受動分詞と受動態

疑問文と否定文 ←前 ★ 次→ 能動分詞と相
※2014/09/02 ダイアクリティカルマークがある文字が文章の場合、括弧の中にx-sistemo表記を併記する。例:ĉu(cxu)


リディア、今回から扱う分詞は少し難しいので、気を引き締めてほしい。
英語でdancing(踊っている)を現在分詞、cursed(呪われた)を過去分詞と呼ぶのを覚えているか?


うん。現在分詞はa dancing girl(踊っている女の子)、
過去分詞はa cursed man(呪われた男)のように使うんだよね。


エスペラントの場合、現在分詞を能動分詞、過去分詞を受動分詞という。
受動分詞は英語ではplayedのように-edを付けて表すが、エスペラントでは-atを付けて表す。
「愛する」の不定形はamiで、これは語幹am-と語尾-iでできている。
この-iを-atと取り替えてamatとすると、「愛された」という意味になる。


amatねぇ……。
じゃあお母さん、「彼女は愛されている」っていう受動態の文はどう作るの?


英語と同じようにbe動詞、つまりestiを使って表すのよ。語順は英語と同じよ。
Ŝi(Sxi) estas amataとなるわ。


estiがestasになってるのは現在形だからいいとして、amatはどうしてamataになるの?


「愛されている」も「大きい」などと同じで、意味的には形容詞だからよ。


あ、そうか。
英語だとShe is lovedで、エスペラントだとŜi(Sxi) estas amata。ほんとだ、構文は同じね。
じゃあ、She is loved by himはなんていうの?


「~によって」はdeを使うの。Ŝi(Sxi) estas amata de liのようにね。
このdeは前置詞よ。前置詞の後は目的語(対格)ではないから、linでなくてliのままでいいわ。


なるほどね。
ところで分詞って英語と似てるし、別に難しくもなかったけど……?


実は-atというのは進行の受動分詞で、このほかに完了の受動分詞-itと、未然の受動分詞-otがある。
表にしよう。いずれも形容詞として使う場合は、さらに末尾に-aを付けるようにな。

受動分詞 意味 用例
-at 進行。~されている Mi estas invitata(私は招待されている)
-it 完了。~された La letero estas ricevita de Klara(その手紙はクララによって受け取られた)
-ot 未然。~されようとしている (Artefarita) satelito estas lanĉota(lancxota)(人工衛星が打ち上げられようとしている)


なんだかややこしいね。意味が取りづらいなぁ。


英語の受動態の進行形や、受動態の完了形を思い出してごらんなさい。
The computer is being attackedで「コンピューターがハッキングを受けている」という受動態の進行形。
Our dreams have been brokenで「私たちの願いは壊されてしまった」という受動態の完了形。


あぁ、そういえば……。
is being attackedとかhave been brokenと比べれば、esti atakata(攻撃されている)やesti detruita(壊された)のほうが簡単だね。
うーん、でも頭が混乱してきたよ……。これ、やっぱり難しいね。分詞はもうおしまい?


受動分詞はね。上で挙げた能動分詞がまだ残っているわ。


もう頭がパンクだおー(TωT)


そんなお前のためにespero(希望)を用意しておいたよ。
「次へ」を押してみなさい。



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最終更新:2014年09月02日 10:23