錬金術とは、このShared † Fantasia の世界における化学のような技術です。
様々な物質における成分や効果、性質を研究し、それを反応、
精製などさせることにより様々な新しい物質や道具、薬品を作り出します。
神や魔法、多くの不可思議が存在するShared † Fantasia の世界においては、
史実上の錬金術とは違い、研究の成果は想像以上の不思議な効果を表すものも多くなります。
特に錬金術師が主に生成する成果物は“ 秘薬(ポーション)” と呼ばれるものです。
秘薬は、飲んだり、塗ったり、振りかけたりすることで様々な効果を発揮します。
さらにそれ以外にも錬金術を極めていったものは、様々な神秘物質を作り出せるといいます。
多くの錬金術師達は最終的に“ 賢者の石” を作り出すことを目的としているとも言います。
錬金術の成果物の製作
錬金術の成果物、例えば秘薬を作成するためにはまず秘薬の材料が必要です。
秘薬の材料は様々です。薬草、木の実の類であったり、動物の体の一部や特殊な鉱石を使用します。
秘薬の作成に必要な材料を揃えたら、それを適切な技術で加工する必要があります。
この加工するための技術が技能の『学問/錬金』です。
作成する秘薬により作成の難しさは異なりますが、『学問/錬金』技能に成功する事で、無事秘薬が完成します。
つまり手順にすると
1.作成する成果物を決める
↓
2.必要な材料を揃える
↓
3.成果物作成の為の『学問/錬金』技能判定
この成果物の製作を行う上で、まず理解する必要があるのが” 錬金術における要素” の概念です。
■錬金術における要素
錬金術における要素とは、錬金術における様々な材料の成分というものを概念として扱うものです。
例えば、一つの傷薬を作ろうとした時に、とある薬草と木の実が必要だとします。
この時、作成に重要なのは薬草内に含まれるとある成分と、木の実に含まれるとある成分だとします。
その成分の、薬草のものを“ 滋養”、木の実のものを“ 鎮痛” の要素として概念的に捉えます。
こうして要素を抜き出し捉える事により、同じ要素を持つ別素材でも同様の傷薬を作れる事にするわけです。
上記の例を再度、式で表すとするなら
傷薬=薬草(要素:滋養)+木の実(要素:鎮痛)
であると同時に
傷薬=ある動物の内臓(要素:滋養)+とある植物の汁(要素:鎮痛)
という風に同じ要素のものであれば同じ成果物を作ることが可能ということです。
勿論、先程の例が可能であれば
傷薬=薬草(滋養)+とある植物の汁(鎮痛)
=ある動物の内臓(滋養)+木の実(鎮痛)
も可能であるということです。
さらに要素にはレベルが存在します。
例えば、滋養1と、滋養2は別の要素として扱われます。
滋養1の材料をいくら集めても原則的には滋養2の代替として扱うことはできません。
ただし滋養2は滋養1の代替として扱うことが出来るという特徴があります。
これはレベルが下の物を上の物の代替にはできないが、上の物は下の物に代替できるからと考えてください。
また、材料の中には複数の要素を持っている場合がありますが、
原則的には一つの材料を錬金術の要素として使用した場合、目的とした成果物を作成した後、その材料は失われます。
つまり滋養1と鎮痛1の両方の要素を持っている材料があり、
その材料を滋養1の要素が必要な成果物の材料として使用した場合、
その材料における鎮痛1の要素は無駄になるということです。
ただし、もし作成する成果物が滋養1と鎮痛1を必要とする成果物だったなら、
その材料一つでその成果物の必要要素を満たせるということになります。
どのような素材にどのような要素が存在するかはルールブック上で設定されるものの他、
シナリオのネタや、運用上に必要な場合、GMは自由に創りだして構いません。
■錬金術の素材(要素)の入手方法
錬金術の素材の入手方法は様々ですが、最も簡単なのは購入してしまうことです。
全ての素材には原則的に流通レベルと価格が存在するため、条件を満たせば購入できる可能性は高くなります。
しかし貴重な素材は大概入手は難しく、数があることは稀です。
そうでなくとも、素材を常に買っていれば、材料費としては高くつく場合が多いでしょう。
その為、素材は自力で入手することも一考に値します。(あるいは必須です。)
多くの素材は自然環境の中に存在しています。
植物であれば様々な植生をもっており、素材によって指定された環境に存在します。
ただし、多くの森と指定されているなら、大半の森にはあるでしょう。
少数の森となっていれば、比較的植生が珍しい植物だと言えます。
最終的には、どこに生えているかはGM及びシナリオが指定することとなります。
●入手に関する技能判定
素材が森の中に自生しているとしても、採取できるかどうかはわかりません。
その森の中からその素材を見つけ出せるかは技能の『生存術』によって判定を行います。
素材の入手先には場所とともに採取に必要な技能と、手に入れるために必要な達成値が記されています。
鉱物なら鉱山などでしょうし、必要な技術も『職能/鉱夫』となるでしょう。
もしモンスターや動物の体の一部であれば、そのモンスターを倒すことで入手(狩猟)出来ます。
ただしその際、モンスターや動物からの摘出は、相手の知名度判定に誰かが成功しておく必要があります。
相手がそのモンスターだとわからなければいけないのは当然ですね。
さらにその上で、生存術による解体に成功しなければなりません。
解体の難しさ(『生存術』の目標値)に関しては、入手先の対象生物の名前の後に「生存術10」などと表記されます。
■要素を持つ素材の例示
錬金術の要素を持つ素材は沢山ありますが、ここでは例として一部を掲載します。
他のデータはデータセクションを参照してください。
●項目の解説
名前
素材の名前
要素
その素材の持つ要素
入手方法
素材の入手方法。主に採集・採掘・狩猟などが存在する。
入手先
植物や鉱物の場合は主な採掘・採取可能場所。狩猟の場合は素材を持つ生物を指す。
売買価格
通常販売されている場合の価格。PCが売却を行う場合の価格はこの半分を基準とする。
流通L・重量
売買にて入手する場合に必要な都市の流通レベル。また重量も同時に記載する。
説明
その素材に関する説明。
名前 |
鎮痛系薬草 |
要素鎮痛 |
1 |
入手法 |
採取 |
入手先 |
多くの森、草原など(生存術10) |
売買価格 |
12G |
流通L・重量 |
2L・重量1 |
説明 |
森によく自生している薬草類。沢山の種類があるが、鎮痛系としてまとめる。 代表的な鎮痛系薬草はエルジ草、静寂草(しじまそう)、カルディア樹の葉などがある。 |
名前 |
滋養系種子 |
要素 |
滋養1 |
入手法 |
採取 |
入手先 |
多くの森(生存術10) |
売買価格 |
12G |
流通L・重量 |
2L・重量1 |
説明 |
森によく自生している植物の種子。沢山の種類があるが、滋養系としてまとめる。 代表的な滋養系種子は、ハシバミの実、王樹の種子、ハジケ草の種などがある。 |
名前 |
目無(めなし)蜥蜴の尻尾 |
要素 |
再生1 |
入手法 |
採取 |
入手先 |
洞窟、少数の森(生存術13) |
売買価格 |
20G |
流通L・重量 |
2L・重量0.5 |
説明 |
森に住む珍しい再生力の高い蜥蜴の尾。要素が存在するのは尾のみ。 目無蜥蜴は名前の通り目が退化した蜥蜴。暗い場所を好む。 |
■成果物作成のための判定
錬金術の材料=必要な要素が揃ったら、それらを錬金術的な手法を用いて成果物に合成します。
この加工において、錬金術師は必ず『錬金セット』か『携帯用錬金セット』を持っている必要があります。
それらの器具を持っているならば、一定の時間を加工に費やし、
成果物に設定された加工難度を目標値とした『学問/錬金』判定に成功したならば、
無事成果物を作り出すことができます。
この『学問/錬金』の判定に失敗した場合、素材は無駄になり、要素は失われます。
ただし、この判定を行うためには風雨にさらされない静かな環境が必要です。
雨は要素を台無しにしてしまう可能性がありますし、風は錬金用の道具をひっくり返すかもしれません。
主に錬金術の行使を行える場所は屋内、あるいは野外であれば最低限テントは必要でしょう。
それでは下記に成果物の主な例をいくつか載せておきます。
この他にも錬金術の成果物は沢山ありますが、それらはデータセクションを参照してください。
名前
成果物の名前
必要要素
その成果物の作成に必要な要素
加工難度
その成果物を作成するために必要な学問/錬金技能判定の達成値
製作時間
その成果物を作成するために必要な時間です。
流通L
その成果物を購入しようとした場合の必要流通レベルです。
適正売価
その成果物が錬金術専門の商店などで売られた場合の適正な売価です。
PCが作成したものをそういった商店に売却した場合おおよそ半分が標準買取価格です。
形状
その成果物の形です。秘薬は液体です。
効果時間
その成果物が及ぼす効果時間です。主に秘薬などの効果時間の為の項目です。
効果
その成果物が具体的に及ぼせる効果です。
名前 |
疲労回復促進の秘薬 |
必要要素 |
滋養1 |
加工難度 |
10 |
製作時間 |
30分 |
流通L |
3L |
適正売価 |
30G |
形状 |
飲薬(小瓶サイズ) |
効果時間 |
1 日 |
効果 |
飲むことで効果時間の間、疲労回復を助ける。 戦闘行動「呼吸を整える」際の疲労回復を1d+肉体値から1d+2+肉体値 に変更する。また、休息による重疲労の回復量を2 倍にする。 |
名前 |
傷薬 |
必要要素 |
滋養1、鎮痛1 |
加工難度 |
10 |
製作時間 |
30分 |
流通L |
2L |
適正売価 |
50G |
形状 |
軟膏(小瓶サイズ) |
効果時間 |
瞬時 |
効果 |
傷に対する消毒・鎮痛効果を高める膏薬。技能による『応急手当』の時、 膏薬として併用すると達成値を+3することが可能。 |
名前 |
治癒力増進の秘薬 |
必要要素 |
滋養1、再生1 |
加工難度 |
10 |
製作時間 |
1時間 |
流通L |
3L |
適正売価 |
65G |
形状 |
飲薬(小瓶サイズ) |
効果時間 |
1 日 |
効果 |
飲むことで効果時間の間、肉体の治癒力を高める秘薬。 効果時間内における8時間以上の睡眠で(通常1点の所)4点回復する。 もし1日中に床につき安静にしていた場合は、1+クラスのHP係数分の半分(端数切捨)+4点回復。 |
■秘薬の連続使用による身体の拒否反応
錬金術による秘薬は、魔法的要素と物質的要素の絡みあった複雑な効果を引き出しています。
これは、通常の魔法の原理と異なり、連続で作用を及ぼすと、時に肉体が拒否反応を示す可能性があります。
具体的には、同じ秘薬の効果時間の、2倍の間を置かずに連続使用した場合、
2dを振り11以上の出目が出ると秘薬が効果を発揮しない、ということです。
連続使用=同じ秘薬の効果時間の2倍以上の間を置かないでの使用この肉体による秘薬への拒否反応は、
通常の人類(ドワーフやエルフ含む)である限り逃れられません。
しかもこの拒否反応は、さらなる連続使用で累積していきます。
つまり、連続使用の時間内に秘薬を用い、拒否反応のダイスを振って10以下を出して効果を発揮したとして、
その連続使用をした時から換算して、再び連続使用となる時間内に同じ秘薬を使用した場合、
今度は9以上の出目が出ると効果を発揮しなくなります。
これはさらに累積し、さらに連続すれば7以上、5 以上、3 以上、最終的には必ず肉体が拒否します。
この拒否反応の累積は秘薬効果を発揮してもしなくても秘薬を使用した時点で累積する事に注意してください。
この拒否反応をリセットするには、
最後に秘薬を使用してから連続使用に当たらないようになる時間まで使用を断つしかありません。
また、この同じ秘薬という概念は、
同系秘薬の上位種(例えば肉体強化の秘薬と肉体強化の秘薬(強))においても同じ秘薬とみなされます。
具体的な見分け方としては同じ名前で後ろに()カッコがある場合、それは同系秘薬です。
最終更新:2015年01月19日 23:54