決勝開始~中堅戦終了

『さあ、ついに始まりました県予選決勝戦! 泣いても笑っても、今日で全国への切符の行く末が決まります!』

 

久「前もって説明したけど、決勝は一人につき半荘2回。トータル半荘10回よ」

 

優希「のぅあっ!? タコスが、タコスが一回分しか持ってきてないじぇ…」

 

優希「京太郎、タコス買ってこい!」

 

京太郎「そういや食堂に売ってたな…けどまだ開いてないぞ?」

 

優希「ぐぬぬ…」

 

優希「じゃあタコの酢漬けでいいじょ」

 

京太郎「脈絡もない路線変更されても…むしろ売ってないよ」

 

優希「じゃあ京タ郎のコスチュームでいいから脱げー」

 

京太郎「そしたら俺タコス買いに行けないんだけど」

 

 

 

ゆみ「泣いても笑っても、か。とはいえ気負いすぎる必要は無い」

 

智美「ワハハ、固いぞむっきー。気楽にいってこいー」

 

佳織「む、睦月ちゃん頑張って!」

 

睦月「はい…いってきます」ガチャン

 

ゆみ「…しかしここまで来ると、欲が出るな」

 

智美「ここで勝てば全国だからなー。夢でもないかー?」

 

ゆみ「ああ…全国まで行けばテレビでも放送される」

 

ゆみ「いや別に期待してるわけじゃないが」

 

ゆみ「もしかしたらスカートが捲れたところが偶然撮られてしまうかもしれん」

 

桃子「期待する方向が違うっす…」

 

ゆみ「全く興味は無いが、玩具の種類も長野より多いだろう」

 

ゆみ「いや、全然興味はないんだが」

 

桃子「期待する方向が違うッす!」

 

智美「モモいたのかー、突っ込むまで気付かなかったぞー」

 

桃子「突っ込んだけど一回スルーされたっす…影が薄いのも考え物っすよ…」

 

 

 

優希(一回戦…タコス一個だと心配だじょ…)ポスッ

 

純「お、差し入れか? さんきゅ。タコスとはまた面白いじゃん」ヒョイパクッ

 

優希「 」

 

優希「う…あぁあ…ひっく、うぅ…」ボロボロ

 

美穂子「あらあら、どうしたの? 怖いお姉ちゃんにいじめられちゃった?」

 

純「おいおい…ロリに興味はないんだけどな、悪かったよ。すまんすまん」

 

美穂子「そうね…そうだわ、ちょっと待ってて?」

 

美穂子「はいこれ、お菓子でよかったら」

 

優希「こっ、これは…!」

 

 

久「懐かしいお菓子ねえ」

 

まこ「まだあったんか、あれ」

 

咲「CMとかありましたよね」

 

 

優希「首領タコス…! タコス界の革命児だじょ…!」ゾクゾク

 

 

 

『先鋒戦、スタートです!』

 

優希(タコスと名のつくものは全て私の力となる…)

 

優希(まして本物でないといえ、三つの文字すべてを宿すほどのタコス力!)

 

優希(おねーさんには悪いがぶっちぎるじぇ!)

 

睦月「食べ物でゲン担ぎでもしてたのか…」

 

純「は、そういうのは好きだぜ。デジタルより分かりやすい」

 

優希「ほほう、タコスドロボーは二次より三次が好きか」

 

純「更に言うとショタの方がいい。心当たりがあったら紹介してくれ」

 

 

衣「あーっ! もー! あの呆け者め!」

 

 

 

星夏「なんで敵に塩を送る様な…」

 

池田「キャプテンがそういう人だってことは知ってるだろ」

 

池田「だからこそ、私たちが頑張らないといけないんだ…」

 

純代「勝つしかないですね…」

 

星夏「勝って、インターハイへ…」

 

池田「楽しむんだ…夏も、私たちの闘いはこれからだっ!」

 

未春「華菜ちゃん、それじゃ終わっちゃうからダメだよ?」

 

 

 

美穂子(手が進まない…それに比べて)

 

優希(イーシャンテン。やっぱり本物には敵わなかったか)

 

純(タコスロリの手が進んだか。ここは流れを断っておきたい…)

 

純「ポン…チー」

 

美穂子(一筒ポンの後にもう一枚の一筒を使ってチー。手は安いけど)

 

睦月(生牌の南。通れば最低6400…)

 

睦月「リーチ」

 

純「そこが出るとはな…ロン」

 

純「悪いなタコスロリ。流れを持ってかれるのは苦手でね」

 

優希(こいつ…Sだじぇ!)

 

 

 

純「ロン」

 

純「ツモ」

 

純「ロン…よ。どうしたタコス、元気がないな」

 

優希「う、う…」ジワッ

 

純「は、なかなか泣き顔も可愛いじゃねーか。もっと見せてみな」クイッ

 

優希「うあ…きょ、きょーたろー…」

 

純「彼氏か? 安心しろよ、すぐに忘れさせてやるさ…」

 

 

和「私、NTR属性は無いんですよね」

 

久「ツッコミが居ないから止まらないわねえ」

 

 

 

睦月(これが最後の局…削られ続けるわけには)

 

 

咲「…? あの人…」

 

 

トン、トン、トン…

 

睦月(この順で捨てられた牌は全部私の有効牌と、アガリになる牌)

 

睦月「投げられた牌は――私が、受け止める」

 

睦月「後の三巡。買い受けます」

 

純(なんだ? 急に流れが鶴賀の奴に)

 

優希(このおねーさんもっ…!)

 

睦月「リーチ」

 

睦月「…一発ツモ」カッ

 

 

 

『先鋒戦前半終了―!』

 

優希(一回も和了れなかった…これじゃ、みんなに顔向けできないじょ…)

 

京太郎「なーにしょぼくれてんだよ」

 

優希「京太郎…そ、それはタコスっ!」

 

優希「偉いぞきょーたろー! 至福の瞬間だじぇ!」ハグハグ

 

美穂子「くす…優しいんですね」

 

京太郎「い、いやあそんなことは…」テレテレ

 

優希「……」モグモグ

 

美穂子「清澄の麻雀部の方は仲が良いんですね、私たちも負けているとは思いませんが…羨ましいです」

 

京太郎「いやいや、このタコス馬鹿の世話をしてるだけっすよ。って痛っ! 何すんだ優希!」

 

優希「……呪われたタコスの恨みだじょ」プイッ

 

京太郎「なんじゃそりゃ…」

 

美穂子「あらあら」

 

 

 

『先鋒後半戦、スタートです』

 

純「タコスより焼き鳥の方が似合ってんじゃねえか?」チャッ

 

優希「なにおう!」カチャカチャ

 

美穂子「仲良く仲良く、ね?」チャ、チャ

 

睦月「個人的には案外仲良さそうに見えますが…」トン

 

美穂子「まあ…喧嘩するほど仲が良い、のかしら」

 

純「おう。さっきは可愛がってやったからなあ、タコスロリ」

 

優希「むがー! ぼっこぼこにしてやるじぇ!」

 

美穂子「あら? 夕焼けの川原で殴り合いかしら…」

 

睦月「いつの時代のイメージですか?」

 

 

未春「キャプテン、まだ引きずってるんだあのネタ…」

 

池田「意外と頑固だし。でもそれが興奮材料だし!」

 

未春「どこをどうすればそれで興奮できるの?」

 

 

 

優希「リーチだじぇ!」

 

『片岡選手、先制リーチ…おっと龍門渕の井上選手、不可解な鳴きを見せました』

 

靖子「どうも井上は相手の手が好調か否かを雰囲気で察しているようなフシがあるな」

 

実況「そんなことが可能なんですか?」

 

靖子「私には無理だな。できたとしても不可解な鳴きはわからんよ」

 

靖子「まるで『流れ』があって、それを操っているようだ」

 

実況「イマイチ理解が追い付きませんね…」

 

靖子「早い話が、ナンパで確実に成功できるというわけだ。年齢を気にする人には垂涎の的だろうね」

 

京太郎「なんかいきなり安っぽくなったな…」

 

 

「ふえっくしゅ! な、なんか噂とかされてるのかな…」

 

 

 

優希(何もできないまま南入…そういえば、合宿でもこんなことがあったじぇ)

 

 

優希「うぅ…ダメだー! この3人が相手だと全然勝てないじょ!」

 

優希「咲ちゃんはカン材持ってて嶺上和了るし!」

 

優希「のどちゃんはおもちでイカサマしてるし!」

 

優希「部長は待ちが訳わかんないし!」

 

優希「私にもおもちさえあれば…」

 

久「それじゃあ確かめてみましょうか」

 

まこ「ほほう。わしも気になるのう」

 

優希「へっへっへ、おじょーちゃん、いい体してるな」ワキワキ

 

和「ちょ、ちょっとゆーき? 部長、染谷先輩も…」

 

和「するならちょっと荒っぽくお願いします!」カッ!

 

 

優希(あれ?)

 

 

 

優希「とにかく気合いの入れ直しだじぇ!」カチッ

 

優希(良い手が入るじょ。チートイ…ドラ3もいいけど、もっと高くいく!)

 

純(萬子の染めか…なら、そのまま縮こまってな!)

 

純「リーチ!」

 

優希「う……」

 

美穂子(あらあら、縮こまっちゃって…ドラが切れなくて困ってるのね?)

 

睦月(清澄は萎縮してる、か。こういう時、加治木先輩ならなんて言うかな…)

 

 

ゆみ「清澄のは随分縮こまっているな…まるでデリの地雷嬢との事後のようだ」

 

智美「ワハハ、賢者タイムにはまだ早いぞー」

 

佳織「?? で、でり? けんじゃ?」

 

桃子「かおりん先輩が汚れるっす! 実際に見たことないのに、下手なことを言うもんじゃないっすよ…聞こえてます? せんぱーい!」

 

 

睦月(あんまりまともな事は言わなさそうだな…)

 

 

 

優希「ばいっまんっ、直撃ドカンだ!」

 

純「ぐ…しくったか…」

 

純(いや、このロリよりも問題は風越か。ツキも流れもないくせに、これは…)

 

睦月(柔和なのに妙に鋭い。何が見えてる?)

 

美穂子「あらあら」ズズズ…

 

 

星夏「出たっ、キャプテンの観察眼!」

 

池田「相手は丸裸だし! 丸見えのモザイクNGだし!」

 

未春「華菜ちゃん、ちょっと静かにしよう?」

 

池田「うにゃ…」

 

 

 

美穂子「ロンです」

 

純「コイツはっ」

 

美穂子「ツモです」

 

優希「あ、あれれ…」

 

美穂子「ロンです」

 

睦月「…はい」

 

美穂子「ロンです。8600」

 

 

久「んー。あの顔、どっかで…」トントン

 

まこ「なんじゃ、コメカミ指で突きおって。探偵かっちゅうに」

 

久「そうねえ…どこで見たのかしら」

 

久(素人投稿写真館だったかしら? でもこれを口に出すのは冗談でもちょっとねえ…)

 

京太郎「なんか分からんが人の名誉に傷をつけんのはグッド! そんな気がする!」

 

 

 

『風越女子、圧倒的リードで先鋒戦終了――!』

 

透華「あ、あっのっおっんっなー!」ワナワナ

 

透華「目立ちすぎですわ! 逆転トップなんて私が大好きなシチュエーションですわ!

 

透華「でも3位なんてあ、り、え、ま、せ、ん、わあああ!」

 

一「まあまあ、いいハンデだよ」

 

智紀「…人気投票は、凄い勢い…」

 

衣「ふん。有象無象の凡弱如き、衣の敵に成りはしない」

 

衣「……」

 

衣(同卓に呆け者が少ないとなお上善だが…)ハァ

 

 

 

星夏「キャプテン! お疲れ様です!」

 

貴子「言うだけはあるじゃねーか。よくやったよくやった」

 

美穂子「ありがとうございます。みんなも、残りを楽しんで打ちましょう? 例え相手が魔物でも、最後に勝つのは私達なんだから」

 

未春「キャプテン、これ…清澄と鶴賀の牌譜です」

 

池田「その2校の牌譜、ネットに無かったから部員が録画から起こしてくれたんです」

 

美穂子「徹夜作業だったでしょうに…ありがとう…」ポロポロ

 

美穂子「ごめんね…私がこういうことできればいいんだけど…」ホロホロ

 

星夏「キャプテンが機械オンチな事、みんな知ってますから!」

 

美穂子「ワープロくらいしか使えなくて…」

 

純代「人差し指で、直接入力が限界ですからね」

 

池田「人差し指で直接タッチ入力だし! 奥まで突き入れられるし!」

 

未春「強く押し込んじゃうとキーボード壊れちゃうからダメだよ?」

 

池田「え、あ、うん」

 

 

 

純「途中までぶっちぎりだったのに…あの女腹立つ!」

 

一「あの人去年もうまく透華を抑えてたからね。相手を使うのがホント上手だよ」

 

透華「まったくもう、男らしく負けを認めなさいよ」

 

衣「ふふん、弱者ほどよく吠える。衣は吠えたことなんてないけど」

 

智紀「取り返す…」

 

純「好き勝手言いやがって…まあ、楽しかったよ。またあいつらと打ちたいな」

 

 

純「あのタコスロリもなかなか美味そうだし」ジュルリ

 

衣「とーか、一の手錠を貸せっ」

 

 

 

睦月「ただいま戻りました」

 

智美「ワハハ、削られたなー」

 

睦月「う…すみません」

 

ゆみ「気にするな。風越のキャプテンと、他校を飛ばした龍門渕の先鋒。むしろ十分だろう」

 

佳織「わ、私、打てるかなぁ…」

 

ゆみ「あまり固くならなくていい。経験者達の胸を借りて楽しんでくるといいさ」

 

ゆみ「おっと胸を借りると言っても物理的な意味じゃないぞ。私は興味ないがいわゆるパッドの相手には失礼だからな」

 

智美「ワハハ、でも佳織が一番胸が大きいかもなー」ワキワキ

 

ゆみ「そうなると妹尾の胸を相手に提供すべきか…」スック

 

佳織「あわわわわ」

 

桃子「適当な理由付けてかおりん先輩の服脱がすのはやめるっすよ! むっちゃん先輩も見てないで手伝うっす!」

 

睦月「疲れたから少し休んでから…」

 

桃子「なんなんすかそのマイペース! はーなーれーるーっすー!」

 

 

 

優希「たーだーいまー」

 

久「お帰り。よくやったわね、大健闘だわ」

 

優希「ぁ……う」

 

和「……咲さん、須賀君。飲み物でも買いに行きましょう」

 

咲「え?」

 

京太郎「おう。ちゃっちゃと行くか」ガシッ

 

咲「え? え?」ズルズル

 

 

和「ゆーきは気が強い子ですからね。同い年の私たちの前では泣けませんから」

 

咲「それで出てきたんだ」

 

京太郎「ま、喉が渇いてるのもホントだしな。適当に買ってってやるか」

 

和「もしかしたらゆーきは…須賀君に慰めてもらうのがいいかもしれませんね」クスッ

 

和「でもゆーきはサイズが小さいですから、ちゃんと準備しないとダメですよ?」

 

和「私の時は無理やりでいいですけど」ハアハア

 

京太郎「人が見直した瞬間に逐一落とすのは理由でもあんの?」

 

 

 

『決勝次鋒戦! まもなくスタートです!』

 

和「染谷先輩の試合が始まりますね」

 

京太郎「俺は控室に戻るけど、二人はどうする?」

 

咲「ん…ちょっと眠たいかも…」クシクシ

 

和「そうですね…朝も早かったですし、仮眠室に行きましょうか?」

 

京太郎「りょーかい。部長達には伝えとく」

 

 

咲「わ、シーツも綺麗だしふかふかだよ」

 

和「誰もいませんね…」シュルシュル

 

咲「合宿に次いで二回目だね、一緒の部屋で寝るの」ヌギヌギ

 

和「あ、本当にシーツ気持ちいいですね。胸に触れると愛撫されてるみたいです…勝ちましょうね」

 

咲「うん、着てない解放感がいいよね…絶対に勝って」

 

咲&和「全国へ!」

 

 

 

「あれー? 先客いるじゃん」

 

「うっわ、マジだ。クソみたいなペンギンもあるし」

 

「イタズラしてやろっか」

 

「…こいつら、なんで全部脱いでんの?」

 

「さあ…頭の栄養、全部胸に行ってんじゃない?」

 

 

 

久「ほら、もう泣かないの」

 

優希「ひっく…うー…」

 

久「あーあ、制服がしわくちゃ。私の番まで伸ばしとかないと」ヌギヌギ

 

優希「あ…ごめんなさい…」

 

久「んー? いいわよ気にしなくて。逆に私なんかの胸に飛び込んでくれてありがと、って言いたいくらい」

 

久「それよりこの下着どう思う? 一応勝負ブラで来たんだけど」

 

優希「…えっろえろだじょ! リー棒ビンビンになること間違いなし!」

 

久「あらそう? えーと、このTシャツでいっか」

 

優希「あー、隠れちゃったじぇー。惜しい!」

 

京太郎「うーっす、ただいま戻りましたー」ガチャ

 

久「一分遅いわよ須賀君!」

 

京太郎「なんかよく分かんないんですけど謝りたくないです」

 

 

 

京太郎「なんで染谷先輩は眼鏡を外すんですか?」

 

久「まこはねえ、小さい時から雀荘で物凄い数の対局を見てて、イメージとして記憶してるのよ」

 

久「で、眼鏡を外して視界がぼやけると、今の卓と似た過去のシーンを思い出すの」

 

優希「顔射を誘ってるのかと思ったじぇ」

 

久「私は眼鏡に掛かる方が好きだけどね」

 

優希「眼鏡っこの宿命か…エロテロリストだじょ」

 

久「ま、もうすぐ眼鏡っこじゃなくなるから、直接ぶっかけになるわ」

 

京太郎「あの場に掛けるものがあるかのような言い方…その自信どっから湧いてくるんです?」

 

 

 

未春「リーチ」

 

智紀(残り6巡…)トン

 

まこ(9索か中切れば染め手イーシャンじゃが、さすがにのう)トン

 

佳織(竹の9…いらないよね)コトン

 

 

透華「ぶぁっ! なんでひゅのほこっ!」

 

一「透華、食べながら喋ったら汚いよ。でもいきなり端の牌を切るんだね」

 

透華「んぐ…そこで、はじらいを捨てるなんてっ!」

 

衣「今捨ててるのはトーカの方だっ」

 

 

 

まこ(下家は素人か…打ち方が記憶と符合せん)

 

智紀(捨て牌…さっきから傾向が読みにくい…)

 

未春(理牌見てると暗刻かな?)

 

佳織「みっつずつ、みっつずつ…リ、リーチします!」

 

 

睦月「妹尾さん、これが上がれるといいんですけど」

 

智美「ワハハ、意外とすんなり和了るかもなー」

 

ゆみ「麻雀は純粋な力だけの勝負ではない…運が絡む以上、素人でもプロに勝つことはある」

 

ゆみ「特に興味がある訳ではないが、素人童貞がビッチを昇天させる漫画と同じようなものだ」

 

桃子「その入手先と保管場所を教えるっすよ。すぐに処分しとくっす」

 

 

 

佳織「あ、えっと、上がりです! リーチツモ、トイトイ…」

 

まこ「そりゃ四暗刻じゃ…!」

 

未春「一番出やすい役満ですね。子だから32000点です」

 

智紀「……」ジャラ

 

まこ(親っかぶりでマイナス16000…最悪の立ち上がりじゃ)

 

まこ「ぶっかけられるんは白いもんくらいで十分じゃ…」

 

未春「白い目くらいなら上げますけど」ジトッ

 

智紀「…こっちにも…」

 

佳織「?? 白い物…シーツですか?」

 

 

池田「出たし! みはるんの白い目!」

 

池田「もっとボケるとどんどん冷たくなるし! 大興奮だし!」

 

貴子「池田ァ!」

 

池田「ひっ…う、うにゃ…」

 

美穂子「あらあら」ナデナデ

 

 

 

京太郎「ちょっと弁当買ってきますよ」

 

久「あら、いいの?」

 

京太郎「団体戦の間は暇ですし、コキ使って下さいって」

 

久「あら、唐突にそんな下ネタ振られるとお姉さん困っちゃうわ。コキ手伝う?」クスクス

 

優希「うまいこと言ったつもりかー」ゲラゲラ

 

京太郎「バカ受けだと…」

 

 

 

京太郎「はー、今日はいい天気だなー…」

 

京太郎「新緑も輝いてるし」

 

京太郎「こんな日にみんながマトモだったらなあ…」

 

京太郎「……」

 

京太郎「それはそれで不気味だからいいや」

 

 

 

未春「ツモ。2000、4000です」

 

まこ「ぐ…はい」

 

まこ(なんじゃこの卓…)

 

智紀(ツッコミが一人、天然が一人…)

 

まこ(龍門渕は受け身タイプのボケかい。ってもわしも似たようなもんじゃが)

 

智紀(そしてこのツッコミ…積極的なボケを無慈悲に切り捌くタイプ…)

 

まこ&智紀(ボケにくい…!)

 

未春「ロン。3900です」ゴッ

 

佳織「は、はいっ!」

 

 

 

実況「ここで風越の吉留が満貫ツモ。清澄はまたも親被りで大きく失点しています」

 

靖子「鶴賀は置いとくとして、三校とも比較的堅実な打ち手だな」

 

実況「確かに鶴賀の役満以外では大きな点移動は少ないですね」

 

靖子「ふむ…堅実ゆえに、初心者の打ち回しに対応できていない感じだ」

 

靖子「牌効率どころか捨てる順番も不可解だったり、あからさまな染め手へも無警戒」

 

靖子「他校も全国という切符が掛かっているせいで、鶴賀から点棒を毟ろうにも他を警戒して手が伸びきらない印象だ」

 

実況「なるほど。これが全国行きのプレッシャーと言うべきでしょうね」

 

靖子「ああ…しかし、あれだな」

 

実況「? はい」

 

靖子「真面目すぎて肩が凝るな。脱いでいいか?」

 

実況「さあ次鋒戦も終盤です」

 

 

 

まこ「ただいま」

 

久「おかえり。ドンマイドンマイ」

 

まこ「不甲斐のぉてすまんの…」

 

優希「元気だすじぇ! もうすぐ京太郎がタコスを買ってくるはず!」

 

まこ「わりゃあ元気じゃのー…これはメゲるわ」

 

久「はいはい、そこまでにしましょ。昼休みが終わったら私の番だから、そこで取り返すわよ」

 

まこ「その自信はどっから来るやら…任せさせてもらうわ、すまんのう」

 

久「あらま。そんなに落ち込んでるとただでさえ小さいおもちが一層小さく見えるわよ?」ポンポン

 

まこ「わりゃあそこまで変わらんじゃろ…」

 

優希「ぺちゃぱいだじぇー」

 

まこ「お前さんはまんまブーメランじゃ」

 

 

 

透華「とーもーきー!」

 

一「まあまあ、相手は初心者で相性悪かったし」

 

智紀「…しょんぼり…」

 

純「あー、鶴賀の天然は良かったな。ああいうのに教え込むのも楽しそうだ」

 

透華「なんて使えない子なのかしらっ!」

 

透華「……」

 

透華「別にオカズに使えないという意味ではありませんわよ?」

 

衣「誰が使うと戯けるのか…智紀も脱ごうとするなー!」

 

 

 

智美「いやー佳織良かったよ!」

 

睦月「大活躍でしたね」

 

佳織「あ、あれで良かったでしょうか?」

 

ゆみ「十分すぎる」

 

桃子「かおりん先輩素敵だったっすよ!」

 

ゆみ「蒲原、射程に入った的を逃すなよ」

 

智美「ワハハ、落とせばいいんだろ――風越を」

 

ゆみ「ああ――お前の舌テクでな」

 

桃子「あー話術っすか話術っすね卓上の舌戦凄いっすねー」

 

智美「モモ、ほれほれサクランボのヘタ三本連結ー」レロー

 

桃子「す、凄いっす! 珍しく感心したっす!」

 

 

 

星夏「キャプテンとコーチ、機嫌よさそうですね」

 

池田「みはるん良く凌いだって褒められてたし」

 

未春「うーん、ちょっと感覚が残ってるかな…」

 

池田「清澄も龍門渕もビビってたし! みはるんの目に興奮できない素人共は敵じゃない!」

 

未春「んー、ちょっと黙ってね」

 

池田「来た! 笑顔の目の下の日本刀だし! 相手はイく」

 

星夏「先輩、ほんと緊張感無いですね…」

 

池田「…なんだ緊張してんのかー?」

 

星夏「…清澄の中堅、牌譜見てるだけで怖いですよ。体が固くなってきます…」

 

池田「そういう時は固くなったところを揉み解すといいぞ」モゾモゾ

 

未春「で、華菜ちゃんは文堂さんのスカートに頭突っ込んでどうするのかな」ゴッ

 

 

 

『まもなく中堅戦が始まります。各校の方は集合してください』

 

久「ん、行ってくるわ。あとお願いね」

 

まこ「わしが言うんもアレじゃが…頑張ってな」

 

優希「敵討ちだじぇ! 墓場の陰から見守り続けるじょー」

 

久「はいはい、応援頼むわよー」ガチャン

 

 

久「…んー、ちょっと緊張…かな」フゥ

 

京太郎「あ、部長。今からですか?」

 

久「あら須賀君、お弁当ありがとね。重かったでしょ」

 

京太郎「いえ別にそんなことは。それより頑張って下さい! 応援してますよ」グッ

 

久「あら…なに、拳合わせ? 嫌いじゃないわよ」コツン

 

久「ところで須賀君は貝合わせとカブト合わせだったらどっちがいい?」コツコツ

 

京太郎「選択肢が対極すぎるでしょ…じゃ、頑張って下さいね」

 

久「はいはい、どーも」ヒラヒラ

 

久「ありがとね……うっし、頑張ろうかしら」

 

 

 

美穂子「竹井久って…上埜さん?」

 

未春「キャプテン、知ってるんですか?」

 

美穂子「…3年前にインターミドルで私を苦しめた人なの。苗字が変わってるけど…」

 

未春「それってつまり…」

 

貴子「オイ、人様の事情に」

 

池田「華菜ちゃん分かったし! 竹井久は誰かと結婚したに違いない!」

 

池田「女子高生を嫁に取るとはとんだロリコンだし…でもちょっと憧れるかも!」

 

美穂子「くす…そうね」

 

未春(華菜ちゃんナイスだよ)ニコニコ

 

 

 

久(また微妙な手…ツモも裏目ってるし)

 

久(けどまあ、私らしく打つとなると5門張よりも…)

 

久「リーチ!」

 

久(ま…こっちよね)

 

 

まこ「出たか、部長の悪待ち」

 

京太郎「なんでドラ単騎? あの待ちならええと…」

 

優希「5門張だじぇ。やおちゅーのドラ単騎はわりと普通だじょ」

 

京太郎「でもなんでそんな狭い待ちにするんです?」

 

まこ「どうも普通にやっとると大事な場面で引いてこんみたいでな。コアな待ちっちゅうか」

 

まこ「あれじゃ。万人受けするおもちより、こう首筋を見せる動作の方が」サラッ

 

まこ「意外と素早く反応する奴がいたりする…ってどうしたんじゃ京太郎」

 

京太郎「……」

 

京太郎「あ、なんでもないんで応援しましょうか」

 

まこ「? なんじゃツッコミのキレが悪いのう」

 

優希「変なもんでも食ったかー?」

 

 

 

和「須賀君…」ブルッ

 

和「あぁ…仮眠室で寝てたんでしたね」

 

和「そろそろ中堅戦が始まった頃ですか。お昼ご飯、どうしましょう…」

 

和「その前にシーツを替えないといけませんね」

 

和「夢…ああいう須賀君も悪くありませんね…」ポッ

 

 

京太郎「おーい二人とも弁当買ってきたけど食べるかー」

 

和「おはようございます…あの、これどうぞ」スッ

 

京太郎「うん?」ペローン

 

京太郎「……」

 

和「……」ドキドキ

 

京太郎「とりあえず和が今すぐ穿いて使う以外の用途は無いぞっ」

 

和「あ、はい」

 

 

 

『さあ清澄高校の先制リーチ。他校はどう出るか?』

 

一(河を見た感じ萬子よりも筒子のような気もするけど…)

 

智美(どうするかなー)

 

星夏(…ドラを切れば聴牌。しかし2萬は切れてるし、あるとすれば地獄単騎)

 

星夏(ここで引く気は、無い!)

 

星夏「通らばリーチ!」

 

久「あら、いい気迫」クス

 

久「でも残念。通らないのよね、それ」ユラ…

 

久「リーチ一発ドラ3。裏は乗らずに12000」

 

一(なんだこの人…衣に近い生き物なのか?)

 

久「ところで貴方、結構ニッチな人気がありそうね…」ジュルリ

 

星夏「ひっ!」ゾクゾク

 

一(なんだこの人…純君に近い生き物なのか?)

 

 

 

実況「龍門渕と鶴賀の手牌を見る限り、5門張じゃ和了れそうになかったですね」

 

靖子「偶然と言えなくもないが…打ち手の相性もある。変則的な打ち方に対応できるかが勝負どころだな」

 

 

純「うちが初っ端から最下位か」

 

透華「むぐぐ…はーじーめーっ!」

 

智紀「まだ…東一局…」

 

透華「たとえ東一でもっ! こう、ぐわっと!」

 

透華「目立てるような打ち方をすべきですわっ!」

 

純「目立つやり方ねえ…国広君の服引っぺがすか」

 

透華「それですわっ!」

 

衣「其れが一番駄目な手法だ…」

 

 

 

和「あの…須賀君、私のぬいぐるみ知りませんか?」

 

京太郎「あのペンギンのやつか。無いの?」

 

和「はい…どこに行ってしまったんでしょう」オロオロ

 

京太郎「結構特徴的だったよな。名前とかあったら探しやすいと思うけど」

 

和「名前…キャラクター名ならあります」

 

京太郎「なんて言うんだ?」

 

和「エロペンです」

 

京太郎「またド直球に来たね」

 

和「『エロマンガ島に住みたかったペンギン』という絵本の主人公です」

 

京太郎「ちょっと読みてえ…」

 

 

 

「なあ、このペンギンどうする?」

 

「勢いで持ってきちゃったけど…」

 

「……返すか、謝っとこう」

 

「ま、それしかないか」

 

「ちょい待ち! これ、尻尾んとこ千切れてない?」

 

「うそっ!? ど、どーしよ…」

 

「ウチらで縫ってもかえって見た目が悪くなるよねえ」

 

 

ハギヨシ「おや…」

 

 

 

ハギヨシ「ただ今戻りました」

 

透華「あら戻りましたの…ハギヨシ、それは?」

 

ハギヨシ「途中縫合にお困りの方がいらっしゃいましたので。後ほど持ち主へお届けしようかと」

 

純「見たことあるな…」

 

透華「確か原村和のぬいぐるみでしたわね」

 

智紀「廊下で会った時、持ってた……」

 

衣「……」ジーッ

 

ハギヨシ「しかしお茶の準備もしなければなりませんね。衣様、お手数ですが届けて戴けませんか?」

 

衣「…なんで衣が」

 

ハギヨシ「今回は控室ですから対局者の方以外は衆目に触れません。少しこの場を離れるのも良いかと」

 

衣「衣がついてる必要は無い、か」

 

ハギヨシ「勿論、無用であれば私が届けますが」

 

衣「いや…うん、衣が行く。このペンギンは名前はあるのか?」

 

ハギヨシ「エロペンと言うようです」

 

衣「……」

 

ハギヨシ「エロペンと」

 

衣「分かった…」

 

 

 

星夏(テンパイ…切れればだけど、赤か…)

 

星夏(残りの巡目から見ても張り替えは難しいし、ここは攻めていく!)

 

星夏「リー…」

 

久「あらあら残念」パララッ

 

久「18000。いいわね貴方、随分と――」

 

智美(う…)

 

一(この人…っ!)

 

久「美味しそうだわ…!」チロチロ

 

星夏「ひっ!?」

 

星夏(く、食われるっ!)

 

 

 

智美(風越が落ちたけどなー…ここで一気に抜きたいけど)

 

一(純君じゃないけど、流れが持ってかれちゃってるなあ)

 

星夏(これ以上点棒を取られる訳には…)

 

久「んー…ま、こんなもんかしら」ヒュッ

 

久「ツモ! 4200オールッ!」パシィン!

 

 

美穂子「牌がかわいそう…」

 

池田「マナー悪いなあ」

 

未春「なんだか怖いくらい…」

 

池田「どうせ激しくするなら鞭で打ってほしいし!」

 

貴子「池田ァ!」

 

池田「ふにゃっ!」

 

未春(コーチは一言でいいから楽そうだなぁ…)

 

 

 

一(手が疼くなあ)

 

一(手品を使いたいんじゃない…今の状況が、昔を思い出させるんだ…)

 

 

一「暑い…棒アイスが溶けちゃうよ…」

 

一「ん…れろ、ちゅ…ふぁ…」

 

一「もうビチョビチョだよ、早くシャワー浴びたいなあ」

 

透華「そこの痴女さんっ!」

 

一「な、なに? 人聞き悪いなあ…」ズルッ

 

一「あ、肩紐落ちた」ストン

 

一「スカートのベルトも取れちゃった」スッポン

 

透華「その痴女っぷり、貴方が国広一さんですわね!」

 

 

 

一『で、何の用?』

 

透華『わたくし龍門渕透華と申します。貴方を勧誘に来ましたの』

 

一『かんゆー? 僕に何かヤらせる気なの?』

 

透華『わたくしと3年間、麻雀をしてほしいんですの!』

 

一『っ…麻雀は、ぼくはもう…』

 

透華『存じてますわ。3年前の小学生大会の途中でしでかしたこと』

 

透華『県予選の決勝……』

 

透華『の後、非公式で打ったエキシビジョンで脱衣麻雀を提案』

 

透華『親譲りの手品で相手の和了り牌を打ち込み続けて、あっという間にすっぽんぽん』

 

透華『放送は切られましたが貴方は1年間公式大会出場禁止。結果チームは敗退…』

 

透華『実にすばらっ! 魅力的な打ち手ですわ!』

 

一『そ、そうかな…』

 

 

 

透華『そこでわたくし、貴方を買いましたの』

 

一『は?』

 

透華『貴方のお父様の許可も得ています』

 

透華『麻雀の時はこの拘束具を付けて、それ以外ではメイドでもしてもらいましょうか』

 

一『お、お父さんがボクを売ったぁ!?』

 

透華『ええ、90分20000円。ホテル代別の移動費用込みですわ』

 

一『高っ!』

 

透華『オプションは無料ですわよ?』

 

 

 

一(お父さん、なんでボクを売ったんだろう)

 

一(…こういうシチュエーションも悪くないなー)エヘ

 

透華『もし麻雀で勝てたらお金も上げますし、自由にしてあげますわ』

 

一『麻雀…トーカに勝てばいいの?』

 

透華『いえ、貴方の相手はあそこ…あの別館に住んでいます』

 

一『…独りで?』

 

透華『彼女は4年前に龍門渕に引き取られましたの』

 

透華『その時お父様が言った言葉…』

 

透華「『天江の子には近づくな。アレは理解の外にいる』」

 

一『なにそれ…』

 

透華『ちゃんっちゃらおかしいですわ。花組のトップスタァたる私が怖がるとでも言うのかしら』

 

一『何言ってるのか全然分からないよ…』

 

 

 

透華『衣、新しいオモチャを連れてきましたわ』

 

一『お、おもちゃ?』

 

衣『今度のは金剛不壊にできてる?』

 

衣『それは莫逆の友となるか、贄か供御となるか――』

 

透華『安心なさいまし。手癖が悪いんですの』

 

一『ちょっ、ちょっと…』

 

透華『即絶頂のゴッドハンドですわ!』

 

衣『トーカに代わって謝罪する…帰ってもらって結構だ』

 

一『まあそれほどでもあるけどね!』フフン

 

衣『う、うああっ! 呆け者が増えた…っ』プルプル

 

 

一(あそこ(手)が疼くなあ…)モゾモゾ

 

 

 

一(ツモはいい感じだ)

 

一(もうチームの信頼を失いたくない…)

 

一(まっすぐ自分の思いは曲げない、これがボクの雀道だってこと!)

 

一「リーチ!」

 

智美「いいとこなしだなー」ワハハ

 

星夏「……う」トン

 

久「あらー、そっちも攻め?」トン

 

一「降りるんだ?」

 

久「攻めてばっかりのSは嫌われちゃうもの」

 

一「ふーん。ま、出和了りは期待してないよ」ギュッ

 

一「ツモッ! 6300、3300!」

 

 

 

衣「ハラムラノノカー、どこだー?」ピョコピョコ

 

和「はい?」

 

京太郎「この声、昨日聞いたような…」

 

和「…! エロペン!」

 

京太郎「はいそこ大声出さない!」

 

衣「む…お前は弱い奴…まあいい、今はハラムラだ」

 

衣「これはお前の鳥形代だな?」

 

和「はい、ありがとうございます…これ、ほつれも直してありますね」

 

衣「ふふん、透華の執事が縫合してくれたんだ。もつれた糸くらいならすぐに解けるぞっ」

 

和「そうなんですか。痴話喧嘩の時には伺いますね」

 

京太郎&衣「男女のもつれは管轄外!」

 

衣「…でもないかもしれない…」

 

京太郎「えっ、なにそれすごい」

 

 

 

『中堅戦前半終了――!』

 

智美「あー、全然和了れなくて頭くるなー」

 

久「ふふ、人間一番弱いところに「くる」のよねえ」

 

智美「……?」

 

久「私で言えばこのポッチに来るわけ」チョンチョン

 

智美「ワハハ、それなら上じゃなくてもっと下のほうだぞー」

 

一「ボクは耳かなあ」

 

星夏(この人たち凄い余裕…)

 

 

 

美穂子「文堂さん」

 

星夏「キャプテン…私、みんなの点棒を…」

 

美穂子「大丈夫。あなたのせいじゃないわ、こういう時だってあるもの」

 

美穂子「それに私のせいでもあるから…」

 

星夏「え? そんなことはないですよ!」

 

美穂子「ね、一つだけアドバイスいいかしら?」チラッ

 

 

久「んー…風越のキャプテン、どっかで見たことあるのよね」

 

一「なにそれ。ナンパの手口?」

 

智美「ワハハ、両刀使いかー」

 

久「私ってばオールマイティなのよねえ」

 

 

 

和「ただいま戻りました」

 

京太郎「咲はまだ寝てたんで、後で食わしときますよ」

 

和「ずいぶん場が平らですね…」

 

優希「まるで染谷せんぱいの胸のようだじぇー」

 

まこ「われ、しばかれたいんか」

 

 

和(この試合が終わったら私の出番)

 

和(さすがに決勝ともなると…)

 

和「興奮しますね」

 

京太郎(まだだ…ここじゃない)

 

和「失礼、噛みました。緊張しますね」

 

京太郎(ここだっ! ツッコミのタイミング!)

 

 

 

一(三色…モロヒッカケになるけど仕方ないか)

 

一「リーチ」

 

久(あらま…高そうな感じ。それじゃあこんなのは…)

 

久「リーチ」

 

星夏(降りるときは降りておかないと…)

 

智美(スジ云々なんて話じゃないなー。ベタオリっと)

 

 

久「残念、流局ねー」

 

一「なっ…空聴リーチって」

 

文堂「そのうえ親の和了り牌は止める…」

 

智美「ワハハー…訳わかんないなー」

 

久「ふふ。貴方たち、みんな可愛かったわよ」

 

 

『中堅戦終了――!』

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最終更新:2014年04月21日 06:02