5話案

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すぐに帰宅。 文哉は朱璃を気遣いながらも、見失った右近左近の居場所を突き止めるために情報収集に出る。被害を出さないためにと。 事務所に一人取り残される朱璃。頭が回らず、とりあえずお茶を口に含もうと冷蔵庫へ向かう。 開けると、見覚えのあるケーキの箱と、しわしわのビニルに入ったコーヒーゼリーが目に入り、自嘲する。 同じ場所で戦っていた退魔師たちを守れず、また同じ人間の鬼を殺さざるを得なかったこと。 人間の鬼を切り捨てたことを間違いだとは思わないが、力が及ばなかったのは事実だった。 どうしてか、朱璃の肩には詳細不明な責任が重くのしかかるのを感じていた。 人並みを望んで甘えている(文化祭、ケーキとコーヒーゼリーの話)から、周囲の人間が死んでゆく。悲しい出来事の連鎖が止まらない。 死んでいった退魔師たちも、鬼化してしまった彼らも、私へ向けるしかなかった耐え難い憎しみも……自分さえこうして甘えていなければ、どうにでもなっていたのではないか。 あの修羅級も、人を鬼に変える地獄級も、すぐにでも倒せているのではないか。そうすれば今日起きた全ての悲劇がそもそも起こらなかったのではないか。 そこまで考えて、自分が平生の思考をしていないことに気付く。 お茶を流し込んで考えを振り払う。とりあえずイチゴショートを食べ始める。美味しくて悶える。こりゃ高いぞ云々。 生クリームの甘さで、再び決して埋まらない渇望の苦しみに苛まれる。 食べ終わると、メモ用紙に「お礼 朱璃より」と書いて、コーヒーゼリーのビニルに貼り付ける。 携帯を取り出し、藍に連絡する。文化祭の片付けの手伝いを申し出ると、快諾。 珍しがられるが、ただの気分転換だといってあしらう。 制服の汚れを隠すためにコートを羽織って学校へ。クラスメイトから大きな舞台道具の運搬を頼まれる。運ぼうとすると、一直が運搬を代わろうかと声をかけてくる。 普段なら、私のほうが力がある、一人で十分と言うところを、じゃあ一緒に運ぼうとつんつんしながら。 お前が運べないなんて、怪我でもしているのか?と言われ、疑問。ならどうして代わりなんて申し出たかって、聞いてみれば藍の差金らしい。気になる男子というわけではないが落ち込む。 最後に今日の志藤はなんだか志藤らしくないなと言われ、初めに珍しがられた時と同様に嫌がる。何が悪いと。一直は髪型変えたねーと同じくらいのノリで言っていたため、ショック。お互いに謝る。 焼却炉までそんな会話。 焼却炉に舞台道具を放り込んだあと、一直に制服に付着した血について聞かれる。 時間が経過し固まった鬼の血が付着しているのが、運搬物を降ろしたことでコートの隙間から見えてしまったようだった。 そこで、焼却炉裏の林で物音がすることに気付く。 二頭が右近の血の匂いを追ってここまで来たと可能性に気付き、林へ駆け出そうとする。 林の入り口にはすでに、致命傷を回復した右近の姿があった。一直に向かって逃げろと叫ぶ。一直の走って逃げる音が聞こえる。 コートを脱ぎ捨て、交戦に入ろうとする直前、一直の驚いた声が聞こえてくる。 すぐに向かおうとするが、右近の攻撃によって遮られる。 同級生男子が左近に襲われる。鋏が振り下ろされる直前に一直へ飛びつき、回避。勢いよく地面へ叩きつけられ朱璃の下敷きとなった一直は、激痛に表情を歪めて喘ぐ。 右近の追撃を、朱璃は崩れた体勢のまま右のヤスリで受け止める。が、秒も持たず取り落とす。その際に、右肩に怪我を負う。 歯を食いしばり必死で痛みを殺しながら、一直を抱えて林へ退避。一直には林を抜けて逃げるように指示する。 右近左近が追いつき、朱璃を狙う。二頭の目当てが自分であることを確信する。 まともに歩けない様子の一直を逃す時間を稼ごうとするが、肩の怪我が祟って、一直がほとんど逃げ切れていない距離で満身創痍に達してしまう。 このままでいいのか、助けなきゃいけないと、鬼の力を引き出すことに成功。拮抗する。一直が逃げ切ったことを確認。 戦闘しつつも、落ち着いて観察する余裕が出来る。右近と比べて左近の知性がわずかに高いことに気付く。 わずかに知性の劣っている右近を先に仕留めようとするが、左近は先ほどからは考えもつかない想像以上の知性をもってそれを阻み、朱璃を殺そうとする。 朱璃は跳ね上がった再生力を利用して、肉を切らせて骨を断つ戦術を取り始める。着実にダメージを与え、右近の動きが鈍ってゆく。しかし、朱璃の肉体も限界に近づく。 左近の攻撃の手が不自然に緩み始める。 右近にトドメを刺した瞬間、その隙を突かれたかのように襲われるが、左近の知性の高さを見抜いていた朱璃は奇襲を予期して迎撃。ヤスリで殴り飛ばす。 右近に重なり、動かなくなった左近にゆっくりと近づくと、水っぽい音とかちかちと歯を合わせるような音が聞こえる。 殴り飛ばした程度で動かなくなるほど、鬼の甲羅は柔らかくはなかった。だとしたら、左近が動かない様子でいるのは演技…… 近くで姿を伺ってようやく、その音が右近の中身を喰らっている音だと分かる。時すでに遅し。左近の全身の骨格が変化してゆき、融合体になる。 攻撃される。今までいなしてきた鋏の振り下ろしが受け止めきれない。 吹き飛ばされた朱璃を追撃することもなく、カチカチと笑うように歯を鳴らす。二頭を合わせた力よりも、この一頭の方が比べ物にならないほど強い…… 狡猾な左近は発生してからこのかた、右近に対して「太らせて食う」算段を行っていたという推測が頭に浮かび、戦慄する。 三度の撃ち合いで再び吹き飛ばされ、地に伏す。 左近が校庭へ向かおうと歩き出す。ついでと言わんばかりに、胸部を足の爪で踏みつけられる。 遠退いてゆく左近の足音に、己の無力を呪うこともない。悔しさに歯を噛むこともない。これから校庭にいる生徒たちが虐殺されてゆくであろう現実を否定する気もない。 パートナーの声が遠くに聞こえる。続いて発砲音。必死で食い止めようとしているらしいが無駄だろう。冷静に事実を認める。 ただ悲劇だけが転がっている。しかし、全てが絶望的なこの状況が、不明だった論理の空隙を埋めた。  (的な格好いい言い回し) 繰り返し(回想) >人並みを望んで甘えているから、周囲の人間が死んでゆく。悲しい出来事の連鎖が止まらない。 >死んでいった退魔師たちも、鬼化してしまった彼らも、私へ向けるしかなかった耐え難い憎しみも……自分さえこうして甘えていなければ、どうにでもなっていたのではないか。 >あの修羅級も、人を鬼に変える地獄級も、すぐにでも倒せているのではないか。そうすれば今日起きた全ての悲劇がそもそも起こらなかったのではないか。 人間らしい幸せを望む感情、飢えた渇望を心の奥深い場所へと落としこみ、代わりに自らの鬼を引き出す。 (復讐者と相対したストレス、退魔師を守れなかったストレスから、わずかに鬼の面が表層に現れ始める。 鬼の面は『どうにかできること』を知っていて、朱璃自身は文哉の優しさとケーキの甘さなんかで人間らしい幸せを渇望し、鬼の面を否定するという図) 左近に背後から跳びかかり、致命傷を負わせる。戦闘再開。 拮抗するが、朱璃はさらに己の鬼の面を引きずり出し、ヤスリを眉間に突き刺して勝利。 朱璃はそのまま倒れる。 文哉視点 倒れた朱璃を抱える。非尋常な回復力の関係から、病院を避けて事務所へ。 コーヒーゼリーを食べつつ朱璃の異常性を独白。再生力、身体能力、負の感情……鬼との共通点を見つけてしまう。鬼化の調査開始。

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