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 「っ……!」  銃声が響く。  ユメという幻想のセカイに似つかわしくない、現実感の溢れた音色。  既に三度目の発砲だった。  襲撃者の獲物と定められた少年が被弾を避け続けているのは、まさに奇跡だといえる。  少年――潮田渚は、人生で直接的には初めての命の危険に晒されていた。    (ダメだ……反撃の手段が、ない……!)  別に、これといって目立つ行動をしたわけではない。  寧ろその真逆。  暗殺者の基本を徹底して身に叩き込まれた中学生は、この局面における最善の一手が隠密に徹することだとすぐに見抜いた。  殺し合いに乗る選択肢は最初から無し。  自分が暗殺するのはあくまでもただ一人、マッハ20の担任教師のみだ。  楽観的と言われればそれまでだが、殺す以外の手段で〝セカイのカギ〟を手に入れようと決めた。  授業で習った、物音を立てない歩き方も徹底した。  だから、これは単に運が悪かっただけ。  隠密行動中の彼を、突如背後からの銃弾が襲った。  幸いだったのは、襲撃者が銃器の扱いに不慣れらしいことか。  髪の数本を吹き飛ばされただけで命を拾った渚は、だがどうすることも叶わなかった。  彼に与えられた武器はスタンガン。  武器としての性能は悪くないが、遠距離から攻撃が可能な銃相手には相性が悪すぎる。  背後から迫るのは、双眸に冷たく黒い殺意を灯した青年だ。  「……!」  初めて経験する、死の恐怖が背筋を這い回る。  暗殺者とは、不意打ちに徹する職業だ。  (ダメだ、覆せない……今から〝暗殺〟に入ろうとしても、撃たれて終わりだ!)  一体一で、真っ向から殺し合うのは専門外。  まして、満足な装備を持てていない状況なら尚更だ。  この窮地では、会得した必殺技での逆転も望めない。  暗殺者としては、襲撃者は落第点だ。  銃の扱いもさることながら、銃声をまき散らしながらも止まることなく追いかけてきている時点で。  武器の差を抜きとすれば、渚でも十分勝ち目はある。  問題は――そこへ持ち込めないこと。  生きた心地がしなかった。  ゴーストタウンという場所柄、曲がり角や遮蔽物には事欠かないのだが、相手は見逃さずに追ってくる。  たとえるなら、狩人のよう。  獲物を殺す淀みなき殺意が、暗殺者をいま追い詰めている。  放置された生ゴミの山を、厭うことなく蹴倒してせめてもの足止めにしようとするも、通用せず。  相手の執念は深い。  必ず殺すという意思に任せ、異臭を放つ芥山を乗り越える。    四度目の銃声が鳴った。  足に僅かな痛みが走る。  見ると、絣傷ほどの大きさと深さではあったが、確かに生まれた傷口から錆色の液体が滲んでいた。  直接的に歩行能力へ異常が出ているわけではない。  けれど、足を動かす度に微量なれど痛むのは一刻を争う逃走劇においてはこの上ないハンディキャップだ。    その一瞬の隙が、すべての命運を分けた。  背中に鈍痛が走る。  襲撃者の長身から繰り出される体重を乗せた蹴りがヒットした。  かはっ、と声にならない呻きが零れる。  青年は、呻く渚へ冷たい目のまま銃口を向けた。  昏い。どこまでも昏い、絶望しきった瞳に焦点が合う。  一目で分かった。   彼に限っては、土壇場で決意が鈍ることはない。  既に覚悟を完了しているのだ。  渚にはそれが〝なにか〟までは分からないが、彼にとって生きる意味にも等しいことだけは解る。  故に、自分がここを生きて切り抜けられる可能性は皆無。  脳裏をよぎるのは、E組――〝暗殺教室〟で過ごした不思議で楽しい時間。  できるなら、帰りたかった。  でも叶わない。だから最期に、祈ることにした。  僕の分も、みんなは頑張ってくれ。  頑張って、殺せんせーを殺してくれ――  「何してんだ、お前」  ――祈りを託し、悔しさを胸に最期の時を待った瞬間だった。  真横から綺麗な軌道で飛来したのは、成人男性の飛び蹴り。  まるで漫画のように、襲撃者の身体が吹き飛びアスファルトを転がる。  「なんだなんだ。   てめえ、あの腐れ猫に誑かされちまったってクチかぁ~?   ダメだぞ僕ぅ、そういうのは」  特別な訓練でも積んでいるのか、すぐに起き上がった青年はキッと男を睨む。  手にはまだ銃が握られているが、彼にとっては予想外の事態が発生していた。  端的に言って、弾丸を浪費しすぎた。  残弾数は一発。  首尾よく次の発砲で一人仕留めたとして、もうひとりを確実に取れる確信がない。  取り損ねた場合、狩人と獲物の立ち位置は逆転する。  ――退き時、か。  青年は踵を返すと、ゴーストタウンの路地へ身をすべり込ませ、姿を消した。  追って無力化しようとまでは、この男は思わなかったようだ。  「あ……ありがとうございます。助かりました」  「あー? そんな固くなんなよ、つーかお前、よく逃げて来られたな。大した野郎だぜ~」  傍目からは、チンピラに見えなくもない。  が、頑健な青年を一撃で吹き飛ばす身体能力は驚嘆にすら値した。  何にせよ、渚にとって彼は恩人だ。  もし彼が現れぬままだったなら、今頃自分は物言わぬ屍と化していたことだろう。    「ところでよ、えーと……?」  「潮田渚です」  「おう、んじゃ潮田。おめーもアレか? アリスだかパリスだかってやつなのかよ」  「……みたい、ですね。正直、実感はあまり湧かないんですけど」  「だよなあ。此処がユメの中だとか、今でも信じらんねえ」  チェシャ猫の顔と声を、今でもよく覚えている。  渚の前に現れた猫は、ここがユメだと断言した。  覚めてしまえば元通り。但し、カギを手に入れるまでは帰れない。  ――カギが欲しかったら殺しあえ。  最後にそうとだけ言い残し、猫は耳に残る笑い声をあげながら消えていった。  「あーっ、いま思い出してもムカつくぜあの猫。   次会ったら生物皆平等の精神でぶん殴ってやる」  男もまた同じだった。  何を言おうと、挑発しようと、暖簾に腕押しのいけすかないヤツ。  おまけに唆そうとでも思ったのか、殺しあえときた。  無論、この男がそれに乗ることはなかったが。    「とりあえずだ。   潮田、カギってのを探してみようぜ。   さっきの奴みたいなのがいると考えるとメンドっちいけどよ~」  渚も、そうしようと考えていた。  殺し合いはしない。  猫は、一言も制限時間があるとは言わなかった。  敢えて言わなかったとも考えることは出来そうなものだが、あの猫に限っては考え難い気がする。  つまり、事実上時間は無限にあるのだ。  希望的観測だが、いつかはカギに辿り着ける――。  そこに望みを託せば、殺し合わずとも済むのではないかと、渚は思った。  「うっし。そう決まったら善は急げだ。   ……と、まずはそのケガどうにかした方がいいか?」  「掠り傷みたいなものなので、何かのついででいいですよ」  「そうか。   俺は鬼塚英吉ってんだ、いち教師として、必ずこっから出してやるからな、潮田!」  教師。  渚は思わず目を見開いた。  彼の中の教師像といえば、真面目だったり冷酷だったりと、硬いものという印象があった。  ――マッハ20で移動するタコみたいな生物は例外としてだ。  このチンピラ然とした男が、教師とは。  渚は知らない。  鬼塚英吉。  彼が、型破りながらも生徒の心を次々掴んでいったある意味での凄腕の持ち主であることを。  彼の存在が覚めない悪夢にどんな影響を齎すのかは――まだ、誰にもわからない。 【G-7/ゴーストタウン/一日目/深夜】 【潮田渚@暗殺教室】 [状態]:疲労(中)、足に傷 [装備]:寺坂のスタンガン@暗殺教室 [道具]:なし [思考-状況] 基本:カギを捜す。殺し合うつもりはない。 1:鬼塚先生と行動。 [備考] 〝必殺技〟を授かった後からの参戦です カギを探す上で、制限時間のようなものは存在しないと考えています 【鬼塚英吉@GTO】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:不明 [思考-状況] 基本:ユメから覚める。 1:潮田と行動し、カギを見つけ出す 2:あの猫、次会ったら必ずぶっ飛ばす [備考]    「くそっ……!」    銃の弾丸を詰めながら、襲撃者の青年――ベルトルト・フーバーは歯噛みする。  彼には、戦わなくてはならない理由がある。  自らの大願を成就させるべく、ユメを何としても脱さなければならない理由がある。  故郷へ帰るために。  その男の未来を閉ざしうる可能性は、一つでも多く潰しておきたい。  必ずカギを入手し。  同胞の待つところへ帰還を果たす。  それを叶える為ならば――自分は、鬼にでも悪魔にでもなろう。    「大丈夫……もう、これの使い方は覚えた。   次からは一撃で狙える……まだ弾もある、これで仕留める……!!」    兵士ではなく戦士として。  ここでは、もう兵士の皮を被る意味などないのだから。  全て殺そう。チェシャ猫の口車に乗せられた道化でも構わない、カギが手に入るならそれでいい。  ――他人を殺すことは、どうも気持ちよくこなせそうにはないけれど。  所詮、こんなものはユメであって、それ以上でも以下でもない。  覚めれば終わる蜃気楼。  なら、手早くこなしてしまおう。  何も気にするな。  このセカイに閉じ込められたのはヒトじゃない。  ただの、獲物だ。  「全部、ユメなんだから」  人類の敵と呼ばれた青年が、虚ろな瞳で前を向く。  彼もまた、どこかで壊れていた。  そしてその決壊は、ここで完全なものとなる。  ――すべてユメ。覚めれば終わる。早く覚めよう。  ベルトルトは盲目に進む。  自身の決定的な崩壊にも、気付かぬままで。 【ベルトルト・フーバー@進撃の巨人】 [状態]:健康 [装備]:ブローニング・オート5(5/5)@現実 [道具]:ブローニング予備弾薬(16/20) [思考-状況] 基本:皆殺し。ユメから覚める。 1:全員殺して帰る。どうせユメなのだから。 [備考] 原作10巻、正体を明かす前からの参戦です |002:[[Shyster]]|[[時系列順]]|004:[[蜃気楼]]| |&color(cyan){Open the Nightmare}|レティ(リック)|007:[[兄]]| |&color(cyan){Open the Nightmare}|越前リョーマ|007:[[兄]]| |&color(cyan){Open the Nightmare}|先生|:[[]]|
 「っ……!」  銃声が響く。  ユメという幻想のセカイに似つかわしくない、現実感の溢れた音色。  既に三度目の発砲だった。  襲撃者の獲物と定められた少年が被弾を避け続けているのは、まさに奇跡だといえる。  少年――潮田渚は、人生で直接的には初めての命の危険に晒されていた。    (ダメだ……反撃の手段が、ない……!)  別に、これといって目立つ行動をしたわけではない。  寧ろその真逆。  暗殺者の基本を徹底して身に叩き込まれた中学生は、この局面における最善の一手が隠密に徹することだとすぐに見抜いた。  殺し合いに乗る選択肢は最初から無し。  自分が暗殺するのはあくまでもただ一人、マッハ20の担任教師のみだ。  楽観的と言われればそれまでだが、殺す以外の手段で〝セカイのカギ〟を手に入れようと決めた。  授業で習った、物音を立てない歩き方も徹底した。  だから、これは単に運が悪かっただけ。  隠密行動中の彼を、突如背後からの銃弾が襲った。  幸いだったのは、襲撃者が銃器の扱いに不慣れらしいことか。  髪の数本を吹き飛ばされただけで命を拾った渚は、だがどうすることも叶わなかった。  彼に与えられた武器はスタンガン。  武器としての性能は悪くないが、遠距離から攻撃が可能な銃相手には相性が悪すぎる。  背後から迫るのは、双眸に冷たく黒い殺意を灯した青年だ。  「……!」  初めて経験する、死の恐怖が背筋を這い回る。  暗殺者とは、不意打ちに徹する職業だ。  (ダメだ、覆せない……今から〝暗殺〟に入ろうとしても、撃たれて終わりだ!)  一体一で、真っ向から殺し合うのは専門外。  まして、満足な装備を持てていない状況なら尚更だ。  この窮地では、会得した必殺技での逆転も望めない。  暗殺者としては、襲撃者は落第点だ。  銃の扱いもさることながら、銃声をまき散らしながらも止まることなく追いかけてきている時点で。  武器の差を抜きとすれば、渚でも十分勝ち目はある。  問題は――そこへ持ち込めないこと。  生きた心地がしなかった。  ゴーストタウンという場所柄、曲がり角や遮蔽物には事欠かないのだが、相手は見逃さずに追ってくる。  たとえるなら、狩人のよう。  獲物を殺す淀みなき殺意が、暗殺者をいま追い詰めている。  放置された生ゴミの山を、厭うことなく蹴倒してせめてもの足止めにしようとするも、通用せず。  相手の執念は深い。  必ず殺すという意思に任せ、異臭を放つ芥山を乗り越える。    四度目の銃声が鳴った。  足に僅かな痛みが走る。  見ると、絣傷ほどの大きさと深さではあったが、確かに生まれた傷口から錆色の液体が滲んでいた。  直接的に歩行能力へ異常が出ているわけではない。  けれど、足を動かす度に微量なれど痛むのは一刻を争う逃走劇においてはこの上ないハンディキャップだ。    その一瞬の隙が、すべての命運を分けた。  背中に鈍痛が走る。  襲撃者の長身から繰り出される体重を乗せた蹴りがヒットした。  かはっ、と声にならない呻きが零れる。  青年は、呻く渚へ冷たい目のまま銃口を向けた。  昏い。どこまでも昏い、絶望しきった瞳に焦点が合う。  一目で分かった。   彼に限っては、土壇場で決意が鈍ることはない。  既に覚悟を完了しているのだ。  渚にはそれが〝なにか〟までは分からないが、彼にとって生きる意味にも等しいことだけは解る。  故に、自分がここを生きて切り抜けられる可能性は皆無。  脳裏をよぎるのは、E組――〝暗殺教室〟で過ごした不思議で楽しい時間。  できるなら、帰りたかった。  でも叶わない。だから最期に、祈ることにした。  僕の分も、みんなは頑張ってくれ。  頑張って、殺せんせーを殺してくれ――  「何してんだ、お前」  ――祈りを託し、悔しさを胸に最期の時を待った瞬間だった。  真横から綺麗な軌道で飛来したのは、成人男性の飛び蹴り。  まるで漫画のように、襲撃者の身体が吹き飛びアスファルトを転がる。  「なんだなんだ。   てめえ、あの腐れ猫に誑かされちまったってクチかぁ~?   ダメだぞ僕ぅ、そういうのは」  特別な訓練でも積んでいるのか、すぐに起き上がった青年はキッと男を睨む。  手にはまだ銃が握られているが、彼にとっては予想外の事態が発生していた。  端的に言って、弾丸を浪費しすぎた。  残弾数は一発。  首尾よく次の発砲で一人仕留めたとして、もうひとりを確実に取れる確信がない。  取り損ねた場合、狩人と獲物の立ち位置は逆転する。  ――退き時、か。  青年は踵を返すと、ゴーストタウンの路地へ身をすべり込ませ、姿を消した。  追って無力化しようとまでは、この男は思わなかったようだ。  「あ……ありがとうございます。助かりました」  「あー? そんな固くなんなよ、つーかお前、よく逃げて来られたな。大した野郎だぜ~」  傍目からは、チンピラに見えなくもない。  が、頑健な青年を一撃で吹き飛ばす身体能力は驚嘆にすら値した。  何にせよ、渚にとって彼は恩人だ。  もし彼が現れぬままだったなら、今頃自分は物言わぬ屍と化していたことだろう。    「ところでよ、えーと……?」  「潮田渚です」  「おう、んじゃ潮田。おめーもアレか? アリスだかパリスだかってやつなのかよ」  「……みたい、ですね。正直、実感はあまり湧かないんですけど」  「だよなあ。此処がユメの中だとか、今でも信じらんねえ」  チェシャ猫の顔と声を、今でもよく覚えている。  渚の前に現れた猫は、ここがユメだと断言した。  覚めてしまえば元通り。但し、カギを手に入れるまでは帰れない。  ――カギが欲しかったら殺しあえ。  最後にそうとだけ言い残し、猫は耳に残る笑い声をあげながら消えていった。  「あーっ、いま思い出してもムカつくぜあの猫。   次会ったら生物皆平等の精神でぶん殴ってやる」  男もまた同じだった。  何を言おうと、挑発しようと、暖簾に腕押しのいけすかないヤツ。  おまけに唆そうとでも思ったのか、殺しあえときた。  無論、この男がそれに乗ることはなかったが。    「とりあえずだ。   潮田、カギってのを探してみようぜ。   さっきの奴みたいなのがいると考えるとメンドっちいけどよ~」  渚も、そうしようと考えていた。  殺し合いはしない。  猫は、一言も制限時間があるとは言わなかった。  敢えて言わなかったとも考えることは出来そうなものだが、あの猫に限っては考え難い気がする。  つまり、事実上時間は無限にあるのだ。  希望的観測だが、いつかはカギに辿り着ける――。  そこに望みを託せば、殺し合わずとも済むのではないかと、渚は思った。  「うっし。そう決まったら善は急げだ。   ……と、まずはそのケガどうにかした方がいいか?」  「掠り傷みたいなものなので、何かのついででいいですよ」  「そうか。   俺は鬼塚英吉ってんだ、いち教師として、必ずこっから出してやるからな、潮田!」  教師。  渚は思わず目を見開いた。  彼の中の教師像といえば、真面目だったり冷酷だったりと、硬いものという印象があった。  ――マッハ20で移動するタコみたいな生物は例外としてだ。  このチンピラ然とした男が、教師とは。  渚は知らない。  鬼塚英吉。  彼が、型破りながらも生徒の心を次々掴んでいったある意味での凄腕の持ち主であることを。  彼の存在が覚めない悪夢にどんな影響を齎すのかは――まだ、誰にもわからない。 【G-7/ゴーストタウン/一日目/深夜】 【潮田渚@暗殺教室】 [状態]:疲労(中)、足に傷 [装備]:寺坂のスタンガン@暗殺教室 [道具]:なし [思考-状況] 基本:カギを捜す。殺し合うつもりはない。 1:鬼塚先生と行動。 [備考] 〝必殺技〟を授かった後からの参戦です カギを探す上で、制限時間のようなものは存在しないと考えています 【鬼塚英吉@GTO】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:不明 [思考-状況] 基本:ユメから覚める。 1:潮田と行動し、カギを見つけ出す 2:あの猫、次会ったら必ずぶっ飛ばす [備考]    「くそっ……!」    銃の弾丸を詰めながら、襲撃者の青年――ベルトルト・フーバーは歯噛みする。  彼には、戦わなくてはならない理由がある。  自らの大願を成就させるべく、ユメを何としても脱さなければならない理由がある。  故郷へ帰るために。  その男の未来を閉ざしうる可能性は、一つでも多く潰しておきたい。  必ずカギを入手し。  同胞の待つところへ帰還を果たす。  それを叶える為ならば――自分は、鬼にでも悪魔にでもなろう。    「大丈夫……もう、これの使い方は覚えた。   次からは一撃で狙える……まだ弾もある、これで仕留める……!!」    兵士ではなく戦士として。  ここでは、もう兵士の皮を被る意味などないのだから。  全て殺そう。チェシャ猫の口車に乗せられた道化でも構わない、カギが手に入るならそれでいい。  ――他人を殺すことは、どうも気持ちよくこなせそうにはないけれど。  所詮、こんなものはユメであって、それ以上でも以下でもない。  覚めれば終わる蜃気楼。  なら、手早くこなしてしまおう。  何も気にするな。  このセカイに閉じ込められたのはヒトじゃない。  ただの、獲物だ。  「全部、ユメなんだから」  人類の敵と呼ばれた青年が、虚ろな瞳で前を向く。  彼もまた、どこかで壊れていた。  そしてその決壊は、ここで完全なものとなる。  ――すべてユメ。覚めれば終わる。早く覚めよう。  ベルトルトは盲目に進む。  自身の決定的な崩壊にも、気付かぬままで。 【ベルトルト・フーバー@進撃の巨人】 [状態]:健康 [装備]:ブローニング・オート5(5/5)@現実 [道具]:ブローニング予備弾薬(16/20) [思考-状況] 基本:皆殺し。ユメから覚める。 1:全員殺して帰る。どうせユメなのだから。 [備考] 原作10巻、正体を明かす前からの参戦です |003:[[ふたりぼっちの出会い]]|[[時系列順]]|005:[[絶望の翼]]| |&color(cyan){Open the Nightmare}|潮田渚|:[[]]| |&color(cyan){Open the Nightmare}|鬼塚英吉|:[[]]| |&color(cyan){Open the Nightmare}|ベルトルト・フーバー|:[[]]|

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