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ハルトシュラーのパーフェクト説得教室  ◆XG.R2oT3cE




先程死んだ二人の代わりになりそうなものは早く見つかった。
百貨店とは別方向に歩いていると、ふらふらとした足取りをした男が前方にいた。
背中には円状の物体がついており、その周りに18個の物体が浮いている。
創作の魔王と呼ばれるハルトシュラーは、その武器が何であるか瞬時に分かった。

(あれは……、エルシャダイのガーレか……使えるな)

近距離では使い物にはならないが、遠距離からなら一方的に相手を痛めつけることができる。
しかも盾としても使用することができる。威力が小さいとはいえ、ここまで魅力的な武器はない。
先程のおっさん二人と同じくらいの年齢だが、それでもあの武器があるだけあの二人のおっさんよりはマシだ。
普通に考えれば分かる弱点に気付かないデブに、愚かにも自らの命を差し出したガリ。
それに比べれば武器を持っている分マシであろう。
もっともハルトシュラーにとっては、それもほんの些細な現象に過ぎないが。
さて、ハルトシュラーは早速ガーレを持つその男を仲間にしようと近づいた。
見たところ彼はとても疲れているようだから、心配そうに声をかけよう。
いたいけな少女を装って、口調にも気をつけて。

「あ、あの……大丈
「……ッ!!」

ヒュン、とハルトシュラーの頬を何かが通り過ぎた。
目には見えなかったが、ガーレの弾を射出したのだろう。
(どうやらハズレを引き当ててしまったらしい……)
ハルトシュラーは心の中で舌打ちをする。

「く、くるなッ! お前も殺し合いに乗っているんだろう!」
「ち、違いますよ! 私が殺し合いなんて……、そんな……」
「嘘つけ! 10代の少女の振りをして、不意をついて俺を殺すつもりだな!? だがそうはいかねえ!」
「……ッ!」

(私の正体を見抜いた!? バカな……)
ハルトシュラーは虚を衝かれた顔をしたが、瞬時に持ち直した。
(いや、ありえないな。初対面だぞ? 分かるはずがあるまい)

「他の人間は騙せても、俺は騙せないぞ!! 分かったらコッチに来んじゃねぇ!! さもなくば殺す!」

(眼が泳いでいる……しかも、声が震えているな……)
ガーレを持つ男―――キユは少女の正体には気付いてはいなかった。
疲労、恐怖、焦り、怒り、たまりにたまった精神疲労は疑心暗鬼を助長させた。
善意は悪意に見え、疑いは確信に変り、目に映るものを敵に見る。
故に彼は例えそれが純真無垢の可愛らしい少女でも、疑う。
ハルトシュラーは理解した。
(そうか、この男。疑心暗鬼に陥っているな……)
なぜそうなっているかは分からないが、この男は全てを疑ってかかっている。
そうなってくると、あながちハズレでは無さそうだ。
原因をつきとめてそれを解消すれば、仲間になってくれるだろうし、まだ話し合いの余地はあるからだ。
(もっとも、一歩間違えれば死んでしまう可能性もあるのだがな)

「はっ……はっ……来るな、来るんじゃねぇぞ……」

ガーレを持つ男はかなり疲れており、さらに興奮した様子である。
行動、言動、全てに注意をしなければガーレで瞬殺されてしまうだろう。
今の自分の状態は、10代の少女なのだ。当然体力も10代の少女並み。
さらに持っている武器が、全て近距離で使わなければならないもので、どう考えてもコチラが不利であった。
(だが、折角見つけた駒だ。何とかして手に入れたい)
この先、このような殺し合いに乗っていない人物に会えるかどうかは分からないので、ハルトシュラーは早急に駒を手に入れたかった。
まだ、自分を襲った猫がいるのかもしれないのでそれに対する守りが欲しいというのもあるが。
そうと決まれば早速、ハルトシュラーは行動に移した。

「あ、あの……何かあったんですか? そんな疲れた様子で……」
「うるせぇ! てめえには関係ねえだろ! そんなに死にたいのか!?」
「え、えっと……だって、その、困っている様子ですし。あと、凄く震えているので……」
「……!!」

言われて自分の様子に気付いたのか、男は必死に震えを抑えようとする。
しかしその震えは一向に収まることは無く、余計に震えは増していった。

「やっぱり何かあったんですか? 例えば……怖い思いをしたとか……」
「っ……ち、違う……俺は悪くないっ、俺は悪くないんだ!」

急に男が頭を抱え、ぶんぶんと振り出した。
(ふむ? いきなり確信を突いたか? どうやら何かをしでかしたようだが……)
考えうるにこの男は誰かを、ガーレで攻撃してしまったのだろうか。
だとしても、疑心暗鬼になるには薄すぎる。誰かに攻撃されたから反撃をした。その類だろうか?

「あ、あの……「あ、アイツラがっ! 銃を持っているからいけないんだ! だから俺は勘違いしたんだ! 俺は悪くない!」……あの」

男はさらに興奮した様子で、その行動に対する弁明をずっとしていた。
ぐちゃぐちゃした内容であまり分からないが、男は襲われたのではなく襲った側だということが分かった。
(嗚呼、うるさい……。だが、もう一押しかな……)
恐らく、疑心暗鬼の原因は大方これだろう。
ならそれを解消すればいい。相当混乱している様子だから、まずは静めなければ。

「俺は悪くないんだ! なぁ、お前もそう思うだろう! な、な!?」
「えぅ……でも、その人達は別に貴方を殺そうとしたワケじゃないんですよね?」
「あ、あ……た、確かにそうだが……」
「だったら、どっちも悪くないんじゃないと思います…… その……この状況なら仕方ないと思うんです。
 その人達が殺しにきた、って勘違いしてしまうことも」
「…………あ」

(やっと静かになってくれたか。さて)
興奮も収まった、今なら冷静に物事を考えてくれているだろう。
疑心暗鬼の原因はこの非現実的な状況と、この男の勘違いによるものらしい。
ならば解決する方法は一つ。

「あの人達に謝りに行きましょう! きっと、許してくれるはずです!」
「で、でも俺は……三人を襲って……」
「でもそれは誤解だったんでしょう? それならあの三人もきっと許してくれますよ!」
「そ、そうかな……でも」
「でもじゃない! 大丈夫です! それに仲間は多いに越したことは無いでしょう? 行きましょ!」
「うわっ! ちょ、分かった! 分かったから! 引っ張らないでくれ!」
「あ、そういえば名前を聞いてませんでしたね。私はハルトシュラーです。貴方は?」
「お、俺は…………、っ」
「?」

ここにきて、男が自分の名前を言い淀んだ。
誰かに知られたくない名前なのだろうか。ならば、ここは無理に聞かないほうがいい。

「言いたくないなら別にいいですよ。あとで、教える気になったら教えてくださいね?」
「……分かった」


□□□


思わぬ収穫だった。
新しい駒を手に入れたことに加えて、上手くいけば3体も駒が増えるかもしれないのだ。
しかもその内の一人は銃を持っているのだとか。
(これなら……あの猫に対抗できるな)
記憶が確かならば、あの猫が持っていた武器は薙刀と草刈り鎌とボウガン。
こちらにはガーレと銃、近距離用の警棒がある。
戦力差でいえば、ややこちらのほうが有利だろうか。
(さて、ゆっくり行こうじゃないか……)
口角がゆっくりと上がる。
キユはそのことを知る由も無い。

【A-4/1日目・朝】

【ハルトシュラー閣下@創作発表】
[状態]:健康
[装備]:警棒@現実、毒薬(青酸カリ)@名探偵コナン(?)
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)
[思考・状況]
基本:10歳の少女を演じながら、ステルスマーダーに走る
1:キユと行動
2:百貨店には近づかない
※身体能力の一切が10歳の女の子並みに制限されています。召還術も、自分の設定を変えることも出来ません
※拳法の技術や、剣技は体が覚えていますが、筋力などがついていきません
※毒薬は青酸カリです。説明書は「文字を入れ替える系」ネタが使われております

【キユ@週刊少年漫画】
[状態]:健康、人間不信、疲労(中)、精神疲労(小)
[装備]:ガーレ@エルシャダイ
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、靴墨@現実
[思考・状況]
基本:殺し合いには乗らない……?
1:ハルトシュラーと行動。
2:攻撃した3人と和解する。
3:俺の名前……どうしよう……
※A-5のどこかの民家一帯がボロボロになっています


No.90:神は死んだ/俺が殺した 時系列順 No.92:答えのない自問自答
No.90:神は死んだ/俺が殺した 投下順 No.92:答えのない自問自答
No.82:Drop out ハルトシュラー閣下 No.93:マザー・オブ・ラブでつきぬけろ!
No.62:見えない敵と戦う漫画家 キユ No.93:マザー・オブ・ラブでつきぬけろ!