※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

ちょっとした発見をしたんだけど需要ある?  ◆m8iVFhkTec




ヘリコプターに乗り込み、プロペラが大きく回り出す。
周囲の草木が風で靡かれ、風圧によってその機体が空中へと浮かび上がっていく。
海に浮かぶ小さな島、台場を飛び出して、ヘリコプターはどこへ向かうのか。
もちろん、当てもなく漂う訳ではない。そんな人目を引くような愚行を犯すほど、のんきでは無い。
次の行き先は既に決めてあった。

「ちょいと温泉に行くとしましょう。
 主催者のやつも、気の聞いた施設を用意してくれたもんです。」

ファヌソは嬉々とした口調で呟く。
髪様は綺麗好きなのだろうか? どちらにせよ、割とのんきな意見ではある。
子羊たちの間では「ファヌソ様は全裸をを好んでいる」という説が出ているが、その辺りも関係してるかもしれない。



ヘリコプターが海の上を飛んでいる。
聞こえるのはバラバラバラと言うプロペラの回る音だけ。
朝日が少しづつ山の際から顔を出し、その光は波間に反射してキラキラと眩しい。
それはなんとも美しく、思わずため息が出るような、趣深い情景ではないだろうか。
……ただ、運転中である彼には目映すぎてうっとおしいものでしか無かったのだが。


やがて目的地である温泉地へとたどり着く。
車が一台も無い駐車場が目についたので、そこへ降り立った。
十数分振りの地面を踏んで、ファヌソはデイパックの蓋を開き、ヘリコプターにさっと被せた。
すると、その巨体はあっという間に中に吸い込まれていく。
冷静に考えれば不思議な現象を見ながらも、彼の頭は裁きの事を考えていた。

「これ、人間たちに被せれば仕舞っちゃえたりしませんかね?」

しまっちゃうおじさんに仕舞っちゃわれてしまいなさい!! とか、面白そうじゃないですか。
子羊が頭冷やした頃に、出してやれる仕組みなら都合がいいのですが、その辺りは保証が出来ませんね。

そんなことを考えながら歩いていくうちに、目的地温泉へと着いた。

「温泉だなんて書いておいて
 どっちかと言うとスーパー銭湯じゃないですか。
 私がいない時にでも、戦闘が巻き起こってしまいなさい。」

冗談が半分、悪態が半分のセリフを吐きながら、彼は扉をくぐっていく。


☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★


「中に入ってみてビックリ!
 既に戦闘が行われた後じゃないですか!」

いきなりロビーに横たわる無惨な死体を見て、おもわず嘆いた。
暖かみのある色のライトに照らされたその中心に、赤と黒にまみれた冷たい亡骸。
日常と非日常、その対比が目の前でありありと描かれているような感覚だ。
目を疑うような光景、ただ彼はグロゲーなどで耐性を得ていたため、それほど激しい衝撃は受けなかった。
とはいえ異臭が酷い。温い空間に長時間放置されたせいで、腐敗が始まっているのだろう。
むせかえりそうな刺激臭……ゲームじゃ知り得ない感覚には、さすがの髪様も不快感を催した。
こんな時のための神通力である。
彼は右手を振って念を込める……すると、ロビーに満ち溢れていた鉄の臭いが瞬間的に消し去られた。
これを神通力ではなく、消臭力だと語る者もいるかもしれない。

「流石にお医者さんカバンも使えないでしょう。
 なにより、使うのが勿体ないです。
 ……それにしても、せっかく上がっていたテンションが台無しです。
 こういう時は銭湯に浸かって回復するに限ります」

普通の人間がこの惨状を見たら、SAN値が下がりきって仕方ないだろう。
だが、髪である彼にはそんなもの取るに足らない事……。
見知らぬ人間の死体を見たところで、彼は風呂へ入るのをやめたりはしない。
そうして、彼はさっさと暖簾をくぐろうという時、ふと足を止める。

「……待てよ、一つ実験してみてもいいかもしれませんね……」

彼は先ほど、ヘリコプターを仕舞う時に考えた事……
『参加者をデイパックの中に仕舞えるかどうか』
……それを実践してみようと考えた。

「生きている人と死んだ人では結果が違うと思いますが……
 まぁ、事実を知っておくだけでも違うでしょう」

付近に置いてあった、この参加者の物であろう空っぽのデイパックを拾い上げる。
一柱の善良なる神として、哀れな亡骸に一声、祈りを捧げる。

「それでは、御冥福をお祈りします。失礼……」

そして彼は、死体にデイパックを被せる。







白衣を脱いだ髪の子ファヌソは、ゲーム神から御全裸神へと成る。
一説によれば、『入浴』という行為は全裸をこよなく愛するファヌソ神によって広められたらしい。
一日に一度、魂と裸体を解放する時間が欲しいと願った彼の希望が実現した結果であり、これを『ファヌソの呪い』と呼ぶそうだ……。

「そんなわけないです。子羊たちが勝手に提唱しているだけですから」

独り言を呟きながらファヌソは湯船に漬かる。
他の地区はどこも外灯くらいしか点いておらず真っ暗であるのに、この銭湯は場違いな程に明るい。
電気はもちろん、お湯は稼動しっぱなし。脱衣所のドライヤー、洗濯機、浄水器、何不自由なく使える。
そしてここには誰もいない。ファヌソは貸切状態を存分に堪能していた。

「ええ、思った通りでしたね。
 デイパックには『モノ』であれば大抵入るようですね」

結論を言えば、死体を収納することは可能であった。
……そりゃあ、全長5m~10mにも及ぶヘリコプターを仕舞えて、人一人が入らないはずが無いのだが。
とはいえ常識的に考えれば、背負える程度のサイズであるデイパックにそんなものを入れようと試みる者は滅多にいないだろう。
無論、取り出すのも容易に行えた。
手を入れてまさぐれば、その死体の感覚を確認出来る。あとはそれを引っ張り出せばいい。
そして、収納の有無に関わらず、デイパックの重さはほとんど変わらなかった。

「中に仕舞うのではなく、どこか特殊な空間に送っているのかもしれませんね。
 でも、亡骸を持ち運べるとなると、なかなか面白いことが出来そうです。
 この事実を知らない人が見れば、一瞬にして死体が跡形もなく消えたように思えるでしょうし。
 ……せっかくだから、こういう情報は誰かに教えてあげたいですねぇ。
 なんたって、私が発見した『裏ワザ』ですから……!」

朝風呂をのんびりと堪能しながら、ファヌソは一人『ゲーム』を楽しむ。



【F-6の境目・大浴場/1日目・早朝】

【髪の子ファヌソ@ゲームサロン】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、お医者さんカバン(4/5)@ドラえもん、ヘリコプター@現実
    12.7mm弾×25、25mm弾×5
[思考・状況]
基本:気まぐれに行動する
1:気の向くままに、向かいたい場所へ向かう
2:全r……温泉を堪能中
3:ひろゆきをゆくゆくは地獄に落とす
4:手に入れた弾薬は、相応しい仔羊に与える
5:『裏ワザ』を誰かにひけらかしたい

※神通力が制限されています。さじ加減はそれぞれの書き手の方にお任せします
※小さな公園の中に、弾薬箱とわさび@オラサイトが放置されています。
 ファヌソが入手した物以外にも弾薬はあるようですが、種類と量は不明です
※デイパックに参加者の亡骸を入れて持ち運べることを知りました。生者にそれが適応するかは次の書き手の方にお任せします。

※ウララーの死体と空のデイパック(ウララーの所有物)がロビーに放置されています。神通力で異臭が消されました。


No.68:unknown 時系列順 No.70:【悲報】やきう兄ついに出会う
No.68:unknown 投下順 No.70:【悲報】やきう兄ついに出会う
No.53:ファヌソ、探索始めるってよ 髪の子ファヌソ No.86:神々の戦い