憧「ね…私、馬鹿みたいだよね」
『何がだよ』
憧「だって私、アンタの名前も顔も知らないのよ? それなのにさー…」
『別にいいんじゃねーの? いや知らんけど』
憧「なにそれ、プロの真似? それよりもまさか私がかー、って感じ」
『まあいつ何が起こるか分からないって言うし…そういうこともあるだろ』
憧「ふーん…アンタも、そういう感じ?」
『さあなー』
憧「また適当にはぐらかして…今日はもうダメだからね」
『へいへい』
憧「……ま、アンタがわりとイケメンで良かった、かな?」ピッ
「俺も。意外と美少女でちょっとビビってる」ピッ
憧「…ちょっとだけ、肩貸して」
「おう」
憧「一つだけまず言っときたいんだけど…聞いてくれる?」
「俺も言いたいことあるんだよ。まだ言ってないし、知らないことなんだけどさ」
憧「じゃあ私からね。あのね、私の名前は――」