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希望的観測

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希望的観測  ◆XG.R2oT3cE




「う、うーん……ここはどこだお……」
「ぽぽっ、ぽぽぽ……」

内藤ホライゾンを背負った八尺様は、あの場所から離れて休んでいた。
場所はE-2のテレビ局の辺り。
八尺様は内藤ホライゾンを休めるために、自慢の体力を生かして、走り回っていた。
そしてテレビ局たどり着いたのである。
ほどなくして、内藤ホライゾンは目覚めたのであった。

「そうだ……ぼくたちはあそこから逃げてきたんだお……」
「ぽぽぽっぽ、ぽぽ」
「? 何て言ってるんだお?」
「ぽぽ、ぽっぽっ」
「……もしかして話せないのかお?」

ぽ、と短く呟き頷いた……そのとき


「クマァァァ――――!!」


聞きなれた、あの鳴き声。
聞きなれた、あの忌まわしき鳴き声。
その鳴き声が聞こえた。
筋肉モリモリマッチョで、獰猛なあの熊の姿が思い浮かぶ。
一度思い出して内藤ホライゾンは、ぶるっと震えたが、すぐに平静を取り戻した。

「いまのは……!」
「ぽぽっぽぽ!」

瞬時に二人の間に悪い予感が走る。
クマーは生きていた。もしかしたらTさんはすでにもう……

「そんなハズないお!」

そう言うがいなや、内藤ホライゾンは鳴き声が聞こえたほうへ、駆け出した。
何も考えず、本能的に駆け出した。
内藤ホライゾンは後ろを見たが、問題ない、ちゃんと追いかけてきていた。
二人はまだ信じていた。
Tさんはきっと生きている、死んだフリでやり過ごしているのではないか、と
Tさんはきっと生きている、すでにあの獰猛な熊は倒していて僕らと合流できる、と
Tさんはきっと生きている。
あんなに良い人が死ぬはずがない。


だがそれはただの


「Tさん……」
「ぽぽ……」


―――希望的観測にすぎない。



【D-2・市街地/一日目・早朝】

【内藤ホライゾン@AA】
[状態]:健康、クマーに対する強い恐怖
[装備]:木刀@現実
[道具]:無し
[思考・状況]
基本:死にたくない
1:Tさん……
※数多くのSSに参加した経験が有ります
※荷物を全て落としました

【八尺様@オカルト】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本: ぽっぽぽ……
1:Tさん……

※D-2市街地のブロック塀のいくつかに、ヒビが入っています
※Tさんの支給品(基本支給品一式、PDA、不明支給品×1~2)は、遺体近くの民家内に放置されています


□□□


内藤ホライゾンが目覚めるとほぼ同時に、クマーも目覚めた。
目覚めた彼の体力は全快と言っても差し支えないほど、回復していた。
ダメージも全快とは言えないが、ある程度は回復していた。

「クマァァァ――――!!」

目覚めた彼がとった最初の行動は、怒りの雄たけびを上げること。
その声は大きく、辺りに聞こえるものであった。
そして彼は野生の本能に従い、狩りを再開するのであった。


【D-2・路上/一日目・早朝】

【クマー@AA】
[状態]:全身にダメージ(小)、右腕骨折
[装備]:鍛えぬかれた肉体
[道具]:無し
[思考・状況]
基本:野生の本能に従うクマー
1:ク
2:マ
3:|
4:!
※辺りにクマーの「クマァァァ――――!!」の雄たけびが響きました


No.56:調査未だ足りず 時系列順 No.45:カルネアデスの板
No.42:探し物はなんですか~? 投下順 No.44:グンマーの大冒険 VS吸血鬼編
No.26:寺生まれはスゴかった 八尺様 No.68:unknown
No.26:寺生まれはスゴかった 内藤ホライゾン No.68:unknown
No.26:寺生まれはスゴかった クマー No.85:茶鬼

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