六王湖(帝政ダルト国)

帝政ダルト国 Empire of Dult (通称:六王湖 Six Kings' Lake)

国旗追加(2023/07/09)
テンプレ統一運動(2021/10/14)

621年、クランダルト帝国の帝作戦により新支配体制を樹立した帝国から追放された旧貴族たちが、六王湖と呼ばれる南半球の大オアシス地帯に樹立した軍閥勢力。
建国は第三紀と各国の中でも最も遅いですが、独特な誕生経緯もあって存在感は大きく、新時代のパルエの国際情勢をかき回します。
その立場から国家承認をしていない国も少なくありません。


国章

国旗
公用語 北方ダルト語
首都 ギッザス
最大の都市 バリグ工業城塞
通貨 帝国ダルク
国歌  
民族構成 ガリアグル系
クランダルト系
オージア系
南パンノニア系
その他
32%
30%
24%
11%
3%

キャラクター・パレット

1:系 2~3:系 4~6:系

概要

かつて帝国が支配していた地域を中心として、第三紀に勃興した軍事国家。帝政ダルト国を自称。
その政治権力のルーツは、621年に発生した帝作戦において帝都を追われた宮廷貴族の残党からなります。
政体は旧帝国カラーを色濃く残した寡頭制を敷いており、地元有力者と亡命貴族、統一パンノニアから追われた南パンノニア系有力組織が融合してできた政府が大陸中央のオアシス複合地帯を支配しています。
もともと帝国の一大工業都市・艦隊整備拠点であったために、この分離勢力が十分な国力を持つまでには時間は要しませんでした。

建国の建前、もとい理念は、
「属領を"開放"と称し"放棄"したクランダルトを許さず、かつてのように偉大なるクランダルトによる安定した支配体制を取り戻す」といったもの。
当然クランダルト帝国は当然六王湖を承認しておらず、六王湖は建国の瞬間から帝国と戦時状態にあります。
六王湖にとって対帝国防衛は最大の問題で、自らの保身のためにはかつての敵であるアーキル連邦や南北パンノニアとも交流を探るなど、かつての歴史にとらわれない思い切った外交手腕を見せてくれます。
帝国カラーを色濃く残している六王湖ですが、時間が経つにつれて烏合の衆であった当初の無能貴族は一掃されていき、有能人材が国政を担うように変容していきます。

631年には人造女帝であるアイギス・デュ・第18世代が生産され、悲願の皇帝を手に入れることとなりました。
その後は「偽帝粉砕」をスローガンに存在感を増し始めます。
 

ラスティフロントでの位置づけ

帝国本国に反旗を翻した第三紀の新興国、大規模な水源地と工業地帯を抱えており生体系の技術を持つが南半球諸国とは仲が悪く、
パンノニアや赤道諸国などとうまく駆け引きを続けて存在している国として描写されます。
第二紀の宰相率いる帝国成分をベースにそのまま第三紀へ進化したような艦隊と、様々な立場の人間や一掃しガラパゴス的発展を遂げた異色の中堅国家です。
第二紀の"クランダルト帝国らしさ"を正統に受け継いでおり、帝国ファンにうってつけの国家です。
前時代的て退廃的な貴族文化と極めて現実主義的な生存外交という両極端な面を揃えているので、思い切った創作でもねじ込める土壌を秘めています。

 

歴史

新芽紀(原始時代)
この地域一帯には少人数・高機動力の部族が居住しており、たびたび古代のスクルフィル領に侵入し略奪を繰り返していました。
それに耐えかねたスクルフィル民はある時団結し、六王湖部族征伐を実行。
六王湖に居住していた部族はスクルフィルに連行され、六王湖は一時無人地帯となりました。

陸鳥紀~第一紀
時代は流れ400年代末期。南半球を統一した帝国艦隊は北上しこの地を"再発見"します。
無人地帯でしたが南半球では珍しく大きな水源地だったため、肥沃な大地を求めて北進した帝国はこここそが約束の地とし考え、6つの大湖からなるため六王湖と名付け入植を開始しました。

しかし数年後、勢いに乗って北進した帝国艦隊は北半球文明とファーストコンタクト。
連邦の奮闘によって帝国の進撃は阻止され、兵站が伸び切った戦線は膠着状態に陥ります。その結果戦線近くに存在していた六王湖地域は大規模な投資対象となり、前線に近い兵站基地として大規模な工業設備や居住地が形成されて行きました。
いわばトラック泊地のような前線の艦隊集結泊地です。第二紀を通じて拡張された結果、六王湖は多くの貴族や領主が居住し、帝国本国に次ぐ工業設備と人口を持つもっとも有力な「外地」となりました。
第三期には帝都北部の島ノイエラント、属領のネネツ領カルログラードと並んで遷都候補地に選定されるほどの地として発展しました。

第三紀まで
帝国の属領支配艦隊が軒並み壊滅したリューリア艦隊戦後、帝国本国の地方支配が届きづらくなったことから六王湖自治政府も大幅な自治権を獲得します。
ただしこの時点では帝国本国に反抗的ではなく、周辺を領有する貴族や領主による寡頭政治が行われていました。

革命勃発、そして六王湖の建国
~亡命先として~
状況が変わったのが621年の帝国の革命です。
帝国を支配していた宰相派貴族を、皇女を擁した近衛騎士団長ラツェルローゼとそれを指示した艦隊が打ち破ったのです。
詳細は(帝作戦の当該ページ)参照。
結果的に多くの宰相派貴族が戦死・投獄されましたが、難を逃れた一部の宮廷貴族が六王湖の地に「遷都」し、現地にいた同志の領主に迎え入れられました。
皇女と近衛騎士団主体で新たな体制に移った帝国も内外の混乱と情報不足により、帝国本国は六王湖が亡命貴族を受け入れる場になっていたことをしばらく知りませんでした。

~もうひとつの帝国~
六王湖勢力では亡命貴族と既存の領主・貴族、また南パンノニアから来た人材との間で大規模な政治闘争が行われ、その過程で無能な人材は削ぎ落され新帝国に負けず劣らずの優秀な指導者陣が形成されていきました。
彼らは各地から帝国の旧式艦を掻き集めて独自改修し、南北が講和する頃には旧式とはいえ帝国本国に匹敵する艦隊を保有していました。
気が付けば大規模な軍閥となっていた六王湖を鎮定するため、新帝国は講和会議で連邦に共同での制圧作戦を提案します。
南北諸国が関係を修復した証として、新たに生まれた敵を一緒に倒すことで六王湖を帝国領土に収めるとともにお互いの絆を深めようというラツェルローゼの名案です。
これは実行寸前まで行きましたが、八八事件が発生したため帝国はテルスタリ皇国への制裁的侵攻を行わなければならず、そのまま六王湖制圧作戦はうやむやになってしまいました。
結局帝国が時期を逃がしてしまい、政治的・軍事的基盤を構築してしまった六王湖は以降事実上の国として存在していくことになります。

第三紀後期~
~事実上の国家~
六王湖勢力は当初は「古き帝国を取り戻す」「偽帝粉砕」といったスローガンを掲げていたものの、
南北戦争が終わってから世界情勢は大きく転換していき、その都度生存戦略を変えていく中で六王湖の指導者たちも次第に態度を軟化させます。
クランダルト帝国本国ももはや武力で六王湖を屈服させるにはその代償が大きいことを認知しており、双方にとって開戦は悪手でした。
両国は戦時体制のまま戦わないという奇妙な時代に突入し、表向きは互いに国交を断絶しながらも第三国を通じて幾度かの交渉を行うまでに落ち着きます。
(ともに建前上国家として認めるわけにはいかなかったということです。)
このとき六王湖は軍事面以外でも経済・文化の両側面で各国に影響力を増しており、もはや六王湖をただの軍閥として見るものはほとんどいなくなっていました。

注意:
・第三紀後期の帝国は六王湖はガリアグル領であるとの立場をとっており、ガリアグルに当地域の主権と安全を保障していた。
・帝国は、ガリアグルに対しての攻撃があった場合は安全保障上の観点から防衛出撃を行うと宣言し、これを事実上の六王湖に対する敵対宣言とした。

~主権国家として~
675年にエゲル山脈で旧兵器の被害が報告され始め、最初に動いたのが六王湖でした。
六王湖は付近の商船や民間船の救援にいち早く駆けつけ、大きな代償を払いながらも周辺地域一帯の索敵や警戒にあたり、各国との情報共有に尽力しました。
その相手国には、敵国であるクランダルト帝国も含まれていました。六王湖は"双頭協定"の精神を引き継いでいたのです。
翌年の各国緊急会議にも六王湖は姿を表しており、旧兵器というパルエ人共通の敵に当たるべく、六王湖は晴れて公式に主権国家として認められました。

680年ごろには両国の首脳会談や双方の近衛騎士団同士の祭事参加などが実現し、六王湖の「偽帝粉砕」のシュプレヒコールはトーンダウンしていった。

 

文化

基本的には帝国系の文化ですが、成立する過程で南パンノニアから流れ着いて来た人もいるためこれらが混ざっている面もあります。
南の肉とパンノニアの料理や作物がいい感じに合わさり、食事の品質ははパンノニアと並んでパルエでもトップクラスとも言われています。
旧帝国の荘厳な権力体制を引き継いでいるとはいえ、皇帝を擁していないため国家による人民の統制は多少マイルドになっています。
これは生き残るために積極的に南方系属領民を受け入れ、南パンノニアとの交易を推奨するためのものでした。
代わりに貴族が台頭していますが、無能なボンクラ貴族が淘汰されていったこともあり第二紀のころのような無能貴族の割合は減少傾向にあります。
第三紀中期には貴族体制は残っているものの有能な人材が官民問わず雇われており、人的資源の黄金期を迎えます。

 

首都ギッザス

首都の概略(画像クリックで画像が開きます)

首都は効率を最優先で建設されており、皇宮を除けば退屈で味気ない見た目をしています。
区画同士は地上の動力伝達パイプ(溶液や電力線が集中)によって繋がれているが、敵襲に無防備な状態であるためこれらの埋没作業が進められている。
基本的に六王湖は首都以外に都市を築くことに消極的で、このギッザス都市圏に全てを飲み込ませようとしているようだ。

 

人造女帝 アイギスシリーズ

六王湖の皇帝「アイギス」は、帝作戦時に逃亡した技術者集団の叡智を結集させて作られた同国の技術者

 

肉体年齢:21歳相当 (生産後4年経過)
生年月日:631年 5月5日

アイギスは、ダルト国が帝国の真の後継者を主張しつつも肝心な皇帝を欠いてたことから、皇族の遠い親戚らの遺伝子を片っ端から集めて生成した人造女帝です。

新雪のような透き通る肌に銀髪、そして全てを見通す赤き瞳…女帝フリッグのような容姿を期待していましたが、
どういうわけかぜんぜん違う見た目になってしまったのはご愛嬌。…これ、アーキル人じゃないか???

納期が迫っていたため、現行の最新モデルだった第18世代のアイギスを緊急生産。
17歳の肉体で生成され、短期間で帝王学を仕込まれた後に晴れて634年に即位しました。
彼女の生成にはテクノクラートの他、多くの遺伝子・資金提供者がやいのやいのと口を出し、
ホクロの位置や体格などの調整に生体技師は残業漬けの毎日だったという。
というわけで父親がたくさんいます。
当の本人は自分の生い立ちは受け入れており、女帝として好き勝手に生きることを考えている様子です。

大金をかけてデザインされた自身の身体に絶対の自信をもっており、この身体は戦艦よりも高くつくのよと自慢して回るのが好きな様子です。
一人称は"あたし" 帝作戦後に即位した帝国の女帝フリッグをライバル視しつつも、血統という面では勝ち目がないことも自覚しています。

 

経済

第三期中期の冷戦期では、宿敵である新帝国本国およびそれに近しいネネツといった国からは、事実上旧帝国の「賊軍」の残党である六王湖勢力を国と認めることはできず、国家承認はなく経済制裁を受けている状態です。
これは帝作戦を現役で知る世代が減少し、旧兵器というパルエ人共通の脅威が問題となる676年になるまで続きます。
一方北半球諸国とは比較的ニュートラルな関係を構築できている他、ガリアグルやオージア協商のような帝国から独立した新興国にも同情的な見方があります。
もともと工業地帯だった上北半球に依存する貿易のため、生態系技術をベースとする国の中では最も早く北半球由来の機械技術を導入し、国内の産業は統一パンノニアと同じく南北のいいとこどりのような面があります。
通貨は依然として帝国ダルクを使用。これは南方系・北方系の国々との交易が体制維持の要となっているためであり、また敵対している新帝国の通貨をいざとなれば暴落させるための切り札として持っているようです。
造幣施設は新帝国本土にあるため、独自通貨の発行ができないこと、これを問題視した新帝国に新通貨を発行させる手間暇をかけさせるという二重の戦略でした。

 

軍事

500年代を通して帝国領だったころから、多数の貴族艦隊と付随する整備工場を要する一大根拠地でした。
六王湖勢力が独立する過程においては常に帝国が敵であったため、形成の過程からずっと帝国を最大の仮想敵としています。
冷戦期パルエでは有力な艦隊を持つようになっていた彼らも、形成当時はリューリアで壊滅した前線艦隊のわずかな生き残りや帝作戦の残党艦しかおらず、近衛艦隊はおろか下手すると弱体化したアーキル艦隊にすら落とされかねないという、極めて心もとない状態でした。

帝作戦後、ラツェルローゼ率いる新帝国は軍隊の効率化を進めるために艦隊の大再編を行いました。
グレーヒェン工廠などで製造した新世代艦を一挙導入するとともに、すでに前線での使用に耐えられなかった第二期旧式艦をほとんど退役させることにしました。
そのとき悪化していた属領経済を助けることを目的として、ラツェルローゼは多くの旧式艦を本国以外の属領に解体させようとします。
六王湖勢力はそこに着目。
彼らは宮廷から持ち逃げした資産を使って属領中からこのスクラップ軍艦をかき集め、亡命したテクノクラート技術者の力を生かし六王湖のドックで徹底的な近代化改修を行うことにより再生に成功。
宮廷貴族の持っていたアドミラーレ級大戦艦やグロアール級戦艦を筆頭に、バリステア級、アルバレステア級、ガルエ級といった帝国本国では退役した艦艇を、第三期の最新鋭艦に匹敵する能力にまで魔改造した精鋭艦隊の保有に成功しました。
結果、帝国本国ではすでに断絶した旧式艦艇のルートをそのまま保持し、第三期の水準にまで引き上げた「ありえたかもしれないもうひとつのIF冷戦期帝国艦隊」を保有しているというのが六王湖の最も面白いところです。
 

特筆事項

帝作戦以降600年代末まで帝国本国とは完全に対立状態であり、お互い相手を国家承認せず交流を制限している状態です。
帝国が緩やかに解体し、属領が独立した600年代半ばでも帝国本国は六王湖の独立を認めず、六王湖に対する抑え&有事の際の防衛ラインとして、独立国であるガリアグル、オージア、バセンに挟まれた飛び地のヨダ地区を(周囲の諸国の反感を買いながらも)帝国は領有し続けています。
さらに、帝国にとって六王湖の地は今だ帝国領であるため、その地を名目上領有するとしている貴族も設置しています。
その代表はミランダ家であり、普段はヨダ地区に駐在しグレーヒェン家とともににらみを利かせています。

最終更新:2023年07月09日 21:14
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