巴 マミ(ともえ まみ)
『魔法少女まどか☆マギカ』の登場人物。

担当声優は「水橋 かおり」

まどか達の先輩の中学三年生。
面倒見の良いおしとやかなお姉様。
キュゥべえ と契約した現役の魔法少女。
一学年下の二年生のまどか達にとっては上級生であり、物腰の柔らかい落ち着いた優しく頼りになるお姉さん的存在。
しかし実際は年相応の少女らしく、魔法少女の孤独な戦いに対する不安と恐怖や、心許せる家族も親しい友人もいない生活に孤独と寂しさを感じ続けており、まどかたちの前でも無理をして気張っていた。


・容姿
縦ロール(一般に「ドリル」もしくは「ドリルヘア」とも呼ばれる髪型)のツインテール金髪少女。
年齢不相応なナイスバディの持ち主。

自宅に招く客に対しては紅茶とケーキのアフタヌーンティーのおもてなしを欠かさず、魔女との戦闘後も「砲火後ティータイム」を決行し、格ゲーの勝ちポーズみたいで素敵エレガントな趣味の良さも伺える。

作中での人物像
1話
魔女の創り出した空間に迷い込んだまどかとさやかを華麗に救ったことから二人と知り合う。

2話
キュゥべえに選ばれた二人のために魔法少女についての説明を施し、魔女退治を見学する「魔法少女体験コース」を提案し、彼女達の目の前魔女Gertrudを打ち倒す。

過去に交通事故に遭い、本来ならそこで命を落としていた筈だった。
しかしその時現れたキュゥべえとの契約を交わしたことにより生還。
魔法少女としての重圧や孤独に耐えながらも一人で戦い続けていた。

3話
願い事に悩む二人に先輩として厳しくも大切な助言を与える。
その後、己の孤独な戦いに対する不安をまどかに打ち明ける。
そこで共に戦うという彼女の言葉に希望を見出すものの一瞬の隙を突かれたところをお菓子の魔女Charlotteによって頭部を食いちぎられ絶命するという無惨な最期を遂げる。
それを目の当たりにしたまどか、さやか両名のみならず、視聴者にも大きなトラウマを与えた。
また漫画版ではアニメでも凄惨だった捕食のシーンがより鮮明になっている。

マミの死によって、その後任として佐倉杏子が呼び寄せられたこと、彼女がいなくなったことでさやかが安易にキュゥべえと契約を行ってしまったこと、その最期によってまどかとさやかの心が大きな傷を負ったこと、Charlotte戦前にほむらを拘束したことでさやかのほむらに対する誤解が深まったことなど、作中の多くの出来事に彼女の死が関わっている。

以上のような経緯から多大な反響を巻き起こし、退場するのが早かったにもかかわらず現在に至るまでトップクラスの人気を誇る。
ちなみに2話までのあまりに落ち着いた言動から、キュゥべえと並び「実は腹黒では?」との声も一部囁かれていたが、3話の悲劇が起きてからは殆ど聞かれなくなっている。

10話
第3話での退場以来、久々の登場。
最初の時間軸では鹿目まどかの先輩魔法少女として指導に当たるがワルプルギスの夜との戦いで絶命する。

2回目の時間軸では契約したほむらの指導にも当たるがやはりワルプルギスの夜と戦い死亡する。

3度目の時間軸
さやかの魔女化と魔女として倒される様を目のあたりにし人を守れると思っていた魔法少女がいずれは魔女となってしまうという現実に絶望し(命の恩人であり、友人と信じていたキュゥべえに裏切られた悲しみもあったという解釈もある)その時自分を含むその場にいた全員を殺そうとする。
不意打ちで杏子のソウルジェムを砕き殺害し更に魔法で拘束したほむらに銃口を向けるも、ほむらを庇って放たれたまどかの矢にソウルジェムを砕かれ死亡した。


・12話
最終話では、壮大すぎる願いを行おうとしているまどかに最後の確認を取ると同時に、その祈りを杏子と共に後押ししている。

祈りによる改変後の世界においては、キュゥべえと契約したまどかの願いによって魔法少女が魔女になることが無くなったため、魔女との戦いで命を失う悲劇そのものも無かった事とされ、マミは生還を果たした。
これにより死亡フラグでネタにされる事が無くなった代わりに「円環の理」やエンドカードの扱いなど様々な方面でネタ扱いされる事が多くなった。

彼女の願い事
家族とドライブ中に起こった交通事故で瀕死の彼女の前に現れたキュゥべえに契約を持ちかけられその時の彼女にとって、助かるには魔法少女になってそう願う他にはなかった。
ソウルジェムに込められた願いは「生きること」
故にまどかたちには願いをきちんと決めてほしいと望んでいる。
なお、回想においてアニメでは台詞はなかったが、漫画版ではキュゥべえの「君の願いは?」の問いに「助けて」と答えている。

魔法少女 巴マミ
衣装は中世ヨーロッパの砲撃手をイメージした服。
ソウルジェムの色はオレンジ色、シンボルマークは花。
変身後の位置は頭部右側の髪飾り。

マミは登場する魔法少女の中で一番経験豊富で、本来の魔力以外に自ら身に付けた様々な魔法を持ってるとのこと。

武器は銃。
ほむらが使うような現代兵器ではなく、16~19世紀頃の西欧で使われていた古風なライフルドマスケット。
これを自分の衣服の中や、何もない空間から魔法で無数に発生させ展開し、使い捨てで戦う。
(これはマスケット銃は素早く銃弾を装填しての連発が非常に難しい構造になっているために、戦闘中は無数のマスケット銃を一気に出現させ一発撃つ毎に使い捨てて戦うというスタイルを取っている事に由来する)

放送終了後に虚淵によって、マミの願いの本質は「命を繋ぐ」であり、その結果、モノを「結び合わせる」「縛り合わせる」能力に特化してると明かされた。
ゆえに魔力の本体、本来の武器もリボンであり、そのリボンを使う上で戦術的に有効な方法として、銃による遠距離戦法に特化していった。

マスケット銃や巨大な銃の錬成、キュゥべえを癒したり、さやかのバットを強化したり、まどかとさやかに展開させていたドーム上のシールド等々がソレに該当すると思われる。
このリボンはどこまでも伸ばすことができ、拘束はもちろん複数固めて道を作ったりクッションにしたりすることもできる。

必殺技には名前をつける主義のようだが、そういう思考が理解できない杏子からは、困惑されることもあった。

小説版において「相手の敵意に対し不必要に身構えてしまう」「不意のアクシデントに弱い」という短所が描写されている。

ちなみにマミのモデルはひだまりスケッチに登場する「ヒロさん」である。
ただし体重は気にしてない(虚淵談)

病ミさん
アニメ10話にて魔法少女やソウルジェムの真実を知り絶望し発狂した際、時自分を含むその場にいた全員を殺そうとする。
不意打ちで杏子のソウルジェムを砕き殺害し更に魔法で拘束したほむらに銃口を向けるも、ほむらを庇って放たれたまどかの矢にソウルジェムを砕かれ死亡した。

本編時間軸でほむらがマミとあまり良好な関係になかったのはこの出来事やそこで露呈したマミの精神的脆さ、内心仲間を求めていたマミとまどかの契約阻止を第一に考えるほむらとの目的の不一致が原因と見られる。
「優しく頼れるお姉さん」と全く違ったマミの姿に対してショックを受けたファンも多く、人気株が暴落するのでは?
という危惧もされたが「マミさんも繊細で傷つきやすい、等身大の女の子だった」「中学生がそんな事実を突きつけられたら仕方ない」「マミさん落ち着いて!!」「狂ってもマミさんはかわいいよ」「むしろ病んだマミさん(略して病ミさん)萌え」
など、ほぼ肯定的に受け入れられており、人気の下落は杞憂に終わった。
が、しかしネタキャラとしての勢いが加速した。
7話ぶりに再登場して1分半で死亡とか顔芸とのネタが溢れることとなった。

なお、三周目の時間軸のマミさんの心理状態については、公式ガイドブックにおいて彼女を演じた水橋かおりによって幾らか説明されているので、以下において該当箇所を引用する。
「みんな仲悪いし、過酷なルートですよね。
あのルートのマミは、自分を正義の味方だと思っていたのに、嫌なことが起こり過ぎたり、みんながぎすぎすしたりして、それでも自分がまとめないとって、必死で思っていたと思うんです。
でも、守ろうとしていた仲間は、いずれ倒すべき敵へと変化してしてしまいます。
そして、自分もいずれそうなる運命という真実を知り、だったらみんな殺して自分も死ぬしかない、という結論に達しちゃったのかなって。
弱いといえば弱いんですけど、あれだけ辛い出来事が続いたら、そうなるのも仕方がないのかなあと考えましたね。」

以上『魔法少女まどか☆マギカ 公式ガイドブックyou are not alone.』 ,61頁より。

以上の衝撃的な出来事の影響で精神的に弱い側面のみが強調されがちなマミさんではあるが、そんな精神的に弱い部分を抱えた彼女が、まどか達と出会うまでの間、折れずに長い間孤独な戦いを逃げ出しもせず、絶望して魔女にもならずにずっと一人で戦い抜いてきたということを、どうか覚えていて欲しい。

魔法少女おりこ☆マギカ
本作においては、杏子とは旧知の仲であると描写された。お互いに情報を交換するなど関係も悪くない様子。
この作品においてはまどか達と特に交流している所が描かれていないため(Charlotte戦にまどか達は居合わせていなかった)
まどか達と接点は無い。

一巻にて千歳ゆまにスカートめくりをされるシーンがあった。
その際に杏子 曰わくマジ泣きしてしまった彼女は、本編では見ることのできなかった等身大の女の子であり、ファンを喜ばせた。

キュゥべえから「魔法少女狩り」の噂を聞いた彼女はその犯人とされる「黒い魔法少女」の調査を始めるのだが。
その途中で出会った少女・呉キリカから、探し物を見つけた事で「恩人」と呼ばれクレープを奢ってもらうなどしたが、直後に魔法少女狩りの犯人である彼女に襲いかかられ、彼女と戦闘になる。
マスケットの弾を炸裂のタイミングが調整できる炸裂弾に変更するなど単純な弾による銃撃以外のことも出来るようで、キリカとの戦闘で使用し、彼女に勝利した。
終盤、杏子とゆまと共に事件の黒幕である織莉子を打倒すべく見滝原中に向かうも、キリカが魔女化したことで魔法少女の真実を知り杏子共々戦意喪失し自暴自棄になってしまう。
しかし虐待経験を元にされたゆまの叱咤で立ち直り、団結し勝利に導いた。

ドラマCD
・サニーデイライフ(3巻付属)
日常モノ的なほのぼのストーリーで、魔法少女5人+キュゥべぇの仲が良いお話である。

・フェアウェル・ストーリー(5巻付属)
佐倉杏子を主人公とし、その過去(まどか達が中学1年生の頃)から現在に至るまでを描いた外伝作品。
正義に燃える新人魔法少女、佐倉杏子は隣町から討ち漏らした魔女を追いかけて見滝原にやってきた。
運悪く結界に迷い込んだまどかたちを逃した後、幻惑の魔法を使って戦うが、魔女の特性を見抜くことができず苦戦する。
そこに現れた魔法少女、巴マミの援護射撃と助言を得て、杏子は魔女の討伐に成功する。
その後二人は見滝原で共に魔女討伐を始めたのだがその後、自分の願い事が父親に看破され、狂気した父親が一家心中をする。
これをきっかけに、杏子はこれまでの考え方を変え「二度と他人のために魔法を使ったりしない。
この力は全て自分のためだけに使い切る」と決意。
願いで発現した幻惑の魔法を無意識に封印すると同時に、マミと意見を衝突させるようになる。

コンビを解消すると告げる杏子をマミは引きとめようとするも、意見の相違は決定的となり、ついには互いに交戦するに至ってしまう。
そして、その戦いは「そんな殺す気の無いなまくら玉、避ける必要すらないんだよ!」と叫ぶ杏子が裂帛の気合いの下にマミのリボンを突破し、マミに敗北を認めさせるという形で決した。

戦いが終わって、マミは「あなたは独りで平気なの?孤独に耐えられるの?」と問いかけるも、杏子は「あんたと敵対するより、ずっとましさ」と答え、見滝原を出て行った。

魔法少女まどか☆マギカ ポータブル
結びつける力、マスケット銃はリボンを変形させて作り出している(ゲーム版にてマミから語られる)
複雑な構造は再現できないために単発式の銃しか作ることが出来なかったが、修行により大型の大砲も作れるようになった。
これこそが後のティロ・フィナーレである。

以下に主な必殺技を紹介する。
多くの技は、ゲーム版製作に合わせて命名された。

・ティロ・フィナーレ
「マミさんの代名詞的必殺技。大型の大砲を作り出して攻撃する。」

・ティロ・ボレー
「ドラマCDで使用。
複数のマスケット銃で一斉射撃を行う。」

・レガーレ・ヴァスタアリア
「2,3話及び10話で使用。 相手をリボンで縛り付けて拘束する。
ゲーム版では下位魔法の「レガーレ」を含めて、大半の魔女に効いてしまう強力な技である。」

・パロットラ・マギカ・エドゥ・インフィニータ(無限の魔弾)
1話で使用。 大量のマスケット銃を作り出し、広範囲に攻撃する。

・ダンサ・デル・マジックブレッド(魔弾の舞踏)
「3話で使用。複数のマスケット銃を用いて全方位射撃を行う。」

・ボンバルダメント
「ゲーム版に登場する最強技。
ティロ・フィナーレを超える巨大な大砲による攻撃。
非常に巨大な大砲であるため、大砲の上で例のポーズをとりながら攻撃する。

・絶対領域
「2話でまどか達を守る際に使用。
完全無敵のバリアを作り出す。
ゲーム版においては、ワルプルギスの夜や針、忘却の魔女に対してすら一方的に攻撃できるチート技である。」

・テ・ポメリアーノ
「2話で使用。
紅茶を召喚して午後のティータイムを行う放火後ティータイム。
HP回復効果がある。」



ファンからの扱い
かつて、pixivで全キャラ中ダントツ1位のタグ数をキープしていた(現在では暁美ほむらに次ぐ2位)ほど二次創作で人気が高く、if展開も多数作られるなど(主に「マミさんを救い隊」タグで検索すると必ずヒットする)多くのファンから愛されている。
ニコニコ動画のタグ数は、今でも不動の1位。
また、大人向けの薄い本やコスプレAVではトップクラスの人気を誇っている(あなたの●●にティロ・フィナーレ)

実は百合カップリングになると一転して不遇な扱いを受けること多い。
というのも、ほむまど(まどか&ほむら)
杏さや(杏子&さやか)という鉄板CPがあるため、どうしてもマミだけ仲間はずれにされてしまうケースが多かった(後にフェアウェル・ストーリー公開後は杏子とのカップリングも数多く描かれている)

本編において唯一キュゥべえと仲が良かったことから、pixivにおいては「キュゥマミ」という異色のカップリングタグが存在する。
時には相思相愛だったり、キュゥべえが一方的にマミを好きだったりと、平和的な間柄で描かれることが多い。
サニーデイライフでは完全にペット扱いしていたがそこはスルーしよう。

また、唯一名前付きの必殺技持ちであることから、厨二病キャラにされたこともあったりもした。
以上、本作における魔法少女のビジュアルや世界観の説明など、特に序盤のツカミにおいて重要な役割を果たしたキャラクターなのだが、その「世界観の説明」としての「マミる」シーンや、華麗な仮面に隠れた「ひとりぼっちで戦うのは寂しい」という等身大の悲痛な素顔と、魔法少女になると決めたまどかの告白を聞いてからの浮かれっぷり、ベテラン扱いの先輩キャラだが実態としてはキュゥべえに騙されたまままどかやさやかを魔法少女に勧誘してしまった事、10話でのほむらの回想中では例外無く何らかの形でワルプルギスの夜を倒す前に死亡している事、オサレな言い回し等が混ざり拡大解釈された結果「死亡・絶望シーン等を利用したオチ要員」
「学校で友達がいないぼっちキャラ」
「良いお姉さんを演じているが、本当はとても子供っぽく恋愛などにも疎い」
「発言がいちいち厨二病」
「三十過ぎても独身一人暮らし」
といった過激なデフォルメの格好のターゲットにされ、暁美ほむらに並ぶ本作屈指のお笑い&巨乳担当というのが二次創作における流行になってしまった。

ちなみに、BD第一巻を改めて視聴した脚本の虚淵玄が、ファンになったそうである。

また、虚淵玄はオトナアニメVol,21におけるインタビューにて、マミの苦悩は「スパイダーマン程度の、自分がヒーローだと他人に言えない程度の苦悩」だったと発言。二次創作におけるぼっち扱いを否定した。

その一方で代表の「ティロ・フィナーレ」は置いとくとして厨二病は否定しなかった。
(ただし、円環の理はマミの造語ではないとも明かしている)

このようなマミさんに対するファンの二次設定的なキャラ付けが過激なものとなった背景には、3話というあまりにも早い段階で彼女が退場してしまったこと、そして(当初は)脚本家の虚淵玄自身が彼女に対してさしたる興味を持っていなかったので設定が薄くおざなりだったことが挙げられる。
それがファンの想像力を掻き立て、様々なマミさん像が描かれることとなった。
その結果、ファンの予想以上の人気に気が付いた公式側が、マミさんに対して次々と後付設定(杏子との関係、必殺技を叫ぶようになった理由、過去の戦いなど)を追加していったため、もはや現在のマミさんと放送当時のマミさんはほとんど別人といっても過言ではないかもしれない。

しかし、二次創作によってキャラが豊かになった反面、二次的なキャラ付けと後付設定に矛盾が生じることが少なからず起こるようになってしまった。
アンチが厨二ネタ、ぼっちネタ、デブネタ(これらの由来は、全て二次創作である)を用いてネタと称して時に公然と荒らしを行うような目を背けたくなるような状況も存在してしまっている。

このように、マミさんはネットによる二次創作の恩恵と被害、その両方を最も受けたキャラといえるだろう。
かつて、マミさんはどんなネタでも受け入れられる、自由度の高いキャラだった。
しかし、それは放送当時の、まだマミさんのキャラ設定が定まっていなかったころの話である。
公式側から次々と後付設定が追加され、キャラの掘り下げや形付けがはっきりしてきた今、もはや「マミさんには何をしても問題ない」「マミさんなら仕方ない」では通らないことに注意が必要である。

そんなマミさんだがアニメ最萌トーナメント2011では優勝し巨乳キャラとしては史上初の快挙である。
最終更新:2013年01月20日 17:55