「ふぐっ、んぎ、ひぃぐっ!」
部屋の中には二人の音。声にもならない音が、お互いの喉から漏れ出ていた。
「ああ、あああ! 出る、でるっ!」
荒い息、唸り声、肉の当たる音。何よりも耳を覆い尽くすような、欲に塗れて粘つく水音。
追加とばかりに腰から抜け出ていくそれが、和の中で弾けるのが分かった。
「んぎっ!? うあぁあああ…あ、ああ…」
グリグリと捻じ込むように亀頭を押し付ければ、ヒクつく子宮口が貪欲に吸い上げてくる。
力尽きたように倒れる和とは別の生き物ように。そこだけは、喜んで精液を飲みこんでいく。溢れかえった精液を顧みず、新しい子種を迎え入れていた。
「はー、はー…和、顔こっち向けて」
「んぁ…すがくん…んっ、んむ…」
柔らかい唇に吸い付くと、息を整える事すら忘れて貪りあう。
汗と色んな液に塗れた体が重なって、酷く気持ち悪い。けれど、それさえどうでもいいと思えるくらい、ただ夢中だった。
それはきっと、和も。
「ああ…もっと、もっとぉ…」
甘い息が顔にかかる。蕩けた目はどこか濁っていて、俺を引き込んで逃がさない。
甘えるように唇を俺の首筋へ走らせ、汗を舌が拭い取る。自分の胸から滴る汗には頓着もせずに、だ。
だから…俺がそっちに構ってやる。それならお相子だろ?
「んあぁっ!? ひぅ、あ、おひっ!」
「はは…相変わらず、乳首は弱いんだな。ほら、潰れちゃうぞ…」
「ひっ! ひっ、んおぉおっ! やめで、ぐださいっ! イっじゃう、イく! い、あああああ!」
摘まんだ乳首が形を変えるたび、和が狂乱したように頭を振り乱していく。鳴き声を撒き散らして、体を震わせて。
やがて小刻みに震えると、むせこみながらシーツへと沈んでいった。
それにしても…シーツも酷い。一晩中続けたせいで、体液以外にもドリンクの零れたものや、ローションなんかでグチャグチャだ。ただ、今の俺達には似合ってるような気もする。
「…なに、休んでんだよ。孕むまでやるって、言っただろ」
白い、ヌルヌルとした腰を掴む。持ち上げればデロリと精液が零れる穴に、あてがった。
「あ、も、もうだめです…だめ…だめ…」
耳に届くのは、虚ろに呟く言葉。そしてその中に込められた、ゾクゾクするような色艶。
痛みも疲労も、何もかも忘れたまま、腰を打ち付けた。
髪が頬に、額に張り付いて気持ち悪い。腰はベタベタで、ひどい臭いがする。
真横で寝息を立てる和の、同じようにベタついた頬からくびれたお腹へ撫でながら、心地悪いまどろみへと落ちていくのだった。
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