「……これって、もしかしてあいつのことやないか……?」

ノリさんが指差す先にある名前は「加賀」だった。

「なんであいつも殺し合いさせられとるんや……?」

ノリさんは自分と「加賀」の共通点を必死に思案する。
つまり、ノリさんの脳内はこうだ。

確かに「加賀」はベイスターズのチームメイトだ。
だが、ポジションも違えば年齢もかなり離れており、その他大勢のチームメイト、それ以上でもそれ以下でもないのがノリさんの認識だ。
そんな二人がこの殺し合いの舞台に呼び出されている……それが意味するものとは……?

ひとしきりうむむ、と唸ったノリさんではあったが、

「ダメや。全然意味が分からへんわ。
 ……まぁ、ワイの知ってるのはこいつくらいしかおらへんしな。
 あいつに死なれたらウチのブルペンは本気でヤバいし、何より寝覚めが悪いからな……」

……というわけで、ノリさんは当面の目標を「加賀」との合流に定めることとした。
これが壮絶な勘違いであることを彼はまだ知る由も無い。
この場に呼び出されているのは、横浜DeNAベイスターズの中継ぎ・加賀繁投手などではない。
太平洋戦争において主力空母として活躍した航空母艦「加賀」であるのだ。



「……って、アカンアカン。こんな名簿なんかに時間取られてしもたわ。
 まず、武器や武器! 丸腰は勘弁してほしいからな」

思い直したノリさんが再びデイバッグに手を伸ばした。
しばし、ゴソゴソと中を漁るノリさんだったが……



ぬめっ。



妙な弾力とひんやりした感触を覚えたノリさんは、思わず驚いて手を引っ込めてしまう。

「な、何や……?」

再び恐る恐るデイバッグに腕を突っ込んだノリさんは、えいやとばかりにその妙な何かを取り出す。

「……」

掌の中にあるものを見てノリさんの顔が引き攣る。
ノリさんの手の中にあったもの、それは……

どう見てもこんにゃくです、本当にありがとうございました。

「ちょっ、ふ、ふざけんなや……! おま、こんにゃくでどうやって殺しあえっちゅうねん!?」

思わずツッコミを入れてしまうノリさん。
そのまま地面にこんにゃくを叩きつけてしまいたくなる衝動をどうにか抑えながら呟く。

「ま、まぁ食糧が他人よりちょっと多い、って思えばええんや、うん」

どうにか気持ちを落ち着かせながらさらにデイバッグに手を伸ばすと、ちょっぴりしっとりした紙が一枚。

「ん? これはこのこんにゃくに付いてきた紙やな?
 なになに……使い方? ご丁寧にレシピでも付けてくれたんか?」

そう思いながら折り畳まれた紙を開いてみる。




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

☆ つかいかた ☆

1.まず、服を脱ぎます
2.そして、直立不動の姿勢をとります
3.上体を後ろにひねりましょう
4.こんにゃくを片手に持って、あとはお尻をペチン、ペチンと叩くだけ!

◎ワンポイントアドバイス
時間は5分から30分くらいかけてやりましょう!
最初は真顔で、終わりのほうは恍惚感溢れる表情だとグッド!

5.使い終わったこんにゃくは細く切って近くの川に流して供養しましょう!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





     巛彡ミミミミミミ彡
     巛巛巛彡彡彡彡
     |::.   \、 ,/  #|
     |::  《;.・;》 《;・;.》. .|
     (6.  ⌒ ) ・・)'⌒ヽ6)
     |  ┃iuUuui.┃ ..|  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     |  ┃|,-v-、|┃ | < ナメとんのかああぁぁっっ!!
     \  ヽニニノ  /   \__________
        ヽlー--ーイ
    γ⌒" ̄ `Y" ̄`⌒ヽ
   /´  、   ¥   ノ  `ヽ.


さすがのノリさんもついにキレた。
思わず説明書をビリビリと破いてしまう。
殺し合いの武器としてこんにゃくが支給された上に、食品を冒涜する説明書を付けられれば致し方ないのだが。

ノリさんは破り捨てた説明書を地面に叩きつけ、さらにそれをひとしきり踏みつける。
興奮して息を荒げたノリさんだったが、次第に虚しさに心を支配されてゆく。

「はぁ……何をやっとるんや、ワイは」

ため息混じりにこんにゃくをデイバッグへと戻す。
そして、何かきちんと役に立つ武器はないのかと再びデイバッグを探ろうとしたその時だった。



「あ、あのぉ……ベイスターズの中村選手……でちゅか?」



語尾は可愛らしい。
……だが、その声色は明らかに男のそれである。

ぎょっとした表情でノリさんが声のするほうへと振り返る。
そこに立っていたのは自分より同じくらいの年齢と思われる一人の男。

「あっ、すごい、ほ、本物だ」

その目は有名人に会えたという喜びでキラキラと輝いていたのだった。




 *      *      *





       巛彡ミミミ彡彡
       巛巛巛巛巛彡彡
       |:::::::::        |
       |::::::::  ___、 ,_,l
       |:::::::   =・ニ , 〔・={
       |(6  `   _ 」 }
       | l  ┃' ー-=-'┃    はっはっは、それはそれは……しかし、私がいればもう大丈夫ですよ!
       |  、  ┃ ⌒┃!
      |`ヽ、 ヽ、 ━━/ 
    /ト、     フ.7:`ヽ、_
  /::::::::| ~''x‐''''~~ /::::::::::::::`ー
/::::::::::::::::| ,,イ;;;;>、 /::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::| /:::::| /:::::::::::::::::::::::::::::::


「さすが中村選手、頼りになりまちゅわ!」

――プロ野球選手たるもの、ファンの前では紳士であるべきだ、それがノリさんの思いだ。
ファンに見てもらえないことにはスポンサーがついてこない、ひいては自分の報酬へと響いていく。
一度自分のいたチームが潰れた経験を持つ彼は、そのことを痛いほど理解していた。
だから、彼はファンの前ではあくまで紳士だ。その代わり、フロントにはその分もしっかり要求するのであるが。


「中村選手、なんてそんな他人行儀はやめてくださいよ。
 こんな状況なんですから、お互い対等の関係でいきましょう」
「え、ええ……い、いいんでちゅか?」
「もちろんですとも。私と貴方は、この殺し合いの場で信頼し合える仲間にならなければいけないのですから」

ノリさんの目の前にいる妙な口調の男は、やはりというかなんというか、殺しに乗る気はないらしい。
一人心細くこのエリアを彷徨っていたところ、誰かの声がしたのでそちらに行ってみたところノリさんに遭遇した、ということらしかった。

ノリさん自身、殺し合いに乗るかどうかを思案していたところではあった。

(ま、ええか。武器もまだ見つかっていない今は殺しに乗りたくても乗れへんわ)

それに、自分に対して目を輝かせる目の前のファンが殺しに乗らないのなら、自分もそうしてみるか、と思いつつあったのだった。

「どうです、是非とも私のことは"ノリさん"と呼んでいただきたい。
 幸い、名簿にもそうやって載っていることですしね」

破顔一笑しながら目の前の男に語りかける。
見たところ、平々凡々、取り立てて何の力も持ち合わせていなさそうな一般人だ。
なれば、そこは自分がリーダーシップをとって引っ張ってやらねばならない、ノリさんはそう考えていた。
一応それは建前で、本音では自らが主導権を握って動きやすくなりたい、ということもあったのだが。

「は、はい……! それじゃ……ノリさん、よろしくお願いしまちゅ!」

そんなノリさんの思惑に気づく様子もなく、男は嬉々として頭を下げた。

「えー、それで、ですが。私は貴方のことをなんとお呼びすればいいですかね?」
「あたちでちゅか……? みんなからは"ぼっさん"と呼ばれてまちゅわ」

素直な物言いではあるが、ノリさんにはどうにもその語尾が気になる。

(ええ年して、なんちゅう言葉遣いやねん……)

なるたけ棘のないよう、柔らかい物腰でそのことをノリさんは指摘してみるのだった。

「なるほど、ぼっさんですね……
 と、ところで……その話し方は何かの癖、でしょうか……?」

すると、ぼっさんは慌てたように首と手を振りながら返す。

「ち、違うんでちゅ! あたちだって、本当なら普通に喋れるんでちゅ!
 でも、どういうわけか知らないけれど、こんな風にしか喋れないんでちゅ!」

泣きそうな顔をしながらぼっさんが弁解をする。
身体能力も人並み、その頭脳も人並みの彼がこの場で科せられた制限……いや、規制とでも言うべきか。
それは、そのコミュニケーション能力に対して規制をつけられてしまったのだ。

「いい年したおっさんがこんな言葉喋ってたら絶対怪しまれることくらい、あたちだって分かりまちゅ!
 でも……どうしても普通に喋れないんでちゅよぉ……」

ぼっさんがしょんぼりした表情へと変わる。

(ふぅん……そうとしか喋れへんなんて眉唾もんやが……ウソ吐いてる風にも見えへんわな……)

うぅむ……と唸りながらノリさんがぼっさんの表情をうかがう。

「……分かりました、ぼっさんの言うことを信じましょう。
 わざとそんな喋りをして怪しまれるんじゃ、ぼっさんにメリットが無さすぎますからね。
 もし騙そうっていうのなら、もっと上手くやりますよ」
「よ、よかった……ノリさんに信じてもらえて嬉しいでちゅわ」

ぼっさんが安堵の表情を浮かべたその時。

カツン、と小石がアスファルトを叩く音が響き渡る。
その音に驚いたぼっさんがその身を竦め、ノリさんが音のする方へと呼びかける。

「誰や!!」

状況が状況だけに、"きれいなノリさん"の仮面が一瞬外れてしまう。

(いったい何者や……? こいつは殺しに乗っておらんかったが、次の奴もそうだとは限らへんで……)

身構えながら声のする方を睨みつけるノリさんだったが……
音のする物陰から姿を見せたのは予想外のものだった。

「……お、女の子?」

きょとんとした表情でぼっさんが声を漏らす。
そう、物陰から出てきたのはパッと見10歳くらい、銀髪にゴスロリファッションに身を包んだ少女だったのだ。

「あ、あの……」

か細い声で少女が声を発する。
先ほどの自分の恫喝に怯えたのか、その身を震わせているのを見て、ノリさんはその行いを反省しながら、

「な、なんだ、女の子か……ゴメンね、急に大きな声出しちゃって」

と、再び"キレイなノリさん"モードに戻りながら声をかける。

(こんなガキまで殺し合いをさせられとるやと……? いったいどういうこっちゃ……?)

ノリさんは訝しげには思いながらも、こんなところにか弱き少女を放っておくわけにもいかない。

「おじちゃんたちが怖いのかな? 大丈夫、安心して、ね?」

そうして跪きながら、その両腕を大きく広げる。
包容力のある大人であることのアピールだ。

「大丈夫、怖くないでちゅからね?」

ぼっさんも腰を曲げて少女と目線の高さを合わせる。
なんとかして怯えさせないよう、逃げられないよう必死だ。

二人の努力は実を結んだらしく、まだ少しおどおどした様子ながらも少女が物陰から完全に姿を現す。
つたない足取りでトコトコと二人の下へと駆け寄ってくると、そのままノリさんの胸へと飛び込んだ。

「う、うわ~ん! こ、怖かったよ~!!」

そのまま顔を埋め、しばらく泣きじゃくる。

「無理もないでちゅわ。ただでさえこんな真夜中だっていうのに、殺し合えなんて言われちゃったら……」

その心中を慮ってか、ぼっさんがポツリと吐き捨てる。
よしよし、とその頭を撫でながらノリさんが精一杯優しい声色を作った。

「よしよし、もう大丈夫だから、ね?」
「お嬢ちゃん、名前はなんでちゅか?」

ぼっさんの呼びかけに、依然として泣きじゃくりながら少女は答える。

「……ハルトシュラー」
「ハルトシュラー……あぁ、名簿にそんな名前もありまちたね」

得心したかのようにぼっさんがうんうん、と頷く。
一方、ノリさんの心中はこうだ。

(ハルトシュラー……閣下って確かなっとったな。この髪の色からして、どうも日本人じゃなさそうや)

そのまま思考の海へとノリさんは飛び込む。

(閣下、とついとるからには、結構な家柄の令嬢とちゃうんか? つまり、もしワイがこの娘を護ってみせたら……)

その時はきっと莫大な見返りがあるはず、ノリさんはそう推測した。
なんとも都合のいい推測ではあるが、今は少しでも都合よく考えておきたかったのだ。

「ハルトシュラー、じゃ呼びづらいから、ハルちゃん、って呼んでもいいでちゅか?」
「おっ、それはいいね。ハルちゃんもそれでいいかな?」

そんなノリさんの心中など知る由も無く、ぼっさんが一つの提案を出す。
特にそれを却下する理由も無い、むしろ警戒心を解くためには必要なことだと、ノリさんもそれに乗っかる。
対するハルトシュラーはしばらく無言で二人の顔を交互に見つめた後、小さくコクリと頷いた。

「……いいよ」

なんとかうまくいった、と安堵の表情をノリさんとぼっさんは浮かべた。

「ありがとうね、おじさんのことはノリさん、って呼んでくれていいからね」
「あたちはぼっさんでちゅ、よろしくね」

笑顔とともにぼっさんが握手をしようと手を差し出す。
しばらく迷いの表情を見せた後、ハルトシュラーはその小さな手でぼっさんの手を握り締めた。

「もう怖がらなくていいでちゅよ。おじちゃんたちが、お家に帰してあげまちゅからね」
「……ありがと」

強張っていたハルトシュラーの表情も、少しずつ和らいでいくのを見て、二人は大きく胸をなでおろしたのだった。


【C-4 東側埋立地路上/1日目・深夜】

【ノリさん@なんでも実況J】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、こんにゃく@ニュー速VIP、参加者名簿@現実、不明支給品0~1
[思考・状況]
基本:生き残る、人前では殺しに乗らない
1:ぼっさんと共にハルトシュラーを保護、生還して見返りを狙う
2:加賀を探し出して合流したい

※こんにゃく以外の不明支給品は確認していません
※参加者の「加賀」をベイスターズの加賀投手のことだと勘違いしています


【ぼっさん@ニュース速報】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、不明支給品1~3
[思考・状況]
基本:殺し合いには乗らない
1:ノリさんと共にハルトシュラーを保護

※会話能力に規制がかけられており、常に語尾がおかしくなっています





 *      *      *





(……チョロいですわ)

目の前で安堵の表情を浮かべる中年男二人を見て、ハルトシュラーは内心毒づいた。
彼女の正体は時に魔王とも称されるほどのもの、その外見に騙されてはいけないのだ。

彼女自身、パロロワと称して様々な殺し合いを描く者たちの存在は知っていた。
そして、それをなんとも下らぬ児戯であるとして内心見下していたのだった。

ところが、いざ自分がそれに巻き込まれてしまった時に彼女は考える。
殺し合いに乗るのは自分が見下した行いに加担するようで気に食わない。
かといって、座して死を待つのもまた腹立たしい。

創作の舞台は、己が主張を作品に乗せてぶつけ合う一つの戦場である。
話し合いも無くは無いが……それで互いが分かり合えることなど少ないことを彼女は知っている。
それぞれが自分の哲学をぶつけているわけなのだから、最悪平行線を辿る不毛なものなのだ。
そんなところで議論をするくらいならば、作品で自分の思いを語るべきだ。
圧倒的な作品のクオリティを前にすれば、議論など起こらずただ黙ってしまうしかない、そんな光景だってごまんと見てきた。

ゆえに、彼女は最初から誰かと手を組んでこのゲームに立ち向かうことを無謀だと断じていた。
所詮人間など、心のうちでは何を考えているのかは分からない。
見知らぬものと仮初めの同盟関係を結んだところで、それが瓦解すれば一巻の終わりではないか、と。

積極的に殺しに乗るのも気に食わない。
座して死を待つのも腹立たしい。
チームを組んで立ち向かうのは無謀なこと。

おおよそ取り得る選択肢がほとんど塗りつぶされてしまったわけだが、それでも決断しないわけにはいかなかった。

そして彼女は決断する。
死ぬのは論外、かと言って誰かと手を組むのも難しい。
ならば、思惑に乗せられているようで癪だが、生き残るために殺しに回ろう、と。



そこまで考えた時に彼女は一つの事実に気づく。
彼女は「自身の設定を自由に変えることが出来る」というインチキめいた設定を持ち合わせている……はずだった。
だが、適当な武器を召還しようと力を込めても何の反応も無い。

(武器に関しては支給品に限定されているからかしら……?)

無理やり納得させたハルトシュラーは、続いて「自分は100メートルを8秒のペースでいつまでも走り続けられる」、そう自分を設定しようとした。
しかし、走り出してみるとその速度はあまりにも鈍い。外見年齢である10歳の少女のそれとほぼ等しいのだ。

(何よ……自分の設定を変えることが出来ないというの……?)

ハルトシュラーは歯噛みする。
拳法の技術や日本刀を用いた剣術に関しては体が覚えているのかもしれないが……
それを発揮するための道具や筋力に乏しい今の自分は、ただの10歳の少女にすぎない。
誰かに襲い掛かられたらひとたまりも無いのだ。

(こうなったら……発想を変えるしかないか)

身体能力が大幅に制限された今、彼女が最大限に生かすことの出来る武器とは何か?

それが、この"10歳の少女"という外見である。

相手が殺し合いに乗り、その能力なり技術なり武器なりを持ち合わせているのなら話は別だが。
そうではない穏健派からすれば、自分はまず間違いなく保護の対象になるであろう。
そうして庇護されながら、隙を見てチームを崩壊に導いていこう。
人々の間を渡り歩きながら装備を整え、体力を温存し……
最後の局面で持てる力を出し切って壁を乗り越え、そして帰還する。

そう決めた彼女の耳に、男の大きな声が飛び込んできた。

「ナメとんのかああぁぁっっ!!」

どうやらすぐ近くに別の参加者がいるらしい。

(……この声の主が殺し合いに乗っているようなら危ないけれど……)

逆にその存在を確かめさえすれば、情報を振りまく好機にもなり得るわけで。
これこれこういう人が武器を振り回していたの、と穏健派に告げればいずれは包囲網が出来るはずだ。
大人が相手なら状況を考えて疑われることもあるかもしれない、が無垢な少女の外見をした自分なら話は別だ。
真実も巧みに織り交ぜて自分の行いを信じさせなければ、いざ裏切る時に失敗しかねない。

(……ここは慎重に様子をうかがうとしましょうか……)



周りを気にしながら声のした辺りを目指したハルトシュラー。
辿り着いた時には既に先客がいたらしく、なにやら会話を交わしているようであった。
殺し合いに乗っているのなら、暢気にお喋りに興じることも無いだろう、彼女はそう推測する。

物陰から様子をうかがった彼女は、頃合いを見計らって足元にある小石を軽く蹴飛ばした。
二人の男の声以外には特に音もしないこの場所では、小石が跳ねる音でさえよく響いた。
狙い通り、筋肉達磨の男が気づいたらしく、こちらを怒鳴りつける。

細工は上々、あとは"無垢な少女"を演じればいい。
そう設定することが出来れば楽だが、それが出来ない以上は口調などに気をつけて振舞わねばならない。
普段のような淡々とした、見た目とは異なる大人びた口調では何かと誤解を生みかねない。
ただ、目の前にいるのは脳髄まで筋肉まで出来ていそうな男と、うだつの上がらない中年男の二人。
あまり頭が回るようには見えないだけに、当面の肉壁としては悪くない、彼女はそう思う。

(最悪、この二人に連れ回されていた、ってことにして乗り換えるという手もアリよね)

いたいけな少女を連れ回す二人の中年男。
状況が状況なら社会的に死んでしまう可能性は大だ。

(それが出来なくとも、私に支給されたこれを使えば……)

銃器や刃物の類が支給されなかった彼女が、懐に手を伸ばす。
中には小さな薬瓶が一つ、中は液体で満たされていた――いわゆる毒薬である。
集団に取り付いてそれを中から崩壊させるにはうってつけの代物と言えた。

(よし、行くとしようか)

そう呟き、ハルトシュラーは怯える少女の顔を取り繕う。
そして、瞳に涙を浮かばせて二人の男の下へと駆け寄る。
……彼女がほくそ笑んでいたのを、二人の男は知る由も無かった。

ハルトシュラーは、無垢な心を持つ幼女ではない。
修羅の心を持つ妖女だった。



【C-4 東側埋立地路上/1日目・深夜】

【ハルトシュラー閣下@創作発表】
[状態]:健康
[装備]:何かの毒薬
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、不明支給品0~2
[思考・状況]
基本:10歳の少女を演じながら、ステルスマーダーに走る
1:ステルスマーダーとして二人を扇動したい
2:場合によっては毒薬の使用も検討

※身体能力の一切が10歳の女の子並みに制限されています
※召還術も使えません、自分の設定を変えることも出来ません
※拳法の技術や、剣技は体が覚えていますが、筋力などがついていきません
※毒薬の成分、効果等については、次の方にお任せします


【こんにゃく@ニュー速VIP】
低カロリーの食品として長らく愛されている食品である。
主におでんをはじめとした煮物の材料にされることが多い。
また、2007年秋に香川県高松市在住の女子大生(当時)が提唱した通称「ペチング」と呼ばれる行為も2chでは有名
なお、日本国内で生産されるこんにゃくの9割は 群 馬 県 産である
グンマーとの関わりについては……リレーをされる方にお任せします


No.21:命も賭けずに殺し合いとな!? 時系列順 No.23:バカとノートと機関銃
No.21:命も賭けずに殺し合いとな!? 投下順 No.23:バカとノートと機関銃
ノリさん No.49:銭闘民族の特徴でおまんがな
ぼっさん No.49:銭闘民族の特徴でおまんがな
ハルトシュラー閣下 No.49:銭闘民族の特徴でおまんがな