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ノスゴスの歴史 第一部:通史

本ページでは、時系列順に主要事件を追いつつノスゴスの歴史を概観する。主人公の行動に関してはBO1(ケイン・ザ・バンパイア)およびSR1(ソウルリーバー)の出来事のみを抽出する。その中で歴史改変は1度だけ発生している。従って、年表12を追う形になる。ただし、年表3、4において初めて明かされた重要な史実等に関しても、歴史改変がなくとも生じていたと思われるものは必要に応じて抽出する。


時代区分


先史時代 (????-500 BC)

※計算上、3000年以上のスパンがある。従って、開始年代は 3500 BC以前となる。

 

  • ヴァンパイアーヒルデン戦争(年代不明;約1000年間)

(画像:Defianceより)

  エルダーゴッドと運命の車輪を奉じる青き翼の一族(古代ヴァンパイア)が、背教者ヒルデン種族に宣戦布告して始まった古代の宗教戦争。両種族が互いの根絶を目指す総力戦となり、双方に多大な犠牲を生む。この戦争は、様々な結果や余波をもたらすことになり、今後のノスゴスの歴史を大部分準備した出来事だと言える。以下ではこの戦争に関連する重要な出来事を5点紹介する。

 

1.救世主の予言(戦時中)

(画像:Defianceより)

  戦時中、青き翼の一族とヒルデン種族は、共に救世主の到来を予言していた。「ヴァンパイアの闘士(Vampire Champion)」、「ヒルデンの闘士(Hylden Champion)」そして「調和の子孫(Scion of Balance)」である。古代人たちは予言の具体的な中身までは把握していなかったものの、予言されし人物の大まかな運命は想定されていた。

  ヴァンパイアの闘士は、運命の車輪とエルダーゴッドを補強するため、救世の剣を駆使し、ヒルデンの闘士と戦うものと考えられていた。またヒルデンの闘士は、エルダーゴッドによる運命の車輪を破壊するため、燃えさかる剣を駆使して、ヴァンパイアの闘士と戦うものと考えられていた。ただし、勝敗は両方の可能性が予言されており、未知のままである。

  そしてもう一人、調和の子孫の到来も予言されている。彼もやはり救世の剣を駆使し、ノスゴスに調和と秩序を取り戻すと考えられている。なおここで言う「調和」とは次項で挙げる「ノスゴスの柱」における「調和の守護者」のことである。

※先取りをしておくと、ここで予言されているのは、本シリーズの主人公ケインとラジエルである。

 

2.ノスゴスの柱と柱の守護者(終戦直前)

(画像:SR2より)

  しかし、この戦争自体は救世主の到来無く終わりを迎える。青き翼の一族は、ヒルデン種族を異次元(悪魔界)に追放し、そこに封印するため、ノスゴスの柱を建造する。ノスゴスの柱は、「調和(Balance)・心(Mind)・自然(Nature)・活力(Energy)・戦い(Conflict)・次元(Dimension)・時(Time)・状態(States)・死(Death)」という9つの根源的要素を象徴する9本の柱からなり、全ノスゴスの精神的・物理的健康と結びつけられている。柱は、ヒルデン種族を封じる「戒め(the Binding)」としても、ノスゴスの秩序を守る要としても、維持されねばならなかった。

  そこで、一族の中から9人の柱の守護者が選ばれた。彼らは守護者同盟9人の輪を結成し、自らの力で柱を維持していくことを誓う。守護者が死んだ時には、新たに生まれた者の中から後継者が選ばれることになる。

  かくしてヒルデン種族は悪魔界に閉じ込められ、青き翼の一族が勝利し、戦争は終結する。
 

3.血の呪いと神の沈黙(戦後)

  しかし戦後、青き翼の一族は重大な事実に気付かされる。ヒルデンは、追放される時、彼らに「血の呪い(Blood curse)」をかけたのである。この呪いにより、青き翼の一族は「吸血・不妊・不死」を本性とするヴァンパイアになってしまう。彼らにとって致命傷となったのは、不死化である。これは、彼らが運命の車輪(生と死のサイクル)から外れたことを意味するため、それまで崇拝していた神エルダーゴッドから見限られてしまう。古代ヴァンパイアたちはこのことに絶望し、狂い、自殺に走る者も出て、着実にその数を減らしていった。 

 

4.リーバーの鍛造(戦後)

(画像:Defianceより)

  古代ヴァンパイアであるヤーノス・オードレン(Janos Audron)は、人間の刀鍛冶ヴォラドール(Vorador)に救世の剣を鍛造させる。ヤーノスは鍛造された剣に吸血能力を授け、ここに吸血剣リーバーが誕生する(通称 Blood Reaver。まだこれは “ソウル” リーバーではない)。ヤーノスは10番目の守護者として選ばれ、救世主が現れるまでリーバーを守り抜くことを誓う。

  なおヴォラドールは、リーバーの鍛造に前後(年表によって異なる)してヤーノスから血の呪いを伝授され、人間で最初のヴァンパイアとなる。
 

5.人間の守護者と反乱(戦後)

(画像:Defianceより)

  古代ヴァンパイア の数は減り続け、ついに柱の守護すらままならなくなる。そこで柱は、守護の後継者を人間種族の中から選ぶようになる。しかし、ノスゴスの柱は元々古代ヴァンパイアの力で維持されてきたものであり、心身に劣る人間には荷が重い。そこで古代ヴァンパイアたちは、守護者として選ばれた人間を子供のうちに誘拐し、予言等を教育し、成人になれば血の呪いを伝授してヴァンパイア化することにした。

  そんな折、まだ人間だった時の守護者モビウス(Moebius)に対して、エルダーゴッドが初めて語りかける。ヴァンパイア化は疫病であり受け入れてはならぬ、我を崇拝し運命の車輪を受け入れよ、と。エルダーゴッドにしてみれば、不死化が広まることは食料である魂が減少することに他ならず、我慢ならなかったのである。モビウスは見えざる神の言葉に従い、死の守護者モータニアス(Mortanius)を仲間に引き入れ、他の人間の守護者たちを先導し、主であった古代ヴァンパイアに反乱を起こす。

  結果、人間の守護者は勝利し、以後、ノスゴスの柱は完全に人間の支配下に入る。そして世界の覇権も人間へと移り、古代ヴァンパイアはヤーノスただ一人を残し、絶滅することになる(※ヤーノスはその後、500 BCに至るまで「数千年間(=少なくとも2000年以上)」救世主を待ち続けることになる)。既にこの時、柱崩壊の序曲は奏でられ始めたのである。そしてまた、柱本来の目的(ヒルデンの封印)も忘れ去られてしまう。かくして先史時代は幕を閉じる。


サラファン時代 (500-50 BC)

※500 BCを少し遡る出来事も、この時代に関連するものはここに記述する。

 

  • Hash'ak'gik カルトの萌芽(年代不明)

  その詳細は不明だが、ごく一部の人間の間で、謎の神「Hash'ak'gik」に対する崇拝が始まる。この神の実体は他ならぬヒルデン種族のことである。自然発生的に始まったのか、ヒルデンの暗躍によって始まったのかは分からないが、いずれにせよ、後にヒルデン復活の足がかりとされる信仰であったことは確実である。

 

  • サラファン教団とヴァンパイア粛正(~500 BC)

(画像:SR2より)

  当時、ノスゴスの元人間ヴァンパイアは増加の傾向にあった。9人の輪(柱の守護者グループ)はこれを脅威と見て、武装集団「サラファン教団(Sarafan brotherhood)」を結成し、対策に当たらせる。戦いの守護者マレック(Malek)がその指揮を執った。

  そしてヴァンパイア粛正(Vampire purge)は始まる。サラファンは連戦連勝を収め、実に数千人のヴァンパイアを虐殺することに成功する。かろうじてヤーノスとヴォラドールは粛正を免れていた。しかし500 BC、サラファンはヤーノスに標的を絞り、その隠所へ武装審問官を送り込み、ついに彼の殺害に成功する。そしてヤーノスの心臓(暗黒の心臓(Heart of Darkness))とリーバーは人間の手に渡る。ここにおいて、古代ヴァンパイア種族はノスゴスの歴史から姿を消すことになる。

※ヤーノスの殺害には、未来からタイムトラベルしてきたラジエルの行動が図らずも影響している。詳しくは第二部にて。

 

  • 輪の虐殺とサラファンの解体(500 BC~)

(画像:BO1より)

  このような人間の暴虐に対し、ヤーノスの直系にして最初の人間ヴァンパイア・ヴォラドールが一矢報いることになる。彼は単身敵地に乗り込み、サラファン教団を使役している9人の輪を襲い、そのうちの6人を殺害する。この「輪の虐殺(Slaughter of the Circle)」を免れたのは、その場にいなかったモビウスとモータニアス、および、救援に向かい、敗北しながらも生きながらえるという屈辱を受けたマレックだけである。後にマレックは、輪を守れなかった咎により、モータニアスにその霊魂を鎧に閉じ込められ、永遠に輪に仕えることを義務付けられる。

  またこの襲撃と同時に、ヤーノス殺害に関与したサラファンの武装審問官6人(ラジエル、デュマ、メルカイア、ラハブ、トゥレル、ゼフォン)も戦いで死ぬことになる(※未来のラジエルによる。またこの時点でソウルリーバーが完成する。詳細は第二部)。

  この事件の影響もあってか、この時代を象徴したサラファン教団はやがて解体されることになる。


前BO時代 (50-0 BC)

※第一作BO1の本編が始まる前の50年間。

 

※この50年間に起こった出来事の一部は、BO1におけるケインのタイムトラベルによって改変されている。その点、注記しておくので注意されたし(注記のない出来事は共通)。期間は短いが、複数の思惑や陰謀が交錯する厄介な時代である。

 

  • ウィリアム王、暴君ネメシスへの道(50 BC~)※改変

  ノスゴス北東部の若き王ウィリアムは、長じて暴君となり、精強かつ残虐なネメシス軍(Legions of the Nemesis)を率いることになる。この軍勢は、古の予言において「ノスゴスを破壊し尽くし、文明を終焉させる」と考えられていた。後に主人公ケインもこの軍勢に圧倒されることになる。

  しかし、ウィリアム王は元々、暴君ネメシスとなる運命ではなかったようである。というのも、彼に恐るべき軍を持つよう唆したのは、エルダーゴッドの僕にして時の守護者モビウスに他ならなかったからである。ここには無論、遠大な陰謀が隠されている。

 

  • ウィリアム王、ケインに殺害される(50 BC)※改変

(画像:SR2より)

  ケインは 0 B/AC においてネメシスの軍勢に圧倒された時、時空転移装置を使ってこの時代に遡り、若きウィリアム王を殺害する。歴史は改変され、ケインはネメシス軍が消滅したことを期待して、自分の時代へと戻る。

※ケインとウィリアムは共にソウルリーバーを装備している。だからこそタイムパラドクスが起こり、歴史は改変されたわけである。なお、ウィリアム王は、モビウスからソウルリーバーを渡されている。

 

  • 第二次ヴァンパイア粛正開始(40 BC~)※改変

  しかしこれこそが奸知に長けたモビウスの真の狙いだったのである。ウィリアム王は暴君となる前に、しかもヴァンパイアによって殺害された。この事件により、人々はヴァンパイアに対してかつてない憎しみを抱くようになる。そこでモビウスはこうした人々を扇動し、私兵を集め、歴史上二回目のヴァンパイア粛正へと乗り出す。この粛正軍もまた大成功を収め、ノスゴスのヴァンパイアたちを次々に駆逐していくことになる。

 

  • アリエル暗殺とケインの誕生(30 BC)

  調和の守護者アリエル(Ariel)が何者かに暗殺され、彼女の後継者たるケインが産声を上げる。しかしこの事件はアリエル一人の犠牲に終わらず、ノスゴスを真の荒廃へと向かわせる第一歩となった。

  アリエルを暗殺したのは、死の守護者モータニアスだった。しかしこれは彼自身の意図によるものではない。モータニアスは以前より Hash'ak'gik カルトに傾倒しており、それが誘因となって、ヒルデン種族の長ヒルデンロード(Hylden Lord)に憑依されていたのだ。従って、アリエルの暗殺は、柱の崩壊と自らの種族の復権を目論むヒルデンロードの陰謀によるものだったのである。そしてこの目論見通り、アリエル暗殺事件は負の連鎖反応を巻き起こすことになる。

 

  • 柱の腐敗(30 BC)

(画像:BO1より)

  事の次第はこうである。まず、アリエルの恋人にして心の守護者ナプラプターが彼女の死体を発見する。彼はその暗殺が守護者の手によるものであると気付き、悲しみと疑心によって狂気に陥る。そして彼は、他の守護者全員に精神攻撃を加え、彼らの心を腐敗させる(※まだ守護者たる自覚すらないケインも例外ではなかった)。ノスゴスの柱は守護者の心身を反映するため、ここに「柱の腐敗(Corruption of the Pillars)」が実現される。そして柱と結びつけられたノスゴスの秩序も乱れ始め、ヒルデン種族は柱の崩壊を今か今かと待ち受けることになる。
 

  • ケイン暗殺(0 B/AC)

  そんな折、腐敗の煽りを受け、人間ケインの故郷で疫病が流行する。ケインは故郷を離れ旅立つが、その途上、何者かに雇われた殺し屋に暗殺されてしまう。そしてケインはヴァンパイアとして甦ることになる。

  では殺し屋を雇ったのは誰か。やはりモータニアスである。しかし、ケインの暗殺はモータニアス自身の思惑によるものであり、ヒルデンの陰謀とは何の関係もない。少なくともこの時点で彼は、古代ヴァンパイアに対する自らの反逆を後悔し、ヒルデンを憎んでいる。モータニアスは、古の予言を始動させノスゴスに調和と秩序を取り戻し、ヒルデンを永久に追放するために、ケインを殺させたのである。そう、ケインこそ古代ヴァンパイアが予言した「調和の子孫」であり、「ヴァンパイアの闘士」であると信じたのだ(※実際には、ケインは調和の子孫であるが、ヴァンパイアの闘士ではない)。

  柱を回復させるためには、腐敗した守護者が全員死に、代替わりする必要がある。ケインをヴァンパイアとして甦らせれば、彼は古代ヴァンパイアの救世主としての使命を全うするだろう。つまり、腐敗した人間の守護者たちを殺し、自らも犠牲となることで、ノスゴスの柱を回復させるだろう。そして柱は数千年ぶりにヴァンパイアの保護下に戻るだろう、と(※これは重要な一歩であったが、事はそう単純ではなかったと後で判明する)。


BO時代 (0 B/AC)

※第一作BO1本編の時代。時代と言ってもスパンはおよそ1年間である。

 

  • ケインの再生

(画像:BO1より)

  死んで地下世界(精神界)へ墜ちたケインは、モータニアスから復讐の機会を持ちかけられる。復讐心に燃えるケインはこの申し出に飛びつくが、再生はヴァンパイア化を意味していた(モータニアスはかつてヤーノスから奪われた暗黒の心臓を活用してこれを為した)。

  ケインは暗殺者を見つけ出し、殺害してその血を啜った。しかしモータニアスは、後ろで手を引いている者がいると言い、ノスゴスの柱へとケインを導く。ケイン自身も、ヴァンパイア化からの救いを求める意味もあり、柱へ急ぐ。

※「後ろで手を引いている者」というのはもちろんモータニアス自身である。彼は、復讐という分かりやすい動機を使って「予言されし英雄」ケインを誘導し、自らも含む腐敗した守護者の全滅とその結果としてのノスゴスの回復を目指している。
 

  • アリエルの指示と守護者の殺害

(画像:BO1より)

  柱では、調和の守護アリエルの亡霊がケインを待っていた。彼女は、腐敗のせいで死してなお柱に縛り付けられていたのだ。そして、ケインがヴァンパイアの呪いから解放されるには、腐敗した守護者を殺し、柱の調和を回復させるほかないと言う。

  アリエルも結果的にはモータニアスと同じことをケインに託したわけである。もっとも彼女は古代ヴァンパイアの予言など学んでいないため、柱とケインの真の役割や、ヴァンパイアの重要性を理解していない。彼女はただ、腐敗した守護者が死に、柱が回復し、自分が解放されることを望んでいる。また彼女はケインに、彼が調和の守護者であり、最後には彼自身も死なねばならないということを教えない。そのことは最後の最後に告げられることになる。

  いずれにせよケインは彼女の指示に従い、守護者達を次々に始末していく。ヴァンパイアの長老ヴォラドールの助けもあり、ナプラプター(心)、ベイン(自然)、デジュール(活力)、マレック(戦い)、アジマス(次元)の殺害に成功する。またその間、ケインはアヴァナス大聖堂にて、伝説の剣ソウルリーバーと、アジマスが時の守護者モビウスから盗んでいた時空転移装置を手に入れた。

 

  • ネメシス軍と歴史改変 ※改変

(画像:BO1より)

  しかしここでケインは強大な敵と直面することになる。アリエルによれば、ノスゴスを荒廃へと導くのは腐敗した守護者だけではない。暴虐の王ネメシスの軍勢もまたそうだと言うのである。ケインはネメシス軍を倒すため、ウィレンドルフ王の協力をとりつける。

  ところが、ウィレンドルフ王の「希望の軍」は、ネメシスの猛攻の前に壊滅し、王自身も戦死するという憂き目に遭う。追い詰められたケインは、時空転移装置を使って過去に戻り、ネメシスがまだ若きウィリアム王である内に暗殺する計画を立てる。

  ケインが50年前の過去へ行くと、ちょうどモビウスがウィリアム王にソウルリーバーを渡しつつ、ヴァンパイアの接近について警告している場面に出くわす。暴君ネメシスは、明らかにモビウスの影響下で誕生したのである。ケインは自らもソウルリーバーを振るい、どうにかウィリアムの殺害に成功する。しかし、自分の時代に戻ったケインは、モビウスの真の狙いに気付かされることになる。

 

  • ヴァンパイア粛正とヴォラドールの死 ※改変

  確かにネメシス軍は消滅していた。しかしその代償として、ヴァンパイアへの恨みを利用した、モビウスによる第二次ヴァンパイア粛正が大成功を収めていたのだ。なんとノスゴスのヴァンパイアは、ケインとヴォラドールを残し、殲滅されてしまったのである。そのヴォラドールも、戻ってきたばかりのケインの目の前で処刑されてしまう。ノスゴス最後のヴァンパイアとなったケインに対し、モビウスと彼の私兵が襲いかかる。しかしケインはそれらを全て撃退し、モビウスを殺害するに至る。

 

  • モータニアスと闇の存在

(画像:BO1より)

  モータニアスはケインにノスゴスの柱へ戻るよう告げる。フィナーレは近いと。柱にてケインは、モータニアスとアナクロス(状態)が言い争い、戦いとなり、アナクロスが殺害されるのを目撃する。そこでケインは姿を現し、守護者が死なねばならぬ運命なら貴様も同じだと喝破し、モータニアスに戦いを挑む。

  モータニアスを倒した時、初めて真の敵が姿を現した。正確に言えば、彼に憑依していた闇の存在が意識の表面に現れ、モータニアスを異形の姿に変えたのである。その者は言う、「アリエルの死も、その余波も、我が猟奇劇の序幕に過ぎない。貴様はその悲劇的な英雄なのだ」と。ケインは異形化したモータニアスと戦い、ついに最終的な勝利を収める。

※既に指摘しておいた通り、モータニアスに憑依していたのはヒルデンロードである。人間の前に直接姿を現したことのない彼は、様々な呼び名を与えられている(「闇の存在(Dark Entity)」「語られざる者(Unspoken)」「Hash'ak'gik」)。この時点ではケインもアリエルも「闇の存在」が何者であるのか理解できておらず、まして古代の種族ヒルデンであるなどとは知らない。いずれにせよ、ヒルデンロードの狙いはただ一つ、守護者を堕落させ、柱を崩壊させることである。実際彼の狙い通り、この時、柱の維持は限界に達していた。
 

  • ケインの選択と柱の崩壊

(画像:BO1より)

  ケインは全ての守護者を殺した。しかし、まだ柱が一つ残っている。調和の柱である。アリエルはようやく、ケインこそ自分の後継者、調和の守護者であると告げる。ケインには二つの選択肢が残された。既に腐敗していた自らの命を犠牲にして柱を回復させるか、犠牲を拒否してノスゴスを永遠に荒廃させるか。

  おそらくは心の腐敗が影響したのであろう。彼は後者を選択する。犠牲の拒絶により、緊張状態にあった柱は自らを支えきれなくなり崩壊する。その腐敗はノスゴスの大地へと不可逆に浸潤し、世界は完全に呪われることになった。ケインは廃墟となった柱の地に自らの玉座を作り、腐敗した調和の守護者として、呪われたノスゴスの王への道を歩み始める。また、アリエルは、調和が取り戻されるまで、柱の廃墟に縛り付けられることになった。

※ただし、この時点でケインはノスゴス最後のヴァンパイアであり、彼が犠牲になれば、モータニアスが期待したような「柱のヴァンパイアへの回帰」など果たされなくなる。その場合、ヒルデンの暗躍により、第二第三の柱の腐敗がいずれ発生すると予想される。しかもその時にはもはやケインのようなヴァンパイアが存在しない。ケインが後に述懐するように、どちらにしても勝てぬ勝負、だったわけである。
 

  • ヒルデンの誤算?

  柱の崩壊は確かにノスゴスの荒廃をもたらしたが、ヒルデン復権の直接的な引き金にはならなかった。推測も含むが、事の次第は以下の通り。ヒルデン種族は物質界と隔絶された悪魔界へと追放された。技術に優れた彼らは、悪魔界と物質界を繋ぐ門「ヒルデンゲート(Hylden Gate)」を作った。しかし二つの次元の間には、ノスゴスの柱の力による「戒め」が張り巡らされている。柱が古代ヴァンパイアに維持されている間はどうすることもできなかった。しかし、ヒルデンのかけた呪いにより古代ヴァンパイアはほぼ死滅し、柱の守護者は脆弱な人間に変わった。それと共に柱の力と戒めも弱まり、ヒルデンは憑依を通して物質界に干渉できるようになった。そこで彼らは、柱の守護者である9人の輪に働きかけ、結果、柱を崩壊させたのだ。かくして障壁はなくなった。

  次に、門を開かねばならない。この門は物質界から開く必要があった。無論これは憑依を通じて物質界の存在者の体で為すしかない。ところがここにヒルデンの誤算があった。今やノスゴスに溢れる人間は、ヒルデンからしてみれば予想以上に脆弱な生物であり、門を開くほどに強靱な器となりえなかった。しかし、そのような器となりそうな古代ヴァンパイアは既に存在しない。かくして、ケインの与り知らぬところで、ヒルデンの野望は潰えていたのである。・・・少なくともこの歴史においては。


後BO時代 (0-500 AC)

※時間的にはBO2の時代に該当するが、現状の歴史においてBO2の出来事は発生しえない。

 

  • 6人の副官の創造(500 AC)

  ケインは帝国を築くに当たり、副官を持つことに決める。かつてのヴァンパイアの敵、サラファンの墓を荒らし、6人の武装審問官の遺体をヴァンパイアとして甦らせたのである(ラジエル、デュマ、メルカイア、ラハブ、トゥレル、ゼフォン)。彼らに生前の記憶はなく、以後ケインの忠実な部下として仕えることになる。


SR時代 (500-2000 AC)

※SR1本編は2000 ACの出来事であり、そこに至るまでの背景もこの時代に含まれる。

 

  • ケイン帝国の勃興(500 AC~)

  6人の副官は、それぞれが仲間を増やして一族(Clan)を形成し、ケインの帝国は確立される。彼らは人間の王国を次々に攻め滅ぼし、生き残った人間も奴隷として飼い慣らされることになる。一方、世界は地震や洪水などの天変地異により、ますます荒廃の一途を辿っていく。ケインは呪われたノスゴスの王となったのである。

 

  • Chronoplast の発見(年代不明)

(画像:SR2より)

  数百年が経過した頃、ケインはかつてモビウスが所有していた「Chronoplast(時間生成体?:時空転移や過去未来の透視が可能)」を見つける。彼はこの装置を使い、自分の未来(=青く変色し、破れた翼を背負ったラジエルに殺される)やノスゴスの歴史(救世主の予言も含む)を知る。さらに、ノスゴスにおける歴史や時、運命の本性を学ぶ。つまり、「全ての被造物の運命は最初から決まっている。タイムトラベルを駆使するだけでは歴史は改変されない」と(詳しくは概論参照)。

  しかし古代の予言と現実の結果には矛盾がある。予言によれば、自分は「調和の子孫」としてノスゴスに調和と秩序を取り戻させるはずだった。ところが実際には、自らの手でノスゴスに止めを刺してしまった。その直接的な原因は、アリエルの死とナプラプターの狂気によってもたらされた守護者全員の精神的堕落である。調和の守護者ケインは生まれながらに汚染されていた。さらにモビウスの奸計により、ケイン以外のヴァンパイアは粛正されていた。ケインが犠牲を拒めば腐敗に耐えきれず柱は崩壊し、犠牲を受け入れても柱の守護者たるべきヴァンパイア種族が絶滅する。どちらを選んだとしても、調和と秩序は戻らない。これこそ、ケインの運命が歪められていた証だった。ノスゴスを回復させるためには、ケインが本来の運命を取り戻す必要がある。しかしそのためには、歴史を改変し、歪められた運命の道行きを変えなければならない。

  ケインはその手掛かりを見つけ出す。まず、彼の知る限り、歴史改変は既に一度生じている。モビウスの陰謀により、自らの手で過去のウィリアム王を殺害したことがそれである。その時、二人は共にソウルリーバーを有していた。歴史改変の鍵はソウルリーバーにある。そして、もう一つの鍵は、自らの腹心ラジエルだった。Chronoplast で見たラジエルの、青く染まり翼を背負った姿は、予言されし「ヴァンパイアの闘士」によく似ていた。(次項に続く)
 

  • ラジエルの進化と処刑(1500 AC)

(画像:SR1より)

  ある時、ラジエルはその背に翼を生やし、進化の段階においてケインを超える。しかし、ラジエルがその姿を見せるや、ケインは翼を毟り取り、他の副官に命じて、彼をアビスへと突き落とす。ラジエルにとってみれば、これは傲慢なケインの嫉妬による処刑でしかなかった。

  しかし、全てを知るケインの意図は何だったのか。ラジエルは予言されし英雄の姿へと一歩近付いた。ケインは無論、事前にこうなることは知っていた。そしてなお、自分の運命を取り戻すためには、今ラジエルを破壊することが最善だと考えたのである(※もちろんケインが Chronoplast を発見することも、それによってラジエル破壊が最善だと考えることも予め定まっていたわけだが)。

  というのも、ここでラジエルを破壊したとしても、彼は必ず復活し、自分を殺しに来る。そういう運命だからだ。しかしそれだけではない。再創造されるラジエルは地上の被造物ではなく、運命から逸脱した存在となる。つまり、ノスゴスで唯一自由意志を持つ存在となるはずだった。もし、自由意志を持つラジエルの協力が得られれば、歴史改変を起こし、ケイン自身の運命を取り戻すことも可能になるかもしれない。もちろん下手をすれば(というか現状の運命通りなら)自分が殺されるだけに終わる。しかし、歴史を改変するという不可能事に挑戦するには、もはやラジエルの自由意志に賭けるしかなかったのだ。たとえ、コインが立つほどに僅かな確率であるにせよ。

※詳細は第二部。

 

  • エルダーゴッドによるラジエルの復活(2000 AC)

(画像:SR1より)

  果たしてラジエルはアビスの底の精神界で霊体として復活する。ノスゴスの地下に潜み、魂を貪るエルダーゴッドが、ラジエルを自分と共生関係にある手先として甦らせたのだ。今やラジエルは「魂を奪う者(=ソウルリーバー)」となった。彼が食らった魂は、自分を回復させるだけでなく、エルダーゴッドの糧食となるのである。そしてエルダーゴッドは言う。復讐を果たせ、ケインとかつての同胞を殺し、ヴァンパイアを根絶せよ、と。

※ここでのエルダーゴッドの狙いは明白。彼は相変わらず、運命の車輪から外れた不死者ヴァンパイアを憎んでいる。今や、ノスゴスにはヴァンパイアが溢れている。その首謀者はケインである。是が非でもケインを殺さねばならない。そこで、復讐に燃えるラジエルを利用したのである。
 

  • ラジエルの復讐とソウルリーバー(2000 AC)

(画像:SR1より)

  ラジエルはエルダーゴッドの導きで物質界へと戻り、復讐の旅を開始する。化け物じみた姿へと退化したかつての兄弟を殺す中、ラジエルは柱の地でケインと出会う。ケインはラジエルを待っていた。そして、戦いの果てに、彼はラジエルに向けてソウルリーバーを振り下ろす。すると、ソウルリーバーは粉々に砕け散った。しかしケインは「我々は自分たちの運命に一歩近付いた」と満足そうに言い、立ち去る。

  体力が尽きて精神界に戻ったラジエルは、剣から解放され、霊体となったソウルリーバーを見つける。霊体の剣(Wraith Blade)はラジエルと固く結合し、彼と共生関係にある武器となったのである(※ソウルリーバーの本性については第二部)。またラジエルは、柱に縛られている亡霊アリエルと出会い、ケインの死を共通目的として互いに協力することになる。

  ラジエルはその後、サラファンの墓を発見し、自分たち兄弟が元々ヴァンパイアと戦った勇士であったことを知る。ケインはその勇士をヴァンパイアとして甦らせ、栄光を汚した。ますます憎しみを募らせ、ケインを追う。
 

  • そして過去へ(2000 AC)

  ラジエルはケインを追い、オラクルの洞窟へと向かう。そこにはケインが発見していた Chronoplast があった。ラジエルはそこで、自分に関する最近の過去(アビスでの再生以降)や未来(ケインとの対峙、自らの手によるアリエル殺害など)の映像を見る。彼は動揺しつつも、ケインに立ち向かう。全てを予見していたケインは、運命について語り、自由意志など幻想だと言い放つ。ラジエルはケインの戯言に耳を貸さず、二人は対決する。

  ラジエルはケインを追い詰めるが、ケインは時空転移装置を作動させ、過去へと姿を消す。ラジエルもケインを追い、遠いノスゴスの過去へと旅立つことになる。

※具体的には、二人はこの時点から2030年前、つまり30 BCのノスゴスへと向かった。ちょうどアリエルが暗殺され、ナプラプターが狂い、柱が腐敗する頃である。そしてここからは、主人公達による歴史の改変が物語のメインテーマとなる。

 

第二部につづく)