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答えのない自問自答  ◆i7XcZU0oTM




(あいつの事以外で、また考え事が増えたわ。一体、さっきの音と光は何なの?)

 辺りを見回しながら、マッマは考える。
 息子……やきうのお兄ちゃんを探していた道中、聞こえて来た、あの爆音と、光。
 あれは、一体なんなのだろうか?

(……あの音のした方向には、必ず誰かがいるはずよね。火の無いところに、煙は立たないし。でも、
 あんな、辺りに響き渡るくらいの爆発なんて、よっぽどの事が無い限り起こりはしないでしょうし……
 かなり大規模な争いがあったのかしら……)

 いくら考えた所で、ここからでは爆発のあった地点を見る事は不可能。
 何を考えた所で、想像の域を出る事はできないのだ。

(直接、見に行ければ楽だけど……そうも、いかないわよね……)

 あれほどの爆発を起こせる武器……。強力な爆弾か、ロケットランチャーか。
 どちらも普段見かける事など全く無い物だが、この状況では……あっても可笑しくはない。
 そう言う物を、こちらに使われでもすれば。
 ……最悪、三人まとめて死ぬ可能性も、大いにあり得る。
 それだけは、なんとしても避けなければならない。
 死んでしまっては、何にもならないのだから。

「いい加減、やる夫もチハの中に入れて欲しいお! 外はどう考えても危険だお!」

 車外から、やる夫の声と同時に、チハの車体をコンコンとノックする音が聞こえた。

「男の子でしょ? もう少し頑張りなさいよ。根性無いわね」
「それ、何回言うつもりだお……と言うか、根性の問題じゃないお」


 爆発音が聞こえるほんの少し前。
 見失った息子を探すために、3人で街中を探索していた時に、例の爆発音が聞こえて来たのだ。
 当然、外にいたやる夫は驚きと恐怖で飛び上がり、チハの中に逃げこんだ。
 マッマも、念の為にチハの影に隠れ、辺りの様子を伺った。……そうしている事、約5分。
 誰かがこちらに来ることもなく、また銃弾なんかが飛んでくることもなかった。
 その後、チハの中で震えていたやる夫を外に追い出し、マッマが代わりに乗車したのだ。
 ……その時、マッマに対してやる夫はかなりゴネたのだが、その内容は割愛する。


「考え事してるんだから、邪魔しないで。分かった? どうしても分からないなら、体に教えてあげてもいいけど?」
「うぐっ…………せ、せめてあと5分したら、入れてほしいお!」
「仕方無いわね。それまで、頑張って探しなさい」

 そう言い終わると、マッマの意識は、再度先程の事へと戻る。


(……)


 "爆発のあった場所へ行く"と言えば、チハもやる夫も、一応従いはするだろう。
 だが……果たして、見に行く必要はあるのだろうか?
 もし近くに、まだ犯人が潜んでいたのならば、そして、襲われでもすれば。
 先程も挙げた通り、下手すれば3人とも死ぬ可能性があるのだ。
 それ以外にも、その場に負傷者がいたとしたらどうだろうか?
 怪我の程度にもよるが……あの時の男性の様に、何も出来ずに看取るだけになるかもしれない。
 そして、この2つの理由以外にも、爆心地に向かうのに二の足を踏む理由が、マッマにはあった。


(…………っ)


 無意識に、ぬるぽハンマーを握る手が震える。
 例え畜生なマッマとて、所詮は普通の主婦。死のリスクには、当然怯えもするし、恐れもする。
 ――――そう。ただの、主婦だ。
 だからこそ、よほどの事態でもない限り、思い切った行動を……取りたくても取れない。
 その考え事態は、何らおかしい物ではない。
 平和に暮らしているのであれば、死を覚悟の上での行動など取る事など、有りはしないのだから。
 しかし……。マッマには、"それでも前に進もう"と言う意思がある。
 それがあるからこそ、今まで過酷な現実に直面しても、折れずに歩み続けられたのだ。

(……正念場はこれからかもしれないけど、私はまだまだ負ける気なんて無いわ)




~~~~




(……散々すぎて、もう愚痴る気にもなれないお)

 チハの中で、口に出さずにただただ愚痴るやる夫。
 どうして自分がこんな目に遭わなきゃいけないんだ……。
 どうして、自分が……。
 こんな事を、何度考えただろう。
 だけど、どれだけ考えても、答えなんか出やしない。

(あぁ、どうしてこんな事になっちゃったんだお? やる夫はただ、普通に暮らしてただけじゃないかお……
 別に、やる夫じゃなくったって良かったハズだお……)

 ……そうして、やる夫は一人、心の中へと籠っていく。
 それが、何も生みはしない行為だと、心のどこかで思っていながら。

「いないわねぇ……チハももうちょっと良く探してよ」
(一応、ちゃんと探してるよ……)

 外から、マッマの声が聞こえる。やる夫と交代で、外に出たのだ。
 ……ああ、あの2人のように、自分ももう少ししっかり出来たなら。
 そんな思いが、やる夫の中に、どこからともなく湧いてくる。
 このままじゃ駄目なんだ。そう頭で考えていても、体がそれに従ってくれない。
 思いは言葉にしなければ伝わらないように、"行動"しなければ、何も変わらないのだ。

「ない夫…………ない夫なら、こういう時、どうするお……?」



 ボソリ、と誰にも聞こえないように。ここにはいない、友に呼びかけるやる夫。
 ……だが、当然答えてくれるはずもない。
 小さな声は、虚しく消えるだけだ。



(……どうすりゃいいんだお……)





 孤独な問いの答えは、まだ出ない。




【C-3/一日目・朝】
【やる夫@ニュー速VIP】
[状態]:負傷(中程度)、血が付着、テンションsage、擬似賢者モード
[装備]:無し
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、ランダム支給品0~2(確認済み)、しょうゆ一㍑(1/4消費)@現実
[思考・状況]
基本:性欲喪失。とりあえず今は生き延びる
1:やる夫は、一体どうすりゃいいんだお……?
2:アイツ(やきうのお兄ちゃん)は怖いけど……でもマッマの言う通りにする
3:チハからは離れたくないけど、畜生マッマから離れたい。今のとこ出来そうにないけど
4:やらない夫がちょっと心配。でもやっぱりおにゃのこには会いたい
※擬似賢者モードによりテンションが下がり、冷静になってます。性欲が回復すれば再び暴走するかもしれません。

【畜生マッマ@なんでも実況J】
[状態]:健康
[装備]:ぬるぽハンマー@AA
[道具]:基本支給品一式×2、PDA(忍法帖【Lv=00】)、ランダム支給品0~1(治療に使えそうなものは無いようです)、ハイヒール一足@現実
[思考・状況]
基本:殺し合いを止める
1:あのバカを追いかける。
2:爆発も気になるけれど……
3:とりあえず、やる夫を戦闘要員兼弾除けにする。グンマーはどうしようか……
4:やる夫の友達のやらない夫に親近感

【チハ@軍事】
[状態]:損傷無し、燃料残り77%、内部が少し醤油臭い
[装備]:一式四十七耗戦車砲(残弾無し)、九七式車載重機関銃(7.7mm口径)×2(0/20)
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、ランダム支給品1~3(治療に使えそうなものは無いようです)
[思考・状況]
基本:死にたくない
1:マッマの言う通りにする
2:殺し合いに乗った人には会いたくない
3:やきう兄に強い警戒。グンマーは……
※チハは大戦中に改良が施された、所謂「新砲塔チハ」での参戦です。
※チハは自分の武器の弾薬が無い事にまだ気づいていません。

No.91:ハルトシュラーのパーフェクト説得教室 時系列順 No.93:マザー・オブ・ラブでつきぬけろ!
No.91:ハルトシュラーのパーフェクト説得教室 投下順 No.93:マザー・オブ・ラブでつきぬけろ!
No.75:アクシデントは突然に やる夫 No.97:You are next
No.75:アクシデントは突然に 畜生マッマ
No.75:アクシデントは突然に チハ