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「世界創成と神々」(2015/03/08 (日) 21:21:38) の最新版変更点
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*&bold(){世界観について}
ここより先はこのShared†Fantasia の世界における世界観に触れていく章になります。
この章で書かれていることはあくまで公式的にゲームプレイの手助けと参考の為に資料としてまとめているものです。
GMは各自、この設定を使ってもいいし、一部のみを流用しても良いし、全く使わなくても構いません。
また今後もこうした公式世界設定を発表していく予定ですが、それを採用する、
一部取り入れる、全く使わないのもやはりGMの自由です。
*&bold(){世界神話}
この世界において神話とは事実に基づいた伝聞、そして変形です。
実際に神々は存在し、人々を導く強力な存在として君臨していました。
それゆえにこの世界の神話は我々の世界で言うところの自然現象の暗喩や啓蒙的な逸話ではなく、
実際の神々の行動や口伝をそれぞれの祭司達が書き記したものです。
その為、多くの神話は事実に基づいており、解釈の違いはあれ実際に起きたことが記されています。
ただ注意すべき点は、所詮人が書き記し、あるいは口伝で伝えてきたものである為、
誇張や改変、解釈の変更等が行われ、本当に起こった事の詳細が描かれていないこともあります。
今から解説していくのはもっとも平均的な部分を抜き出した、恐らく正確であろう世界創世の記録です。
神々が到来し、そして天界に去るまでの期間をこの世界の一般的な歴史分類として“ 創世紀” と呼称します。
*&bold(){神々の到来と統一神王国}
まだ何もない世界、人は存在せず、原始の世界にただ獣と竜だけが存在した世界。
そこに天界より神々が到来した所から各神話は多くの共通点を持ち始めます。
それ以前の大地の創造や、動物、竜の発生については、神話間で一定せず、多くの説が存在しています。
これは神々が教え伝えたものがバラバラの喩えであったり、
あるいは一切人類に教えなかった為であると考えられています。
ともあれ多くの神話で共通するのは“ 天界(神話によって呼び名が違う場合あり)” から七柱の神が降臨し、
この地上の支配者として人類の祖先を作ったというものです。
七柱の神々は地に降り、人類の祖先と共に最初の国を作りました。
現在の人々はその国を『統一神王国』と呼び、最も人類が進化を遂げた期間だと語り継いでいます。
人々はこの時期に神々より多くの技術を学び、現在の人類の技術の基礎が出来たというわけです。
神々の指導の下、人類は順調に数を増やし、王国は発展を続けます。
この時代の多くの人間に悩みはなく、神々の命に従い、幸福な生活を送ったといわれ、
後の史家や神話学者は、この時代のことを“ 人類の黄金時代” と呼ぶ者もいます。
しかしこの黄金時代は永久に続くことはありませんでした。
栄え、増え、そして王国が拡大を続ける中、その先の方針について七柱の神の間で意見の相違が出始めたのです。
光明神ルミナスは法と秩序による正義と平和が守られる国を。
大神ジ・オルグはより自由を尊び、人類の自主性を重んじる国を。
雷神ベリスはより神々が主導する、自由闊達的な国を。
荒神アスラディオは神の治める秩序と力ある国を。
大地神ディーバ・ダグダは大地を重んじ、全ての生き物と融和する国を。
世界樹ダーナディアは自然そのものを重んじ、それを生かし、尊重する国を。
そしてはぐれ神ピルケーは人類そのものの放置と神々の天界への撤退を。
このそれぞれの神々の目指す方向性の違い故に、最終的に統一神王国は分裂の時を迎えます。
ピルケー以外の神々はそれぞれの理念に従う人類を連れて、各々の理想とする国を作ることとなりました。
統一神王国の首都は放棄され、人類はそこに戻ることを禁じられました。
*&bold(){神々の王国 神代六国}
六神はそれぞれ別の地に降り立ち、そこを新しき王国の首都としました。
ルミナスは内海の北に“ 光の国”ルミナディアを。
ジ・オルグは内海の南東に“ 祖国” ソルス=ベイを。
ベリスは内海の南西に“ 神王国”エリシュオンを。
アスラディオは大陸南東の海より陸地をその力で引き上げ“ 東国” アシハラを。
ディーバ・ダグダは南西の大陸にて“ 地中都市” アガルタを。
ダーナディアは大陸西にて“ 世界樹の森” ティル・ナ・ノグを。
それぞれの方針に適う国をつくり、それぞれのやり方で統治を始めました。
神の方針の下、人々は再度繁栄を取り戻し、地に溢れ、その居を広げ、多くの地を支配し始めました。
この時期の記録は、それぞれの神々の下の史家達が独自に歴史を記しており、様々な逸話や記録が残っています。
それらは一々書き出すときりがありませんのでここでは述べません。
ただ、総じてこの時代は第二の平和な時代とされ、多くの史家は“ 人類の白銀時代” と呼んだり、
“ 黄金時代” の後期として分類したりしています。
そしてこの平和な時代に終わりをもたらす大きな事件が起きます。
それが禍ツ神の地上侵攻です。
*&bold(){禍ツ神侵攻 神々の黄昏}
禍ツ神とはその正体については諸説あり、一説には七柱の神に類する存在であると言われています。
ただその性質は人々を庇護し導くものではなく、むしろ滅ぼし、
地上から一掃しようとしているのではないかと考えられています。
禍ツ神はその拠点とされる魔界と呼ばれる異世界から、魔界の住人を率いてやって来ました。
これが歴史で語るところの禍ツ神侵攻です。
禍ツ神侵攻は、現在の死の砂漠の中心部から放射状にその侵攻をはじめたといわれています。
魔界の軍勢、魔界の生物はその個体が人類よりも非常に強力なものが多く、
神々の国は唐突な危機に見舞われました。神々においてさえ、この侵攻は予想外のことだったのでしょう。
それを裏付けるように神の国々は初めこの戦いにおいてかなり苦戦を強いられます。
それは禍ツ神の率いる軍勢の中には魔王や魔獣と呼ばれる非常に強力な個体が含まれていたからです。
特に魔王は後に禍ツ神なしで独自に魔界から地上を侵攻するほど強力な力をもっており、
種としての人類と魔界の生物の力の差もあり、神々と人類はじわじわとその領土を侵略されていきました。
この侵攻は長期にわたり、長く人類を苦しめることになります。
神々はこの凶事に対し、当然ながら対策を講じ始めます。
まず多くの神々はこの時代に戦いの得意な従属神を作り出しました。
有名なところだとディーバ・ダグダの獣神や、アスラディオの鬼神達、
そして従属神ではないもののジ・オルグが盟約を結んだ六竜達などが強力な存在です。
またこの時代、ベリスは限られた人間に、魔術と呼ばれる強力な秘儀を伝え、戦力にしたとされています。
最初は劣勢だった戦いも、神々は徐々に勢いを取り戻し、魔界の軍勢を押し戻し始めます。
そうして最終的には死の砂漠の特異地点、魔界の軍勢が湧き出したその世界の接合地点まで押し返しました。
その地では禍ツ神、魔王率いる魔界の軍勢と、神々率いる軍勢の最後の決戦が行われました。
それが神々の治世の終幕を飾る“ 神々の黄昏(ラグナロク)” です。
この戦いによって多くの神々の多くの魔王と魔獣、そして戦いに参加した大いなる竜達は傷つきました。
禍ツ神はその身を八つに裂かれましたが、神々もその力を大きく減じ、天界に帰ることを余儀なくされました。
また魔王や魔獣も禍ツ神を失ったことで魔界へ帰り、盟約を守った竜達も力を回復する為眠りにつきました。
これより後、神々は神官と呼ばれる一部の信者達に力を与えながら、時たま啓示を与えて教え導く存在となります。
しかしながら神々の信望者達の一部は、いつか神々がその力を取り戻した暁にこの世界に戻り、
世界を再び黄金時代のような理想郷として治めると信じています。
以後は人類の歴史として「世界と国家」の項目にて解説します。
以下に七柱の神と禍ツ神との解説を軽くしておきます。
*&bold(){七柱の神々}
&bold(){光明神ルミナス}
法の神、秩序の神などの異名をとる七柱の神々の一柱。
シンボルは十字光で、その姿は光り輝く巨人であったと伝えられる。
律法と社会秩序を重んじ、人は法により律することによって理想的な社会を築けると説く神。
その教義は人の性質の中の欲望や悪徳を抑制する為に法という道具を用い、
守り、法を破るものを罰することで秩序の維持を行うというもの。
その法により人類の人類による統治を理想とした。
神代六国時代には光の国ルミナディアを築き、首都アークロードはその威光が隅々まで届く、
当時最も輝かしい都だったと記録されている。
従属神を持たないのが特徴で、代わりに天使と呼ばれる存在を従属神のように従えている。
天使達の力の差はかなり大きく、特に神々にも近い力を持っていた存在を大天使(アークエンジェル)と呼ぶ。
彼らは神々に直接側仕えた天使たちであるといわれている。
それに対し下級の天使達はルミナスの御心を叶える為、大天使の手足として奔走していたという。
禍ツ神侵攻の際には天使の軍勢はもっとも統制の取れた軍勢として名を馳せた。
神々の黄昏の後は、人々に秩序ある王国の維持を命じ、天界に帰った。
その教えはルミナス教として広く後継国に広まっている。
&bold(){大神ジ・オルグ}
七柱の神の中でも一際大きな体躯を持っていたといわれるが故に大神と呼ばれた神。
禍ツ神侵攻の際には竜と盟約を結んだことから竜王神と呼ばれることもある。
人間自身の自主性を重んじ、神々はその監督役と、最低限の役割を果たすべきだと主張した。
教義としては労働と勤勉さを美徳と定め、日常での節制を求める。
ただ、自身が巨体の大食であるともされ、収穫祭や感謝祭を推奨する。
酒も大好きなので、酒造りも推奨される。奉納品は酒が定番。
神代六国時代は祖国ソルス=ベイを建国。
祖国と呼ばれるのは、この国からさらに多くの地へ新たな街、国の設立者が旅立ったからである。
彼の傘下の神々はジオ神族と呼ばれ、多くの人間を神々として昇華させている。
特に人間としての文明の発展に貢献のあった英傑や偉人が取り上げられたことが多い。
ただ、その殆どはジ・オルグが天界に帰ってから昇華された者達ばかりだ。
禍ツ神侵攻の際には人類を戦いの為に昇格させることを好まず、
世界に存在する強力な竜と話をつけ、盟約の六竜として戦争に参加させたことはあまりにも有名。
この六竜は今でも各地で眠り、または活動を続けているという。
神々の黄昏の後、ジ・オルグは天界に退いた。
元々人間の自主性を重んじていたジ・オルグは、人の王に後の全てを任せたとされている。
そして、人間を見守る為の力として従属神を昇華し始めたのだといわれている。
それら従属神の多彩さからそれらを奉じる神殿も多く、何よりジ・オルグ自身も高い人気のある神である為、
ジオ神族の信者は多く、かつ世界に多く広がっている。
&bold(){雷神ベリス}
大いなる父、激神の異名でも知られ、七柱の神の中で最も感情豊かだったとされる。
また雷神の異名は、激すると雷を纏ったが故といわれている。
人間に対する姿勢は、自らが人間の先頭に立ち、直接導くことを良しとし、
最も優れた者が民を率いることこそが大衆の幸せであると考えていたという。
教義としては力の肯定と、人類本来の善性を信じ、引き出す重要性を説いている。
同時に力ある者はそれだけのものを得る資格があるのだとも説く。
このベリス自身の価値観故か非常に享楽的であり、天界へ退くまで多くの酒や女性を捧げさせたという。
神代六国時代は神王国エリシュオンを建国し、自らが神王として国を栄えさせた。
この統治時代にベリスは多くの妻を娶り、その妻達との間にベリス神族と呼ばれる神々を生み出している。
ベリス神族はベリスと同じく人間的な神々が多く、その情熱的な性質を特徴とする。
ベリスとその神族が天界に帰った後、新たなベリス神族は発生していないがベリス神の血を引く子孫が、
時に驚異的な力を発揮することがあり、英雄として祭り上げられる場合もある。
禍ツ神侵攻の際には、神族、国の英傑とともに先陣を切って戦ったという。
また現在存在する魔術は、この戦争の際にベリスが一部の人間に伝えた技術が祖であるといわれている。
神々の黄昏時、ベリスは最も深い傷を負った神であるともいわれ、
人類には「栄えるよう」とだけ伝え天界へと帰ったといわれている。
直接指導者を突然失ったことと、その直下の統治体制が都市毎だったことが
現在のベリス文化圏の都市国家文化の端緒であるという。
&bold(){荒神アスラディオ}
武神、征服神の異名をももつ、非常に荒々しい巨人であったといわれている。
アスラディオの思想は、神を頂点とする支配体制であると同時に、絶対的な組織の構築を是とする。
人類の幸せは目上の者(神)に仕え、秩序を維持するものとした。
神代六国時代には、大陸東にて自らだけの領地を求め、最終的に海の下の大陸を自らの鉾をもって突き、
引き上げて新たな領地としたといわれている。
しかし引き上げた時点ではまだ国を立てるには問題があった。
新大陸には様々な、怪物といえる存在が巣食っていたからである。
アスラディオはその様々な怪物を征伐し、支配圏を確立し、東国“ アシハラ” を打ち建てた。
この東国征伐と呼ばれる戦いの中で活躍をした人間達が後の“ 武神”
として昇華され禍ツ神侵攻の際に戦功を上げたという。
アスラディオ自身も禍ツ神侵攻の際には海を渡って参戦し、臣下である武神達と共に大いに活躍した。
またアスラディオは打ち負かした魔界の将さえも自軍に取り込み鬼神として活躍させたといわれる。
神々の黄昏の後、天界に退いた際には人間との間にもうけた子に後を任せた。
これがアシハラに存在する天帝の起源であるとされる。
&bold(){大地神ディーバ・ダグダ}
化身の神ともいわれ、その姿かたちは変幻自在の神であったといわれている。
人類をこの世界の生物の一つと定め、多くの他の動物との融和を説く神である。
特に特徴的なのは、従属神として様々な動物や果ては竜まで取り上げ、人類の指導者としたことである。
世界の中の要素においても、特に大地に重きを置き、その力と恵みを最大限生かすことを説く。
また大地の力を生かすものとして、農耕も大いに推奨している。
神代六国時代には、南の大陸に渡り、大地の力の象徴たる高山内部とその地下に地中都市アガルタを建造した。
この時、ディーバ・ダグダによって地に適応するに最適な能力を与えられた人類というのが現在のドワーフ達である。
人が増えるにつれて支配地が広がり、その先に出会う獣の中には大きな力を持つものもいた。
それらの獣に対し、ディーバは人類としての力を与えることで文化圏の一員とした。
この事により多くの獣人と呼ばれる種族が誕生している。
またディーバ・ダグダは特にこの時点で神族をもたなかったが、その姿を変貌させ様々な側面を持っていた為、
現在ではそれぞれの化身自体が別個の信仰対象となっていたりする。
禍ツ神侵攻の際には、神族を持たぬため、やや劣勢を強いられたが獣人の中から優れた者を選び出し、
獣神として昇華し、その力によって状況を覆した。
これらのことより彼ら獣神達はディーバ神族と呼ばれる。
神々の黄昏の後、ディーバは実は天界に戻っていない。
その身を癒す方法と戦争で傷ついた大地の再生を兼ねる為、大地と同化する道を選んだという。
&bold(){世界樹ダーナディア}
現在においては世界樹と呼ばれるダーナディアであるが、最初から世界樹だったわけではない。
元々は自然、特に森や植物の生命力を重視し、それらと融和した人類こそ重要だと主張した神である。
その姿の伝承はあまり多くないが細身ながらも神の例に漏れず巨人であったといわれる。
自然と同化し、自然の中のサイクルの一つとして生きることを至上の生き方とする。
食事の為以外の殺生を禁じ、感情を激しく動かさず、心静かに生きることこそが平安の生だと説く。
意図的に植物を食用に育成、栽培することなどは禁止されている。
神代六国時代には、内海西の森に大いなる世界樹を育み、生活圏の守りとした。
それが世界樹の恩恵を受けた常若の国、
ティル・ナ・ノグであり世界樹の生命力を生かしてダーナディアが変化させた人類がエルフ達である。
エルフ達はティル・ナ・ノグ以外にも世界樹の苗木を各地の森に運び、
そこで新たな世界樹を育てることでその生活圏を広げていった。
ダーナディアは神族らしき神族は持たないが、
世界樹が崇拝対象であるため地域のコミュニティごとに崇拝するそれぞれの世界樹が存在している。
これは、コミュニティの数だけ神が存在しているようなものである。
禍ツ神との戦争の際には、主にエルフ達がその生命の力を使って、前線で戦った者たちを癒したといわれている。
神々の黄昏の後、傷ついたダーナディアは、その身を癒す為天界には戻らず、
大世界樹(最初の世界樹)と一体化して眠りについた。
&bold(){はぐれ神ピルケー}
はじまりの七柱の神々に含まれているもののかなり謎に包まれているのがこの神である。
人類の創造を共に行い、統一神国の統治にまで関わっていたが、その後の方針で人類に干渉しないことを主張し、
神代六国時代には己の民をもたず行方不明になった。
その経緯ゆえに圧倒的に文献が少なく、また現在までの信者も存在せず、どんな神だったのか謎。
その謎に包まれた経緯ゆえに、様々な異説が唱えられており、すでに天界に帰ってしまい存在しないとか、
この世界を姿を変えながら放浪し続けているとか、歴史の折々に現れ人類をこっそり導いているとか、
果ては、実は禍ツ神の正体こそこのピルケーなのではないか、という説まで存在する。
なんにしろ現在このピルケーを崇める民は存在しない。
&bold(){禍ツ神(まがつかみ)}
その名は知られず、その性質より禍ツ神(災厄の神)としてだけ知られるのがこの神である。
起源は不明だが、その力は七柱の神々と同等かそれ以上だといわれている。
その目的も未だ明らかになっていないが、ただ一つ明らかなことは、
この神は地上を侵し、人類を脅かすことになんら躊躇いは持っていないということである。
本拠は魔界に存在したといわれ、魔界の魔王や魔獣、そして魔界の住民“ 悪魔” を従えていた。
禍ツ神侵攻に失敗し、六柱の神によって体を8つに引き裂かれたとされているがその体がどうなったか、
そしてもう二度と復活しないのか、それについては不明である。
ただ多くの宗教において禍ツ神の復活は警戒されており、
魔界の勢力が復活を目論んでいるという話も未だまことしやかに囁かれている。
*&bold(){世界観について}
ここより先はこのShared†Fantasia の世界における世界観に触れていく章になります。
この章で書かれていることはあくまで公式的にゲームプレイの手助けと参考の為に資料としてまとめているものです。
GMは各自、この設定を使ってもいいし、一部のみを流用しても良いし、全く使わなくても構いません。
また今後もこうした公式世界設定を発表していく予定ですが、それを採用する、
一部取り入れる、全く使わないのもやはりGMの自由です。
*&bold(){世界神話}
この世界において神話とは事実に基づいた伝聞、そして変形です。
実際に神々は存在し、人々を導く強力な存在として君臨していました。
それゆえにこの世界の神話は我々の世界で言うところの自然現象の暗喩や啓蒙的な逸話ではなく、
実際の神々の行動や口伝をそれぞれの祭司達が書き記したものです。
その為、多くの神話は事実に基づいており、解釈の違いはあれ実際に起きたことが記されています。
ただ注意すべき点は、所詮人が書き記し、あるいは口伝で伝えてきたものである為、
誇張や改変、解釈の変更等が行われ、本当に起こった事の詳細が描かれていないこともあります。
今から解説していくのはもっとも平均的な部分を抜き出した、恐らく正確であろう世界創世の記録です。
神々が到来し、そして天界に去るまでの期間をこの世界の一般的な歴史分類として“ 創世紀” と呼称します。
*&bold(){神々の到来と統一神王国}
まだ何もない世界、人は存在せず、原始の世界にただ獣と竜だけが存在した世界。
そこに天界より神々が到来した所から各神話は多くの共通点を持ち始めます。
それ以前の大地の創造や、動物、竜の発生については、神話間で一定せず、多くの説が存在しています。
これは神々が教え伝えたものがバラバラの喩えであったり、
あるいは一切人類に教えなかった為であると考えられています。
ともあれ多くの神話で共通するのは“ 天界(神話によって呼び名が違う場合あり)” から七柱の神が降臨し、
この地上の支配者として人類の祖先を作ったというものです。
七柱の神々は地に降り、人類の祖先と共に最初の国を作りました。
現在の人々はその国を『統一神王国』と呼び、最も人類が進化を遂げた期間だと語り継いでいます。
人々はこの時期に神々より多くの技術を学び、現在の人類の技術の基礎が出来たというわけです。
神々の指導の下、人類は順調に数を増やし、王国は発展を続けます。
この時代の多くの人間に悩みはなく、神々の命に従い、幸福な生活を送ったといわれ、
後の史家や神話学者は、この時代のことを“ 人類の黄金時代” と呼ぶ者もいます。
しかしこの黄金時代は永久に続くことはありませんでした。
栄え、増え、そして王国が拡大を続ける中、その先の方針について七柱の神の間で意見の相違が出始めたのです。
光明神ルミナスは法と秩序による正義と平和が守られる国を。
大神ジ・オルグはより自由を尊び、人類の自主性を重んじる国を。
雷神ベリスはより神々が主導する、自由闊達的な国を。
荒神アスラディオは神の治める秩序と力ある国を。
大地神ディーバ・ダグダは大地を重んじ、全ての生き物と融和する国を。
世界樹ダーナディアは自然そのものを重んじ、それを生かし、尊重する国を。
そしてはぐれ神ピルケーは人類そのものの放置と神々の天界への撤退を。
このそれぞれの神々の目指す方向性の違い故に、最終的に統一神王国は分裂の時を迎えます。
ピルケー以外の神々はそれぞれの理念に従う人類を連れて、各々の理想とする国を作ることとなりました。
統一神王国の首都は放棄され、人類はそこに戻ることを禁じられました。
*&bold(){神々の王国 神代六国}
六神はそれぞれ別の地に降り立ち、そこを新しき王国の首都としました。
ルミナスは内海の北に“ 光の国”ルミナディアを。
ジ・オルグは内海の南東に“ 祖国” ソルス=ベイを。
ベリスは内海の南西に“ 神王国”エリシュオンを。
アスラディオは大陸南東の海より陸地をその力で引き上げ“ 東国” アシハラを。
ディーバ・ダグダは南西の大陸にて“ 地中都市” アガルタを。
ダーナディアは大陸西にて“ 世界樹の森” ティル・ナ・ノグを。
それぞれの方針に適う国をつくり、それぞれのやり方で統治を始めました。
神の方針の下、人々は再度繁栄を取り戻し、地に溢れ、その居を広げ、多くの地を支配し始めました。
この時期の記録は、それぞれの神々の下の史家達が独自に歴史を記しており、様々な逸話や記録が残っています。
それらは一々書き出すときりがありませんのでここでは述べません。
ただ、総じてこの時代は第二の平和な時代とされ、多くの史家は“ 人類の白銀時代” と呼んだり、
“ 黄金時代” の後期として分類したりしています。
そしてこの平和な時代に終わりをもたらす大きな事件が起きます。
それが禍ツ神の地上侵攻です。
*&bold(){禍ツ神侵攻 神々の黄昏}
禍ツ神とはその正体については諸説あり、一説には七柱の神に類する存在であると言われています。
ただその性質は人々を庇護し導くものではなく、むしろ滅ぼし、
地上から一掃しようとしているのではないかと考えられています。
禍ツ神はその拠点とされる魔界と呼ばれる異世界から、魔界の住人を率いてやって来ました。
これが歴史で語るところの禍ツ神侵攻です。
禍ツ神侵攻は、現在の死の砂漠の中心部から放射状にその侵攻をはじめたといわれています。
魔界の軍勢、魔界の生物はその個体が人類よりも非常に強力なものが多く、
神々の国は唐突な危機に見舞われました。神々においてさえ、この侵攻は予想外のことだったのでしょう。
それを裏付けるように神の国々は初めこの戦いにおいてかなり苦戦を強いられます。
それは禍ツ神の率いる軍勢の中には魔王や魔獣と呼ばれる非常に強力な個体が含まれていたからです。
特に魔王は後に禍ツ神なしで独自に魔界から地上を侵攻するほど強力な力をもっており、
種としての人類と魔界の生物の力の差もあり、神々と人類はじわじわとその領土を侵略されていきました。
この侵攻は長期にわたり、長く人類を苦しめることになります。
神々はこの凶事に対し、当然ながら対策を講じ始めます。
まず多くの神々はこの時代に戦いの得意な従属神を作り出しました。
有名なところだとディーバ・ダグダの獣神や、アスラディオの鬼神達、
そして従属神ではないもののジ・オルグが盟約を結んだ六竜達などが強力な存在です。
またこの時代、ベリスは限られた人間に、魔術と呼ばれる強力な秘儀を伝え、戦力にしたとされています。
最初は劣勢だった戦いも、神々は徐々に勢いを取り戻し、魔界の軍勢を押し戻し始めます。
そうして最終的には死の砂漠の特異地点、魔界の軍勢が湧き出したその世界の接合地点まで押し返しました。
その地では禍ツ神、魔王率いる魔界の軍勢と、神々率いる軍勢の最後の決戦が行われました。
それが神々の治世の終幕を飾る“ 神々の黄昏(ラグナロク)” です。
この戦いによって多くの神々の多くの魔王と魔獣、そして戦いに参加した大いなる竜達は傷つきました。
禍ツ神はその身を八つに裂かれましたが、神々もその力を大きく減じ、天界に帰ることを余儀なくされました。
また魔王や魔獣も禍ツ神を失ったことで魔界へ帰り、盟約を守った竜達も力を回復する為眠りにつきました。
これより後、神々は神官と呼ばれる一部の信者達に力を与えながら、時たま啓示を与えて教え導く存在となります。
しかしながら神々の信望者達の一部は、いつか神々がその力を取り戻した暁にこの世界に戻り、
世界を再び黄金時代のような理想郷として治めると信じています。
以後は人類の歴史として「世界と国家」の項目にて解説します。
以下に七柱の神と禍ツ神との解説を軽くしておきます。
*&bold(){七柱の神々}
&bold(){光明神ルミナス}
法の神、秩序の神などの異名をとる七柱の神々の一柱。
シンボルは十字光で、その姿は光り輝く巨人であったと伝えられる。
律法と社会秩序を重んじ、人は法により律することによって理想的な社会を築けると説く神。
その教義は人の性質の中の欲望や悪徳を抑制する為に法という道具を用い、
守り、法を破るものを罰することで秩序の維持を行うというもの。
その法により人類の人類による統治を理想とした。
神代六国時代には光の国ルミナディアを築き、首都アークロードはその威光が隅々まで届く、
当時最も輝かしい都だったと記録されている。
従属神を持たないのが特徴で、代わりに天使と呼ばれる存在を従属神のように従えている。
天使達の力の差はかなり大きく、特に神々にも近い力を持っていた存在を大天使(アークエンジェル)と呼ぶ。
彼らは神々に直接側仕えた天使たちであるといわれている。
それに対し下級の天使達はルミナスの御心を叶える為、大天使の手足として奔走していたという。
禍ツ神侵攻の際には天使の軍勢はもっとも統制の取れた軍勢として名を馳せた。
神々の黄昏の後は、人々に秩序ある王国の維持を命じ、天界に帰った。
その教えはルミナス教として広く後継国に広まっている。
&bold(){大神ジ・オルグ}
七柱の神の中でも一際大きな体躯を持っていたといわれるが故に大神と呼ばれた神。
禍ツ神侵攻の際には竜と盟約を結んだことから竜王神と呼ばれることもある。
人間自身の自主性を重んじ、神々はその監督役と、最低限の役割を果たすべきだと主張した。
教義としては労働と勤勉さを美徳と定め、日常での節制を求める。
ただ、自身が巨体の大食であるともされ、収穫祭や感謝祭を推奨する。
酒も大好きなので、酒造りも推奨される。奉納品は酒が定番。
神代六国時代は祖国ソルス=ベイを建国。
祖国と呼ばれるのは、この国からさらに多くの地へ新たな街、国の設立者が旅立ったからである。
彼の傘下の神々はジオ神族と呼ばれ、多くの人間を神々として昇華させている。
特に人間としての文明の発展に貢献のあった英傑や偉人が取り上げられたことが多い。
ただ、その殆どはジ・オルグが天界に帰ってから昇華された者達ばかりだ。
禍ツ神侵攻の際には人類を戦いの為に昇格させることを好まず、
世界に存在する強力な竜と話をつけ、盟約の六竜として戦争に参加させたことはあまりにも有名。
この六竜は今でも各地で眠り、または活動を続けているという。
神々の黄昏の後、ジ・オルグは天界に退いた。
元々人間の自主性を重んじていたジ・オルグは、人の王に後の全てを任せたとされている。
そして、人間を見守る為の力として従属神を昇華し始めたのだといわれている。
それら従属神の多彩さからそれらを奉じる神殿も多く、何よりジ・オルグ自身も高い人気のある神である為、
ジオ神族の信者は多く、かつ世界に多く広がっている。
&bold(){雷神ベリス}
大いなる父、激神の異名でも知られ、七柱の神の中で最も感情豊かだったとされる。
また雷神の異名は、激すると雷を纏ったが故といわれている。
人間に対する姿勢は、自らが人間の先頭に立ち、直接導くことを良しとし、
最も優れた者が民を率いることこそが大衆の幸せであると考えていたという。
教義としては力の肯定と、人類本来の善性を信じ、引き出す重要性を説いている。
同時に力ある者はそれだけのものを得る資格があるのだとも説く。
このベリス自身の価値観故か非常に享楽的であり、天界へ退くまで多くの酒や女性を捧げさせたという。
神代六国時代は神王国エリシュオンを建国し、自らが神王として国を栄えさせた。
この統治時代にベリスは多くの妻を娶り、その妻達との間にベリス神族と呼ばれる神々を生み出している。
ベリス神族はベリスと同じく人間的な神々が多く、その情熱的な性質を特徴とする。
ベリスとその神族が天界に帰った後、新たなベリス神族は発生していないがベリス神の血を引く子孫が、
時に驚異的な力を発揮することがあり、英雄として祭り上げられる場合もある。
禍ツ神侵攻の際には、神族、国の英傑とともに先陣を切って戦ったという。
また現在存在する魔術は、この戦争の際にベリスが一部の人間に伝えた技術が祖であるといわれている。
神々の黄昏時、ベリスは最も深い傷を負った神であるともいわれ、
人類には「栄えるよう」とだけ伝え天界へと帰ったといわれている。
直接指導者を突然失ったことと、その直下の統治体制が都市毎だったことが
現在のベリス文化圏の都市国家文化の端緒であるという。
&bold(){荒神アスラディオ}
武神、征服神の異名をももつ、非常に荒々しい巨人であったといわれている。
アスラディオの思想は、神を頂点とする支配体制であると同時に、絶対的な組織の構築を是とする。
人類の幸せは目上の者(神)に仕え、秩序を維持するものとした。
神代六国時代には、大陸東にて自らだけの領地を求め、最終的に海の下の大陸を自らの鉾をもって突き、
引き上げて新たな領地としたといわれている。
しかし引き上げた時点ではまだ国を立てるには問題があった。
新大陸には様々な、怪物といえる存在が巣食っていたからである。
アスラディオはその様々な怪物を征伐し、支配圏を確立し、東国“ アシハラ” を打ち建てた。
この東国征伐と呼ばれる戦いの中で活躍をした人間達が後の“ 武神”
として昇華され禍ツ神侵攻の際に戦功を上げたという。
アスラディオ自身も禍ツ神侵攻の際には海を渡って参戦し、臣下である武神達と共に大いに活躍した。
またアスラディオは打ち負かした魔界の将さえも自軍に取り込み鬼神として活躍させたといわれる。
神々の黄昏の後、天界に退いた際には人間との間にもうけた子に後を任せた。
これがアシハラに存在する天帝の起源であるとされる。
&bold(){大地神ディーバ・ダグダ}
化身の神ともいわれ、その姿かたちは変幻自在の神であったといわれている。
人類をこの世界の生物の一つと定め、多くの他の動物との融和を説く神である。
特に特徴的なのは、従属神として様々な動物や果ては竜まで取り上げ、人類の指導者としたことである。
世界の中の要素においても、特に大地に重きを置き、その力と恵みを最大限生かすことを説く。
また大地の力を生かすものとして、農耕も大いに推奨している。
神代六国時代には、南の大陸に渡り、大地の力の象徴たる高山内部とその地下に地中都市アガルタを建造した。
この時、ディーバ・ダグダによって地に適応するに最適な能力を与えられた人類というのが現在のドワーフ達である。
人が増えるにつれて支配地が広がり、その先に出会う獣の中には大きな力を持つものもいた。
それらの獣に対し、ディーバは人類としての力を与えることで文化圏の一員とした。
この事により多くの獣人と呼ばれる種族が誕生している。
またディーバ・ダグダは特にこの時点で神族をもたなかったが、その姿を変貌させ様々な側面を持っていた為、
現在ではそれぞれの化身自体が別個の信仰対象となっていたりする。
禍ツ神侵攻の際には、神族を持たぬため、やや劣勢を強いられたが獣人の中から優れた者を選び出し、
獣神として昇華し、その力によって状況を覆した。
これらのことより彼ら獣神達はディーバ神族と呼ばれる。
神々の黄昏の後、ディーバは実は天界に戻っていない。
その身を癒す方法と戦争で傷ついた大地の再生を兼ねる為、大地と同化する道を選んだという。
&bold(){世界樹ダーナディア}
現在においては世界樹と呼ばれるダーナディアであるが、最初から世界樹だったわけではない。
元々は自然、特に森や植物の生命力を重視し、それらと融和した人類こそ重要だと主張した神である。
その姿の伝承はあまり多くないが細身ながらも神の例に漏れず巨人であったといわれる。
自然と同化し、自然の中のサイクルの一つとして生きることを至上の生き方とする。
食事の為以外の殺生を禁じ、感情を激しく動かさず、心静かに生きることこそが平安の生だと説く。
意図的に植物を食用に育成、栽培することなどは禁止されている。
神代六国時代には、内海西の森に大いなる世界樹を育み、生活圏の守りとした。
それが世界樹の恩恵を受けた常若の国、
ティル・ナ・ノグであり世界樹の生命力を生かしてダーナディアが変化させた人類がエルフ達である。
エルフ達はティル・ナ・ノグ以外にも世界樹の苗木を各地の森に運び、
そこで新たな世界樹を育てることでその生活圏を広げていった。
ダーナディアは神族らしき神族は持たないが、
世界樹が崇拝対象であるため地域のコミュニティごとに崇拝するそれぞれの世界樹が存在している。
これは、コミュニティの数だけ神が存在しているようなものである。
禍ツ神との戦争の際には、主にエルフ達がその生命の力を使って、前線で戦った者たちを癒したといわれている。
神々の黄昏の後、傷ついたダーナディアは、その身を癒す為天界には戻らず、
大世界樹(最初の世界樹)と一体化して眠りについた。
&bold(){はぐれ神ピルケー}
はじまりの七柱の神々に含まれているもののかなり謎に包まれているのがこの神である。
人類の創造を共に行い、統一神国の統治にまで関わっていたが、その後の方針で人類に干渉しないことを主張し、
神代六国時代には己の民をもたず行方不明になった。
その経緯ゆえに圧倒的に文献が少なく、また現在までの信者も存在せず、どんな神だったのか謎。
その謎に包まれた経緯ゆえに、様々な異説が唱えられており、すでに天界に帰ってしまい存在しないとか、
この世界を姿を変えながら放浪し続けているとか、歴史の折々に現れ人類をこっそり導いているとか、
果ては、実は禍ツ神の正体こそこのピルケーなのではないか、という説まで存在する。
なんにしろ現在このピルケーを崇める民は存在しない。
&bold(){禍ツ神(まがつかみ)}
その名は知られず、その性質より禍ツ神(災厄の神)としてだけ知られるのがこの神である。
起源は不明だが、その力は七柱の神々と同等かそれ以上だといわれている。
その目的も未だ明らかになっていないが、ただ一つ明らかなことは、
この神は地上を侵し、人類を脅かすことになんら躊躇いは持っていないということである。
本拠は魔界に存在したといわれ、魔界の魔王や魔獣、そして魔界の住民“ 悪魔” を従えていた。
禍ツ神侵攻に失敗し、六柱の神によって体を8つに引き裂かれたとされているがその体がどうなったか、
そしてもう二度と復活しないのか、それについては不明である。
ただ多くの宗教において禍ツ神の復活は警戒されており、
魔界の勢力が復活を目論んでいるという話も未だまことしやかに囁かれている。
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