雪山救出作戦


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エンディング

雪山へ写生遠征に出かけていた少年少女がモンスターに攫われるという事件から数日後。クレスタ達の活躍によってなんとか無事に全員救助され、幸いにも引率の男性が手に軽い凍傷を負ったくらいで皆元気にその日のうちに帰宅することができた。
その男性から「絵を取りに来て欲しい」と事務方に連絡が来たのだ。あいにく御指名のクレスタはクエスト遂行中だったので、今日も遅刻をした罰としてカインという男が代わりに引き取りに行くこととなった。

「ったく、なんだって俺がこの寒いのに外に行かなきゃならないんだよ。今月はまだ二度目だぞ」

カインはマフラーを口元まで引き上げながら背中を丸めて小走りに街を進んだ。やがて指定された家までたどり着くと、ポケットからメモを取り出し間違いがないか確認した。

「ごめんくださぁーい。星章騎士団の代理の者ですが」

扉をノックすると、すぐに人当たりの良い青年が出てきた。

「わざわざお越しいただいてすみません。中にありますので、そのままどうぞ」

青年に促されるままアトリエ兼教室と思しき広い部屋に入ると、子供たちの絵が壁に何枚も飾られていた。

「ほぉ、サンタさんですか。みんな上手ですねぇ」

生活はいいかげんだが、案外子供は嫌いではないカインは目を細めてひとつひとつの作品を眺めていった。すると、いくつかの絵に違和感を覚えた。

「えーっと、このソリを曳いてる青いシカはなんです?」

カインが指さすほうを見て、青年はにっこり笑った。

「僕もあとから教えてもらったのですが、ペリュトンっていう名前みたいです。あの事件の影の恩人で、今は子供達の一番人気ですよ」

カインも星章騎士団を有する組織の端くれなので、先日起きた事件の概要はなんとなくわかっているが、危害を加えたモンスターを“恩人”とは不可解極まりない。

「詳しく話すと長くなるのでまたの機会にしましょう。それよりお渡ししたい絵はこちらにあります」

怪訝な顔をしたままのカインを奥の部屋に呼ぶと、そこにはカードを掲げて立つ一人のクレスタの姿と、そのクレスタの周囲には彼を盛り立てるように描かれた拙いタッチのモンスターたちが描かれていた。そのモンスターは一般市民よりは知識があるであろうカインでも見たことがないものばかりだ。青年は穏やかな表情でこう続けた。

「今回の事件の元凶を退治してくれたクレスタさんに何か絵で御礼をしたいと言ったら『星章騎士団の勧誘に使えそうな絵を描いてくれ』と頼まれましてね。本当は一人で全部描き切る予定だったんですけど、凍傷がまだ完全には癒えてなくて年内は無理かなと思っていたんです。そしたら生徒たちが手伝ってくれるというので、こういう形になりました」

思った通りモンスターは子供達の力作らしい。見たことのないものは彼らの溢れんばかりの想像力の賜物だろう。カインは力強さがありつつとても温かみのある作品にひとしきり感心したあと、丁寧に梱包して青年に礼を言った。

アトリエをあとにする頃には一段と冷え込みパラパラと雪が散り始めていたが、カインは行きのようにぼやくことなくほくほくとした顔で戻っていった。

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