準決勝前夜

晴絵「そんじゃ私は監督会議行ってくるわー」フイー

 

憧「晴絵ってホントシリアス保てないわよね」

 

晴絵「いやー、そのまま外で食ってくるからみんなはルームサービスでも頼んどいてー」

 

灼「イってらっしゃい…」

 

ガチャン

 

宥「次はあの準決勝だね…」

 

玄「じゅんけつ…」

 

灼「はるちゃんが越えられなかった壁…」

 

穏乃「破られなかったしょじょ」

 

憧「文脈読め文脈ぅー」

 

ガチャッ

 

晴絵「そんときは清らかだったからね?」ソーッ

 

憧「はよ行かんかい!」

 

 

 

穏乃「うー…そんなことよりおうどん食べたい! ラーメン!」

 

憧「どっちよ」

 

 

灼「なんで突然ラーメン…」

 

穏乃「ふへへ、やっぱり東京来たら食べなきゃーって思って」

 

穏乃「あれ…? 赤土さんだ! それに熊倉さん…」

 

玄「それって、福岡の監督をしてた人だっけ」

 

憧「ああ…しず、よく見えるわね…ってこっち来たっ」

 

 

トシ「それで? プロ行きの話はどーするの?」

 

トシ「教え子を準決勝まで導いたのもプラス評価になってるのよ」

 

晴絵「はは…また後でメール入れますんで」

 

 

憧「晴絵…あたしらをダシに使ったってこと…?」ワナワナ

 

灼「そんなわけない…」

 

憧「でもっ!」

 

穏乃「落ち着いて憧! 考えても見てよ!」

 

 

灼「はるちゃんならそんな器用な真似できずに口から垂れ流すから」

 

憧「それもそーね」ポンッ

 

 

 

玄「ふあ…なんだか眠いねー」フラッ、プニョン

 

玄「…これ、おねーちゃんじゃない…誰?」バッ

 

 

桃子「どもー…申し訳ないっす」ユラ…

 

穏乃「な、何もないところから人が!」

 

智美「どしたー、モモー」ワハハ

 

桃子「急いでいたら人にぶつかってしまったっすよー。もうしわけございません」ペコリ

 

玄「いえいえ! こちらこそありがとうございました!」

 

桃子「え?」

 

 

玄「いやあ…なかなかのおもちでございました…是非今度は揉み解したいところで」ムフー

 

穏乃「何もないところから…透明人間プレイができる!?」

 

桃子「あー…ソッチの人種さんっすねー…」

 

 

 

憧「ちょ…待ってよこの人、確か東横さん…だっけ?」

 

桃 「え?  んで 前…」

 

憧「ほら、あのお屋敷で撮影してた映像見せて貰ったじゃん」

 

穏乃「?」

 

玄「豊満かつ良型のおもち! 一度見たら忘れられない素敵なおもちなのです!」

 

穏乃「あ! そういえば…って居ない!?」

 

桃 「こ  い  すよ」

 

灼「さっきまで目の前にいた…」

 

憧「んんん? なんか気配がするんだけど…」

 

ゆみ「ほう、君はなかなか素質がありそうだな」ズイッ

 

憧「へっ!? え、えと、確か鶴賀の部長さん…」

 

ゆみ「部長ではないが…まあいいさ、確かにモモはここにいる。そう…」スッ

 

桃子「ふあっ!? ちょっ、先輩やめるっすよ! どこ、触ってる、っすかぁ! ひうっ」

 

玄「ふおおお! 素敵な手もみ! かといって形を崩さず、強すぎず弱すぎず…」ゴクリ

 

ゆみ「ふっ…モモのことなら私に聞いてくれればいい。いつでも見つけて見せるさ」モミモミ

 

憧「これまた面倒くさいのが増えたわねー」

 

 

 

智美「ここがばーちゃんちだー」ワハハ

 

玄「わー、広いねー」

 

宥「おっきくて…あったかーい…」

 

穏乃「すっごいなあ!」

 

灼「お金持ち…」

 

憧「うっぷ…あんたら、なんであの運転で無事なのよ…」ヨロヨロ…

 

穏乃「憧はもうちょっと三半規管鍛えないとダメだよー」

 

憧「鍛えるったって、どうすればいいのよ…」

 

玄「え? 憧ちゃんは子供の頃とかやってないの?」

 

灼「意外…」

 

憧「なによぉ…子供のころ? なんかあったっけ…」

 

穏乃「そういえば河水浴でもやってなかったよね」

 

憧「だから何? 全然思い当たるのがないんだけど…」

 

穏乃「そりゃあもちろん」

 

 

「「「「「犬神家!」」」」」

 

憧「誰がやるかぁ!」

 

 

 

智美「ただいまむっきー」

 

睦月「おかえりなさい…そちらの方達が?」

 

ゆみ「ああ、奈良代表の阿知賀女子麻雀部だ」

 

桃子「先輩引っ付きすぎっすよ! 離れるはなれーるー!」

 

玄「ふあー、羨ましいなぁ…おねーちゃん、私達もー!」ガバァ

 

宥「ふえっ!? は、ぅ…ん、ふぅ…」

 

憧「あーもう、またそういうことする! さっさと離れる!」

 

 

睦月「せいっ」ドスッ

 

ゆみ「あだっ…て、的確に狙うじゃないか…」

 

桃子「まったく、先輩は反省するっす! 他の学校の人の前でー」

 

 

憧「……あーいうツッコミでもいいかもしれないわね」チラッ

 

玄「ひええ…でもちょっと欲しいかも…」ポッ

 

憧「あ、ダメだこれ。効果無いや」

 

 

 

ゆみ「なるほど、準決勝で勝つために強くなりたいと」

 

穏乃「よろしくお願いします!」

 

ゆみ「確かに区間一位がうちには二人ほどいるが…急激な強化は望めないだろう」

 

穏乃「それは分かってるんですが、このままだと…」

 

ゆみ「ふむ、それならとりあえず打ってみよう。そっちに個人戦の出場者は?」

 

憧「いませんけど…」

 

智美「それなら迎えに行ってくるぞー」ワハハ

 

灼「? 誰を…」

 

ゆみ「うちの部員が一人、近くのホテルに行っていてな。一緒に何人か拾ってきて貰おう」

 

ゆみ「個人戦の全国出場者もいるはずだ。期待してくれていい」フッ

 

玄「わ、楽しみだねー」

 

 

佳織「た、ただいま戻りましたー」ボイーン

 

美穂子「こんばんは、お招きありがとうございます」ポヨーン

 

玄「ふ、ふおおおおおお! おおおおおももおもおも! 天国ですか!」

 

ゆみ「ふふ、期待以上だろう?」ドヤァ

 

玄「はいっ! 加治木さん、ハンパないのです!」

 

桃子「先輩までそっちの意味で言ってたっすか!?」

 

憧「あんたら麻雀に関して期待持ちなさい!」

 

 

 

ゆみ「それじゃあ早速打とうか。メンツはどうするか…」

 

玄「はいはい! 福路さんと妹尾さんと東横さんで囲みたいです!」ピョンピョン

 

憧「それだと麻雀に絶対集中しないわよね?」

 

池田「おっと待つし! キャプテンのおもちに埋まりたければこの華菜ちゃんを超えていくし!」

 

智美「ワハハ、佳織のおもちはそう簡単には揉み解させないぞー」

 

ゆみ「モモのおもちもだ。こればかりは君と言えども譲る訳にはいかないな」ゴゴゴ

 

玄「むむむ…望むところなのです! おもちのためなら松実玄、全力全開で頑張ります!」フンス

 

 

憧「あ、それロンで」

 

佳織「は、はいっ! えと…それ、当たり牌っていくつあるんですか?」

 

未春「五面待ちですね、少しわかりにくいですけど落ち着いて数えてみてください」

 

睦月「うまく捨て牌で迷彩が掛かったね」

 

憧「そうなんですよねー、ここまで上手く本番でも来てくれればいいのに」

 

桃子「それじゃあ私も本気出させてもらうっすよー?」

 

憧「う…が、頑張る!」

 

未春「頑張って下さいね、出来る限り私達も応援しますから」

 

睦月「でも決勝で清澄と闘ったらどうしようかな…迷うけど、ここは清澄かな?」

 

憧「あー、ひどーい!」

 

桃子「あはは、頑張るっすよー」

 

 

 

玄(この人たち、凄く強い…)

 

池田「ぐわー! 裏ドラサービスだし! オプション代もサービスで!」

 

睦月「一言まったく不必要です」ドスッ

 

ゆみ「裏ドラが乗っても点数は変わらないから構わないが…代わりに何を捲るべきか」フム

 

未春「はい、桃子さんのスカートから目を離して下さいね」ニコッ

 

智美「ワハハー。テンパってたけど一足早くイかれたかー、欲求不満だなー」

 

憧「うーんその言い方はセーフ…にはなりませんけど?」

 

玄(でもここでもっと強くならないと、全国には敵わないんだ…)

 

玄(強くならなきゃ…!)

 

憧「へえ…玄ってば真面目じゃない。そうやってると年上っぽ」

 

玄「強くならないと、どのおもちにも触れずに終わってしまうのです…!」ゴゴゴ

 

憧「んー。尊敬した五秒がもったいなく感じるわー」

 

 

 

穏乃「送って下さってありがとうございます!」

 

智美「あんまり相手できなくてごめんなー、みんな明日が清澄の試合だからナニもせず寝るって聞かなくてなー」

 

玄「それはもったいない…うぅ、おもち~…」

 

憧「玄が一番打ってたでしょ。諦めなさいって」

 

灼「でも重大なヒントを貰ったような…」

 

宥「私たちは個人戦に出てないから…明日一日しかないけど…」

 

穏乃「赤土先生方式の、押し倒し練習試合で行こう!」

 

玄「東京に出てきてる人にはおもちが大きい人もいるはず!」

 

宥「人が多いほど…あったかくなれるかも…」モジモジ

 

灼「浮気はしないけど、フレンドになるのはいいかも…」ウズウズ

 

憧「目的すり替わってるわよー、犯人は玄!」

 

晴絵「クロだけに?」ススッ

 

憧「うっさい!…なんでいるのよ!?」

 

晴絵「いやー、帰ってきて誰もいないって、ちょー寂しくてロビーで待ってたんだよね」

 

 

 

翌日

 

晴絵「あらたー、朝飯どうするー…あれ?」

 

晴絵「手紙…なになに、『はるちゃんの寝顔が可愛かったので待ち受けにしました。代わりにパンツを置いておきます。PS:昨日言った通りみんなと練習してきます』。そっか、それじゃあ今日は私一人かー」

 

晴絵「……」ポケー

 

晴絵「あー…一人なら全裸でもいっかなー、なんちゃって」

 

晴絵「……」ポケー

 

晴絵「……みんなは練習、すこやん達は解説の仕事」

 

晴絵「やるか」ムクッ

 

晴絵「明日の対戦校の牌譜の見直し、傾向と対策は纏めたし…穏乃の覚醒も想定より早い。調整が要るか」

 

晴絵「ふんふーん♪ 灼はまだ隠せるかどうか。憧は一番メンタル変わりやすいからこっちがいつも通りとして――」

 

 

 

穏乃「ひゃー、雨すごいねー」

 

玄「うん。下半身びちょびちょだよ」

 

憧「あんたらの口はそういう方向にしか動かないんかい…失礼しまーす」

 

憩「いらっしゃーい。遠いところをわざわざ大変だったでしょーぅ、雨も降っちゃって」

 

灼「ナース、いいですね…こちらこそ突然すみません」

 

憧「謝罪の前にそれが来るってのもどーなの?」

 

宥「たくさん申し込んだけど…荒川さんだけで…」

 

憧「さすがに子供主導だと難しいですねー」

 

憩「いえいえ、ウチらも練習になって嬉しいわー」

 

憧「ウチ、ら?」

 

憩「ちょっとツテで呼びかけてん」ガチャッ

 

穏乃「これって…!」

 

 

憩「あ、間違えた。こっちはコケシとコス衣装部屋やった」パタン

 

穏乃「凄い!」

 

憧「露骨に余分なものを持ち込んでくる…っていうかこの人大阪から来たばっかよね?」

 

 

 

憩「こちらは九州の藤原リセさん、そちらが東海王者のモコちゃん」

 

憩「で、あっちが静岡一位のナキリさんでー、霜崎さんは千葉MVP」

 

憩「ウチらがお相手しますーぅ」

 

 

もこ「……サイドツインは髪コキしやすそう。おもちの大きいのは挟めそう…」ブツブツ

 

藍子「催眠術ってホントにエロゲみたいになるのかなー」

 

絃「……どうも」

 

リセ「よろしくお願いします」

 

 

憧「二人、かしら」

 

穏乃「? えーと、霜崎さん、なんか前かがみですけど大丈夫ですか?」

 

絃「はい…ただ、深く入れすぎて少しツライだけですから…」

 

憧「三人…」

 

 

宥「わあ…藤原さん、すごくあったかそうな服…」ポワーン

 

リセ「ありがとうございます、確かに服自体は暖かいので、きちんと下は脱いでいるんですよ」ニコリ

 

 

憧「う、うあああ! いいけど、いくない!」

 

 

 

――夜――

 

「「「「「ありがとうございました!」」」」」

 

憩「楽しかったでー」

 

憧(身になったけど、ちょー疲れた…)グッタリ

 

 

穏乃「うー、帰ってきたー」

 

灼「連泊してると、ホーム感…」

 

玄「だねー。でも今日はよかったね!」

 

宥「うん…最初は手も足も出なかったけど…」

 

憧「掴めるものは多かったわねー。肩凝ったけどさ」

 

穏乃「大変だったもんねー。そういえば和は勝ったのかな?」

 

憧「んー…気にしないでおこ。万一負けたりしてたら、こっちのモチベ下がったらやだし」

 

穏乃「そっか…うん、そだね」

 

 

穏乃「入れる前に渇いちゃったら痛いだけだもんね」

 

憧「そうねー」

 

宥(憧ちゃんがツッコミ放棄してる…疲れたのかな…)

 

 

 

灼「ただいま…」

 

晴絵「おかえりー」

 

憧「またロビーで待ってたの?」

 

晴絵「いやー、部屋にいると自家発電くらいしかすることないじゃん?」

 

憧「せめて読書だのテレビだのあるでしょーが!」

 

晴絵「んでんで、穏乃はどれくらい打った?」

 

穏乃「えっと…けっこう!」

 

晴絵「それならこれ上げよっか」スッ

 

憧「なに?」

 

晴絵「脱衣麻雀アプリ」

 

憧「くぉらっ!」ドスッ

 

晴絵「おうふっ」

 

 

 

晴絵「うぐぅ…く、玄は? ドラ爆ってきた?」

 

玄「えっと…いつもの感じで」

 

晴絵「そんなら玄には助言が一つあるよ」キリッ

 

玄「は、はいっ!」ピシッ

 

晴絵「いいかい玄…時にはね、清水の舞台から飛び降りる決意が必要な場面が来る」キリリ

 

灼「はるちゃん真面目…か、かっこいいたる…」ハアハア

 

晴絵「そういう時には臆さないこと。周りには仲間もいるんだからね」キリ…

 

憧「晴絵…」

 

晴絵「まー分かりやすく言うと、処女を捨てるときはスパッと捨てる覚悟を持てってゆーことで」

 

玄「はいっ!」

 

憧「その真面目モード、持続時間の短さはどうにかならないわけ?」

 

 

 

晴絵「えとねー、でねー、灼と宥はありのままの姿がいいからー」

 

灼「プ、プロポーズ…?」ポッ

 

宥「はぅ…恥ずかしい…」カァッ

 

晴絵「憧はー、そだねー」

 

憧(さて…ちょっと疲れてるけど、突っ込まないとね…)

 

晴絵「明日はがんばろーか」ナデナデ

 

憧「……え」

 

晴絵「まーアレよ。ビシっと相手を叩いてM奴隷にしちゃいなー」ナデナデ

 

憧「ん……誰がんなことしとるかー!」ビシィ

 

晴絵「あだっ」

 

 

憧「…ありがとね」

 

晴絵「おやすみー」ヒラヒラ

 

 

 

憧「ねえ、一つだけ訊いてもいい?」

 

晴絵「にゃにー」

 

憧「晴絵さ…プロに、行くの?」

 

穏乃「あ…」

 

灼「くっ」

 

玄「め?」

 

晴絵「行かないけどー」

 

宥「そうなんだ…」

 

憧「なんか随分軽くない?」

 

晴絵「いやー、だってみんなの成長見たいじゃん? また後で考えるよ」

 

憧「……そっか」

 

晴絵「そーそー、そんじゃおやすみー」

 

 

 

穏乃「赤土さんは?」

 

灼「寝てる…寝顔が超可愛かった…」ハフゥ

 

玄「それでどうしたの? 先生が眠ったら集まろうなんて」

 

憧「それがさ、穏乃がどうしても決断式? やるって聞かなくって」

 

宥「わ…でも、そういうの、あったかくていいな…」

 

穏乃「えーとね、とりあえずがんばろうじゅんけつ!」

 

穏乃「千里山も白糸台も、新道寺だって強い!」

 

穏乃「でもうちらだって今朝よりも、今この時のほうが強い!」

 

憧「…県民未踏のベスト4」

 

灼「はるちゃんがイきたかった場所」

 

玄「目前だね」

 

宥「うん…」

 

穏乃「辿り着くんだ。うちらの代で…!」

 

 

穏乃「絶頂の先へ――!」

 

憧「決勝を汚さないの」

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最終更新:2014年06月22日 21:22