ホットライン。
憧「……もしもし? 須賀、さんですか?」
『ああ…新子さん、ですよね』
憧「……え、と」
『いや…なんつーか…』
憧「……」
『……』
憧「のっ、和の友達だなんて知らなかった! です…」
『ああ! 俺も驚き、ました…』
憧「ん……」
『あー……』
『なあ……忘れないか?』
憧「…何を?」
『メアドと番号交換して分かったこと、全部。いや、忘れるなんてできなくてもさ、考えないで話そう』
憧「それって…今まで通りってこと?」
『ああ、ラインは和繋がりで。だから、こっちの電話はさ』
憧「……」
憧「ばーか。ばーか、ばーか、バーッカ! アンタなんか…」
『うえー、ひっでーなオイ』
憧「ふんっ! アンタの名前なんかどうでもいいわよ! だから!」
憧「……アンタの名前なんか、登録してあげないんだから!」
『はは…へへ、そこまで言うなら俺も「変な奴」で登録したままにしとくわ』
憧「ふーんだ。アンタなんか最初っから『アンタ』でしか登録してないわよ!」
『へいへい。そんじゃこれからもよろしくな、名前も知らないおじょーさん?』
憧「仕方ないわねえ…相手してあげるわよ、どこかの誰かさん」