neurocysticercosis(神経嚢虫症)
概要
豚などに寄生する有鉤条虫がヒトに感染し、神経系に移行して、様々な神経症状を引き起こす。衛生管理が進んだ先進国では稀な病気であり、東南アジアや南米などで見られることが多い。「嚢虫」というのは、幼虫が寄生する際に袋状に寄生するため(「条虫」は成虫の形態から名付けられた)
。
原因
有鉤条虫の卵を摂取(生の豚肉や、感染者の便中に卵が含まれる)することで
cysticercosis?(嚢虫症)に感染する。神経嚢虫症は、そのうち、条虫の幼虫がが神経系に移行寄生したもの。
症状
脳に寄生した場合、見られる症状は、痙攣、言語障害、運動障害など、脳の損傷により引き起こされる神経症状が起こる。
診断
一般に、診断はつきにくい。特に先進国では、生の豚肉を食べたなどの特異的な情報がなければ診断は難しい。
治療
駆虫剤(
Albendazole、
Praziquantel?など)を投与して諸悪の根源たる有鉤条虫を殺虫するのが一番の治療。但し、脳内に寄生している嚢虫が薬により死ぬと、嚢内の物質が嚢外に漏出し、炎症反応(ときにアナフィラキシー様症状)が起こる場合がある。この炎症反応を抑えるためにsteroidが投与される場合がある。
Episode
最終更新:2012年07月26日 08:33