この世界に暮らす人々

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この世界には様々な人々が日々の生活を送っています。 とはいえ、現代に暮らす人間からすれば、 この中世のような文化レベルをもつ人々の生活や仕事というのは非常にわかりづらいものだと思います。 そこで、ジオ文化圏を基本としたものですが、この世界の、 基本的に舞台となる時代の人々の仕事を紹介していこうと思います。 合わせて、それらの職種の人々が、大体どの流通レベル帯の都市に主に存在するかも併記します。 *■生産系 <<農家について 農家は基本的に農作業を行い、食物を生産する職種です。 多くの場合、農作物は市町村の食料の基幹であり、 漁村以外においてこの産業なくして集団生活は成り立たないと言ってもいいでしょう。 村落部、辺境においては食料は基本自給自足です。 自分たちの食べる分が確保できなければ、餓死者が出て確保できる分しか人は生き残れません。 都市部においても、街壁の外などに渡り農業用の畑、施設が存在していることがよくあります。 人口が多い都市ほど、その周辺には広い畑や牧場をもっているのが普通です。 交易や納税(作物)による食料の供給もあるでしょうが、基本はやはりまだまだ自給自足の時代です。 農家の人々は主に税をその収穫物と労働力の提供(治水や領主農園の維持)で行っています。 ***耕作農家 流通レベル1~ この世界において畑作などで作物を生産し、食料を供給する農家は社会の基本構成要素です。 彼らの生産する穀物が世界の人口の食事を支えていると言っても過言ではありません。 主な生産作物は小麦、大麦、ライ麦、えん麦などの麦類の他に雑穀 さらにマメ科のエンドウ豆、ソラマメ、ひよこ豆などが主に栽培されています。 ジオ文化圏は比較的温暖な気候の場所が多く、また降水量も適量であるため、農業はし易い地域です。 感慨技術なども初歩的ながら利用され、水路を用いた配水・排水などが行われています。 (これは史実の中世ヨーロッパよりも高い生産性を持ちます) 河川や地下水からの水路を引けない場合、その生産性が低下する為、賄える人口は減ってしまいます。 ***畜産農家 流通レベル1~ 畜産農家は家畜、例えば羊や豚、馬、鶏、牛などを飼育し、それらの生産物や 成長したそれら自身を屠殺して食料や様々な原材料として生産する職業です。 家畜はこの時代の人々にとってそれなりに高価な資産です。 何故なら本来なら彼らにとって食料となる穀類などを飼料として与えるからです。 殆どの場合、成長のため与える飼料の量で養える人の量と、 成長した家畜で養える人の数は前者が上回るからです。 勿論、なるべくそれらを効率よく、食料にならないものを与えていく工夫はなされています。 羊は副次的に羊毛を得られ、鶏は卵を得られます、馬はそもそも資産価値が高く 牛は牛乳を得られますし、労働力にも用いられます。 豚は食肉の為のみですが、成長が早く、また飼料も森のどんぐりや人間が食べられないものなど なんでも飼料にできるため保存肉食に適した動物としてよく飼育されます。 また多くの畜産物からは羽や皮などの副産物が得られます。 彼らは各動物の放牧地域で動物たちを外敵から守り、群れから逸れるものが出ないよう努めます。 場合によっては彼らはそのまま食肉可能、保存加工まで行います。 事故や老衰で死亡した家畜以外は、大抵食肉加工(塩漬けなど)されるのは冬の直前、厳しい季節に備え てです。 ***果樹農家 流通レベル1~ 果樹農家は、果物やナッツをつける果樹を育成し、管理してその成果を収穫する農家です。 果樹は育成や維持が難しい物もあれば、そうでもないものもあります。 育成維持が難しい物はそれだけ希少価値があり、そうでないものより高い資産価値を持ちます。 また果樹はワインやリンゴ酒など、果実酒に加工される原材料となります。 どちらかと言えば基幹的な食料というよりは、交易用の特産物として利用されることも多くなります。 このジオ文化圏で主に育成される果樹はりんご、洋なし、オリーブ、ぶどう、チェリー、レモン ラズベリー、クランベリー、ヘーゼルナッツ、クルミ、どんぐりなどです。 ***漁師 流通レベル1~ この世界、この時代の漁業は、主に近海にて行うことを前提としたものです。 漁法は様々ですが、やはり網を用いるものが主流です。 大きな河川などにおいては河川にて漁を行う人々もいます。 漁獲は流通技術の発達していないこの世界では遠方地に流通させることはできず、収穫地近辺で消費されます。 ただし魚介類の特殊な保存加工品(干物など)は流通に耐える場合があります。 ***木こり 流通レベル1~3 ジオ地方の冬はやはり冷えます。 冬を乗り切るためにはやはりある程度の薪などの暖をとる燃料が必要になります。 そういった薪を確保するためや、様々な加工品としての木材を入手する為木を切り、回収してくるのが木こりたちの仕事です。 産業として木材を大量に確保する場合、森の木を森が維持できる以上の速度で開拓してしまう場合があります。 この場合、切り開かれた土地を開拓地をそのまま畑などにしてしまうこともあります。 片や林業としてその地を維持する場合、植林なども合わせて行い、その森から木が尽きないよう務めます。 伐採開拓型の木こりの行動はしばしば森のエルフ達との争いを引き起こしています。 もし村の薪などを維持する目的でしか木を伐採しない場合、森の再生は自然に任せ、 少人数のみで木こりを行っている場合もあります。 しかし残念ながら多くの場合、森林の採取は計画的ではなく、無闇な伐採が行われることが大多数です。 またひとつ重要な点は、領主が収める地である限り、領内の森は全て領主のものです。 そういった場合、木こりは生業そのものを領主に認めてもらっている必要があります。 ***採集者 流通レベル1~2 採集者とは農業が食料生産の中心となる以前の、森などから食料となる木の実やきのこや山菜類を採取する人々です。 今の時代では主要な食料入手手段となることはほとんどありませんが、補助的な食料入手手段として行われる場合があります。 また広大な森林部に少人数で生きている場合、これで食料を賄える場合もあります。 (ただし生活時間の多くを食料の入手に費やすことになるでしょう) ***薬草師 流通レベル1~ 薬草師はかなり特殊な職業です。彼らは食料としてではなく薬効を持つ薬草や生物を採取し、薬を製作します。 村などにおいては、彼らは貴重な知識・技術を持つコミュニティの一員として養われます。 街などにおいては、彼らはそれらの薬草や薬を売ることによって生計をたてています。 薬草師はその仕事の性質上、動植物知識と錬金術の知識が必須です。 ***狩人(冒険者たりえる) 流通レベル1~ 狩人は動物を捕獲、殺傷し、食料にする職能者です。 彼らは森やその他の自然において食用に適する動物を狩る方法や、自然による危険から身を守る方法を知っています。 農業が発達する前、狩りは食料の主な供給手段でしたが、農業が発達した後はその座を譲りました。 ただ、集団に属さず、一人で生きていく為には狩人という職業はそれなりに効率的です。 猟の成果により左右されるものの、自分の食さえ確保できれば、ある程度は自由に暮らせるからです。 基本的に集団作業である農業と異なり、人の輪に馴染めない変わり者には向く職業なのかもしれません。 また単に木こりを営むものが、副職的に狩りを行う場合もあります。 冬場において新鮮な食肉を調達してくるのは、ほぼ狩人の専売特許と言ってもいいでしょう。 彼らが狩るのは野生の鹿や兎、猪などが中心です。 ***鉱夫 流通レベル1~ 鉱夫は鉱物資源のある山や地下などに坑道を掘り進み、鉱物を採取する職業です。 鉱物はいかなるものも希少資源であり、金や銀、銅などの貴金属から、鉄、錫、亜鉛などの卑金属 宝石の原石となる結晶体など、全てがその用途に従って採取され、生かされます。 ただし鉱山が領主の領内に存在するものの場合、産出物はまず領主のものとなります。 そういった産出物を勝手にくすね、それが明るみに出れば犯罪として裁かれることもあるでしょう。 彼ら鉱夫の仕事は過酷で危険の多いものです。 有毒ガスの噴出や、崩落、自然洞窟への接続と、そこでのモンスターとの遭遇など 領地外の鉱山なら一山当てることは可能かもしれませんが、そもそも鉱山運営は一人ではできないため 大規模な鉱山開発を行う鉱山主の投資の元、労働者が使われ、働いていることがほとんどでしょう。 その場合でも給金や扱いがいいかわるいかはその鉱山運営者(領主含む)次第です。 また戦争捕虜や、犯罪奴隷がこういった過酷な労働を強いられる鉱山に回されることもままあります。 ***石切り 流通レベル1~ 石切りとは、様々なものの材料のために、採石場にて石を切り出す職業の人々を示します。 彼らは鉱山労働者と同じく、非常に危険な環境にてその労働を行っています。 多くの場合は露天掘り形式で、大規模な石の地層を上から切り出し始め、大きく穴を開けていきますが その過程で崩落が起こったりして死亡することも珍しくありません。 石が地下にしか存在しない場合は鉱山と同様、地下坑道を掘り、採石が行われる場合もあります。 そして鉱山同様、領地内の石は領主の所有物です。勝手に切り出すことは許可されません。 ただ、鉱山と比べても石切は非常に必需品の類であり、多くの領主は良質な石場があればまず活用しようとします。 また、商人や運営を申し出る者がいれば、許可を出しそこから上がりを収めさせることもあるでしょう。 石は、石と一言で言っても様々な種類があり、希少な石は資産価値が高くなります。 ***職人 流通レベル2~ 職人、と一言で言ってもはっきり言って様々な種類の職人がいます。 ここでいう職人とは専門技術を持って、様々な物品を製作する人々のことです。 職人の分類ははっきり言ってしまえば無数にあるとしか言いようがありません。 技能にある職能の分あるのは当然ですが、それ以上に職人は複数の職能を兼ねたり、より専門的に細分化したりします。 例えば鍛冶職人という分類も、場合によっては鎧職人や武器職人、金物職人と言った風に細分化し、専門分野を持つことがあります。 傾向としては、人口の多い都市部ほど、専門化し、一人の職人がより細分化した製作を行います。 しかし辺境部や職人が少ない場所では、技術を持つ職人が様々な製作に対応しなければならないため専門化しません。 *商業系 <<商人について 商人は基本的に物を売買してその差額で収益を得るということを生業とする職業です。 ただ、生産系の職業の人間が自ら作成したものなどを売る行為も、十分商人的行為と言えます。 そういう意味では専業の商人と、兼業の商人がいると言ってもいいでしょう。 ただ、この世界にて一般的に商人と称される人々は専門的に物の売買で生計を上げている人々です。 経済の発達に伴い、売買は物々交換から貨幣経済に変化し、多様な形態の商人も生み出しました。 商人達への課税は基本的にその商品にかけられるか、移動の際にかけられるものとなります。 国や地域によって課税法は異なりますが、多くの都市においてはまず物資を場内に運びこむ時に課税 また商店を営む際にはその場所の商業許可に課税などされました。 辺境地や都市圏以外では、領主が橋に通行税をかけたり、道に関所を設け通行税をかけたりします。 商人達はそれらを鑑みた上で設けが出せるよう数字を弾いているわけです。 ***小売商 流通レベル2~ 小売商は特に小規模な末端の販売を担う役割の人々です。 彼らは卸商人から商品を買いつけ、それぞれの店舗で客に販売するのです。 あるいは生産業の人間が直接販売する場合もこういった小売商と同じ形態といえます。 多くの場合彼らは商人の中ではそれほど裕福な立場とはいえません。 卸品の値段はそうそう変わるものではなく、販売価格も殆どの場合 職人同士の組合により一定以下や一定以上にすることは禁止されています。 商売で大儲けというよりは、日々の労働の一環として小売業を営むものがほとんどです。 勿論、なんらかの工夫をこらし、通常以上の販売を行う小売商もいますが、少数派です。 ***卸商 流通レベル3~ 卸商は職人、あるいは職人組合、領主や貴族などから物品を大量に買い付け 市場の小売商達に下ろす役割を持つ商人達で、当然ながらある程度大規模な元手を必要とする職業です。 大規模な都市ならば大きな商家がそれを担い、小規模ならばそれに従い商家の規模も小さくなります。 ただ、大きな街でも卸しを担う分野が分担され、そこそこの商家に別れるようなこともあります。 また一つの商品に関する卸商人が街に一つというわけでもなく、その辺は事情に合わせて被ったり住み分けされます。 卸商は基本的に小売商以外への個別の販売を行いません。 末端販売価格より安く個人へ下ろせば小売商が困ってしまいますし、何より小売は彼らの領分ではありません。 なので殆どの場合、そもそも卸商人達は小売の窓口(店舗など)を持っていません。 ただし卸商を営む商家が、直営の販売店を持つことはありえます。 とはいえそれほど多くの店舗を持てば小売商の迷惑になりえる為、普通行いません。 ***行商人(冒険者たりえる) 流通レベル1~ 行商は特定の店舗を持たず、様々な場所を地域や市場を回って商売を行う商人です。 基本的には街の中を売り歩いたり、大きな街の市場を渡り歩いたりして店舗を持たず商売をする商人の総称です。 ほとんどの行商人は一都市の中で商売を完結し、遠出するとしても近隣都市の間を渡り歩く程度です。 街で一時的な露店を開いたりしているのも行商人と言え、農家などが収穫物を直接売ろうとした場合もこういった形でしょう。 農民たちは野菜などの収穫物を運んできた荷車などから直接販売しているようなことも多いでしょう。 ただし、稀に通常であれば交易を行うのが困難な場所に行き、そこの珍しい特産品などを仕入れ、売却し 一山当てようとする行商人もいます。彼らはある種な冒険的な行程を経て新しい商品を探したりもします。 また、その地域にとっては非常に希少な物品を届けることによって多くの差額で儲けを出したりもするのです。 こうった冒険者的な行商人にとってその行程は危険や障害が多くあります。 街道を通っていてさえ山賊や追い剥ぎは出ますし、外れればモンスターの出る可能性も高くなります。 それに領主によっては道や橋の通行税を取り立てるのに非常に熱心です。 街の中を回る行商に比べると、冒険的な行商は非常にばくち打ちな商人達と言えます。 大概彼らは次に述べる貿易商になるほど資産もコネも持っていない、でも大きく儲けたいとおもう野心家達です。 ***貿易商 流通レベル3~ 貿易商人はより行商をより大規模な形で行う商人の形態と言ってもいいでしょう。 都市間、あるいは国家をも超えた距離を移動し、物品を届け、儲けを出します。 当然ながら彼らが運ぶのはそれだけの輸送へのコストを掛けても儲かる特産品や希少品の類です。 ある地域にとってはありふれた品でも、ある地域では希少な品物となることがよくあるわけです。 そういった品物を商隊、あるいは商船(あるいは商船団)を組織して貿易するのが彼らの仕事です。 貿易商は荷主がそのまま荷を運ぶ場合(要は大規模な行商人の集団)の場合もあれば 荷主は大規模な商家の人間で、職業的に商隊として雇われる者達もいます。 商船の場合はこういった貿易商以外にも、普通プロの職業船乗り達が船を操っているものです。 貿易商はその扱っている荷の価値も莫大なことがままある為、護衛を雇う場合があります。 そういった護衛に冒険者が雇われることもままあります。 商隊の護衛は何も起きなければ非常に割のいい冒険者達の仕事の一つです。 ***商家 流通レベル4~ 商家とは正確には商人の分類ではなく、成功した商人一族などが その権勢や財力などから商家として名を成すことがあり、そういった一族を商家と呼びます。 商家の大きさはピンからキリまでであり、一つの都市や町、村を掌握するレベルから 裕福な一般市民といったところまで様々です。 彼らが営む商行為というのも大規模な貿易と卸売の複合や、商店を多数に持っての販売、 または職人を大規模に抱えた上での卸売、小売など他にも様々な形態があります。 さらに加えて彼らはその資金力を用いて金融業(いわゆる金貸し)を行うこともあります。 商家はその持った財力を用いて栄華を維持、あるいは拡大することに努めようとします。 その中で失敗をしたり、運が悪かったりして没落していくものもあります。 逆に一商人から成り上がって商家となる人々もおり、常に世に特定の商家が幅を利かせているわけではありません。 また商家は貴族などとともに芸術家や音楽家、哲学者、錬金術師などのパトロンとなる場合があります。 ですが、貴族や王族と比べると、商人達が芸術などに理解を示すことはやや稀です。 *サービス業 ***宿屋 流通レベル3~ 宿屋は旅人を宿泊させる設備を持ち、代金をとって宿泊させる設備です。 宿屋の部屋についてはベッドしかない狭い部屋、大量の寝床が並ぶ大部屋、上品な個室、豪華なスイートルームまで ベッドの質も藁を敷いただけ、木枠に藁を詰めシーツを載せたもの、木製ベッドに羊毛や綿などを詰めたベッドまで様々。 その宿の設備も客層や所在、方針によって千差万別です。 宿屋は普通旅人が来るような場所じゃないと生計が成り立たないため、ある程度人の行き来がある場所に存在します。 多くの人びとが訪れる場所にある宿屋なら大規模なものでも成り立つでしょうが、もし人がめったに来ない場所なら ついでに宿屋もやるよ、くらいの姿勢での兼業宿屋が関の山でしょう。 ***酒場 流通レベル2~ 酒場は市民たちの憩いの場です。市民たちは酒を飲み交わし仕事の疲れを癒やします。 店には酒を飲むための席があり、食事も出してくれます。 酒場の主人は料理の仕込み、食料の貯蔵の他、酒の仕込みや醸造も自身で行っている場合もあります。 これは田舎であればあるほど酒場の主人が酒造職人を兼ねており、都市部では分業が進んでいます。 一部の酒場などでは元冒険者が運営しており、”冒険者の店”として機能している場合があります。 この冒険者の店というのは、冒険者たちに酒場の主人を通して依頼をし、様々なトラブルを解決できる店です。 それこそ迷い猫の捜索から溝さらい、隊商の護衛、ゴブリン退治などなど様々な依頼が舞い込みます。 大概の場合、冒険者の店の主人はこれらの仕事を、よく来る冒険者達の実力を見極めながら紹介します。 冒険者の店は大規模になると宿屋を兼業している場合もままあります。 あと誤解されがちですが、基本酒場、冒険者の店問わず店内での揉め事はご法度です。 そもそも都市内で騒ぎを起こした時点で衛兵などには目をつけられますが 店内で刃傷沙汰を起こせば出入り禁止は確実でしょう。最低でも外でやるくらいはわきえるべきです。 そういう不文律が、酒場を市民たちが安心して飲める場所とする文化を守っています。 ***娼婦/男娼 流通レベル3~ 娼婦や男娼といった商売は、多くの地域でほとんど当然のものとして提供されています。 個人で商売を行うものもいれば、娼館などで組織に所属して仕事をこなすものもいます。 ジオ文化圏において同性愛はそれほどおおっぴらに見られるものではありません。 とはいえ宗教的に禁止されるほど厳しく扱われているわけではないので、単なる性的マイノリティとして存在します。 なので存在する男女比は娼婦のほうが圧倒的に多数となります。 娼婦などを利用しようとするのは圧倒的に男性側が多いからです。 この世界、この時代において避妊や性病知識は不十分であり、 娼婦は常に望まない妊娠や性病の危機にさらされている過酷な職業の一種と言えます。 また中には貴族や王族、大商人など権力者にのみその身を提供する高級娼婦たちも存在します。 彼らは礼儀作法などの様々な教養を兼ね備え、男の扱いに長けた非常に希少な存在です。 場合によっては権力者の寵愛を受け、結婚までは行かなくとも男いいなりにして権力を握ることさえあります。 ***吟遊詩人(冒険者たりえる) 流通レベル3~ 吟遊詩人は歌や楽器の演奏を用いて娯楽を提供し、見返りとして報酬を得ます。 彼らは後に述べる大道芸人と同じように路上にてパフォーマンスをしておひねりをもらったり 酒場などの店で流しをして、客からの要望に答えて演奏し報酬を得ます。 また、酒場の主人が店の雰囲気作りや客寄せとして吟遊詩人を雇い演奏・歌唱させることもあります。 著名な吟遊詩人ともなると、貴族や王族のお抱えとなることもあります。 いわゆる宮廷詩人と呼ばれる人々で、彼らは主人の要望に答え、歌や演奏を提供します。 ***大道芸人 流通レベル3~ 前述した吟遊詩人とよく似ていますが、彼らは楽器の演奏や歌ではなく、芸で人々に娯楽を提供します。 道端で曲芸や力芸、手品などを行っておひねりを得ることもあれば、酒場でやることもあります 彼らが大規模に活躍する場にサーカスがあります。 サーカスは様々な芸人たちが集まり、動物を使役したり、曲芸を披露したりして人々を楽しませます。 大概のサーカスはひとつの場所にとどまらず、一定の周期で都市を周ります。 芸人の中には道化芸というものも存在し、彼らは道化師と呼ばれます。 彼らは手品や軽業を披露するとともにわざと失敗したりおどけたりして笑いを提供する芸人たちです。 王家や貴族によっては優秀な道化師達を召し抱えることもありました。 彼らは宮廷道化師と呼ばれ、権力者達の退屈を紛らわせました。 その存在の特殊性から、彼らは時にはその主人に向かって無礼なこと言える唯一の存在でした。 大道芸人の中には生まれつき身体に障害を持ったり、特殊な身体特徴を持つものが多くいました。 彼らはその障害や特徴故に、芸人になる以外の道を取れなかったものも存在します。 ***召使 流通レベル3~ 召使いは人間が生活する上で必要な炊事や洗濯、掃除などの作業を雇い主に代わって行う職業です。 王侯貴族はもちろんのこと、裕福な商人なども召使いを使います。 召使いは雇用主の居宅の敷地内に住む場所を提供されることもあれば、毎日通いで仕事をこなすこともあります。 召使いといえば女性のイメージが強いと思いますが、薪割りや荷運びなど力仕事をこなす為の男性もいます。 召使いの中でも長く勤め上げ、主人に信頼をおかれたものは執事として召使い達をとうかつしたりもします。 ***船乗り 流通レベル3~ 船乗りは航海をする為何をすればいいかをわきまえた者達です。 彼らの活躍の場は基本的に貿易船を運用することです。 この時代の、あまり観光や旅行をするものはいませんので、冒険者などが移動に船を使うことがあっても、 そういった貿易船をついでに載せてもらうことがほとんどでしょう。 船には軍事的なそれもありますが、それらの乗組員は船乗りから重用されることも多いでしょう。 この時代の航海は羅針盤も発達していない為、沿岸を回り港で細かく補給を行う沿岸航海です。 ***剣闘士 流通レベル5~ 剣闘士は、闘技場などの専門の施設で他の剣闘士や、動物、怪物を相手に戦い、観客を楽しませる戦士達です。 彼らのほとんどは奴隷相当の身分であり、自由がありません。 て買い取られることを引き換えに刑を免れた者、借金が返せなくなり剣闘士として身を売ったものなど多くは 望んでなったものではありません。 というのも、剣闘士は非常に死亡率が高く、そして死亡したとしても全く顧みられない職業だからです。 一度剣闘士になり、その後その職業を生きてやめられるものはそう多くありません。 自由の存在しない剣闘士達は、逃亡防止の為大概施設の中から解放されず、その中で生活を行っています。 剣闘士に主人が存在する場合は、彼らの意向によって解放されることもあるでしょう。 の為にどんな条件をつけられるかはわかったものではありませんが。 ***傭兵(冒険者たりえる) 流通レベル3~ 傭兵は自らの戦力を雇い主に提供する戦士達です。 彼らは金で動く便利で手軽な戦力として重宝されますが、 傭兵は戦争で用いられた場合攻め落とした街などの略奪を要求する場合なども多く、市民には恐れられています。 傭兵はその戦力としての質を高める為に徒党を組み傭兵団となる場合もあります。 優秀な傭兵団は、場合によってはそのまま騎士団として召し抱えられることもあります。 当然ですが傭兵としての生き方は死亡率を非常に高めます。 常に戦場で生きる彼らは戦場で死ぬことが多くなるのがその宿命です。 ***労働者 流通レベル2~ 労働者は様々な場所に偏在する単純労働者です。 例えば港湾部における荷運びや、市場などでの商品などの運搬、 建設現場などでの資材運搬などとにかく肉体労働をになう人々です。 一部の常にそれらの労働力を必要とする現場を除き、労働者は一時的な仕事として成り立ちます。 肉体派の冒険者なども仕事がない場合はこういった肉体労働に従事する事もあるでしょう。 *文化系 ***学者(法学者、史学者、哲学者、数学者、医師) 学者は様々な学問を納め、研究することで結果的に社会に貢献する職業です。 この時代、学問の重要性はそれ程民衆に認知はされていませんが、 権力者の中にはその学問の力に理解を示すものが多くいます。 もちろんそれは学問の結果による実社会への還元も狙ってのことです。 数学やその発展である工学は建造物や兵器の製造に転用されます。 法学や史学は治世のための政治的手法としていかされ、医学や錬金学は治療の進歩の為に利用されます。 学者が生計を立てる手段はいくつかあります。 まずは貴族や王族の保護を受け相談役や家また別の方策としてはある程度の人口がある都市であれば、 学問を専門的に学ぶことへの需要が生まれます。庭教師として召し抱えられることです。 これにより大学組織が生まれ、学者が研究の傍ら教職につく場合もあります。 ただし、これらの大学の生徒になれるものは裕福な家庭の子女ばかりです。 大学で学ぶにはそれなりの月謝を要求されるからです。 その他で、自らの学問を生かし、何らかの収益を作り出す者は稀です。 ***法学者 流通レベル3~ 法学は基本的にその出発点を神々が定めた原始の法、神法をベースとし、その解釈と実社会への適応を模索する学問です。 法学者達は現行の法律が神法に照らし合わせて違法ではないかを研究、論議したり より今の社会にとってより適切に神法の原理を適応するにはどういった法を作るべきなのかを追求したりします。 その為に今までの法の歴史を学んだり、そもそもの神法の適切な解釈を考えたりしています。 ただ、実際に法を制定するのは権力者(王国法は王、領地法にあっては領主)が定めるため、 法学者はあくまで助言を求められることはあれその定める方に異を唱えられることは稀です。 殆どの場合、そういった法を破ったものへの裁判は領主や王が直接するものですが、 法学者達の中にはそいうった権力者の委任を受けて、裁判の代行をする場合もあります。 法学者はそういった王国がお抱えの代行者や御用学者としての存在の他に ジ・オルグ神官を兼ねるものや、大学の教師を兼ねるものなどが職業学者として存在します。 ***史学者 流通レベル3~ 彼らの専門分野はかなり細分化され、それこそ一都市の歴史を研究するものから、一つの王国 一つの文化圏、世界の歴史といった地域的な分類や、神代の歴史、邪神戦争時代の歴史、近代史など そしてその複数にわたって組み合わせで研究を行う学者もいます。 彼らの研究成果が活かされるというのは残念ながら稀ですが、それでも未来の問題に対応するために 過去を学ぼうとする施政者や市民も皆無ではありません。 また神官においてはジ・オルグ神官やサルトゥ神官などに多く兼業学者が見られます。 ***哲学者 流通レベル3~ 哲学者は、その役割において人類の思索や意義、言語の追求において重要な分野を担う学者たちです。 哲学者はその思索によってその生存の為の環境を得るという意味では最も純粋な学者とも言えます。 歴史上、ジオ文化圏においてもっとも有名な哲学者は言うまでもなく賢老サルトゥ神です。 よって多くの哲学者は、その神殿に身をおくことが多いため、同時にサルトゥ神官でもあります。 ***数学者 流通レベル3~ この時代の数学は、工学計算や測量計算など行うための非常に重要な学問の一つでした。 大型建築の際には必ず工学的な数値計算が求められ、耐久度の計算を数学者たちが行っています。 法学は基本的にその出発点を神々が定めた原始の法、神法をベースとし、その解釈と実社会への適応を模索する学問です。 より今の社会にとってより適切に神法の原理を適応するにはどういった法を作るべきなのかを追求したりします。 ただ、実際に法を制定するのは権力者(王国法は王、領地法にあっては領主)が定めるため、 法学者はあくまで助言を求められることはあれ法学者はそういった王国がお抱えの代行者や御用学者としての存在の他に ジ・オルグ神官を兼ねるものや、大学の教師を兼ねるものなどが職業学者として存在します。 ***史学者 流通レベル3~ 彼らの専門分野はかなり細分化され、それこそ一都市の歴史を研究するものから、一つの王国 一つの文化圏、世界の歴史といった地域的な分類や、神代の歴史、邪神戦争時代の歴史、近代史など 時間的な区分による専門化、また戦争史、風俗史などの専門分野による仕分けまで、多岐に渡る分類が存在します。 そしてその複数にわたって組み合わせで研究を行う学者もいます。 彼らの研究成果が活かされるというのは残念ながら稀ですが、それでも未来の問題に対応するために 過去を学ぼうとする施政者や市民も皆無ではありません。 そういった過去に学ぶ為の権力者の御用学者の他にも、王国や家の歴史を記すために雇われる歴史家も少なくはありません。 また神官においてはジ・オルグ神官やサルトゥ神官などに多く兼業学者が見られます。 ***哲学者 流通レベル3~ 哲学者は、その役割において人類の思索や意義、言語の追求において重要な分野を担う学者たちです。 彼ら哲学者の言葉はその人生に於ける意味や生き方に影響を与え、行動の指針となる部分を少なからず含んでいます。 その為、高名な哲学者にはその教えを請う弟子や、思索に触れようとする権力者、貴人などが集まるようになります。 哲学者はその思索によってその生存の為の環境を得るという意味では最も純粋な学者とも言えます。 歴史上、ジオ文化圏においてもっとも有名な哲学者は言うまでもなく賢老サルトゥ神です。 よって多くの哲学者は、その神殿に身をおくことが多いため、同時にサルトゥ神官でもあります。 神官はかならず奇跡を使えるわけではないので、純粋に神職と学者を兼ねる者が多いのもサルトゥ神官兼哲学者の特徴とも言えます。 ***数学者 流通レベル3~ この時代の数学は、工学計算や測量計算など行うための非常に重要な学問の一つでした。 大型建築の際には必ず工学的な数値計算が求められ、耐久度の計算を数学者たちが行っています。 また、税を取り立てる際にも測量を基準とした面積を基準とする場合もあるので、そういう時に活躍するのが数学者です。 そういうわけで役人や、建築関係者と連携を取る事が多い、意外と現場主義の学者たちです。 ただ、数学というのはいわば難解なパズルのようなものであるため、ただひたすらそういうった研究を行う者もいます。 そういった数学者は他の学者同様、パトロンについてもらったり、サルトゥの兼業神官をやって糊口をしのいでいます。 ***医師 流通レベル3~ この時代の医学は、解剖学は余り進んでいませんが、対症療法的な一部の薬学や、原始的な医療法が用いられています。 ウィルスや菌の存在は勿論まだ知られていませんし、 気には様々な移り方やかかり方があるが原因はわからない、のが基本です。 それでも経験の蓄積から原因わからずとも対症療法的な技術はそこそこ進んでいます。 ただし、神官が起こす奇跡に比べるとどうしてもその効果はいまいち民衆には期待されていません。 それでも奇跡は通常それ相応の寄進を要求されるため、また全ての人々が神の熱心の信徒では無いため 医学は十分に利用される価値や機会がある学問です。 貴族や王宮のお抱え医を始め、大きな街であれば医者はそこそこ存在します。 医者は実のところ医学の知識だけではなく、動植物知識や、学問/錬金を用いて治療を行うことが多くあります。 また、一部の治療系の錬金術の成果物は、学問/錬金だけでなく、学問/医学でも作り出すことが可能です。 医師にも純粋に医学者と呼ばれる人々はいないことはないですが、どちらかといえば経験論の学問のため 現場で医師として働く医学の徒が多いことは自然なことかもしれません。 ***神官(冒険者たりえる) 流通レベル1~ 神官は学者と双璧をなすこの世界の知識階級たる職種です。 彼らは神の教えを説くとともに、髪を崇め祭り、その代行者として人々を導こうとします。 彼らの活動は権力者の後ろ盾を得た場合はそのお布施=寄進によって成り立ちます。 もちろん一般からの寄進によっても彼らは活動しますが、 権力者の後ろ盾を持っている場合に比べればその活動は小さくなりがちです。 また一部の奇跡の行使を行う神官達は、その代価の寄進によっても神殿を運営しています。 誤解しないで欲しいのは神官全員が奇跡を扱えるわけではありません。 神官の運営する神殿は、その信仰する神によってその傾向を異にします。 鋼腕のクオルズ神官達は己の鍛錬、戦闘訓練を行い、地域の治安の維持に務める活動をします。 地域の権力者に公認されているか否かは地域によるとしか言えません。 地母神リーダンの神官たちは農業に関する知識の保有し、その啓蒙に努めます。 また都市部など人数の多い場所では農業技術の研究も進められていることがあります。 また豊穣の祈願祭りや収穫祭などに際しては主神ジ・オルグの神官と共に先頭に立って運営・準備を行います。 工芸神ダムドの神官達は自らも何らかの職人を兼ねているものが多くいます。 なので神殿としての活動は、余り活発ではありません。 神々の詩人ディオールの神官たちは、芸術や文化の保護活動に努めます。 また劇場や舞台の運営に熱心で、人の多い都市部であればそれで収益を上げている場合もあります。 賢老サルトゥの神官達の多くは哲学やその他の学問を納めます。 学者を兼ねるものも多く、こと哲学に関しては著名な学者の殆どはサルトゥを信仰し、かつ神官を務めています。 またサルトゥ神殿は小規模であっても子供に読み書きを教える学校のようなものを運営していることがあります。 この学校は大学とは違い、あまり月謝を払わなくても通うことができます。 ただし、子供であっても貴重な労働力であるこの時代にあって、子供を学校にやる親は多くありません。 ルーシードの神官たちは、商売神の信徒だけあり、縁起をかつぐ商人達からの寄進が多く 彼らの商売を祈願する仕事が非常に多く存在します。また商売っ気を出す神官が多く、 様々な縁起物を売り出している神殿や神官もたくさん存在します。 主神であるジ=オルグ神官達は逆に最も特徴のない運営です。 豊穣祈願を請け負うこともありますし、地域の治安に貢献することもあります。 また人々の幸運や平和を祈る場所でもありますし、場所によっては読み書きを教えていることもあります。 もっともメジャーな神格だけに、その地域のニーズに答え、様々なことを行うことがあります。 ***音楽家 流通レベル5~ 吟遊詩人のような民衆の間に存在する職業音楽家以外のもっと専属的な音楽活動を行う人々を、 ここでは音楽家と分類しています。 彼らは作曲するもの、作詞するもの、楽器を演奏する物、歌をうたうもの、など様々な役割をもち、または兼ね備えています。 ただ、ここでいう音楽家に含まれる人々はほとんどが貴族や裕福な市民の子弟など生活の支えにならない文化活動を行っているもの達です。 稀に文化に理解のある貴族が援助したり、同じく理解ある王が宮廷楽団を組織した場合など、 職業音楽家が誕生することもあります。 また純粋な音楽家とはいえないものの、ディオール神官の中には神官業を務めるとともに技芸を磨くものもいます。 大規模なディオール神殿ともなれば専門の聖歌隊、聖楽団を持っている場合もあるでしょう。 ***芸術家 流通レベル3~ 芸術家、という分類の中には主に彫刻家、画家、工芸家、また一部の建築家などが含まれています。 一部小説のような物書きを行うものもいますが、識字率が低いこの世界では認知度、存在比率ともに低くなっています。 やはりもっとも大衆受けし、また理解されやすいのは絵画や彫刻なのです。 これらの芸術家はその作品自体を作ることにん報酬を受け取ることが多いため、名が売れれば生活できる活動は行えます。 貴族なども自らの権威や栄華を示すため、これらの芸術作品を求めるため、やはり一定の需要が存在します。 ただ、名の売れていない芸術家の生活は、その芸術表現に生活をつぎ込めばつぎ込むほど悲惨といってもいいでしょう。 そういった情熱を保ち続ける芸術家は、それでもいいと思ってしまうような輩が多いのも確かではありますが。 ***錬金術師(冒険者たりえる) 流通レベル3~ 錬金術士は薬草師とよく似た職業ですが、基本的により研究者職の強い者たちです。 彼らは他人のためではなく、自分のためにその錬金技術の研究をしています。 ただ、その過程でできる成果物を、生活やさらなる研究のために他人に売却することはあります。 彼らはその探求の最終目的が究極物質である賢者の石の生成です。 この賢者の石というものの効果が正確に何なのかについては、未だそこに到達したものがいないため 判然としませんが、多くの錬金術士はそれを卑金属を貴金属に変える方法だと考えています。 又は永遠に生きるための秘宝であるとも、万能の治療薬だとも言われることがあります。 あるいは彼らはそういう事で貴族や王族、大商人の庇護を受け、研究のために出資してもらっていることもあります。 彼らの中には工房だけの研究にとどまらず、その素材を求め自ら旅立つものもいます。 そういった冒険者たりえる錬金術師は、冒険者にまじり探索に乗り出すのです。 ***魔術師/魔女(冒険者たりえる) 流通レベル1~ 魔術を使う者達は、もはや一般人とはいえませんが、世間に紛れ生活しているものも少なくありません。 いくつかのタイプにわかれますが、まずは人里の外れに庵を結び、外界と隔絶しているタイプ。 このタイプは己の魔術の研究などしながら、自給自足で生活を送っています。(魔術を使えば食料の調達は相応に容易です) また別のタイプは街中で秘薬や魔杖などを作って生活している工房的な魔術師です。 彼らもおおっぴらにそれを喧伝はしませんが、知る人ぞ知る店として魔術の品を扱い、販売しています。 ただしこのタイプは当然需要がないといけないので、人の多い町中にしか存在しません。 後は何らかの別の職種をしながら魔術師をしているケースも有るでしょう。 錬金術師などは職種との相性もあり、装いやすい職業の一つですし、学者を名乗るのもよくある話です。 また全く別の話になりますが、魔術師はその真理の探求の過程で秘密結社を作ることがままあります。 これらはお互いの魔術の研究成果を交換しつつ、自ら達の目的を達成するため(ほとんどは大いなる一への到達)に活動します。 ただしこういった組織も、トップに立つ人間によっては変質し、何故か自己利益を求める邪悪な集団になることもあります。 こういった集団は生贄に人間を使うことを躊躇しなかったり、魔術を悪用し犯罪をおこなうことに躊躇しないため注意が必要です。 さらにいえば、権力者の中にはその魔術師の正体を知った上で、お抱えとして召し上げる場合があります。 ただし、大概の権力者にとって魔術はその魔術師の意思一つで自分の命が危ないと感じる程度には脅威であり、 余程の信頼がなければそのように召し上げられることはないと言っていいでしょう。 *統治系 ***官吏(役人) 流通レベル2~ 官吏とは広い意味で言えば国のため、あるいは領主のために働く奉公人で、統治に必要な行動を領主や王などに変わって 手足となって動く人々のことの総称とも言えます。 その中には護衛(衛兵)や、召使い、学者、税収官、料理人などなど様々な城や領主の館、 及びその関連施設で働く人々がいるでしょう。 単に上のどれにも該当せず、日々雑務をこなす官吏もいますし、大臣や政策担当官といった、それぞれの分野を王に任され 代行するような高級官吏も存在します。大きな王国であれば、 特殊な地方や王直轄領を収める王以外の支配者が総督などと呼ばれる上級の官吏であることもあります。 ***税収官 流通レベル2~ 税収官はわりと官吏の中でも嫌われ者になりやすい損な役回りです。 人々から規定の税を取り立て、国庫に金を収めるのが仕事です。 彼らがまじめに仕事をしなければ、国政は成り立たず、様々な国家事業というものが頓挫することになるでしょう。 彼らは時に厳しく、時になだめすかしながら民衆から税を取り立てます。 大概民衆からは嫌われ者ですが、国にとって重要な仕事であり、また汚れ仕事とも言えるので、 それなりの高給を得ているものも少なくなりません。 ただそれがますます民衆から嫌われる要因になっていることも否定できません。 冒険者は基本、農地や低住所を持たぬため、税は取られづらいですが、領主や王は関所を通る税 (街道税)、橋を渡る税、入市税(街に入るための税)などを用いて流れ者からも税を徴収しようとやっきです。 これらの徴税はロールプレイ上省略されることが多いですが、どこにでもよくある税金です。 また、国や領地によってはまさかそんなものになんで?というような課税が存在する場合があります。 いわばフィガロの結婚などで有名な初夜権や、農民は必ず領主に税金を払って農具を借りる法令など、 領内での法律は領主が決めるため これにより冒険者はなにかうかつなことに巻き込まれないよう気をつけたほうがよいでしょう。 ***衛兵 流通レベル3~ 衛兵は国や地方の領主に仕える、貴族や騎士以外の兵士たちの存在です。 基本、戦争以外で専門的に兵士をやるものは少ないですが、騎士の存在だけでは街の治安維持は実現できないため 官吏の一種として国や領主が衛兵を採用し、違法行為を取り締まらせています。 彼らは当然腕っ節が高いものが多く、元冒険者や傭兵なども多く存在しています。 勿論、最初から衛兵一筋で勤め上げるものもいますが、やはり役に立つ衛兵は、実勢経験を得てきた物であることも多く。 そういった肉体は冒険者や、傭兵の落ち着き先としてそこそこ適正な職業といえるのかもしれません。 衛兵は街を見まわったり、衛兵詰所におり、事件が起きた際にはそこに駆けつけ仲裁や解決を行います。 衛兵の能力は人に依存するものですから、有用なものから無能なものまで様々な衛兵がいるでしょう。 衛兵はどちらかというと都会や領主や王の直轄の存在であるため、小さな村や街では存在しない場合があります。 そういう場合でもなにか問題が起きた時のために、街の若者などで自警団などの自己保護組織を置く場合がほとんどです。 ***貴族/領主 流通レベル2~ 貴族は統治するものの総称といえます。そもそもこの貴族はある種の血統です。 大本をたどれば、大神ジ・オルグにより統治を任された王の血筋と、その時使えた人々の血筋が 多くの貴族としてのステータスを保証するもっとも大事な正当性の一つです。 殆どの場合領主=貴族と考えて問題ありません。 勿論、様々な国や領主への貢献を元に貴族への仲間入りをする一般市民もいないではないですが そのほとんどは准男爵以下の低い地位の貴族への任命です。 それでも貴族の一分になるということは大変難しいことであり、また名誉なことでもあります。 貴族は基本的に爵位の下、王のもとに集っている形ですが、 血縁関係や利害関係から派閥や関係性が複雑に絡み合う場合もあります。 特に地位の高い貴族はその下に爵位を設けますが、便宜上王の許可なしに叙任はできないはずですが、 王都からの距離などを理由に事後報告などですませることもあります。 こうした派閥の構築や地方権力の増大がいづれ国の分裂や崩壊を招く危険性をはらんでいます。 貴族制度を簡単に説明すると、ジオ文化圏では主に爵位は以下のように設定されています。 ***王 流通レベル 王都 王はその国という共同体におけるトップであり、全ての貴族たちの宗主です。 基本的に最も大きな王地領を持ち、さらに国全体の支配権を握っているという名目になっています。 ただ、直轄地である王地領以外の法律権や税収権は、殆どの場合間接的にしか持っておらず 公爵や伯爵にお触れを出したり、税要求をすることは可能ですが、 反乱の火種とならぬよう過激な要求は控えるのが普通です。 その辺も王権の強さによるため一概には言えません。 いわば、王とは国で最もつよい領主であり、それゆえに他の諸侯が忠誠を誓っているという状態なのです。 王権が弱り、国が乱れればその正当性を失い、王権が倒れることも歴史の中では珍しくありません。 王は絶対ですが、不変不朽の存在ではありません。常に歴史は新旧の王権の勃興を許してきました。 常にこの先も現在の王国が残り続けるとは限らない、そういう世情の厳しさがあります。 それでも王はやはり国においては最も権威持つ絶対権力者です。 国においての便宜や出世を図る上で、王族、王に気に入られる以上に有効な方法は中々他に存在しないでしょう。 ***公爵 流通レベル6~ 基本的に公爵は王族から分派した親族が得る、有力な貴族達の階級で、世襲される以外になれることはほぼありません。 また現公爵が死亡する以外では、国内に異変がない限り増えることがないのも普通です。 通常かなりの所領を持ち、その広さのために所領を収める為、その部下として伯爵や子爵をその下にもつ事がほとんどです。 こういった一大勢力を持つことから、反乱の危険性があるため、 通常この公爵という地位は王族の一族以外からは選抜されないのです。 また公爵の中ではその大きさゆえにほぼ国に匹敵する領地を持っている場合もあります。 ジオ文化圏であれば騎士公マルトゥーグ家であり、彼らの公領は宗主国であるソルス=ベイに見劣りしません。 もともとセクメトがより強大だった時の公爵であった彼らですが、すでにその力は元々の宗主国のセクメトに匹敵します。 それでも騎士公マルトゥーグは代々セクメトを宗主国とし、その姿勢を変えていません。 とはいえ、一般にこの公爵領をマルトゥーグ公爵領と呼ぶものはおらず、ほとんどの場合ここはマルトゥーグ 公国と呼ばれます。公爵の中にはこのように独自の国に近い所領を持つ大公と呼ばれる存在もいます。 ***候爵 流通レベル5~ 候爵は公爵に継ぐ領地の大きさや、あるいは王族の親族以外の大領地を持つものに与えられる爵位です。 やはりその下に伯爵や子爵などの貴族を従える地方の長官的な役割を持つ貴族たちです。 その調理の大きさは大概公爵につぎ、国の勢力の多くを従える存在です。 ***伯爵 流通レベル4~ 伯爵は候爵のさらに下の爵位ですが、直接に公爵や候爵に使えることもある爵位です。 爵位任命権はあくまで国王のものですが、その許可を得て、私的な兵、派閥とも言える勢力の筆頭をなさせるのが この伯爵という存在です。逆に言えば国王直下の伯爵もおり、王地領などを代理支配している場合もあります。 ***辺境伯 流通レベル4~ 辺境伯は特殊な伯爵といえる。彼らは大概他国との防衛線や、 地方の軍事力を必要とする開拓地に任ぜられ、王や諸侯から相応の武力を預かることがあります。 彼らの任はその性質上、特殊な統帥権があり、その地における軍事指揮権は、 直属の王、候爵や公爵以外の鑑賞を許さないという不文律もあります。 多くの場合、そういった任に向いた戦上手な者が任命されますが、 逆にそうでないものが任ぜられる場合も平和な世情であればありえます。 それは他国や魔界勢力などの伸長を許す場合があり、 多くの人々が考えるよりもこの地位における責任は重いものとなります。 ***子爵 流通レベル3~ 伯爵が収めるよりもより小さな地域を主君に任せられたり、伯爵の領主権が大きい時にさらにその下に付く形で その地方を治めることがあったのが子爵です。 彼らは支配領域の小ささからよく目の届く支配を行い、民衆に近い貴族たちと言えます。 逆に言えば不満の矛先も向かいやすい地位であり、 また中間管理職的な上と下の板挟みにも合いやすいやや不遇の地位でもあります。 また伯爵や公爵、公爵の子供が子爵という呼称を得る場合がありますが、 これは支配領域を持つ子爵とは基本別物です。 勿論、支配領域を分割してそのまま本当に子爵となる場合もあるので、 そもそもの言葉の起源はこの子の爵位であったからとも言われます。 ***男爵 流通レベル2~ 男爵は世襲されるなかではもっとも低い爵位といえます。大概はひとつの街か村を収めるものであり、 言わば下級約人とそれほど変わらぬ 地位と言っても過言ではありません。それでも貴族には変わりないので、一般市民との格の差は歴然ではあります。 彼らはほんとうの意味で地域密着型の領主と言っても過言ではありません。 何しろほぼ支配領域に常駐するような形で存在していますし、あるものは密着した良政を敷き、 あるものは自分勝手は悪政を行ったりします。 勘違いしないで欲しいのは全ての街や村に男爵が存在するわけではないということです。 複数の街や大きな範囲を収める子爵、伯爵などもそんざいしますし、その下の爵位を持たずに支配することもよくあります。 その場合監督官と呼ばれる男爵の代わりのような人物を格支配地域に置くこともあれば、 町長や尊重に権限を任せている場合もあります。 この辺りは様々なパターンがあるので、GMは都合に合わせてその街がどのような形態であるのか、よく考えるとよいでしょう。 ***准男爵 流通レベル2~ 准男爵は、何か功績のあった貴族外のものが、貴族としての地位を与えられる場合に一般的に得られる爵位です。 基本的に一大のみの爵位であり、この爵位は世襲されないものと考えられています。 ただ、余程の功績を上げ続ければ、男爵に昇格し、世襲を許される場合も存在するため、 全てが一代で終わってしまうわけでもありません。 支配領域は男爵とどっこいどっこいというところで多くの地域を支配下に置くことはまずありません。 ***騎士(冒険者たりえる) 流通レベル2~ 騎士は厳密には爵位ではなく、立場とも言えるものです。全ての貴族の内、戦うに赴くものはすべからく騎士と呼ばれます。 それと同時に、一般人でも、貴族に忠誠を誓い、主従契約を結んだ戦士達も騎士としての地位を得ることがありました。 よって騎士であることは同時に貴族であることを意味しません。 ただ、一般兵士の誰でも騎士になれるというわけではなく、戦功の目覚ましい兵士達が見初められ、 騎士に取り上げられることがほとんどです。 また騎士は世襲しませんが、騎士の父は息子を騎士にすべく教育することが多く、 代々同じ主君に騎士として使えるよう育てる事が多いため 公的なものではないにしろ、世襲のような形で同じ主君に騎士として支え続ける家系は存在します。 冒険者における騎士は大概貴族ではなく、この地位にあり、主君の命を受け何かを成し遂げようとしている物がほとんどです。 また中には主君を失い放浪の騎士となる場合もあります。彼らは次なる使える主を探したり、 元騎士として冒険者と変わらないような生活をおくるものもいます。 ***領主 流通レベル☓ 領主というのはその領地の範囲を直接的に治める人物のことです。 王地領であれば基本領主は王ですし、公爵領、候爵領、伯爵領、男爵領など、どの爵位の人間でも領主となりえます。 また、領内の法律や決まりはほぼすべて領主が決め、領内の森、鉱山、 資材などは領主のものであり、勝手に他者が利用することはできません。 といってもこの時代、全てに目が届くわけではありませんし、所領の中でも実質の支配権が及ぶのは目が届く範囲です。 だからこそ王や公爵、候爵も、領地内を伯爵や子爵、男爵などに分割してより精緻な支配を構築するわけです。 ただ、その分、与えた支配領域には先程の法律権などや所有権がついて回るわけで、与えた以上は基本口出ししません。 勿論、なにか問題が起きてしまえば、直属の領主(王、公爵、候爵など)は、 仕える領主(伯爵、子爵など)から領地剥奪をおこなうこともあります。 王は基本全ての領地の剥奪、分与権をもっていますが、その辺はその領主との力関係によるところがあり、 王権が弱ければ逆にそれが反乱を招くことがあるため、下手なことができなかったりします。 これは公爵や候爵の剥奪収奪、分与件にも同様いえることです。 封建社会のこの世界では、こういった微妙なバランスのもと支配の分割が行われています。 |階位1位|>|王| |階位2位|公爵|侯爵| |階位3位|~|~| |階位4位|伯爵|辺境伯| |階位5位|>|子爵| |階位6位|>|男爵| |階位7位|>|准男爵| |階位8位|>|騎士| ※上の爵位のものが自らの領地により下の位階のものを任命することが可能 →王が王地領に男爵を任命したり、候爵が子爵を任命したり、騎士を任命したりもする *犯罪者系 ***盗賊(冒険者たりえる) 流通レベル1~ 盗賊は厳密には犯罪者ではありませんが、犯罪を犯すことも厭わない性質を持つ裏社会の住人です。 盗賊という呼び名はこの世界において冒険者を行っているそういった人種に使われる用語です。 彼らはその技術を活かして遺跡に残るお宝を探ったり、物事の解決を図ろうとします。 盗賊自体の元々の素性は殆どの場合、泥棒やゴロツキ、構成員など後ろ暗いところがありますが、 大体はそこからある程度は合法的に飛び出し、冒険を続けているものです。 犯罪者組織も、町の外に出て盗賊になることに関しては結構寛容に捉えているものが多いというのが本当です。 余程その人物が今現在組織で重要な地位を占めていたり、組織の秘密を握っているなら話は別ですが。 ***ごろつき 流通レベル1~ ごろつきは街の、特にスラムなど治安の悪い場所に存在する犯罪者、あるいは犯罪者予備軍です。 大概その日々の生活をかつあげやスリ、かっぱらいなどで済ませ、何か儲け話があれば暴力でそれに加担するような連中です。 大概犯罪組織の最下部であり、そういう組織からの使いっ走りをこなして小遣いをもらうこともあります。 TRPG的に言えば人間類における雑魚であり、もっとも頻繁に出てくるやられ役です。 ただし、腕に覚えのあるゴロツキもいる可能性があるので、ごろつきだからと全てなめてかかるのは危険でしょう。 ***泥棒 流通レベル2~ 泥棒は、他人の家屋や建造物に侵入し、金品や価値あるものを盗み出すことを生業とする職種です。 勿論犯罪者なわけで、多くの場合捕まればよくて収監、悪ければ死罪は免れません。(法律はその地域の領主によります) 泥棒は普段はひっそりと暮らしていたり、ごろつきのようにしているもの、 使った金を全て金やギャンブルにすってしまい物など様々です。 また手段も押し込み強盗から忍び込むものまで様々であり、 人様の金品を狙うという意味での括りで泥棒とは呼ぶもののその個性は実に様々です。 泥棒の中には犯罪組織に所属するものもいればもぐりのものもいます。 しかしもし街で強力な組織力をもつ犯罪組織が存在するのであれば、 もぐりで活動することは非常に高いリスクを追うことになるでしょう。 要は追われるのが権力側(衛兵など)と同時に犯罪組織から付け狙われる可能性も出てくるわけですから。 ***物乞い 流通レベル3~ 物乞いは、戦で傷を追って働けなくなったり、盲目だったり、身体に障害を持っているなどまともに働けない ものが路上にて同情を誘い、金品を恵んでもらおうとする者たちです。 実際に本当にそういった不幸な生い立ちを持つものもいれば、単にそれを装っている詐欺師の連中もいます。 物乞いはわりと街のありとあらゆる場所におり、場所に合わせてしつこかったりおとなしかったりします。 スラムなら大声で喚き散らしているでしょうし、一般の街中ではひっそりと同情を引いているかもしれません。 小さな町ならともかく、大きな街において物乞いは大概犯罪組織に統制されます。 彼らの上がりからいくらかは収奪され、その代わりに物乞いをする権利を物乞い達は得るのです。 また、街のそこら中にいて転がっていても怪しまれない物乞いは様々な情報を耳にしたり、目にします。 この物乞いに因るネットワークは、当の物乞いたちがそれらの情報を犯罪組織に売って日銭を得れるようん することで犯罪組織の情報収集の網の一つとして高い実用性を誇っています。 場合によっては物乞いをまとめるためだけの人員が犯罪組織には存在することがあります。 ***組織員(構成員) 流通レベル3~ 組織員は何の組織員かといえば犯罪組織の組織員です。彼らは徒党を組み犯罪を行うプロの犯罪者集団です。 それこそ盗みや殺しなどの強引なものから、ショバ代を勝手に回収して回る、物乞いからあがりをピンはねする、 間抜けから詐欺で金をむしりとる、強引な金貸し業をしては身ぐるみはがす(勿論領主や商業組織非公認)、 人さらいをして売っぱらうなどなど。 えぐいことからマイルドなことまで全ての犯罪を取り仕切り、その実行を行うのが組織員たちです。 組織の規模によってこの組織員の質もだいぶ変わります。 大規模な街であればあるほど、治安状況にもよりますが組織は大きく複雑化し、強力な力を持っていることが多くなります。 逆に村や街レベルでは、本当に小悪党の集団といったレベルのものしか存在しないことがほとんどです。 また冒険者に関わる機会といえば、仲間の盗賊が情報収集しに行くことがほとんどでしょう。 彼らはそういった裏の情報を売買することで利益を得ているので、情報屋を内部においていることがほとんどです。 ただ注意して欲しいのは彼らが売ってくれるのは、売っても彼ら自身が不利にならないと考えている情報のみです。 当然、彼らの組織の立場が危うくなるような情報は売ってくれませんし、 そういうものを探ろうとすれば悲惨な結果を招く可能性があります。 ご注意下さい。 ***山賊 流通レベル1~ 山賊は山などに拠点を持ち、街道などを通る商人や旅人を狙い金品を強奪する他、場合によっては数が膨れ上がれば 近辺の村や街などを襲撃して金目の物などを強奪する戦闘犯罪者集団です。 その性質は基本的に凶暴であり、口封じのためや手間を省くために人殺しも厭わないものが大半です。 山賊退治は冒険者の仕事の中でもよく発生するものの一つですが、 一言で山賊と言ってもピンからキリまで実力は異なるためなめてかかることはやめたほうがいいでしょう。 ***海賊 流通レベル3~ 海賊は海における山賊のような存在であり、商船や客船を襲い金品を強奪します。 大砲のないこの時代、彼らは強引に船を横付けしたり、小舟で近づき鍵付きロープで渡ったり、 マストからさがるロープにぶら下がってターザンのように相手の船に乗り移り、襲撃し、強奪を働きます。 また優秀な海賊の中には、国家の認定を受け私掠船として秘密裏に他国の船を襲う許可を受けているものもあります。 とはいえ結局荒くれ者の集団であり、見境なく無関係な船や自国の船を襲ってしまう輩もいるため、 余程のことがない限り海賊がそういった私掠船としての採用をされることはありません。 ***河賊 流通レベル2~ 河賊は大きな川幅の河にて通行している商河船を狙い、強奪を働く海賊に似た存在です。 ただ違うのは、大概彼らは山賊行為も同時に働いたり、そもそも山賊から河賊に転向したりと、 本質的には陸の人間であり山賊に近しいものです。 持っているのもほとんど小型の船であり、それを利用してこっそり近づき、 船に鍵付きロープなどで潜入するのが彼らの常套手段です。 河賊に襲われた場合、場所が河だけに逃げる場所が殆ど無く、 河賊が諦めるまで撃退する必要があるというのがやや厄介なところです。
この世界には様々な人々が日々の生活を送っています。 とはいえ、現代に暮らす人間からすれば、 この中世のような文化レベルをもつ人々の生活や仕事というのは非常にわかりづらいものだと思います。 そこで、ジオ文化圏を基本としたものですが、この世界の、 基本的に舞台となる時代の人々の仕事を紹介していこうと思います。 合わせて、それらの職種の人々が、大体どの流通レベル帯の都市に主に存在するかも併記します。 *■生産系 <<農家について 農家は基本的に農作業を行い、食物を生産する職種です。 多くの場合、農作物は市町村の食料の基幹であり、 漁村以外においてこの産業なくして集団生活は成り立たないと言ってもいいでしょう。 村落部、辺境においては食料は基本自給自足です。 自分たちの食べる分が確保できなければ、餓死者が出て確保できる分しか人は生き残れません。 都市部においても、街壁の外などに渡り農業用の畑、施設が存在していることがよくあります。 人口が多い都市ほど、その周辺には広い畑や牧場をもっているのが普通です。 交易や納税(作物)による食料の供給もあるでしょうが、基本はやはりまだまだ自給自足の時代です。 農家の人々は主に税をその収穫物と労働力の提供(治水や領主農園の維持)で行っています。 ***耕作農家 流通レベル1~ この世界において畑作などで作物を生産し、食料を供給する農家は社会の基本構成要素です。 彼らの生産する穀物が世界の人口の食事を支えていると言っても過言ではありません。 主な生産作物は、小麦や大麦、ライ麦、えん麦などの麦類の他に雑穀、 さらにマメ科のエンドウ豆、ソラマメ、ひよこ豆などが主に栽培されています。 ジオ文化圏は比較的温暖な気候の場所が多く、また降水量も適量であるため、農業はし易い地域です。 灌漑技術なども初歩的ながら利用され、水路を用いた配水・排水などが行われています。 (これは史実の中世ヨーロッパよりも高い生産性を持ちます) 河川や地下水からの水路を引けない場合、農地の生産性が低下する為、賄える人口は減ってしまいます。 ***畜産農家 流通レベル1~ 畜産農家は家畜、例えば羊や豚、馬、鶏、牛などを飼育し、それらの生産物や 成長したそれら自身を屠殺して食料や様々な原材料として生産する職業です。 家畜はこの時代の人々にとってそれなりに高価な資産です。 何故なら、本来なら彼らにとって食料となる穀類などを飼料として与えるからです。 殆どの場合、成長のため与える飼料の量で養える人の量と、 成長した家畜で養える人の数は、前者が上回ってしまいます。 勿論、なるべくそれらを効率よく、食料にならないものを与えていく工夫はなされています。 羊は副次的に羊毛を得られ、鶏は卵を得られます。馬はそもそも資産価値が高いです。 牛は牛乳を得られますし、労働力にも用いられます。 豚は食肉の為のみですが、成長が早く、また森のどんぐりや人間が食べられないものなど なんでも飼料にできるため保存肉食に適した動物としてよく飼育されます。 また多くの畜産物からは羽や皮などの副産物が得られます。 畜産農家は各動物の放牧地域で動物たちを外敵から守り、群れから逸れるものが出ないよう努めます。 場合によっては彼らはそのまま食肉加工、保存加工まで行います。 事故や老衰で死亡した家畜以外は、大抵食肉加工(塩漬けなど)されるのは冬の直前、厳しい季節に備えてです。 ***果樹農家 流通レベル1~ 果樹農家は、果物やナッツをつける果樹を育成し、管理してその成果を収穫する農家です。 果樹は育成や維持が難しい物もあれば、そうでもないものもあります。 育成維持が難しい物はそれだけ希少価値があり、そうでないものより高い資産価値を持ちます。 また果樹はワインやリンゴ酒など、果実酒に加工される原材料となります。 どちらかと言えば基幹的な食料というよりは、交易用の特産物として利用されることも多くなります。 このジオ文化圏で主に育成される果樹はりんご、洋なし、オリーブ、ぶどう、チェリー、レモン ラズベリー、クランベリー、ヘーゼルナッツ、クルミ、どんぐりなどです。 ***漁師 流通レベル1~ この世界、この時代の漁業は、主に近海にて行うことを前提としたものです。 漁法は様々ですが、やはり網を用いるものが主流です。 大きな河川などにおいては河川にて漁を行う人々もいます。 漁獲は流通技術の発達していないこの世界では遠方地に流通させることはできず、収穫地近辺で消費されます。 ただし魚介類の特殊な保存加工品(干物など)は流通に耐える場合があります。 ***木こり 流通レベル1~3 ジオ地方の冬はやはり冷えます。 冬を乗り切るためにはある程度の薪などの暖をとる燃料が必要になります。 そういった薪を確保するためや、様々な加工品としての木材を入手するために木を切り、 回収してくるのが木こりたちの仕事です。 産業として木材を大量に確保する場合、森の木を森が維持できる以上の速度で開拓してしまう場合があります。 この場合、切り開かれた土地を開拓地をそのまま畑などにしてしまうこともあります。 片や林業としてその地を維持する場合、植林なども合わせて行い、その森から木が尽きないよう務めます。 伐採開拓型の木こりの行動はしばしば森のエルフ達との争いを引き起こしています。 もし村の薪などを維持する目的でしか木を伐採しない場合、森の再生は自然に任せ、 少人数のみで木こりを行っている場合もあります。 しかし残念ながら多くの場合、森林の採取は計画的ではなく、無闇な伐採が行われることが大多数です。 またひとつ重要な点は、領主が収める地である限り、領内の森は全て領主のものです。 そういった場合、木こりは生業そのものを領主に認めてもらう必要があります。 ***採集者 流通レベル1~2 採集者とは農業が食料生産の中心となる以前の、森などから食料となる木の実やきのこや山菜類を採取する人々です。 今の時代では主要な食料入手手段となることはほとんどありませんが、 補助的な食料入手手段として行われる場合があります。 また広大な森林部に少人数で生きている場合、これで食料を賄える場合もあります。 (ただし、生活時間の多くを食料の入手に費やすことになるでしょう) ***薬草師 流通レベル1~ 薬草師はかなり特殊な職業です。彼らは食料ではなく薬効を持つ薬草や生物を採取し、薬を製作します。 村などにおいては、彼らは貴重な知識・技術を持つコミュニティの一員として養われます。 街などにおいては、彼らはそれらの薬草や薬を売ることによって生計をたてています。 薬草師はその仕事の性質上、動植物知識と錬金術の知識が必須です。 ***狩人(冒険者たりえる) 流通レベル1~ 狩人は動物を捕獲、殺傷し、食料にする職能者です。 彼らは森やその他の自然において食用に適する動物を狩る方法や、自然による危険から身を守る方法を知っています。 農業が発達する前、狩りは食料の主な供給手段でしたが、農業が発達した後はその座を譲りました。 ただ、集団に属さず、一人で生きていく為には狩人という職業はそれなりに効率的です。 猟の成果により左右されるものの、自分の食さえ確保できれば、ある程度は自由に暮らせるからです。 基本的に集団作業である農業と異なり、人の輪に馴染めない変わり者には向く職業なのかもしれません。 また単に木こりを営むものが、副職的に狩りを行う場合もあります。 冬場において新鮮な食肉を調達してくるのは、ほぼ狩人の専売特許と言ってもいいでしょう。 彼らが狩るのは野生の鹿や兎、猪などが中心です。 ***鉱夫 流通レベル1~ 鉱夫は鉱物資源のある山や地下などに坑道を掘り進み、鉱物を採取する職業です。 鉱物はいかなるものも希少資源であり、金や銀、銅などの貴金属から、鉄、錫、亜鉛などの卑金属、 宝石の原石となる結晶体など、全てがその用途に従って採取され、生かされます。 ただし鉱山が領主の領内に存在するものの場合、産出物はまず領主のものとなります。 そういった産出物を勝手にくすね、それが明るみに出れば犯罪として裁かれることもあるでしょう。 彼ら鉱夫の仕事は過酷で危険の多いものです。 有毒ガスの噴出や、崩落、自然洞窟への接続と、そこでのモンスターとの遭遇など、様々な危険が待ち構えています。 領地外の鉱山なら一山当てることは可能かもしれませんが、そもそも鉱山運営は一人ではできないため、 大規模な鉱山開発を行う鉱山主の投資の元、労働者が使われ、働いていることがほとんどでしょう。 その場合でも給金や扱いがいいかわるいかはその鉱山運営者(領主含む)次第です。 また戦争捕虜や、犯罪奴隷がこういった過酷な労働を強いられる鉱山に回されることもままあります。 ***石切り 流通レベル1~ 石切りとは、様々なものの材料のために、採石場にて石を切り出す職業の人々を示します。 彼らは鉱山労働者と同じく、非常に危険な環境にてその労働を行っています。 多くの場合は露天掘り形式で、大規模な石の地層を上から切り出し始め、大きく穴を開けていきますが、 その過程で崩落が起こったりして死亡することも珍しくありません。 石が地下にしか存在しない場合は鉱山と同様、地下坑道を掘り、採石が行われる場合もあります。 そして鉱山同様、領地内の石は領主の所有物です。勝手に切り出すことは許可されません。 ただ、鉱山と比べても切り石は非常に需要の高い品の類であり、多くの領主は良質な石場があればまず活用しようとします。 また、商人や運営を申し出る者がいれば、許可を出しそこから上がりを収めさせることもあるでしょう。 切り石は、石と一言でいっても様々な種類があり、希少な石は資産価値が高くなります。 ***職人 流通レベル2~ 職人、と一言でいっても様々な種類の職人がいます。 ここでいう職人とは専門技術を持って、様々な物品を製作する人々のことです。 職人の分類は無数にあるとしか言いようがありません。 技能にある職能の分あるのは当然ですが、それ以上に職人は複数の職能を兼ねたり、より専門的に細分化したりします。 例えば鍛冶職人でも、場合によっては鎧職人や武器職人、金物職人と言った風に細分化し、専門分野を持つことがあります。 傾向としては、人口の多い都市部ほど、専門化し、一人の職人がより細分化した製作を行います。 しかし辺境部や職人が少ない場所では、技術を持つ職人が様々な製作に対応しなければならないため専門化しません。 *商業系 <<商人について 商人は基本的に物を売買してその差額で収益を得るということを生業とする職業です。 ただ、生産系の職業の人間が自ら作成したものなどを売る行為も、十分商人的行為と言えます。 そういう意味では専業の商人と、兼業の商人がいると言ってもいいでしょう。 ただ、この世界にて一般的に商人と称される人々は専門的に物の売買で生計を上げている人々です。 経済の発達に伴い、売買は物々交換から貨幣経済に変化し、多様な形態の商人も生み出しました。 商人達への課税は基本的にその商品にかけられるか、移動の際にかけられるものとなります。 国や地域によって課税法は異なりますが、多くの都市においては、物資を場内に運びこむ時に課税されます。 また商店を営む際にはその場所の商業許可に課税などされたりします。 辺境地や都市圏以外では、領主が橋に通行税をかけたり、道に関所を設け通行税をかけたりします。 商人達はそれらを鑑みた上で儲けが出せるよう算盤を弾いているわけです。 ***小売商 流通レベル2~ 小売商は、特に小規模な末端の販売を担う役割の人々です。 彼らは卸商人から商品を買いつけ、それぞれの店舗で客に販売します。 生産業の人間が直接販売する場合もこういった小売商と同じ形態といえます。 多くの場合、彼らは商人の中ではそれほど裕福な立場とはいえません。 卸品の値段はそうそう変わるものではありませんし、 販売価格も殆どの場合、職人同士の組合により一定以下や一定以上にすることは禁止されています。 商売で大儲けというよりは、日々の労働の一環として小売業を営むものがほとんどです。 勿論、なんらかの工夫をこらし、通常以上の販売を行う小売商もいますが、少数派です。 ***卸商 流通レベル3~ 卸商は、職人あるいは職人組合、領主や貴族などから物品を大量に買い付け、 市場の小売商達に下ろす役割を持つ商人達で、当然ながらある程度大規模な元手を必要とする職業です。 大規模な都市ならば大きな商家がそれを担い、小規模ならばそれに従い商家の規模も小さくなります。 ただ、大きな街でも卸しを担う分野が分担され、そこそこの商家に分かれるようなこともあります。 また一つの商品に関する卸商人が街に一つというわけでもなく、その辺は事情に合わせて被ったり住み分けされたりします。 卸商は基本的に小売商以外への個別の販売を行いません。 末端販売価格より安く個人へ下ろせば小売商が困ってしまいますし、何より小売は彼らの領分ではありません。 なので殆どの場合、卸商人達は小売の窓口(店舗など)を持っていません。 ただし卸商を営む商家が、直営の販売店を持つことはありえます。 とはいえ、多くの店舗を持てば小売商の迷惑になりえる為、普通行いません。 ***行商人(冒険者たりえる) 流通レベル1~ 行商は特定の店舗を持たず、様々な地域や市場を回って商売を行う商人です。 基本的には街の中を売り歩いたり、大きな街の市場を渡り歩いたりして店舗を持たず商売をする商人の総称です。 ほとんどの行商人は一都市の中で商売を完結し、遠出するとしても近隣都市の間を渡り歩く程度です。 街で一時的な露店を開いているのも行商人と言え、農家などが収穫物を直接売ろうとした場合もこういった形でしょう。 農民たちは野菜などの収穫物を運んできた荷車などから直接販売しているようなことも多いでしょう。 ただし、稀に、通常であれば交易を行うのが困難な場所に行き、そこの珍しい特産品などを仕入れ、 売却し一山当てようとする行商人もいます。彼らはある種冒険的な行程を経て新しい商品を探したりもします。 また、その地域にとっては非常に希少な物品を届けることによって多くの差額で儲けを出したりもします。 こうった冒険者的な行商人にとってその行程には危険や障害が多くあります。 街道を通っていてさえ山賊や追い剥ぎは出ますし、街道を外れればモンスターの出る可能性も高くなります。 それに、道や橋の通行税を取り立てるのに非常に熱心な領主もいます。 街の中を回る行商に比べると、冒険的な行商は非常に博打打ちな商人達と言えます。 大概彼らは、次に述べる貿易商になるほど資産もコネも持っていない、でも大きく儲けたいとおもう野心家達です。 ***貿易商 流通レベル3~ 貿易商人は、行商をより大規模な形で行う商人の形態と言ってもいいでしょう。 都市間、あるいは国家をも超えた距離を移動し、物品を届け、儲けを出します。 当然ながら彼らが運ぶのは、それだけの輸送コストをかけても儲かる特産品や希少品の類です。 ある地域にとってはありふれた品でも、ある地域では希少な品物となることがよくあるわけです。 そういった品物を商隊、もしくは商船(時にはは商船団)を組織して貿易するのが彼らの仕事です。 貿易商は、荷主がそのまま荷を運ぶ場合(要は大規模な行商人の集団)もあれば 荷主は別の大規模な商家の人間で、職業的に商隊として雇われる者達もいます。 商船の場合はこういった貿易商以外にも、普通プロの職業船乗り達が船を操っているものです。 貿易商はその扱っている荷の価値も莫大なことがままある為、護衛を雇う場合があります。 そういった護衛に冒険者が雇われることもままあります。 商隊の護衛は何も起きなければ非常に割のいい仕事の一つです。 ***商家 流通レベル4~ 商家とは正確には商人の分類ではありません。 成功した商人一族などが、その権勢や財力などから名を成すことがあります。そういった一族を商家と呼びます。 商家の大きさはピンからキリまであり、一つの都市や町、村を掌握するレベルから 裕福な一般市民といったところまで様々です。 彼らが営む商行為というのも大規模な貿易と卸売の複合や、商店を多数に持っての販売、 または職人を大規模に抱えた上での卸売、小売など他にも様々な形態があります。 加えて彼らはその資金力を用いて金融業(いわゆる金貸し)を行うこともあります。 商家はその持った財力を用いて栄華を維持、あるいは拡大することに努めようとします。 その中で失敗をしたり、運が悪かったりして没落していくものもあります。 逆に一商人から成り上がって商家となる人々もおり、常に世に特定の商家が幅を利かせているわけではありません。 また商家は貴族などとともに芸術家や音楽家、哲学者、錬金術師などのパトロンとなる場合があります。 しかし、貴族や王族と比べ、商人達が芸術などに理解を示すことはやや稀です。 *サービス業 ***宿屋 流通レベル3~ 宿屋は旅人を宿泊させる設備を持ち、代金をとって宿泊させる店です。 宿屋といっても客層や所在、方針によって多種多様です。 部屋についてはベッドしかない狭い部屋、大量の寝床が並ぶ大部屋、上品な個室、豪華なスイートルームなど様々です。 ベッドの質もまちまちで、羊毛や綿などを詰めたものや、木製のもの、木枠に藁を詰めシーツを載せたものに、藁を敷いただけのものまであります。 宿屋は普通旅人が来るような場所じゃないと生計が成り立たないため、ある程度人の行き来がある場所に存在します。 多くの人びとが訪れる場所にある宿屋なら大規模なものでも成り立つでしょうが、もし人がめったに来ない場所なら ついでに宿屋もやるよ、くらいの姿勢での兼業宿屋が関の山でしょう。 ***酒場 流通レベル2~ 酒場は市民たちの憩いの場です。市民たちは酒を飲み交わし仕事の疲れを癒やします。 店には酒を飲むための席があり、食事も出してくれます。 酒場の主人は料理の仕込み、食料の貯蔵の他、酒の仕込みや醸造も自身で行っている場合もあります。 田舎であればあるほど酒場の主人が酒造職人を兼ねており、都市部では分業が進んでいます。 一部の酒場などでは元冒険者が運営しており、”冒険者の店”として機能している場合があります。 この冒険者の店というのは、冒険者たちに酒場の主人を通して依頼をし、様々なトラブルを解決できる店です。 それこそ迷い猫の捜索から溝さらい、隊商の護衛、ゴブリン退治などなど様々な依頼が舞い込みます。 大概の場合、冒険者の店の主人はこれらの仕事を、よく来る冒険者達の実力を見極めながら紹介します。 冒険者の店は大規模になると宿屋を兼業している場合もままあります。 あと誤解されがちですが、基本的に酒場、冒険者の店問わず店内での揉め事はご法度です。 そもそも都市内で騒ぎを起こした時点で衛兵などには目をつけられますが 店内で刃傷沙汰を起こせば出入り禁止は確実でしょう。最低でも外でやるくらいはわきえるべきです。 そういう不文律が、酒場を市民たちが安心して飲める場所とする文化を守っています。 ***娼婦/男娼 流通レベル3~ 娼婦や男娼といった商売は、多くの地域でほとんど当然のものとして提供されています。 個人で商売を行うものもいれば、娼館などで組織に所属して仕事をこなすものもいます。 ジオ文化圏において同性愛はそれほどおおっぴらに見られるものではありません。 とはいえ宗教的に禁止されるほど厳しく扱われているわけではないので、単なる性的マイノリティとして存在します。 なので存在する男女比は娼婦のほうが圧倒的に多数となります。 娼婦などを利用しようとするのは圧倒的に男性側が多いからです。 この世界、この時代において避妊や性病知識は不十分であり、 娼婦は常に望まない妊娠や性病の危機にさらされている過酷な職業の一種と言えます。 中には貴族や王族、大商人など権力者にのみその身を提供する高級娼婦たちも存在します。 彼らは礼儀作法などの様々な教養を兼ね備え、男の扱いに長けた非常に希少な存在です。 場合によっては権力者の寵愛を受け、結婚までは行かなくとも男いいなりにして権力を握ることもあるでしょう。 ***吟遊詩人(冒険者たりえる) 流通レベル3~ 吟遊詩人は歌や楽器の演奏を用いて娯楽を提供し、見返りとして報酬を得ます。 彼らは後に述べる大道芸人と同じように、路上にてパフォーマンスをしておひねりをもらったり、 酒場などの店で客からの要望に答えて演奏したりして報酬を得ます。 また、酒場の主人が店の雰囲気作りや客寄せとして吟遊詩人を雇い演奏・歌唱させることもあります。 著名な吟遊詩人ともなると、貴族や王族のお抱えとなることもあります。 いわゆる宮廷詩人と呼ばれる人々で、彼らは主人の要望に答え、歌や演奏を提供します。 ***大道芸人 流通レベル3~ 前述した吟遊詩人とよく似ていますが、彼らは楽器の演奏や歌ではなく、芸で人々に娯楽を提供します。 道端で曲芸や力芸、手品などを行っておひねりを得ることもあれば、酒場でやることもあります。 彼らが大規模に活躍する場にサーカスがあります。 サーカスは様々な芸人たちが集まり、動物を使役したり、曲芸を披露したりして人々を楽しませます。 大概のサーカスはひとつの場所にとどまらず、一定の周期で都市を周ります。 芸人の中には道化芸というものも存在し、それをする芸人は道化師と呼ばれます。 彼らは手品や軽業を披露するとともにわざと失敗したりおどけたりして笑いを提供する芸人たちです。 王家や貴族によっては優秀な道化師達を召し抱えることもありました。 彼らは宮廷道化師と呼ばれ、権力者達の退屈を紛らわせました。 その存在の特殊性から、彼らは時にはその主人に向かって無礼なこと言える唯一の存在でした。 大道芸人の中には生まれつき身体に障害を持ったり、特殊な身体特徴を持つものが多くいました。 彼らはその障害や特徴故に、芸人になる以外の道を取れなかったものも存在します。 ***召使 流通レベル3~ 召使いは人間が生活する上で必要な炊事や洗濯、掃除などの作業を雇い主に代わって行う職業です。 王侯貴族はもちろんのこと、裕福な商人なども召使いを使います。 召使いは雇用主の居宅の敷地内に住む場所を提供されることもあれば、毎日通いで仕事をこなすこともあります。 召使いといえば女性のイメージが強いと思いますが、薪割りや荷運びなど力仕事をこなす為の男性もいます。 召使いの中でも長く勤め上げ、主人に信頼をおかれたものは執事として召使い達を統括することもあります。 ***船乗り 流通レベル3~ 船乗りは航海をする為に何をすればいいかをわきまえた者達です。 彼らの活躍の場は基本的に貿易船を運用することです。 この時代には、あまり観光や旅行をする者はいませんので、冒険者などが移動に船を使うことがあっても、 そういった貿易船をついでに載せてもらうことがほとんどでしょう。 船には軍事的なそれもありますが、それらの乗組員は船乗りから重用されることも多いでしょう。 この時代の航海は羅針盤も発達していない為、沿岸を回り港で細かく補給を行う沿岸航海です。 ***剣闘士 流通レベル5~ 剣闘士は、闘技場などの専門の施設で他の剣闘士や、動物、怪物を相手に戦い、観客を楽しませる戦士達です。 彼らのほとんどは奴隷相当の身分であり、自由がありません。 買い取られることを引き換えに刑を免れた者、借金が返せなくなり剣闘士として身を売った者など、 剣闘士の多くは望んでなったものではありません。 というのも、剣闘士は非常に死亡率が高く、そして死亡したとしても全く顧みられない職業だからです。 一度剣闘士になり、その後その職業を生きてやめられる者はそう多くありません。 自由の存在しない剣闘士達の多くは、逃亡防止の為施設の中から出ることはできず、その中で生活を行っています。 剣闘士に主人が存在する場合は、彼らの意向によって解放されることもあるでしょう。 その為にどんな条件をつけられるかはわかったものではありませんが。 ***傭兵(冒険者たりえる) 流通レベル3~ 傭兵は自らの戦力を雇い主に提供する戦士達です。 彼らは金で動く便利で手軽な戦力として重宝されますが、 傭兵は戦争で用いられた場合攻め落とした街などの略奪を要求する場合なども多く、市民には恐れられています。 傭兵はその戦力としての質を高める為に徒党を組み傭兵団となる場合もあります。 優秀な傭兵団は、場合によってはそのまま騎士団として召し抱えられることもあります。 当然ですが傭兵としての生き方は死亡率を非常に高めます。傭兵の多くは戦場で死を迎えます。 ***労働者 流通レベル2~ 労働者は様々な場所に偏在する単純労働者です。 例えば港湾部における荷運びや、市場などでの商品などの運搬、 建設現場などでの資材運搬などとにかく肉体労働をになう人々です。 一部の、常に肉体労働力を必要とする現場を除き、労働者は一時的な仕事として成り立ちます。 肉体派の冒険者なども仕事がない場合はこういった肉体労働に従事する事もあるでしょう。 *文化系 ***学者(法学者、史学者、哲学者、数学者、医師) 学者は様々な学問を納め、研究することで結果的に社会に貢献する職業です。 この時代、学問の重要性はそれ程民衆に認知はされていませんが、 権力者の中にはその学問の力に理解を示すものが多くいます。 もちろんそれは学問の結果による実社会への還元も狙ってのことです。 数学やその発展である工学は建造物や兵器の製造に転用されます。 法学や史学は治世のための政治的手法としていかされ、医学や錬金学は治療の進歩の為に利用されます。 学者が生計を立てる手段はいくつかあります。 まずは貴族や王族の保護を受け相談役や家また別の方策としてはある程度の人口がある都市であれば、 学問を専門的に学ぶことへの需要が生まれます。庭教師として召し抱えられることです。 これにより大学組織が生まれ、学者が研究の傍ら教職につく場合もあります。 ただし、これらの大学の生徒になれるものは裕福な家庭の子女ばかりです。 大学で学ぶにはそれなりの月謝を要求されるからです。 その他で、自らの学問を生かし、何らかの収益を作り出す者は稀です。 ***法学者 流通レベル3~ 法学は基本的にその出発点を神々が定めた原始の法、神法をベースとし、その解釈と実社会への適応を模索する学問です。 法学者達は現行の法律が神法に照らし合わせて違法ではないかを研究、論議したり より今の社会にとってより適切に神法の原理を適応するにはどういった法を作るべきなのかを追求したりします。 その為に今までの法の歴史を学んだり、そもそもの神法の適切な解釈を考えたりしています。 ただ、実際に法を制定するのは権力者(王国法は王、領地法にあっては領主)のため、 法学者はあくまで助言を求められることはあれど、その定める法に異を唱えることができるのは稀です。 殆どの場合、法を破ったものへの裁判は領主や王が直接するものですが、 法学者達の中にはそういった権力者の委任を受けて、裁判の代行をする場合もあります。 法学者には、そういった王国お抱えの裁判代行者や御用学者としての他に ジ・オルグ神官を兼ねる者や、大学の教師を兼ねる者などが存在します。 ***史学者 流通レベル3~ 彼らの専門分野はかなり細分化され、それこそ一都市の歴史を研究する者から、一つの王国、 一つの文化圏、世界の歴史といった地域的な分類や、神代の歴史、邪神戦争時代の歴史、近代史など、 そしてその複数にわたって組み合わせで研究を行う学者もいます。 彼らの研究成果が活かされるのは残念ながら稀ですが、それでも未来の問題に対応するために 過去を学ぼうとする施政者や市民も皆無ではありません。 またジ・オルグ神官やサルトゥ神官などに多く兼業学者が見られます。 ***哲学者 流通レベル3~ 哲学者は、その役割において人類の思索や意義、言語の追求において重要な分野を担う学者たちです。 思索によってその生存の為の環境を得るという意味では、哲学者は最も純粋な学者とも言えます。 歴史上、ジオ文化圏においてもっとも有名な哲学者は言うまでもなく賢老サルトゥ神です。 よって多くの哲学者は、その神殿に身をおくことが多いため、同時にサルトゥ神官でもあります。 ***数学者 流通レベル3~ この時代の数学は、工学計算や測量計算など行うための非常に重要な学問の一つでした。 大型建築の際には必ず工学的な数値計算が求められ、耐久度の計算を数学者たちが行っています。 また、税を取り立てる際にも測量を基準とした面積を基準とする場合もあるので、そういう時に活躍するのが数学者です。 そういうわけで役人や、建築関係者と連携を取る事が多い、意外と現場主義の学者たちです。 ただ、数学というのはいわば難解なパズルのようなものであるため、ただひたすらそういった研究を行う者もいます。 そのような数学者は他の学者同様、パトロンについてもらったり、サルトゥの兼業神官をやったりして糊口をしのいでいます。 ***医師 流通レベル3~ この時代の医学は、解剖学は余り進んでいませんが、対症療法的な一部の薬学や、原始的な医療法が用いられています。 ウィルスや菌の存在は勿論まだ知られていません。 病気には様々な移り方やかかり方があるが原因はわからない、のが基本です。 それでも経験の蓄積から対症療法的な技術はそこそこ進んでいます。 ただし、神官が起こす奇跡に比べると、どうしてもその効果はいまいち民衆には期待されていません。 それでも奇跡は通常それ相応の寄進を要求されるため、また全ての人々が神の熱心の信徒では無いため 医学は十分に利用される価値や機会がある学問です。 貴族や王宮のお抱え医を始め、大きな街であれば医者はそこそこ存在します。 医者は実のところ医学の知識だけではなく、動植物知識や、学問/錬金を用いて治療を行うことが多くあります。 また、一部の治療系の錬金術の成果物は、学問/錬金だけでなく、学問/医学でも作り出すことが可能です。 医師にも純粋に医学者と呼ばれる人々はいないことはないですが、どちらかといえば経験論の学問のため 現場で医師として働く医学の徒が多いことは自然なことかもしれません。 ***神官(冒険者たりえる) 流通レベル1~ 神官は学者と双璧をなすこの世界の知識階級たる職種です。 彼らは神の教えを説くとともに、神を崇め祭り、その代行者として人々を導こうとします。 彼らの活動は、権力者の後ろ盾を得た場合はそのお布施=寄進によって成り立ちます。 もちろん一般からの寄進によっても彼らは活動しますが、 権力者の後ろ盾を持っている場合に比べればその活動は小さくなりがちです。 また一部の奇跡の行使を行う神官達は、その代価の寄進によっても神殿を運営しています。 誤解しないで欲しいのは、神官全員が奇跡を扱えるわけではありません。 神官の運営する神殿は、その信仰する神によってその傾向を異にします。 鋼腕のクオルズ神官達は己の鍛錬、戦闘訓練を行い、地域の治安の維持に務める活動をします。 地域の権力者に公認されているか否かは地域によるとしか言えません。 地母神リーダンの神官たちは農業に関する知識の保有し、その啓蒙に努めます。 また都市部など人数の多い場所では農業技術の研究も進められていることがあります。 また豊穣の祈願祭りや収穫祭などに際しては主神ジ・オルグの神官と共に先頭に立って運営・準備を行います。 工芸神ダムドの神官達は自らも何らかの職人を兼ねているものが多くいます。 なので神殿としての活動は、余り活発ではありません。 神々の詩人ディオールの神官たちは、芸術や文化の保護活動に努めます。 また劇場や舞台の運営に熱心で、人の多い都市部であればそれで収益を上げている場合もあります。 賢老サルトゥの神官達の多くは哲学やその他の学問を納めます。 学者を兼ねるものも多く、こと哲学に関しては著名な学者の殆どはサルトゥを信仰し、かつ神官を務めています。 またサルトゥ神殿は小規模であっても子供に読み書きを教える学校のようなものを運営していることがあります。 この学校は大学とは違い、あまり月謝を払わなくても通うことができます。 ただし、子供であっても貴重な労働力であるこの時代にあって、子供を学校にやる親は多くありません。 ルーシードの神官たちは、商売神の信徒だけあり、縁起をかつぐ商人達からの寄進が多く 彼らの商売を祈願する仕事が非常に多く存在します。また商売っ気を出す神官が多く、 様々な縁起物を売り出している神殿や神官もたくさん存在します。 主神であるジ=オルグ神官達の運営は、逆に最も特徴がありません。 豊穣祈願を請け負うこともありますし、地域の治安に貢献することもあります。 また人々の幸運や平和を祈る場所でもありますし、場所によっては読み書きを教えていることもあります。 もっともメジャーな神格だけに、その地域のニーズに答え、様々なことを行うことがあります。 ***音楽家 流通レベル5~ ここでは、吟遊詩人のような、民衆の間に存在する職業音楽家以外の、もっと専属的な音楽活動を行う人々を音楽家と分類しています。  彼らは作曲するもの、作詞するもの、楽器を演奏する物、歌をうたうもの、など様々な役割をもち、または兼ね備えています。  ただ、ここでいう音楽家に含まれる人々は、ほとんどが貴族や裕福な市民の子弟などです。 稀に、文化に理解のある貴族が援助したり、同じく理解ある王が宮廷楽団を組織したりした場合に、 職業音楽家が誕生することもあります。 また純粋な音楽家とはいえないものの、ディオール神官の中には神官業を務めるとともに技芸を磨くものもいます。 大規模なディオール神殿ともなれば専門の聖歌隊、聖楽団を持っている場合もあるでしょう。 ***芸術家 流通レベル3~ 芸術家、という分類の中には主に彫刻家、画家、工芸家、また一部の建築家などが含まれています。 一部小説のような物書きを行うものもいますが、識字率が低いこの世界では認知度、存在比率ともに低くなっています。 もっとも大衆受けし、また理解されやすいのは絵画や彫刻なのです。 これらの芸術家はその作品自体を作ることに対し報酬を受け取ることが多いため、名が売れれば生活は行えます。 貴族なども自らの権威や栄華を示すためにこれらの芸術作品を求めるため、やはり一定の需要が存在します。 ただ、名の売れていない芸術家の生活は、その芸術表現に生活をつぎ込めばつぎ込むほど悲惨といってもいいでしょう。 そういった情熱を保ち続ける芸術家は、それでもいいと思ってしまうような輩が多いのも確かではありますが。 ***錬金術師(冒険者たりえる) 流通レベル3~ 錬金術士は薬草師とよく似た職業ですが、基本的に、より研究者色の強い者たちです。 彼らは他人のためではなく、自分のためにその錬金技術の研究をしています。 ただ、その過程でできる成果物を、生活やさらなる研究のために他人に売却することはあります。 彼らの探求の最終目的は、究極物質である賢者の石の生成です。 この賢者の石というものの効果が正確に何なのかについては、未だそこに到達したものがいないために 判然としませんが、多くの錬金術士はそれを卑金属を貴金属に変える触媒だと考えています。 又は永遠に生きるための秘宝であるとも、万能の治療薬だとも言われることがあります。 あるいは彼らはそういう事で貴族や王族、大商人の庇護を受け、研究のために出資してもらっていることもあります。 彼らの中には工房だけの研究にとどまらず、その素材を求め自ら旅立つものもいます。 そういった冒険者たりえる錬金術師は、冒険者にまじり探索に乗り出すのです。 ***魔術師/魔女(冒険者たりえる) 流通レベル1~ 魔術を使う者達は、一般人とはいえませんが、世間に紛れ生活しているものも少なくありません。 いくつかのタイプにわかれますが、まずは人里の外れに庵を結び、外界と隔絶しているタイプ。 このタイプは己の魔術の研究などしながら、自給自足で生活を送っています。(魔術を使えば食料の調達は相応に容易です) 別のタイプとして街中で秘薬や魔杖などを作って生活している工房的な魔術師があります。 彼らもおおっぴらに喧伝はしませんが、知る人ぞ知る店として魔術の品を扱い、販売しています。 ただしこのタイプは当然需要がないといけないので、人の多い町中にしか存在しません。 何らかの別の職種をしながら魔術師をしているケースも有るでしょう。 錬金術師などは職種との相性もあり、装いやすい職業の一つです。学者を名乗るのもよくある話です。 魔術師はその真理の探求の過程で秘密結社を作ることがままあります。 これらはお互いの魔術の研究成果を交換しつつ、目的を達成するため(ほとんどは大いなる一への到達)に活動します。 ただしこういった組織も、トップに立つ人間によっては変質し、何故か自己利益を求める邪悪な集団になることもあります。 こういった集団は生贄に人間を使うことを躊躇しなかったり、魔術を悪用し犯罪をおこなうことに躊躇しないため注意が必要です。 権力者の中にはその魔術師の正体を知った上で、お抱えとして召し上げる者がいます。 ただし、大概の権力者にとって魔術は、魔術師の意思一つで自分の命が危ないと感じる程度には脅威であり、 余程の信頼がなければそのように召し上げられることはないと言っていいでしょう。 *統治系 ***官吏(役人) 流通レベル2~ 官吏とは広い意味で言えば国のため、あるいは領主のために働く奉公人で、統治に必要な行動を領主や王などに変わって 手足となって動く人々のことの総称とも言えます。 その中には護衛(衛兵)や、召使い、学者、税収官、料理人などなど様々な城や領主の館、 及びその関連施設で働く人々がいるでしょう。 単に上のどれにも該当せず、日々雑務をこなす官吏もいますし、大臣や政策担当官といった、それぞれの分野を王に任され 代行するような高級官吏も存在します。 大きな王国であれば、総督などと呼ばれる、特殊な地方や王直轄領を収める上級の官吏も存在します。 ***税収官 流通レベル2~ 税収官は官吏の中でも嫌われ者になりやすい損な役回りです。 人々から規定の税を取り立て、国庫に金を収めるのが仕事です。 彼らがまじめに仕事をしなければ、国政は成り立たず、様々な国家事業というものが頓挫することになるでしょう。 彼らは時に厳しく、時になだめすかしながら民衆から税を取り立てます。 大概民衆からは嫌われ者ですが、国にとって重要な仕事であり、また汚れ仕事とも言えるので、 それなりの高給を得ているものも少なくなりません。 ただそれがますます民衆から嫌われる要因になっていることも否定できません。 冒険者は基本、農地や低住所を持たぬため、税を取られることは少ないですが、領主や王は関所を通る税(街道税)、 橋を渡る税、入市税(街に入るための税)などを用いて流れ者からも税を徴収しようとやっきです。 これらの徴税はロールプレイ上省略されることが多いですが、どこにでもよくある税金です。 また、国や領地によっては「そんなものになんで?」というような課税が存在する場合があります。 いわばフィガロの結婚などで有名な初夜権や、農民は必ず領主に税金を払って農具を借りる法令などです。 領内での法律は領主が決めるため、冒険者はうかつなことに巻き込まれないよう気をつけたほうがよいでしょう。 ***衛兵 流通レベル3~ 衛兵は国や地方の領主に仕える、貴族や騎士以外の兵士たちです。 基本、戦争以外で専門的に兵士をやるものは少ないですが、騎士の存在だけでは街の治安維持は実現できないため 官吏の一種として国や領主が衛兵を採用し、違法行為を取り締まらせています。 彼らは当然腕っ節が高いものが多く、元冒険者や傭兵なども多く存在しています。 勿論、最初から衛兵一筋で勤め上げる者もいますが、やはり役に立つ衛兵は、実勢経験を得てきた者であることが多いです。 衛兵は、冒険者や傭兵の落ち着き先としてそこそこ適正な職業といえるのかもしれません。 衛兵は街を見まわったり、衛兵詰所におり、事件が起きた際にはそこに駆けつけ仲裁や解決を行います。 衛兵の能力は人に依存するものですから、有用なものから無能なものまで様々な衛兵がいるでしょう。 衛兵はどちらかというと都会や領主や王の直轄の存在であるため、小さな村や街では存在しない場合があります。 そういう場合でもなにか問題が起きた時のために、街の若者などで自警団などの自己保護組織を置く場合がほとんどです。 ***貴族/領主 流通レベル2~ 貴族は統治するものの総称といえます。そもそもこの貴族はある種の血統です。 大本をたどれば、大神ジ・オルグにより統治を任された王の血筋と、その時使えた人々の血筋が 多くの貴族としてのステータスを保証するもっとも大事な正当性の一つです。 殆どの場合領主=貴族と考えて問題ありません。 勿論、様々な国や領主への貢献を元に貴族への仲間入りをする一般市民もいないではないですが そのほとんどは准男爵以下の低い地位の貴族への任命です。 それでも貴族の一分になるということは大変難しいことであり、また名誉なことでもあります。 貴族は基本的に爵位の下、王のもとに集っている形ですが、 血縁関係や利害関係から派閥や関係性が複雑に絡み合う場合もあります。 特に地位の高い貴族はその下に爵位を設けますが、便宜上王の許可なしに叙任はできないはずですが、 王都からの距離などを理由に事後報告などですませることもあります。 こうした派閥の構築や地方権力の増大がいづれ国の分裂や崩壊を招く危険性をはらんでいます。 貴族制度を簡単に説明すると、ジオ文化圏では主に爵位は以下のように設定されています。 ***王 流通レベル 王都 王はその国という共同体におけるトップであり、全ての貴族たちの宗主です。 基本的に最も大きな王地領を持ち、さらに国全体の支配権を握っているという名目になっています。 ただ、直轄地である王地領以外の法律権や税収権は、殆どの場合間接的にしか持っておらず 公爵や伯爵にお触れを出したり、税要求をすることは可能ですが、 反乱の火種とならぬよう過激な要求は控えるのが普通です。 その辺も王権の強さによるため一概には言えません。 いわば、王とは国で最もつよい領主であり、それゆえに他の諸侯が忠誠を誓っているという状態なのです。 王権が弱り、国が乱れればその正当性を失い、王権が倒れることも歴史の中では珍しくありません。 王は絶対ですが、不変不朽の存在ではありません。常に歴史は新旧の王権の勃興を許してきました。 常にこの先も現在の王国が残り続けるとは限らない、そういう世情の厳しさがあります。 それでも王はやはり国においては最も権威持つ絶対権力者です。 国においての便宜や出世を図る上で、王族、王に気に入られる以上に有効な方法は中々他に存在しないでしょう。 ***公爵 流通レベル6~ 基本的に公爵は王族から分派した親族が得る、有力な貴族達の階級で、世襲される以外になれることはほぼありません。 また現公爵が死亡する以外では、国内に異変がない限り増えることがないのも普通です。 通常かなりの所領を持ち、その広さのために所領を収める為、その部下として伯爵や子爵をその下にもつ事がほとんどです。 こういった一大勢力を持つことから、反乱の危険性があるため、 通常この公爵という地位は王族の一族以外からは選抜されないのです。 また公爵の中ではその大きさゆえにほぼ国に匹敵する領地を持っている場合もあります。 ジオ文化圏であれば騎士公マルトゥーグ家であり、彼らの公領は宗主国であるソルス=ベイに見劣りしません。 もともとセクメトがより強大だった時の公爵であった彼らですが、すでにその力は元々の宗主国のセクメトに匹敵します。 それでも騎士公マルトゥーグは代々セクメトを宗主国とし、その姿勢を変えていません。 とはいえ、一般にこの公爵領をマルトゥーグ公爵領と呼ぶものはおらず、ほとんどの場合ここはマルトゥーグ 公国と呼ばれます。公爵の中にはこのように独自の国に近い所領を持つ大公と呼ばれる存在もいます。 ***候爵 流通レベル5~ 候爵は公爵に継ぐ領地の大きさや、あるいは王族の親族以外の大領地を持つものに与えられる爵位です。 やはりその下に伯爵や子爵などの貴族を従える地方の長官的な役割を持つ貴族たちです。 その調理の大きさは大概公爵につぎ、国の勢力の多くを従える存在です。 ***伯爵 流通レベル4~ 伯爵は候爵のさらに下の爵位ですが、直接に公爵や候爵に使えることもある爵位です。 爵位任命権はあくまで国王のものですが、その許可を得て、私的な兵、派閥とも言える勢力の筆頭をなさせるのが この伯爵という存在です。逆に言えば国王直下の伯爵もおり、王地領などを代理支配している場合もあります。 ***辺境伯 流通レベル4~ 辺境伯は特殊な伯爵といえる。彼らは大概他国との防衛線や、 地方の軍事力を必要とする開拓地に任ぜられ、王や諸侯から相応の武力を預かることがあります。 彼らの任はその性質上、特殊な統帥権があり、その地における軍事指揮権は、 直属の王、候爵や公爵以外の鑑賞を許さないという不文律もあります。 多くの場合、そういった任に向いた戦上手な者が任命されますが、 逆にそうでないものが任ぜられる場合も平和な世情であればありえます。 それは他国や魔界勢力などの伸長を許す場合があり、 多くの人々が考えるよりもこの地位における責任は重いものとなります。 ***子爵 流通レベル3~ 伯爵が収めるよりもより小さな地域を主君に任せられたり、伯爵の領主権が大きい時にさらにその下に付く形で その地方を治めることがあったのが子爵です。 彼らは支配領域の小ささからよく目の届く支配を行い、民衆に近い貴族たちと言えます。 逆に言えば不満の矛先も向かいやすい地位であり、 また中間管理職的な上と下の板挟みにも合いやすいやや不遇の地位でもあります。 また伯爵や公爵、公爵の子供が子爵という呼称を得る場合がありますが、 これは支配領域を持つ子爵とは基本別物です。 勿論、支配領域を分割してそのまま本当に子爵となる場合もあるので、 そもそもの言葉の起源はこの子の爵位であったからとも言われます。 ***男爵 流通レベル2~ 男爵は世襲されるなかではもっとも低い爵位といえます。大概はひとつの街か村を収めるものであり、 言わば下級約人とそれほど変わらぬ 地位と言っても過言ではありません。それでも貴族には変わりないので、一般市民との格の差は歴然ではあります。 彼らはほんとうの意味で地域密着型の領主と言っても過言ではありません。 何しろほぼ支配領域に常駐するような形で存在していますし、あるものは密着した良政を敷き、 あるものは自分勝手は悪政を行ったりします。 勘違いしないで欲しいのは全ての街や村に男爵が存在するわけではないということです。 複数の街や大きな範囲を収める子爵、伯爵などもそんざいしますし、その下の爵位を持たずに支配することもよくあります。 その場合監督官と呼ばれる男爵の代わりのような人物を格支配地域に置くこともあれば、 町長や尊重に権限を任せている場合もあります。 この辺りは様々なパターンがあるので、GMは都合に合わせてその街がどのような形態であるのか、よく考えるとよいでしょう。 ***准男爵 流通レベル2~ 准男爵は、何か功績のあった貴族外のものが、貴族としての地位を与えられる場合に一般的に得られる爵位です。 基本的に一大のみの爵位であり、この爵位は世襲されないものと考えられています。 ただ、余程の功績を上げ続ければ、男爵に昇格し、世襲を許される場合も存在するため、 全てが一代で終わってしまうわけでもありません。 支配領域は男爵とどっこいどっこいというところで多くの地域を支配下に置くことはまずありません。 ***騎士(冒険者たりえる) 流通レベル2~ 騎士は厳密には爵位ではなく、立場とも言えるものです。全ての貴族の内、戦うに赴くものはすべからく騎士と呼ばれます。 それと同時に、一般人でも、貴族に忠誠を誓い、主従契約を結んだ戦士達も騎士としての地位を得ることがありました。 よって騎士であることは同時に貴族であることを意味しません。 ただ、一般兵士の誰でも騎士になれるというわけではなく、戦功の目覚ましい兵士達が見初められ、 騎士に取り上げられることがほとんどです。 また騎士は世襲しませんが、騎士の父は息子を騎士にすべく教育することが多く、 代々同じ主君に騎士として使えるよう育てる事が多いため 公的なものではないにしろ、世襲のような形で同じ主君に騎士として支え続ける家系は存在します。 冒険者における騎士は大概貴族ではなく、この地位にあり、主君の命を受け何かを成し遂げようとしている物がほとんどです。 また中には主君を失い放浪の騎士となる場合もあります。彼らは次なる使える主を探したり、 元騎士として冒険者と変わらないような生活をおくるものもいます。 ***領主 流通レベル☓ 領主というのはその領地の範囲を直接的に治める人物のことです。 王地領であれば基本領主は王ですし、公爵領、候爵領、伯爵領、男爵領など、どの爵位の人間でも領主となりえます。 また、領内の法律や決まりはほぼすべて領主が決め、領内の森、鉱山、 資材などは領主のものであり、勝手に他者が利用することはできません。 といってもこの時代、全てに目が届くわけではありませんし、所領の中でも実質の支配権が及ぶのは目が届く範囲です。 だからこそ王や公爵、候爵も、領地内を伯爵や子爵、男爵などに分割してより精緻な支配を構築するわけです。 ただ、その分、与えた支配領域には先程の法律権などや所有権がついて回るわけで、与えた以上は基本口出ししません。 勿論、なにか問題が起きてしまえば、直属の領主(王、公爵、候爵など)は、 仕える領主(伯爵、子爵など)から領地剥奪をおこなうこともあります。 王は基本全ての領地の剥奪、分与権をもっていますが、その辺はその領主との力関係によるところがあり、 王権が弱ければ逆にそれが反乱を招くことがあるため、下手なことができなかったりします。 これは公爵や候爵の剥奪収奪、分与件にも同様いえることです。 封建社会のこの世界では、こういった微妙なバランスのもと支配の分割が行われています。 |階位1位|>|王| |階位2位|公爵|侯爵| |階位3位|~|~| |階位4位|伯爵|辺境伯| |階位5位|>|子爵| |階位6位|>|男爵| |階位7位|>|准男爵| |階位8位|>|騎士| ※上の爵位のものが自らの領地により下の位階のものを任命することが可能 →王が王地領に男爵を任命したり、候爵が子爵を任命したり、騎士を任命したりもする *犯罪者系 ***盗賊(冒険者たりえる) 流通レベル1~ 盗賊は厳密には犯罪者ではありませんが、犯罪を犯すことも厭わない性質を持つ裏社会の住人です。 盗賊という呼び名はこの世界において冒険者を行っているそういった人種に使われる用語です。 彼らはその技術を活かして遺跡に残るお宝を探ったり、物事の解決を図ろうとします。 盗賊自体の元々の素性は殆どの場合、泥棒やゴロツキ、構成員など後ろ暗いところがありますが、 大体はそこからある程度は合法的に飛び出し、冒険を続けているものです。 犯罪者組織も、町の外に出て盗賊になることに関しては結構寛容に捉えているものが多いというのが本当です。 余程その人物が今現在組織で重要な地位を占めていたり、組織の秘密を握っているなら話は別ですが。 ***ごろつき 流通レベル1~ ごろつきは街の、特にスラムなど治安の悪い場所に存在する犯罪者、あるいは犯罪者予備軍です。 大概その日々の生活をかつあげやスリ、かっぱらいなどで済ませ、何か儲け話があれば暴力でそれに加担するような連中です。 大概犯罪組織の最下部であり、そういう組織からの使いっ走りをこなして小遣いをもらうこともあります。 TRPG的に言えば人間類における雑魚であり、もっとも頻繁に出てくるやられ役です。 ただし、腕に覚えのあるゴロツキもいる可能性があるので、ごろつきだからと全てなめてかかるのは危険でしょう。 ***泥棒 流通レベル2~ 泥棒は、他人の家屋や建造物に侵入し、金品や価値あるものを盗み出すことを生業とする職種です。 勿論犯罪者なわけで、多くの場合捕まればよくて収監、悪ければ死罪は免れません。(法律はその地域の領主によります) 泥棒は普段はひっそりと暮らしていたり、ごろつきのようにしているもの、 使った金を全て金やギャンブルにすってしまい物など様々です。 また手段も押し込み強盗から忍び込むものまで様々であり、 人様の金品を狙うという意味での括りで泥棒とは呼ぶもののその個性は実に様々です。 泥棒の中には犯罪組織に所属するものもいればもぐりのものもいます。 しかしもし街で強力な組織力をもつ犯罪組織が存在するのであれば、 もぐりで活動することは非常に高いリスクを追うことになるでしょう。 要は追われるのが権力側(衛兵など)と同時に犯罪組織から付け狙われる可能性も出てくるわけですから。 ***物乞い 流通レベル3~ 物乞いは、戦で傷を追って働けなくなったり、盲目だったり、身体に障害を持っているなどまともに働けない ものが路上にて同情を誘い、金品を恵んでもらおうとする者たちです。 実際に本当にそういった不幸な生い立ちを持つものもいれば、単にそれを装っている詐欺師の連中もいます。 物乞いはわりと街のありとあらゆる場所におり、場所に合わせてしつこかったりおとなしかったりします。 スラムなら大声で喚き散らしているでしょうし、一般の街中ではひっそりと同情を引いているかもしれません。 小さな町ならともかく、大きな街において物乞いは大概犯罪組織に統制されます。 彼らの上がりからいくらかは収奪され、その代わりに物乞いをする権利を物乞い達は得るのです。 また、街のそこら中にいて転がっていても怪しまれない物乞いは様々な情報を耳にしたり、目にします。 この物乞いに因るネットワークは、当の物乞いたちがそれらの情報を犯罪組織に売って日銭を得れるようん することで犯罪組織の情報収集の網の一つとして高い実用性を誇っています。 場合によっては物乞いをまとめるためだけの人員が犯罪組織には存在することがあります。 ***組織員(構成員) 流通レベル3~ 組織員は何の組織員かといえば犯罪組織の組織員です。彼らは徒党を組み犯罪を行うプロの犯罪者集団です。 それこそ盗みや殺しなどの強引なものから、ショバ代を勝手に回収して回る、物乞いからあがりをピンはねする、 間抜けから詐欺で金をむしりとる、強引な金貸し業をしては身ぐるみはがす(勿論領主や商業組織非公認)、 人さらいをして売っぱらうなどなど。 えぐいことからマイルドなことまで全ての犯罪を取り仕切り、その実行を行うのが組織員たちです。 組織の規模によってこの組織員の質もだいぶ変わります。 大規模な街であればあるほど、治安状況にもよりますが組織は大きく複雑化し、強力な力を持っていることが多くなります。 逆に村や街レベルでは、本当に小悪党の集団といったレベルのものしか存在しないことがほとんどです。 また冒険者に関わる機会といえば、仲間の盗賊が情報収集しに行くことがほとんどでしょう。 彼らはそういった裏の情報を売買することで利益を得ているので、情報屋を内部においていることがほとんどです。 ただ注意して欲しいのは彼らが売ってくれるのは、売っても彼ら自身が不利にならないと考えている情報のみです。 当然、彼らの組織の立場が危うくなるような情報は売ってくれませんし、 そういうものを探ろうとすれば悲惨な結果を招く可能性があります。 ご注意下さい。 ***山賊 流通レベル1~ 山賊は山などに拠点を持ち、街道などを通る商人や旅人を狙い金品を強奪する他、場合によっては数が膨れ上がれば 近辺の村や街などを襲撃して金目の物などを強奪する戦闘犯罪者集団です。 その性質は基本的に凶暴であり、口封じのためや手間を省くために人殺しも厭わないものが大半です。 山賊退治は冒険者の仕事の中でもよく発生するものの一つですが、 一言で山賊と言ってもピンからキリまで実力は異なるためなめてかかることはやめたほうがいいでしょう。 ***海賊 流通レベル3~ 海賊は海における山賊のような存在であり、商船や客船を襲い金品を強奪します。 大砲のないこの時代、彼らは強引に船を横付けしたり、小舟で近づき鍵付きロープで渡ったり、 マストからさがるロープにぶら下がってターザンのように相手の船に乗り移り、襲撃し、強奪を働きます。 また優秀な海賊の中には、国家の認定を受け私掠船として秘密裏に他国の船を襲う許可を受けているものもあります。 とはいえ結局荒くれ者の集団であり、見境なく無関係な船や自国の船を襲ってしまう輩もいるため、 余程のことがない限り海賊がそういった私掠船としての採用をされることはありません。 ***河賊 流通レベル2~ 河賊は大きな川幅の河にて通行している商河船を狙い、強奪を働く海賊に似た存在です。 ただ違うのは、大概彼らは山賊行為も同時に働いたり、そもそも山賊から河賊に転向したりと、 本質的には陸の人間であり山賊に近しいものです。 持っているのもほとんど小型の船であり、それを利用してこっそり近づき、 船に鍵付きロープなどで潜入するのが彼らの常套手段です。 河賊に襲われた場合、場所が河だけに逃げる場所が殆ど無く、 河賊が諦めるまで撃退する必要があるというのがやや厄介なところです。

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