斎王の御座

衣「まーじゃんっ、まーじゃんっ」

 

京太郎「天江先輩、落ち着いてくださいよ」

 

衣「やーだっ。衣は京太郎の椅子で打つ!」

 

京太郎「俺の椅子じゃなくて俺が椅子なんですけど…」

 

衣「神代の神々は高天原に座す。だから衣も京太郎の膝に座すー」

 

京太郎「もうすぐ三人が来ますよ?…ってかマジでこのままで?」

 

衣「勿論このまま!」

 

京太郎「聞き分けのないお嬢様っすね…」

 

 

 

衣「ふーんふんふんっ、膝に座さぬ有象無象は雑魚そのもの!」

 

照「……リーチ」トン

 

淡「ちぇー、なんかムカつくー」ザワッ

 

小蒔「……」ウトウト

 

衣「この山肌に、衣の牌はある」ズズズ

 

衣「つもっ! 衣の勝ちだー」

 

衣「わーい! 次も衣が京太郎椅子っ」ポフッ

 

京太郎「こんなもん景品にならんでしょーに」ナデナデ

 

 

 

衣「ん…京太郎は、斎王だ」

 

京太郎「さいおー? 正位置っすか?」

 

衣「斎の宮に在りて主神を祀る。唯一人の身にして神と通じるんだ」

 

衣「天皇と同じくらい凄い!」

 

京太郎「そりゃすげえけど、なんですかそりゃ…よく分からん」

 

衣「斎王は穢れ無き高貴なる者。言うなれば主神と婚姻する者だ!」

 

京太郎「はー、んで?」

 

衣「だから…」

 

衣「京太郎が、衣と葦原の中つ国を結ぶ身であって欲しい」

 

衣「衣が…ひとりに、ならないように…」ギュッ

 

京太郎「うーっす」ナデナデ

 

 

 

照「一人にする気もない」

 

淡「ふーんだ! 勝ち逃げなんて許さないんだから!」

 

小蒔「えっと……いっしょに遊びませんか?」

 

衣「……あ」

 

京太郎「つーか龍門渕の人たちもいるじゃないですか。今から独りになろうって方が難しいっすよ」

 

衣「……」

 

京太郎「それでもって言うなら膝くらい貸しますよ?」

 

衣「う、ん…うん、うんっ!」

 

衣「次も衣が勝つというのに無為無謀! 三人纏めて蹴散らしてやる!」

 

衣「京太郎、すぐに座りに行くから座して待て!」

 

京太郎「ういー」

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最終更新:2014年04月21日 07:38