『魂魄 妖夢(こんぱく ようむ)』とはZUN制作の弾幕STG「東方Project」のキャラクターである。

   概要       
初出は『東方妖々夢』5面ボスで、それ以降の複数作品にも主に自機として登場。
冥界の白玉楼に住む庭師兼「西行寺 幽々子」の警護役を務め、幽々子の剣の指南役でもある。
半人半霊(人間と幽霊のハーフ)という種族であり半分生きていて半分死んでいて、半分実在していて半分幻という半人前。
人間と幽霊のハーフといっても、人間と幽霊の間にできた子供ではなく、元々そういう種族である。
剣の師匠は妖夢の祖父でもある「魂魄 妖忌(こんぱく ようき」も半人半霊である。
この先代は、三百年程庭師を務めたある日に頓悟(段階的な修行を踏むことなく一挙に悟りを開くこと)し、妖夢に後を継がせ「幽居」した。
妖夢の剣術はまだ未熟であり、成熟までには日々の修行を欠かせない。
先代は行方をくらまし、妖夢もどこに居るのかは知らず、これも教えなのだろうと彼女は思っている(東方妖々夢 上海アリス通信.txt)ばれている。

求聞史紀によれば、妖夢の半霊は彼女の意志で動くものであるらしい。
ちなみに東方永夜抄では自由自在に動かすことこそ(操作方法の都合で)出来ないものの、常に前方にショットを飛ばす本体とは別に、最後に移動の入力をした方向の逆にショットを飛ばすと言う性質があるため、慣れれば自由に操って二方向に同時に攻撃できる。

弾幕アクションでも妖夢の合図で弾幕を放ったり突進したりと、妖夢の思い通りに動いている。
また姿形を変える事も可能で、その最たるものがスペルカード・魂符「幽明の苦輪」などのように、妖夢そっくりのコピーを作る事も出来る。

幽霊は物体をすり抜けるものとされているが、萃夢想などでは半霊を飛ばして攻撃しているため、ダメージを与えられる程度の固さはあるらしい。
アリスの人形と同じような身代わり判定を持っており、一部の攻撃を受け止めたりすることも出来る。
「東方三月精」ではルーミアが妖夢の半霊を掴まえている。

魂魄家の家系は妖夢は生まれたときから白玉楼の従者であるが、公式に存在が確認されている血縁者は祖父の魂魄妖忌のみ。
妖忌は姿を消したという設定があるが、妖夢の両親がどこへ行ったのかは不明である。
祖父の妖忌も半人半霊であり「求聞史紀には、魂魄家は、純粋な幽霊ではなく幽霊と人間のハーフの家系である。」と書いてあるので、妖夢の両親がそれぞれ人間と幽霊で誕生した半人半霊なのではなく、半人半霊という種族のようなものがあるのだと思われる。
半人半霊同士でのみ夫婦になって種族を維持してきたのか、それとも半人半霊の種族の血が混じるともれなく半人半霊になるのかは不明である。

妖夢の剣は長刀『楼観剣』と、短刀『白楼剣』の二振りを用い、誰もが「幽霊やってて良かった」と言ったという。
そんな姿に、半分人間の妖夢は「半分幽霊やってて半分良かった」と半分同調する(東方妖々夢 上海アリス通信.txtより)

「性格」
性格は何事にも一所懸命だが、それが報われることが少ない。
癖のある連中が多すぎる幻想郷では、真っ直ぐ過ぎてからかわれやすい性格でもある(萃夢想 上海アリス通信.txt)

武器は真剣。
必死という意味もあるかも知れない(永夜抄 Manual)

口調は女性的、中性的、丁寧語で使い分けている。

霊夢には「ただの通り魔」、魔理沙には「縁起が悪いもん」
パチュリーには「怨霊」
咲夜には「押入り強盗」
萃香には「斬捨て侍」とされている。
紫を斬った後に異変の犯人ではないと分かって激昂し、彼女を困らせたこともある(萃夢想 6面Border Line 界面活性斬)
妖々夢では従者らしく生真面目な性格で、萃夢想の頃に至っては「取りあえず斬れば分かる」と辻斬りそのものであったが、徐々に天然キャラ成分が増していき、現在ではとても丸くなっている。
永夜抄のエンディングで感受性が強いということが判明しており、何かに影響を受けやすい性格なのかも知れない。
また半人半霊でありながらオバケなどの怖いものが大の苦手である。

お盆の入りの昼間、あの世とこの世の結界が薄くなって大量の幽霊がこの世に現れた時、妖夢は彼らを大群で率いてあの世に連れ戻しに行ったことがあった。
しかし顕界と冥界の結界は未だ直らず、近頃は生きている人間や妖怪があの世へ、死者がこの世へ当たり前のように行き来している。
『東方萃夢想』では師匠の「真実は斬って知る」という言葉を文字通り実践し辻斬りのような行動を行うが「伊吹 萃香」からは師匠の教えを理解しているとは思えないと指摘されている。

ちなみに二次創作でよく描かれるように白玉楼の家事全般を取り仕切っているが原作での肩書きはあくまでも『剣術指南役兼庭師』であって、二次創作で見られる白玉楼の家事全般を取り仕切っているような立場ではない。
また食事の支度などは白玉楼に住んでいる他の幽霊の仕事である。
書籍文花帖によれば、休みも給金も貰ったことが無いらしい。

原作者である神主(ZUN氏)が非公式人気投票で投票した数少ないキャラクターでもある。

特徴、年齢、など
人間である彼女の本体に幽霊をまとっており、幽霊の側の半身(半霊)は白くて大きな霊体の形。
幽霊の半身と人間の半身が別々に行動や技を繰り出すことも出来る。

見た目は銀色の髪をボブカットにし、黒いリボンを付けている。
『東方神霊廟』では髪を伸ばしセミロングの長髪。
衣服は白いシャツに青緑色のベストとスカート。

寿命は人間よりはるかに長く、平熱も常人よりやや低い。
『紫香花 収録の小説』の「六十年ぶりに紫に香る花」(ただし、妖夢自身の発言)によると妖夢は『紫香花』の時点で生まれてから60年未満であり、そのため『花映塚』での「60年周期で起きる花の異変」について詳しく知らなかった。

テーマ曲
『東方妖々夢』
・「広有射怪鳥事〜Till When」

『東方萃夢想』
・「広有射怪鳥事〜Till When?(アレンジ:NKZ)

『東方妖々夢』
・「東方妖々夢〜Ancient Temple」

『東方花映塚』
・「〜Ancient Temple(アレンジ)」

『東方緋想天』
・「広有射怪鳥事〜Till When?(アレンジ:あきやまうに)」

二つ名
・幽人の庭師(妖々夢 キャラ設定.txt)
・半分幻の庭師(妖々夢 ゲーム内、萃夢想 ゲーム内、緋想天 ゲーム内)
・生命の二刀流(萃夢想 キャラ設定.txt)
・半人半霊(永夜抄、花映塚、儚月抄)
・半人半霊の半人前(花映塚)
・死欲の半霊(神霊廟)
・半人半霊の庭師(求聞史紀)
・切り捨て御免(文花帖)
・人間と幽霊のハーフ(書籍文花帖)

能力
・剣術を扱う程度の能力
※ピクシブより※
楼観剣と白楼剣を扱う二刀流。
両方とも生身の人間を斬ることも出来る。
体術、妖術は半人前ながらも優れており、バランスが取れている。
対象が敵、霊、弾幕、人の悩みであっても斬ることが出来る(『萃夢想』上海アリス通信.txt)

準備時間があれば短い距離の直線で、瞬間的に移動しつつ斬ることが出来る。
これは幻想郷の中でも最高級の速さを持つ「射命丸 文」でさえ、目で追えない程の速度となる(『文花帖』LEVEL 6、人智剣「天女返し」 妄執剣「修羅の血」 四生剣「衆生無性の響き」)

・『楼観剣』
長い方の剣が楼観剣である。
妖怪が鍛えた剣と伝えられており、長すぎて並みの人間には扱えない。
「一振りで幽霊10匹分の殺傷力を持つ」とあるが、それ以上の詳細は言及されていない。
公式作品では柄に桜の花びらが描かれた鍔のない剣として描写されることが多い。
腰に佩(は)かずに背負っている。
『妖々夢』での妖夢の台詞によると、楼観剣の切れ味は「妖怪が鍛えたこの楼観剣に斬れぬものなど、あんまり無い!」(霊夢ルート)である。
魔理沙ルートでは「殆ど無い!」
咲夜ルートでは「少ししか無い!」となる。
本人の言葉通り、斬れない物は少ししかない剣である(『萃夢想』上海アリス通信.txt)

・『白楼剣』
魂魄家の家宝。
原理は不明だが、魂魄家の者にしか扱えない。
斬られた者の迷いを断つことが出来る。
幽霊に使えば成仏する。
尚、白楼剣で幽霊を斬ると成仏してしまうので濫りに使用すると閻魔に怒られる。

・『西行寺幽々子との連携』
人間は生きている間に幽々子と出会うことはまず無いが、死後は例外である。
妖夢が白楼剣の一振りで死者の輪廻転生を断ち切り、幽々子が彼岸に送り返すと死者は地獄に行くしかなくなる(『求聞史紀』84-86頁)

・『スペルカード』
「一念無量劫」では、妖夢と相手の心の余裕の無さのため時間が遅くなるような表現になっている(幻想掲示板2004/04/13)

「雨を斬れる様になるには三十年は掛かると言う。
お前はまだ、雨の足元にも及ばない。」
「空気を斬れる様になるには五十年は掛かると言う。
でも、なんだかそんなに掛からなそうな気がしてきたわ。」
「時を斬れる様になるには二百年は掛かると言う。
……先は長いなあ。」
『東方萃夢想』妖夢勝利時の台詞より。

種族
・半人半霊(人間と幽霊のハーフ)

呼称
ファンからは「みょん」と呼ばれる。

東方妖々夢のおまけ.txtに記述されているエキストラストーリーの会話中にて、霊夢たちが「ひょんな所で〜」と言った直後に幽々子を探していた妖夢が登場し「幽々子様! また、みょんな所に居て…」と発言した。
これは、直前の会話を妖夢が聞いていたため、「ひょん」と「妙」を混ぜてしまったものと考えられる。

「みょん」という語がテキストの誤字ではないかという意見もあるが、テキスト中では「みょん」が3回も登場し、そのワード自体がネタになっていることを考えれば最後に妖夢が「みょん」と鳴くなど誤字ではないことが分かる。
以上のことから「みょん」の愛称が広まった。

  スペルカード  
魂魄 妖夢の項目に記載。

男を知った妖夢(二次創作)
『東方神霊廟』以降の妖夢の容姿に「非常に垢抜けて見えるのは男ができたからどはないか」とのことからファンの二次創作による『男を知った妖夢』といったイラストやタグがある。
最終更新:2013年01月18日 09:22