2009-12-15

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232 名前:学生さんは名前がない[sage] 投稿日:2009/12/15(火) 07:25:41 ID:vObP+guz0 今、会いにいくよぉ… 時刻は17:30となり、運命の時を迎えていた。 シャマルさんが予想していた通り、主であるはやてちゃんが夕食の買い物から帰ってきたのであった。 シャマルさんとの有意義?な練習(魔法による対はやてちゃん用コミュ力強化訓練)を終えた僕は、 はやてちゃんを出迎えるため、決戦の地”八神家玄関口”へと向かう。そう、ついに”本番”は開始されたのである。 さぁ、これからどうしようか… 僕は無言のまま玄関廊下に通じる扉の前にて立ち止まり、ドアノブに手をかけたまま、 この先の展開についての考えを頭の中で巡らせていた。 チャイムが既に鳴っているこの状況下で、悠長なことをしてる場合ではないことはわかってる…。 けれど、今の状態のままでは、どうしてもまだ準備不足な気がしてならないんだ…。いくら仮想はやてちゃんと台詞の練習をしたとはいえ、 玄関口に辿り着くまでの筋道や、台詞を言った後のフォローについても前もって考えておかなければ、 僕のことだからどうせまた本人の前でパニックを起こすに決まっている……(我ながら恥ずかしいけど… だから今回はそれをも回避するために、ここは一つ簡潔に速やかに、かつ慎重に少々シミューレションをしていく必要があると思うんだ。 時間ならおそらく大丈夫、30秒とかからないはず。その間、はやてちゃんを玄関で待たせるのは気が引けるけど…、 今は迷ってるときじゃないッ!迅速に行動に移していこう。 まずは、目の前にあるこの扉から。 これを開けると、八神家の玄関口までの距離は確か約10メートルほどあったはず。大まかな間取は下の図1の通り。  ┏━━┓  ┃B  ┗ 玄関口   ┃     C     ┃  ┃   ┏━━━┛  ┃   ┃  ┃   ┃     ☆:現在地  ┛   ┃     A:二階へ通じる階段  A..   ┃     B:直進した先にある若干のスペース  ┓   ┃     C:玄関口前  ┃ ドア.┃    ☆       図1.八神家玄関廊下間取図 ドアを開いた後は、☆の現在地からそのままC地点まで一気に直進して、はじめに玄関の鍵を開けようと思う。 233 名前:学生さんは名前がない[sage] 投稿日:2009/12/15(火) 07:25:58 ID:vObP+guz0 玄関の扉を開けたその先には、買い物の荷物を持ったはやてちゃん(天使)が立っているはずなので、 そこで、今まで練習してきた例の台詞を言おうじゃないか。ただし、「今日も可愛いですね」だけじゃ流石に不自然であるので、 「おかえりなさい、今日も可愛いですね」くらいに改変することにしよう。これなら自然だし、シャマルさんも許してくれるはず…。 次に、それを聞いたはやてちゃんは何らかのリアクションをしてくれるはずなので、返事を貰った後は、 B地点まで下がり、はやてちゃんがそのまま通り過ぎるのを待とう。これは3メートルルールを忠実に守るためだ。 (※3メートルルール:僕がはやてちゃんにいやらしいことをしないように制定された僕が守るべき八神家内のルール) B地点まで下がった後は、はやてちゃんのことを後ろから見守りつつ、リビングへと進んでいこうか。 そしてリビングまで戻ってきたら、最後にシャマルさんに結果の報告をして、今回の一件は終了と。 ざっとこんな感じか…。 こうして一連の流れを考えてみると、なんだかいけそうな気にはなってくる。 しかしこれらは全て、順調に事が進めばの話であるということを忘れちゃいけない。順調に進まないパターンだってもちろんあるはず。 例えば、はやてちゃんの返事、リアクション一つにしたって、色々と考えられるだろう。 というのか、はやてちゃんのリアクションについては僕自身も一番気になってるところではある…。 今まで何のアプローチもしてこなかった僕から「可愛いですね」などと言われて、はやてちゃん(本物)は何を思うんだろうか…? 練習のときからなんとなく予想していたのは、 1.シャマルさんとの練習のときのように、「ほんまにぃ?照れてまうぅ~」と可愛い反応をされる。 2.僕の言葉を聞き逃され、「ただいまぁ。寒かったぁ」と笑顔で返事をされる。 3.「ん?急にどぉしたん?」と驚かれる。 この3パターンだ。1はシャマルさんが言うから予想に入れてはみたけどたぶん可能性はほぼ0だと思う…。現実的に考えて2か3だろう。 2の返事は楽といえば楽だけど、単なるスルーってことでちょっと精神的に辛いかもしれない…。 3については聞き返された後のこちら側の返答も考えとかなきゃいけないだろう…。「いえ、何でもないです…」あたりが妥当だろうか。 それ以外に予想される返事についても考えてみたいけど、うーん…はやてちゃんはどんな返事をくれるだろうかなぁ…? まぁいずれの返事にしろ、返事を貰った後は急いでB地点に退避したほうがいいのは確かだ。 喜んでニヤつくにしても欝になって落ち込むにしても、死角のB地点にいれば、はやてちゃんに自分の変な顔を見られずにすむからね…(こそこそと情けないけど… あと気をつけることは何かぁ、うーん、そうだなぁ…、 あぁ、一家の主の出迎えなのだから、ヴィータちゃんたちヴォルケンの方々が現れることも想定しておかなくちゃいけないか。 特にシグナムさんと鉢合わせたら、たぶん今回の件は全ておじゃんだ。(シグナムさんは僕のことをまだ許してくれてないから…) これは出くわさないことを祈るしかないな… 234 名前:学生さんは名前がない[sage] 投稿日:2009/12/15(火) 07:26:12 ID:vObP+guz0 あとはー考えられることー、何か……、うーーん ピンポーン… 「あ…」 扉(☆地点)の前で熟考していると、2度目のチャイムが屋内に響きわたった。 その音はまるで、僕に”早く玄関に行きなさい!”といわんばかりの催促のようにも聞こえた。どうやらシミュレーションタイムはここまでらしい…。 しかし、これだけ確認しておけばもう何がきても万事OKのはず。可愛いはやてちゃんを目の前にしたって、もういつもみたいに怯まないぞ! よぅし!最後にそうだな、台詞を噛まないように、伝える言葉の確認でもしておこうか…。 ”おかえりなさい、今日も可愛いですね” ”おかえりなさい、きょうもかわいいですね” ”オカエリナサイ、キョウモカワイイデスネ” 3度ほど心中で繰り返す。 ぃよぉし、完璧だ…。じゃあ玄関に急ごう…! 泣いてもワラっても1度きりの真剣勝負…(はやてちゃんにとってはただの帰宅だけど… 小船はいざ大海へと漕ぎ出す。 ああはやてちゃん…待たせてごめんなさい…。僕は今、貴女のもとへ向かいますッ! リビングから廊下に通じる扉を勢いよく開き、廊下に足を踏み入れ、 図1のC地点まで一気に、直進ッ どんっ! 「!?」 ぁ痛ッ。いったたたぁ…。な…、なんだ? 勢いよく廊下に出るや否や、何かにぶつかり一瞬視界がぐるんと回る。 C地点まで直進するはずだった僕の体は何かに妨げられて、その拍子に扉前で尻餅をつく形となった… 「な、な…、へ…?」 思わず口から情けない声が漏れる。 わけもわからず顔を上げると、見上げた先には、まるで虫けらを見るかのような眼で僕を見下した、はやてちゃんが立っていた……

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