憧「もしもーし」
『よ。もう掛けてくんなって言ってたの誰だっけ?』
憧「私から掛けないなんて言ってないけど? 暇ならちょっと相手しなさいよ」
『へいへい。都合のいい男になってやりますよ』
憧「よろしい…ねえ、アンタんとこって雨降ってる?」
『いや、今日は降ってねーな。梅雨って言ってもこんなんだろ』
憧「そうなの? こっちは降ってるわよ。地味に降ってて外出る気にならないのよねー…」
『別にいいじゃん。小雨なら傘差せばどこでも行けるだろー?』
憧「はー…デリカシーないわねー。髪の毛跳ねちゃうし、メイクも乗りにくいし嫌なのよ」
『そんなもんか…俺の周りってあんまそういうの気にしないからなあ』
憧「ま、私が気にしすぎなのかもだけどね。しずならどーせ、この雨の中走り回ってるし…」
『俺はそっちの方がいいかもなー。気持ちいいし』
憧「はいはい…っと、誰か来たから一旦切るわね。暇だったらまた電話するから携帯持っといて」
『無茶苦茶だぁ!』
憧「うっさい…はいはーい、しず? えー…しょーがないわね。準備するからちょっと待ってなさい!」