~試合開始まで


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――長野、朝――

 

京太郎「よ、咲」

 

咲「京ちゃんおはよー…あ、和ちゃんも」

 

和「おはようございます咲さん、須賀君」

 

京太郎「和もな。おはようさん」

 

和「ええ…いよいよ、ですね」

 

咲「うん」

 

京太郎「いよいよ全国か…」

 

 

咲(お姉ちゃんに、会える!)ワキワキ

 

和(東京…なかなかのアバンチュールですね…)ポッ

 

京太郎(なんか動作がおかしい)

 

 

 

恒子「ふくよかすこやかインハイレイディオー!」

 

恒子「はい今週も、ふくよかじゃ……うるせー!」

 

健夜「な、なに!? どうしたのこーこちゃん…」

 

恒子「夏が悪いんだー! アイスとジュースとエアコンが悪いんじゃー!」

 

健夜「はいはい…今度一緒にジム行こ? 付き合ってあげるから」

 

恒子「すこやん…! 好きー!」

 

健夜「ちょっ、やっ、どこ触ってるの!?」

 

 

照「いつ聞いてもまともに始まらない…」

 

菫「うん、福与アナはこうじゃないとな」ウンウン

 

照「アナウンサーの選考基準が不明…」

 

 

 

恒子「えー、小鍛治プロはリオ東風で銀メダルなどと輝かしい経歴をお持ちですが」

 

健夜「なに? とつぜん…」

 

恒子「最近では地元のクラブで働くなど、タイトルとは程遠い存在ですよね」

 

健夜「動詞が引っ掛かるんだけど!?」

 

恒子「そんなこんなで地元の方や子供たちには大人気と聞きました! おもに男子!」

 

健夜「女の子もいるし! その付け足し要らないよ!」

 

恒子「そんな小鍛治プロも3年前のインハイで優勝しているのです!」

 

健夜「…10年前だよ! なんでそんな見え透いた嘘言うの!?」

 

恒子「今、ツッコむの一瞬迷った?」

 

健夜「うるさいよ!」

 

恒子「今年も三千校の生徒たちが、全国で激闘を繰り広げてきました」

 

健夜「はい、皆さんきっと、この夏は一生の記憶に残るものだと思います」

 

恒子「そしてその壮絶な地方大会を制した代表校が、ゾクゾクとこの東京に集まってきています」

 

健夜「イントネーション違くない?」

 

 

 

咲「わぁ…新幹線って早いんだね」

 

優希「凄いじょ! 風景が止まっているようだじぇ!」

 

京太郎「風景は動かねえよ!」

 

和「須賀君、足置いてもいいですよ。ボックスですし」ポンポン

 

京太郎「なんで膝叩くんだよ! 足置場は座席下だろ…ガードすんな!」

 

久「須賀くーん、公共の場所で騒いじゃダメよー」

 

京太郎「あ、すんません…なんですか、その足」

 

久「乗っけさせてー」

 

京太郎「ダメに決まってんでしょ…」

 

まこ「京太郎、これ食うか?」

 

京太郎「なんですかそれ」

 

まこ「百味びーんズ。ラブジュース味じゃ」

 

京太郎「元もひでーけど、もっとひでえ…!」

 

 

 

――合宿所――

 

久「うーん、やっと着いたわねー!」

 

優希「広いじょー」

 

まこ「京太郎は?」

 

和「ここに」グイッ

 

咲「連れて来てます!」グイッ

 

京太郎「はーなーせーよー!」

 

久「もう、そんなに私達が嫌なの?」プンスコ

 

京太郎「嫌じゃないですけど、ここに男一人はおかしいでしょう…で、俺の部屋は?」

 

久「はいはい。隣の棟にとってあるわよ」

 

京太郎「ったく…それじゃ行ってきます、また後で集合で」

 

久「はーい」

 

 

久「はいもしもし、あら須賀君。え? 一杯で入れない? ダブルブッキングどころかトリプルブッキング?」

 

久「みんなー、須賀君こっち来るってー」

 

咲「わーい!」

 

和「ヤリましたね!」

 

まこ「おー」

 

優希「ぁう…が、頑張るじょ!」

 

京太郎『――!? ――!』

 

久「あ、聞こえた? 早くこっち来てねー。それじゃ」ブチッ

 

 

 

久「それじゃ明日の開会式までは自由時間! 各自ハメすぎて疲れない程度にね」

 

久「あっ、噛んじゃった…ごめんごめん」テヘッ

 

京太郎「その噛み方はねーなーって何回目だこのツッコミ」

 

まこ「まあ、まずはここでの生活に慣れるんが必要じゃけ」

 

優希「それじゃあお風呂に行くじょ! おっふろ、おっふろ!」

 

和「そうですね、それじゃあ行きましょうか」グイッ

 

咲「うん!」グイッ

 

京太郎「待て待て待って、そっちは本格的にマズイからだーめっ」グググ…

 

 

 

優希「おっふろだっじぇー」ピョンッ

 

和「ゆーき、他の方もいるんですから静かに…須賀君に見られたら幻滅されちゃいますよ?」メッ

 

咲「でも京ちゃん、優希ちゃんのこと好きだからそれくらいじゃ嫌いにならないよー」

 

優希「っ!? ど、どーゆーことだじょ!?」

 

和「……」

 

咲「え? だって京ちゃん、優希ちゃんも和ちゃんも、部長も染谷先輩も好きだよ?」

 

優希「あ…う、うん…」

 

和「……」

 

咲「あ、あれ? どうしたの二人とも…?」

 

 

池田(やっべー、なんか入りにくい空気だ)

 

池田(いや、入ってるけどなー。お風呂には)

 

 

 

優希「む? 貴様! 風越のイケ…イケ…」

 

池田「おいおい忘れたかー? 合宿所で色々測り合った仲じゃないかー、あと上級生とご主人様には敬語使え?」

 

和「イケ…イけ!」

 

咲「ほら、イきなよ…イっちゃえ、我慢しなくていいんだよ?」クスクス

 

池田「な、なんのこれしきだし…私のご主人様はキャプテンだけだし!」

 

咲「ふふ…強がっちゃって。ここ、こんなに固くなってる…ホントはどうして欲しいのかなぁ…」

 

池田「うぐっ…こ、こんなの嘘だし! ありえないし!」

 

咲「あはっ。そういう態度取っちゃうんだ…じゃあ、もっと強くもんじゃおっかな」

 

池田「あ、あーっ!」

 

 

衣「公共の場所で何をやっているか貴様らぁー!」ガラッ!

 

咲「池田さんすっごく肩凝ってるねー。あれ? 衣ちゃん?」モミモミ

 

池田「あふー…こりゃ極楽ぅ…お、天江じゃん。おひさー」

 

衣「…紛らわしいッ!」

 

 

 

まこ「え、龍門渕も来とるんか」

 

美穂子「そうなの。ここ以外にも新宿にホテルを取ってるんですって」

 

まこ「これじゃけえ金持ちは…休憩所をいくつも取って、何人と使うんじゃ」

 

美穂子「? えっと、五人かしら…」

 

まこ「いやいや、そういう意味じゃのーて」

 

未春「鶴賀の人たちも初戦の日程が決まり次第来てくれるそうですよ」ニコニコ

 

まこ「お、おう…それじゃ合同合宿と変わらんのう…」

 

まこ「…なんじゃお前さん、えらいツッコミ強うなっとらんか」

 

未春「津山さんに色々教えてもらったので」ニコニコ

 

まこ「ほーか…」

 

 

 

美穂子「でも今から根を詰めるより、緊張がほぐれた方がずっと良いと思うわ」

 

まこ「まあ試合は早くても明後日からじゃけえ、そのほうがええか」

 

久「そうそう。気をほぐしておかないとねー」

 

まこ「まー、一年生はこれで気がほぐれるかもな。あんたはどうするんじゃ?」

 

久「私? 私はねえ…うーん…はっ!」クワッ

 

久「この数日間、自分をほぐせないじゃない! ど、どうすればいいのかしら…」オロオロ

 

まこ「トイレでも行き」

 

美穂子「自分を…? 一人だとリラックスできないのかしら?」

 

未春「そうですねー。ところでコーチはどこに?」

 

美穂子「え? えっと、D棟の指導者用の部屋だけど」

 

未春「それじゃあ後でまた挨拶に行きましょう」

 

美穂子「ええ…」

 

 

貴子「東京、か…」

 

貴子「……」キョロキョロ

 

貴子「ファンシーショップと夢の国…スケジュール的には…」カチカチ

 

 

 

未春「あの…さっきから気になってるんですけど、一つお聞きしてもいいですか?」

 

久「なーにー?」

 

未春「須賀さんは、どうして部屋の隅っこで座ってるんですか?」

 

久「ああ、部屋がなくて一緒に泊まるから緊張してるのかしら? 初めてだと緊張するって言うし」

 

未春「あ、そうなんですか…え?」

 

 

咲「私たちの部屋、こっちだよ」

 

衣「ほう。邪魔するぞ!」ガラッ

 

透華「失礼しますわ!」

 

久「あらいらっしゃい。人数的にちょっと手狭だけど、どうぞどうぞ」

 

まこ「さすがに女子8人に男子1人は狭いけえの」

 

衣「…男子?」

 

未春「あ、あはは…その、そっちのお布団に…」

 

和「あら? 須賀君もう寝てるんですか? 私も入って良いですか?」イソイソ

 

京太郎「ちょっ、やめんか!」

 

衣「キョ、キョータロー!」

 

透華「あら…9Pだと部位が足りませんわね。私達も入れたら11Pですの?」

 

※このあと近くのホテルに部屋を取って貰いました。

 

 

 

咲「うーん…京ちゃんのふらんくふると…」グー

 

咲「えへへ、おっきぃ…そーだ、昔おふろ入ったとき…」スピー

 

咲「あのときは…京ちゃんの京ちゃん………ふあー…」パチッ

 

咲「……朝…東京?」

 

 

和「咲さん、続きは?」

 

久「昔の話でも参考には十分よねえ」

 

池田「あんま興味ないなー…みはるんは? 須賀はどう?」

 

未春「え。いい人だと思うけど、ってそうじゃなくてみんな準備してください!」

 

優希「……」ドキドキ

 

咲「すぴー…京ちゃん、せっきょくてきぃ…」

 

 

京太郎「うーっす、おはようございまーす…な、なんだ? なにその目」

 

 

 

京太郎「ったく、いつの話してんだよ…で、部長。抽選会は9時からですよね」

 

久「そうそう。メトロで行くわよー」

 

まこ「最寄駅は?」

 

久「えっと、日比谷線三ノ輪駅が一番近いみたい。そこから10分くらい?」

 

和「興味はありますが、実際行くのは難しいですね」

 

咲「うーん…見てみたいけどちょっと怖いよね」

 

京太郎「君たちはどこに行くつもりだい?」

 

 

 

優希「うおお! 堀と石垣が見える…城か!」

 

まこ「たしかに元はそうじゃのう。今はあそこは公園じゃ」

 

京太郎「へー…なんか良さげだな。時間あったら行ってみるか?」

 

咲「うぅ…暑くて大変じゃない?」

 

和「確かに疲れそうではありますね」

 

優希「えー…」

 

京太郎「んじゃ二人で行くか。夕方とかどうだ?」

 

優希「え…あ、あいてるっ!」

 

京太郎「んじゃ飯の前にでも」

 

久「ネット見たら、なんでも戒能プロがよく出没するらしいわよー。指導してもらえちゃうんじゃない?」

 

 

京太郎「別の場所を散歩しよう」

 

優希「え? う、うん…」

 

久「あら?」

 

 

 

優希「なんだかやっと東京に来たって感じがするじぇ」

 

咲「うん」

 

和「昨日はホテル直行でしたからね」

 

久「須賀君が急かすからー」

 

まこ「童貞もそこそこにしとかんと女の子から嫌われるぞ」

 

京太郎「人のいるとこで何言っとんじゃ!」

 

 

まこ「人のおらん場所ならええんか」

 

和「そんな…罵られたいんですか? 私は罵るのは苦手なんですが…」ムムッ

 

咲「言葉責めはあんまりだけど、頑張るね!」

 

久「ビーズとエネマだったらどっちがいい?」

 

京太郎「走るぞ優希! 遅刻しないように!」

 

優希「えっ、う、うんっ!」

 

 

 

京太郎「へえ…これが抽選会場ですか。デカイって言うか」

 

京太郎「ほぼほぼ女子しかいねえし。場違いじゃないっすか俺」

 

久「いーじゃない。見放題よ? 色々…ほら、色んな制服の首筋とか」

 

京太郎「やめんか!」

 

優希「おろ? 咲ちゃんはどこだ?」

 

京太郎「は? おいおい、まさか」

 

和「また野花摘みですか…」

 

京太郎「なんだ『野』って。いや言わなくていいけど」

 

 

咲「……ここ、どこ?」

 

咲「全然分かんないけど、こっちな気がする」トテチテ

 

咲「…もう、強い人たちがたくさん来てるんだよね」

 

咲「あは――もう、楽しみだよ。ふふ、ふふっ」

 

 

「いやー急に怖気が走ったせいでなんか濡れちゃったよ」ヤレヤレ

 

「はふー、M心をくすぐられるプレッシャーだったのです…トイレトイレ」ツヤツヤ

 

「あ、あったかーい…けど、冷えたら風邪引いちゃいそう…」モジモジ

 

「なにこの急な地獄絵図! なにがあったわけ!?」

 

 

 

絹恵「お姉ちゃん、ええ? カードを掲げる時はこう、目を隠すようにしながらカメラ見るんや」

 

洋榎「お、おお…わかった!」

 

漫「あとはこう、キャピって感じで行くんが常識ですんで!」

 

洋榎「きゃぴ!? こ、こーか…?」

 

由子「そーなのよー。部長の貫禄たっぷりよー」

 

洋榎「おお! なるほど…な、なあ恭子…ホンマにこれでええんか?」

 

恭子「……」チラッ

 

絹恵「……」グッ

 

恭子「何も問題ないですわ」

 

洋榎「わ、分かった! 行ってくる!」

 

 

『南大阪、姫松高校38番!』

 

洋榎「えと…きゃぴっ」

 

 

絹恵「ぶはっ! お、おねーちゃん、かわええ…! ふひっ…」

 

恭子「これは録画しといて正解やな」

 

漫「完璧ですやん!」

 

由子「とってもかわいいのよー」

 

 

 

京太郎「凄い騒がれようですね」

 

まこ「そりゃー姫松がノーシードっちゅうのがまずおかしいんじゃ」

 

和「ノーシード…種無しということですか」

 

優希「女の子には無いと思うじょー」

 

まこ「それに、姫松の愛宕洋榎と言えばわりとアイドル的な人気もあるらしいからな」

 

京太郎「あー…なんとなく分かる気もしますけど」

 

まこ「去年から永水の影響でシードは外れたが、もともと全国で五指に入る強豪じゃ」

 

和「五本指が入るんですか…凄いですね」ゴクリ

 

京太郎「お前の言葉の捉え方ってホント凄いよな」

 

和「そんな…耳がイイだなんて、須賀君耳フェチだったんですか?」ポッ

 

京太郎「おーい、捉え方ぶっ飛んでんぞー」

 

 

 

『長野、清澄高校―』

 

久「んー、姫松さんも意外とヤるわねー」トテトテ

 

久「私はどうするかしら…」

 

 

優希「ぶちょー、いつもと変わらんじょー」

 

和「さすがですね…」

 

京太郎「あの人が緊張するとか想像もできねー」

 

 

『33番! 長野の清澄高校は33番です!』

 

久「んー…キラッ!」

 

久「…………」

 

久(やらなきゃよかったわ…)

 

洋榎(お? お隣さんもやっとる…なんや、漫のいっとった事。常識っちゅーのはホンマやったんか)

 

 

シーン…

 

まこ「ちっともざわつかん…全国トップレベルの姫松とはえらい違いじゃのう」

 

京太郎「多分それとは違う理由だと思うんすけど」

 

 

 

恒子「さあいよいよ全ての抽選が終わり、トーナメント表の最後のダブルピースが埋まりました!」

 

健夜「ピース違いだよ!」

 

恒子「さぁこれが運命のラダー! 頂に立つのはどの高校かー! 48手…の甲の熱い夏!」

 

健夜「言い直しが苦しすぎるよ!? それに48じゃなくて52校。シード4校を含まないとダメだよ」

 

恒子「…なぜに、その4校は特別なのか」

 

健夜「去年のインハイ成績や春季大会の結果で選ばれるんだよ…」

 

恒子「つまり、21世紀枠?」

 

健夜「あれはまた別物だけど…私、野球はよく知らないし…」

 

恒子「小鍛治選手は旧世紀の人間なので、新世紀の枠組みは知らないとのことです!」

 

健夜「高校生以上はみんな旧世紀でしょ!?」

 

 

ゆみ「この二人のやり取りは聞いてて飽きないな。まるで視聴者を惹きつけるために居るようだ」

 

桃子「こーこちゃんはそんな器用じゃないっすよ…小鍛治プロは凄いっす」

 

佳織「でもやっと清澄の日程が決まったねー」

 

智美「初戦は3日目かー。2日目ほど重たくはなっ」ドスッ

 

睦月「決勝まで行くとしたら7日間になりますね」フー

 

桃子「フツーだと滞在費がとんでもないことになりそうっすね」

 

ゆみ「3時間5000円くらいか? 同性だけで、しかも5Pとなると拒否もあるだろうが…」

 

睦月「せぇいっ!」

 

桃子「むっきー先輩、キレが増したっすねー」

 

 

 

久「えー…抽選会と開会式お疲れ様。取材受けた和と迷子になってた咲ねー」

 

まこ「あんたもな。会場の空気を総取りじゃ」

 

久「もう言わないで…」

 

京太郎(ガチでヘコんでるな。珍しい)

 

久「えとー、うちは所詮3日目だし2日間試合無いから、最低限の調整はするけど明日は休みにしますー」

 

久「まーナニしてもいいけど、ハメ外しすぎないようにね。観戦してもいいし、東京見物もよし」

 

まこ「ここで寝て過ごすのも良し」

 

和「爛れた肉体関係ですね…」

 

京太郎「今のは直接表現だろぉ!」

 

 

 

咲「あ…そうだ、染谷先輩にスカート返さないと」スクッ

 

京太郎「は? なんだそれ、どういうことだよ」

 

咲「今朝寝ぼけて。急いでたら間違えちゃって」

 

まこ「ん? それ、似おーとるからはいときんさい」

 

優希「うんうん、似合うじぇー」

 

和「短いスカートには無いエロス…実にすばらだと思います!」

 

咲「んん…そ、そうかな」テレテレ

 

京太郎「おう。たまにはそういうのもいいんじゃないか?」

 

咲「そ、そう? 実は下着と靴下も間違えちゃったんだけど」テレテレ

 

京太郎「間違えるにもほどがあるわ! 違和感持てよ!」

 

 

 

――インターハイ3日目・朝――

 

久「うーん、合宿の時もだけど旅館のクローゼットに制服って、もやもやするわね」

 

まこ「場違い感っちゅーか、イカンことしとる感じがするのー」

 

池田「写真撮っておくか!」

 

久「それもいいかもねー…さて」

 

久「ほらほら! 全国に初出陣よ! 起きた起きた!」

 

まこ「よー気合い入っとるな。もうちょいテンション下げたほうがええじゃろ」

 

久「そう?」

 

まこ「初体験で女子側のテンションが高いと、意外と引かれるらしい」

 

久「じゃあマグロで行くわね」

 

未春「それはそれで不気味なんですけど」

 

 

 

和「そういえば、せっかく東京に来たのにお姉さんに会いに行かなくていいんですか?」

 

咲「ん…うん」

 

京太郎「なんだよ、いっつも楽しそうにお姉さんのこと離してるじゃんか」

 

優希「なんか心配事でもあるのかー?」

 

咲「そうじゃないんだけど…」

 

咲「組み合わせ表を見たら、お姉ちゃんの学校って逆側のブロックなんだよ」

 

咲「決勝まで行かないとお姉ちゃんと戦えない」

 

咲「つまり…」

 

和「つまり…?」

 

 

咲「美味しいのは我慢した方が、もっと美味しいよねっ!」

 

和「確かに絶頂を延々と焦らされて、最後にイかされたほうが気持ちよさそうですね」ウンウン

 

京太郎「どっちも間違ってるけど方向性が真逆ぅ」

 

 

 

咲「わー…広くてまた迷子になっちゃいそう」

 

和「そうなっても大将戦までには戻ってきてくださいね」

 

久「そういえばデリって30分以上遅れたらオプションサービスとかあるわよね」

 

京太郎「はいそこ関係なーい」

 

まこ「迷子の迷子の子猫ちゃんってなかなか意味深じゃのー」

 

優希「わたしは猫より犬派だじょー」

 

京太郎「俺も犬かなー」

 

和「メス犬が必要ですか?」ワクワク

 

京太郎「どっちでもいいけど柴犬が良いわ…豆助欲しいな」

 

優希(びみょーにツッコミ放棄だじぇ)

 

 

 

衣「サキー! ノノカー! がんばれー、塵殺だー!」

 

咲「衣ちゃん!」

 

透華「原村和! 負けたらうちのメイドにして首輪とネコ耳ですわよ!」

 

衣「半分は要らないぞ!?」

 

透華「あら? それなら首輪とネコ耳だけですわね…」

 

衣「そっちじゃない!」

 

 

和「ちなみに勝ったらどんなメイドになりますか?」

 

京太郎「罰ゲームになってねーし」

 

 

 

ゆみ「久、いよいよだな」

 

久「あら…来てくれたのね」

 

ゆみ「まあな。それに私達だけじゃない、県予選の会場でも試合の中継をしてるし、県内の多くの人が画面越しに舐るように見つめているはずだ」

 

桃子「もっと清らかな表現にするっすよ!」

 

智美「パブリックセッぶっ」

 

睦月「その単語はダメです」ヒュバッ

 

佳織「セ? 声援?」

 

久「声援じゃなくてセッもがもが」

 

京太郎「声援ですね」

 

佳織「う、うん…あの、口塞いでる手…どかさなくていいの?」

 

 

 

久「んむー…あら? 電話。副会長からだわ」

 

久「もしもし? お電話ありがとうございまぁす、ご利用は初めてですか?」

 

『毎回その確認するの止めてくださいよ…それよりですね『頑張って下さい!』…えと、メールでURL送っておきましたんで確認してください』

 

久「ありゃ…用件だけ言って切っちゃった」

 

京太郎「でしょうね。俺でもそれで切ります」

 

久「にしてもURL? エロ画像かしら」

 

京太郎「なぜ仕事が最初に浮かばない?」

 

 

ゆみ「それじゃあ見物席に行ってるよ」

 

久「悪いわね、あんまり相手してあげられなくて」

 

ゆみ「なに、焦らされたまま放置プレイというのも趣があるさ」

 

桃子「全国の風情やワビサビに謝るっすよ」

 

 

 

優希「おお…楽屋ちょー広いじぇ!」

 

和「凄いですね。この部屋だけで一本ビデオが撮れそうです」

 

京太郎「不純目的の使用は不許可!」

 

咲「こういうのが12部屋もあるんだ…」

 

優希「京太郎! 例のブツは?」

 

京太郎「ああ…ほれ、タコス。みんなの分も」

 

優希「おおー! んっ、うん! これは美味いじょ!」

 

久「ほーんと、須賀君って相変わらず料理上手よねー」

 

京太郎「へへ、一応俺の特製品なんですよ」

 

和「…と、ということは掛かっている乳白色でドロッとしたものは…!?」ワナワナ

 

京太郎「一片の疑いも無くチーズだよ」

 

 

 

久「あら、さっきのURL、動画だわ」

 

和「エロ動画ですか!?」ガタッ

 

咲「え! エロ動画なの?」ガタン

 

まこ「楽しみじゃのー」ワクワク

 

優希「おおー…きょ、きょーたろーも一緒に見るか?」チラッ

 

京太郎「部長じゃあるまいし副会長がそんなもん送る訳ないだろ!」

 

久「そうねえ…あ、映ったわ」

 

 

『あー、学校での壮行会はもうやりましたけど…今日はどうしても応援したいって方々からのメッセージを送ります』

 

マホ『みなさん頑張ってくださいです! 私もくさばのかげ? から応援してます…えと、こんな感じでいいですか? えへへ…ちゃんと撮れたですか?』

 

優希「撮ってる時間長いじょー」

 

まこ「ロリコン疑惑はマジじゃったか」

 

京太郎「…ま、まあロリコンでもツッコミはできるよな…」

 

和「説得力で言えば最低値ですけどね」

 

 

優希「終わったみたいだじょー」

 

咲「校外の人もたくさん応援してくれてるんだね!」

 

久「やれやれ…ありがたいわね。みんなも、応援に負けないように頑張るわよ!」

 

「「「「「はいっ!」」」」」

 

久「声が小さい!」

 

「「「「「はいっ!!」」」」」

 

久「絶頂にイキたいかー!」

 

和・まこ・咲「はいっ!!!」

 

優希「お、おー…」

 

京太郎「んな古典的な手に…いや、こいつらも引っ掛かってる訳じゃないか…」