草木も眠る丑三つ時。俺達は、部室に集まっていた。
久「さあみんな…ろうそくに火は付けたわね?」
ぼんやり光る部長の顔は、どこか歪んだ笑みにも見える。それは、テーブルを囲む面々も同じこと。
まこ「バレたらド叱られるが…ま、たまにはええか」
優希「夏の定番だじぇー…これが無くて何が夏か…」
和「雰囲気、ありますね。いえ、全然、怖くないですけど。はい」
咲「和ちゃん、オムツ要る?」
和「ください」
京太郎「おいおい、大げさすぎだろー」
和「は? ちょっと私、余裕ないのでジョーク言えないんですが」
京太郎「すんません…」
久「はいそこー。始めるわよ…じゃあまずは和から言ってもらおうかしら」
和「い、いきなりですか…わかりました…」
和は深呼吸を一つ。小さな火に照らされた顔はどこか白く、確かに余裕は無さそうに見える。
もし本気で怖いならサポートしないとな…そう思った矢先、和は決心したように口を開く。
ここは、聞くに徹するべきだろう。わざわざ和の勇気に水を差すこともない。
和「それでは…私の話、です」
和「遠く岩手には、昔から尺八様という」
京太郎「はいストーップ。余裕出てきたみたいなんでストーップ」