動詞の自他と使役

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※2014/09/02 ダイアクリティカルマークがある文字が文章の場合、括弧の中にx-sistemo表記を併記する。例:ĉu(cxu)


英語で「座る」はsitで、「座らせる」はseatだよね。
同じく、「横たわる」はlieで、「横たえる」はlay。
意味的には1つなのに、単語の形が異なっているから2語覚えなきゃいけない気になるね。
エスペラントではこういうのをどうやって表すの?


こういうのは人工言語の強みが活かせるところよ。
エスペラントの場合、接辞-ig-を付けると他動詞や使役動詞を作れるの。
例えばvarmaは「暖かい」という形容詞なんだけど、語幹varmにigをつけてvarmigiという動詞にすると、「暖める」という他動詞になるのよ。
最後にiが付いているのは動詞語尾だからよ。


また、-iĝ(igx)-を付けると逆に自動詞や動作動詞を作ることができる。
varmiĝi(varmigxi)で「暖かくなる」という自動詞だ。


なるほど。
他動詞と自動詞になるのはわかったけど、使役動詞っていうのと動作動詞っていうのは何かな。


例えばlerni(学ぶ)は元々他動詞なので、-ig-を付けてもこれ以上他動詞にはなりようがないでしょう?
こういう場合、-ig-を付けることで使役動詞にすることができるの。
使役動詞っていうのは「~させる」という意味の動詞で、lernigiで「学ばせる」という意味よ。


それと並行して、sidiは元々「座っている」という状態動詞で、これは自動詞だ。
これに-iĝ(igx)-をつけてsidiĝi(sidigxi)にしても、これ以上自動詞になりようがない。
そこで状態動詞から動作動詞になり、「座る」という意味になる。


つまり、元々他動詞のものに-ig-を付けると使役動詞になり、元々自動詞のものに-iĝ(igx)-を付けると動作動詞になるってことね。
それ以外の場合、-ig-と-iĝ(igx)-は他動詞と自動詞を作るのね。「暖める」と「暖かくなる」のように。
例外なくこういうやり方で造語できるのは便利ね。


規則的な接辞のおかげで、覚えなければいけない単語をずいぶん減らすことができるわ。
面白い例だと、こんなのもあるわよ。
「死ぬ」はmortiなんだけど、「殺す」は「死なせる」と考え、mortigiということができるの。
英語だとdieとkillで、まったく別々の単語を覚えないといけないわ。

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最終更新:2014年09月02日 10:46