食べるって言っても色々あるだろ?
ご飯? いいね、毎日三回食べるもんなら美味い方がいいよな。
デザート? いいね、飯の後に甘いものって、なんであんなに幸せになるんだろうな。
咲「京ちゃん…い、いいよ? 破いても…京ちゃんになら」
破らないと食べられないからなあ。
問題はもう一つの『食べる』ってやつで、これはいわゆる『おやつ』になる。
ご飯ほど腹は膨らまず、デザートほど気取らないのがおやつだ。それだけにおやつってのは魅力的で…恐ろしいもんなんだぜ。
そう…このポテチみたいな。
和「素敵です…パンパンに膨らんで、張ってますね…」ゴクリ
たまにあるよな、こういう妙に膨らんでるやつ。
一人なら縦に引き裂くけど、今日は大人数だしいわゆるパーティー開けだ。見ろよ、ギットギトの油で上がったジャガイモが、艶やかな黄色い照りを見せつけてやがる。
匂い? ポテチだぜ、芳醇な香りなんてするわけないだろ…でもな、このほのかに感じるジャンクな油の匂い…唾が出るには十分だろ?
優希「きょーたろー、味は? タコス味はあるんだろうな!」
ドンタコスでも食ってろ。
最近は色んな味があるよな。ご当地味ってのもあるし、それぞれ美味いのは間違いない…けどまあ、ここはド定番のうす塩と、コンソメ。両方嫌いって奴はポテチ自体が嫌いなんじゃないか?
久「須賀くーん。見て見て、ポテチ二枚でアヒル口ー」
小学生かっ!
しっかしさすがポテチ。みんなの手が伸びる伸びる…さっさと俺も食べないとな。
うん、うん。パキンと割れるポテチの感触がやっぱり最高だ。
それと舌に乗っかったときの濃すぎる塩味…口の中をまんべんなく覆う油。指先? 言うまでもなく塩と油でベトベトよ。
まこ「あちゃあ、潮で指がベットベトじゃ…ん、舐めるんも悪くないのう」
食い終わった後は舌でねぶる。これがポテチの流儀だよな。
おっと…ごちそうさまとは言わないぜ? そいつはご飯の時間まで取っとくよ。