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The New"times"Exercise Book. Diary School Name Masataka,Taketsuru Clss In Elgin April 1919 The Longmorn Glenlivet Distilleries Limited Longmorn (Maray shine) The manger J.R.Grant Exicer of Costom E.S.Homershorn. The distillery manager R.B.Nicol ---- Diarly of the trip to Highland. Masataka, Taketsuru, From 17th april 1919 to 〃 1919 17th April 1919. Thusday Cloudy 朝になって突然Elginに行って見る氣になりました。 然し學校宛てなっておるGlasgow Herald記者 が通知してくれる筈になっておる工場の事もある ので一先汽車に乗って學校まで行って見まし た所が記者からの返事は相憎都合のよい工 場が見付からなかっとの事でしたから早速 Bucanan St stationに行ってCaledonian Railwayをとって愈々北部のElginに出 発しました。丁度十二時出発の汽車で一等 往復£3.7シリングで平時の五割増かるとな っております。二時?半の後にperthと云ふ 所につきまして停車場のRestaurantに?入 って昼食をすませまして又汽車に乗換へまし た汽車の会社はNorth Highland Rail === Wayと申しまして一等には私一人であった為めに 寂しう御座いましたが、後程には謡をどなる や●ら春さめを鼻歌ふやらして呑氣に時々移 しました。段々と北に進むに従って寒さが増して まりいまして四方の山々に白雪の残っているのが 見受けられます 丁度汽車が海抜1470尺 の所を進んでいる時には而も隧道一つもない 立地を走っておるのですから時々霧が湖水 の上をかすめて何とも云へぬ物凄い様を 生じそのあたりを鹿や羊の群がさまよう ている有様は眞にScotlandの繪にある通 りでありました  日も段々と暮れてまいりまして、丁度 八時にForresと云う終点につきました こヽで再び乗り換えて九時に目的の Elginに到着いたしました Elgin Station Hotelの案内者が居ったのでこのHotelに とまる事にいたしました。勿論Nettleton君 からの指図もありましたから。 ---- 18th April 1919. Friday Fine weather. 午前中にDuff avenueのFlorida villaと 云う大きな大きな別荘のついた名前のある所に行 きました これは所謂有名なNettleton君の 住所で同君はThe Manufacture of whisky and plain spiritの著者です チポッケな家にvillaの名前はおかしく思 ひました 其の上いくらBellををおしても答が ないので春の様なのどかな空に雲雀のなく 聲をきヽつヽGlasgowでは見る事の出来 なかった開花をながめながら帰ってきまし た。昼食後、市中を見物しておるとほどなく 町はづれにんる程小さな村ですけれども村はず れの景氣のよい事と云ったら小さな子供の可 愛いらしい??してsmileをするのと一所で 日本にでも帰った??がいたしました Nettleton君も妻君も仲々慾の皮の厚 い夫婦です 此場所で同君が嗤って云っ た事はあまり慾深過ぎる様に思はれます ---- 1.private instruction pay for J A Nettleton. 1 1/2 to 2 houes daily 5 PM to 7 pm first month 20 guines second afterwards 15 guines 2.practical work in distillery Commission for the manager about £20 ---- その話はまずこうなのです 仲々ウ井スキー工場で実習する事は困難であるから どうしても支配人に£20.位な謝礼をして置 かぬと許可してくれないと思ふ そしてその上で私が 頼んでみます、当私の授業料は毎日午後の 五時から六時半乃至七時迄ウ井スキーに関す る指項をthecnicalに又practicalに教へて あげます それからですなーー先ずそーですなーー 一ヶ月初めの月謝礼を£20.其の次の月から 一ヶ月£15.そして月の初めのに現金で差 出して下さい、それで明日から私の家にお出 まなりますか。 そこで私は云ひました 一寸まって下さい、あなたのお勘定はそれで結 構でしょうけれども私としては貧乏留学生でも あるしそれに不拘月々£20~£30の経費が かヽております 其の上あなたの月謝を£20.それ からManagerとやらの袖の下やらでポケットに £20等と思ひがけぬ経費はとてもやり切れ ---- ませぬ この???は御免を蒙りましょう。 午後の三時から幸田君のwhisky distillery 所在地図があったので、Rothes地方に? 行ってdistilleryをたどて来ました、最初に 見付かったのがLongmornと云う村にある  The Longmorn Glenlivet Distillery でありました。最初支工場に行きました所が 閉塞してありまして鉄道?たよで本工場に まいりました。工場支配人が居りました その男 が私の伝?に応しで工場を?案内 くれる事になりました 私は嬉しく思って工場 にはいりかけると、そこにやって来たのが税務 官で名をE.S.Homershornと云ひ ました。この男が又仲々の親切男で工場 支配人に代って説明をしてくれました 後Whiskyの査定中で35 underproof のものを作るためにMeterをとったあとで割水 をしておりました。Whiskyは二度目に蒸餾した ものを査定するので?色ですけれども水を加へると多少 ---- 1.Exciseの月給はMr Homershorn はone year £300 新参者では〃£80 2.普通の職工で一週間 5 day and half で一日十時間で2 pound 10 shilling であります 職工長は 1 week 5 pounds 3.Cooperはone week £2.10sです ---- 白濁を生じますそして今迄予想しておった程悪臭のあるもの ではありません最初の蒸餾のものをlow wineと云ひ feintsの又この時に蒸餾されるものを云ふのです 今日は午後選り行きましたのであまり時間なくお茶 を税務官の宅で受けて六時五十分の汽車でヱルギンに帰りました 19th April Saturday Fine weather. Longmornで實習するとして見るとElgin,station Hotelでそんなに不経済に且つ不便な宿を撰 ぶより田舎の方がよいと思って朝早く宿の勘定を すませて海岸のLousiemouth村に行きました。 漁業が甚だ盛んで北極洋の物凄さは 何とも云へませんでした。寫眞をとりかけると大嵐 が吹いて来てぬれ鼠となりました、別に見る所もないの で?再びElginに帰り午後よりLongmorn, 南方でウ井スキー場集合せるRothes村に行きまし た。あるともあるとも至る所にWhisky工場で 實に驚きました、土曜日は昼から休●みで只機 関場に工夫が一人残っておるのみでした ---- Spent mashはsheepその他の家畜 に最も適する食料として当sweety なり 1 bushelの相場 1 shilling ---- その職工に少しポケットの中に金を入れてやるとどこもこヽもの?? に案内してくれるので凡五六ヶ工場も見ましたが、その工場 の種類は只maltを製造するのにpneumatic system を用ふるかfloorで?りるかと云ふ二種類あるのみで 其外の構造ばかり迄一致するものかと驚いた程同 じsystemにしかも工場の配置迄が同じ事 なので大抵をみてよしました。大きな工場はglen ground DistilleryとGlen Rothes distillery とでありました、Rothes townにHotelを三? たづねたのですけれども小さい村でその上おはらいひを 喰ひました・仲々大変外国人を恐れている様な表 情をしたものもありましたので又Elginに帰り Hotelで一週間4gunieで約束し三 階の狭い室におし込まれました 20th April 1919. Sunday finewather Scotlandに到着して以来kirkintilloch のMorison church に欠した事なく行って居り ましたが初めてElginに一日中居てChurch に暮しました。うらヽかな郊外を散歩して羊 ---- の子と戯れている所を寫眞にとりました北の? 予想以外に海流の関係か暖かです Hotel では新婚旅行の幾組もが愉快なdance をしたり歌を歌ったりして楽んでおりますので一人 ものはあまりよい氣持はしませんぬが同じtable のpartnerで五十才位のEngineerが丁度 distilleryの設計でElginに来たとの事で色 々distilleryに付聞きました この先生も?妻? 一風変った人ですけれども話を聞いて見ると 仲々しっかり人だと思ひました。 21th April. Monday 支配人に拾円?けのCigersと税務官に拾円? 流りの香水(妻君へ)を買って送りました。支配人 は留守でした。丁度私が工場に入った時は 糖化が終って醗酵室に送っておる時で 二度ほどmashに水をそヽいで洗ふのだそう です。糖度は日本と異りBrass製のSaccharo Meterを使用するのです。醗酵は甚だ盛んで とても近くにもよれません。又泡立つので ---- ??Scotland draff Spent grain(mash?malt??) 1 bushelの相場 1 shilling spent wash(liguid ? distill?の液) Asidを含まず故肥料として農 夫?み取る無代との事なり wash back(Fermenting tub) volume 6600 gls.~40000 (但し40000gals入りgrain distillery patent stillを使用す) ---- 常に上面に回転せるscrewにて泡を消して おります。醗酵桶の容積は6600gal入? 165石入であります。一回の糖化で一週間に 一度の割合です。桶は満量でなくとも四個 使用するのです。一週間に五日と半日の作 業で実際呑氣なものです。三日目に蒸餾 を始めるのです。税務官が来て技?の様なもの で温度と糖度を見ます。そして糖度に依って 醗酵の状態を定めるのでMicroscope などは一回も使った事がないととんだ自慢らしい 事を云っておりました。醗酵中攪拌は一度も しないのです。只mashをポンプで送る時は日本 と違って上部からでなく下部から圧の力を以て 送る様にしますから醗酵しつつも又自然と 攪拌が行はれる事になります。ポンプは大抵 タービンを使用しておりますが日本の如く醪が 濃厚ではturbineは無理だと思ひます。 税務官の子で今は兵隊から帰った男が居っ たので親の礼にHotelに夕食と活動寫眞を奢ってやりました ---- Castom duty whisky proof gallon 80/- (50% whisky 2升5合が15円の税金) En?op 1919 April へthe duty increased to £2.10 per 1 gallon ---- 22nd April 1919. Tuesday cloudy 支配人に會ひました。Mr Grantと云ひま して仲々親切な男です??実習を許して くれましてその上色々Whiskyに付説明を も加えてくれました。多分Cigerのきヽめだと思ひます。 彼れの話す所はこうなのです。我々はWhiskyの度数 をpercentageでは現はさずproofなる言葉 を以てするのですがこれはHundred proof と云ひますと50%のpure alcohol に50% の水を加へた50%alcohol whiskyの事 を云ふのです。?? over proofとはその上 ??だけoverしたので??underproof を以て下段のものを示しております。 Whiskyを製造するのはMaltが尤も大 切でそのmaltはkilnに於て操作が大関係をします御存じ の通りあまりburnが過ぎるとbeer製造の如くなりま すので我々はpeatと云うものをcoalの代りに使用し Cokesと共用します。peatは大変よい香氣をWhisky に興へるもので今から二三十年??? ---- peat piece ---- 百年以前にCider?外の草木が土に埋れたものです Scotlandの山にはどこにもあります無代怎labour 賃がかヽるのであります。?siln,start.,90°F ?初めて順次100~130~最高で140°Fと致します そしてCrush machineに送るのであります。 mashing tempは142°Fで我々はmaltose を造ります。147°FにするとDextroseが出来ます 23rd April Wednesday fineweather 職工長Niccolと云ふ男に6シリングのTabaccoと 職工全部に8ペニーのCigerを奢ってやりましたそして工 場内の寫眞を数十●枚とりましたが内部の??機 は光線が少ないので失敗に終りました。 24th April Thusday Cloudy Longmornのdistillery実習はおしてRothes の諸工場を撮影に出掛けました。Rothesに行く 時は三等切符を買ったので帰りにCraigellachie から一等に乗って帰っておるとRothesのStation master がとがめて失敗したのはおかしく思ひました。三等行ったら 帰りも三等にしなければならぬのですか、この?では ---- 問答 私がLongmorn glenlivet distilleriesの gactorial managerに尋問した??とその Mr Nicolが返答した事を記して見ます 1. 酵母は培養しますか?    酵母は培養しないで主としてStout beerの    工場からbeer?醸造上のyeastを求    めて居ります。Irland dublin townか    ら来ます。brown color,? pasteで    2~3backで20貫目位を使用します 2. Scotlandに顕微鏡を使用している醸造場    がありますか?    先つ先づないと云ってよござんしょー 3. 醗酵のtempは?    F79°から、97°までであります。 4. 水は、井戸ですか    3哩も山の中に噴泉があって、そこからぱいを引    いてあの小山のtankに移しております 5. 分析した事がありますか? ---- Rothesに降りると目につくものはdistilleryばかりです 位置のよい所と光線の強い時を待って撮影するのです からその困難と云ったら一?ではありませんでした。?んだ家 の立派な庭園に迷い込んで主人に道を尋ねたり した事もありました。今日は全部で拾哩歩いた と思ひます。Rothesで?して少し南に行ったら又あろー と思ってDandaleithに行きましたが駄目でした それからCraigellachieで二三枚とって そこで立派な橋がありましたからそれもとりましたこヽ? は川の?所の為めに立派なStation Holetがありました 思はぬ立派な所でこんな立派なHotelは日本の 田舎ではとても見出せませぬ。teaを飲んでで六時 いくらの汽車で帰りました。Hotelではdance が初まっておりました。 25h April Friday Cloudy 今日は最後の実習ですから色々の事を尋ねた ?から皆んな????とりました。質問に答えてくれたのは distilleries managerのNicol君でその後に Exciserと一所にwarehouseを見せて ----    未だ嘗てありません 6. 何故Scotchwhiskyは有名ですか    この水です。雪水の多くの砂に濾過せられて    流れ流れたこの水です。そしてpeatも又    Scotlandの特有のものです。風味に?って    力あります 7. CaskはScotlandのOakですか    いやCanadaのoakでScotland    のoakは香氣は思はしくありません、然し    Whiskyの本当の風味はSherry Cask    に限ります 8. Caskの相場は?    plain caskで2 poundsから2 pounds    ten shilling、Sherry caskはfour pounds 9. Whiskyの相場は    1 gallon 戦争以前は3シリングでしたが今は    10シリングとなっております 10.Barleyの相場は    8 bushels(1 quater)が71シリングですが以前は30シリング ---- くれました。私はwarehouseはdampではいけないか らConeliteにしなければならぬと云った所がwhisky のstorageはdampとcoolに限ると云って そまヽならべております。一番長いは21年もので その味と云ふたらお話になりません初年のdiminish は5%でその後一年に2%平均?減する のだそーです。Managerが内緒で12 年のものと先日蒸餾したwhiskyを見本施して くれました。Whiskyは決して二三年であんなに色 のつくものではない為Caramel着色です? sherry Caskの?のplain Caskでは幾年 へても着色しないそーです。賣出す時は幾通の ものを混じて出すので税金はwarehouseに ある時はFreeですscotlandの南方に ??のwarehouseがありましてそこに皆集 めて賣買をするのです。そしてdistilleryを出る 時しでもそのwarehouseに行く時はduty はFreeです。とにかくdistilleryとdutyとは ---- 11.peatの相場は(malt kiln用として)    これはbank of hillに存在しておるので20~30    years oldのものです。無代ですけれどもlabourがヽ    かりますかそれで戦前は3シリング6ペンスper cubic yard    でしたけれども?今では7シリングper cubic yard 12.Coalの相場は(boiler用として)    戦前は21shilling per ton.でしたが    今は2 pounds per ton.となっております    凡そ16 cwtのcoalから100gallons    のwhiskyが??されます(distillation)    (5銭六厘の石炭で50%のウスキー一升を得) 13.醗酵中saccharomerの減少は如何です    Mashingをしますと第一回で送らるヽmash    のSacchrometer degeesは80°第二回    のMash washing washは25°第三    回は7degrceであります。凡そ二日?    で醗酵を終りますが最後Meter    は2°まで下ります。 ---- 全く無関係で云はばExciserを自分の事務員? ?っている様なものです。warehouse中の whiskyの欠減は決して逐次がへたす事がしないの です。それですから十年も二十年もすると殆んど caskの底に少し残っておる事になります。これ?の Whiskyの含有量し定めるにはRatter slide secle がありまして簡単に分る様になっております そして日本で申しますとDip ????のさし尺があり まして、これをDip rodと云って居りますがこれをCask の中に入れて中味を知る様になって居ります。 午後になって職工全部を支配人税務吏 等を撮影いたしましてお別れをなしElgin Hotelに帰りました この夜Hotelでは或る人の結婚式が あって大変な騒ぎに夜分遅くまでdanceを して居りました。その楽しい音楽の調●にそって 天女の聲の様な歌を歌っているのが私一人 悲しい喫煙室のstoneの前に立って 色々の事を考えているのとよい対照でした ---- 26th April 1919. Saturday Fine Elginを9時20分発の汽車に乗って 十日間実習そして利益の多かったHighland を去る事と致しました。Elginは??の寒くも ありませんでしたが段々と山の中に入るにつれて 凛然として吹雪は烈しい事と云ったらありませ んでした。AberdeenはHighlandでは 第一の都会で40万人口と云ふていましたが北 ??にありまして景色は絶好です。二時間 市中を見物いたしましてCaredonian Rail wayをとってperthを通過しGlasgow には夕方到着いたしました。矢張煙は多く て騒がしいでも都は都でありましてGlasgow は何となくなつかしく思はれます。これから又 しばらくは本の上の研究に移ります。
The New"times"Exercise Book. Diary School Name Masataka,Taketsuru Clss In Elgin April 1919 The Longmorn Glenlivet Distilleries Limited Longmorn (Maray shine) The manger J.R.Grant Exicer of Costom E.S.Homershorn. The distillery manager R.B.Nicol ---- Diarly of the trip to Highland. Masataka, Taketsuru, From 17th april 1919 to 〃 1919 17th April 1919. Thusday Cloudy 朝になって突然Elginに行って見る氣になりました。 然し學校宛てなっておるGlasgow Herald記者 が通知してくれる筈になっておる工場の事もある ので一先汽車に乗って學校まで行って見まし た所が記者からの返事は相憎都合のよい工 場が見付からなかっとの事でしたから早速 Bucanan St stationに行ってCaledonian Railwayをとって愈々北部のElginに出 発しました。丁度十二時出発の汽車で一等 往復£3.7シリングで平時の五割増かるとな っております。二時?半の後にperthと云ふ 所につきまして停車場のRestaurantに?入 って昼食をすませまして又汽車に乗換へまし た汽車の会社はNorth Highland Rail ---- Wayと申しまして一等には私一人であった為めに 寂しう御座いましたが、後程には謡をどなる や●ら春さめを鼻歌ふやらして呑氣に時々移 しました。段々と北に進むに従って寒さが増して まりいまして四方の山々に白雪の残っているのが 見受けられます 丁度汽車が海抜1470尺 の所を進んでいる時には而も隧道一つもない 立地を走っておるのですから時々霧が湖水 の上をかすめて何とも云へぬ物凄い様を 生じそのあたりを鹿や羊の群がさまよう ている有様は眞にScotlandの繪にある通 りでありました  日も段々と暮れてまいりまして、丁度 八時にForresと云う終点につきました こヽで再び乗り換えて九時に目的の Elginに到着いたしました Elgin Station Hotelの案内者が居ったのでこのHotelに とまる事にいたしました。勿論Nettleton君 からの指図もありましたから。 ---- 18th April 1919. Friday Fine weather. 午前中にDuff avenueのFlorida villaと 云う大きな大きな別荘のついた名前のある所に行 きました これは所謂有名なNettleton君の 住所で同君はThe Manufacture of whisky and plain spiritの著者です チポッケな家にvillaの名前はおかしく思 ひました 其の上いくらBellををおしても答が ないので春の様なのどかな空に雲雀のなく 聲をきヽつヽGlasgowでは見る事の出来 なかった開花をながめながら帰ってきまし た。昼食後、市中を見物しておるとほどなく 町はづれにんる程小さな村ですけれども村はず れの景氣のよい事と云ったら小さな子供の可 愛いらしい??してsmileをするのと一所で 日本にでも帰った??がいたしました Nettleton君も妻君も仲々慾の皮の厚 い夫婦です 此場所で同君が嗤って云っ た事はあまり慾深過ぎる様に思はれます ---- 1.private instruction pay for J A Nettleton. 1 1/2 to 2 houes daily 5 PM to 7 pm first month 20 guines second afterwards 15 guines 2.practical work in distillery Commission for the manager about £20 ---- その話はまずこうなのです 仲々ウ井スキー工場で実習する事は困難であるから どうしても支配人に£20.位な謝礼をして置 かぬと許可してくれないと思ふ そしてその上で私が 頼んでみます、当私の授業料は毎日午後の 五時から六時半乃至七時迄ウ井スキーに関す る指項をthecnicalに又practicalに教へて あげます それからですなーー先ずそーですなーー 一ヶ月初めの月謝礼を£20.其の次の月から 一ヶ月£15.そして月の初めのに現金で差 出して下さい、それで明日から私の家にお出 まなりますか。 そこで私は云ひました 一寸まって下さい、あなたのお勘定はそれで結 構でしょうけれども私としては貧乏留学生でも あるしそれに不拘月々£20~£30の経費が かヽております 其の上あなたの月謝を£20.それ からManagerとやらの袖の下やらでポケットに £20等と思ひがけぬ経費はとてもやり切れ ---- ませぬ この???は御免を蒙りましょう。 午後の三時から幸田君のwhisky distillery 所在地図があったので、Rothes地方に? 行ってdistilleryをたどて来ました、最初に 見付かったのがLongmornと云う村にある  The Longmorn Glenlivet Distillery でありました。最初支工場に行きました所が 閉塞してありまして鉄道?たよで本工場に まいりました。工場支配人が居りました その男 が私の伝?に応しで工場を?案内 くれる事になりました 私は嬉しく思って工場 にはいりかけると、そこにやって来たのが税務 官で名をE.S.Homershornと云ひ ました。この男が又仲々の親切男で工場 支配人に代って説明をしてくれました 後Whiskyの査定中で35 underproof のものを作るためにMeterをとったあとで割水 をしておりました。Whiskyは二度目に蒸餾した ものを査定するので?色ですけれども水を加へると多少 ---- 1.Exciseの月給はMr Homershorn はone year £300 新参者では〃£80 2.普通の職工で一週間 5 day and half で一日十時間で2 pound 10 shilling であります 職工長は 1 week 5 pounds 3.Cooperはone week £2.10sです ---- 白濁を生じますそして今迄予想しておった程悪臭のあるもの ではありません最初の蒸餾のものをlow wineと云ひ feintsの又この時に蒸餾されるものを云ふのです 今日は午後選り行きましたのであまり時間なくお茶 を税務官の宅で受けて六時五十分の汽車でヱルギンに帰りました 19th April Saturday Fine weather. Longmornで實習するとして見るとElgin,station Hotelでそんなに不経済に且つ不便な宿を撰 ぶより田舎の方がよいと思って朝早く宿の勘定を すませて海岸のLousiemouth村に行きました。 漁業が甚だ盛んで北極洋の物凄さは 何とも云へませんでした。寫眞をとりかけると大嵐 が吹いて来てぬれ鼠となりました、別に見る所もないの で?再びElginに帰り午後よりLongmorn, 南方でウ井スキー場集合せるRothes村に行きまし た。あるともあるとも至る所にWhisky工場で 實に驚きました、土曜日は昼から休●みで只機 関場に工夫が一人残っておるのみでした ---- Spent mashはsheepその他の家畜 に最も適する食料として当sweety なり 1 bushelの相場 1 shilling ---- その職工に少しポケットの中に金を入れてやるとどこもこヽもの?? に案内してくれるので凡五六ヶ工場も見ましたが、その工場 の種類は只maltを製造するのにpneumatic system を用ふるかfloorで?りるかと云ふ二種類あるのみで 其外の構造ばかり迄一致するものかと驚いた程同 じsystemにしかも工場の配置迄が同じ事 なので大抵をみてよしました。大きな工場はglen ground DistilleryとGlen Rothes distillery とでありました、Rothes townにHotelを三? たづねたのですけれども小さい村でその上おはらいひを 喰ひました・仲々大変外国人を恐れている様な表 情をしたものもありましたので又Elginに帰り Hotelで一週間4gunieで約束し三 階の狭い室におし込まれました 20th April 1919. Sunday finewather Scotlandに到着して以来kirkintilloch のMorison church に欠した事なく行って居り ましたが初めてElginに一日中居てChurch に暮しました。うらヽかな郊外を散歩して羊 ---- の子と戯れている所を寫眞にとりました北の? 予想以外に海流の関係か暖かです Hotel では新婚旅行の幾組もが愉快なdance をしたり歌を歌ったりして楽んでおりますので一人 ものはあまりよい氣持はしませんぬが同じtable のpartnerで五十才位のEngineerが丁度 distilleryの設計でElginに来たとの事で色 々distilleryに付聞きました この先生も?妻? 一風変った人ですけれども話を聞いて見ると 仲々しっかり人だと思ひました。 21th April. Monday 支配人に拾円?けのCigersと税務官に拾円? 流りの香水(妻君へ)を買って送りました。支配人 は留守でした。丁度私が工場に入った時は 糖化が終って醗酵室に送っておる時で 二度ほどmashに水をそヽいで洗ふのだそう です。糖度は日本と異りBrass製のSaccharo Meterを使用するのです。醗酵は甚だ盛んで とても近くにもよれません。又泡立つので ---- ??Scotland draff Spent grain(mash?malt??) 1 bushelの相場 1 shilling spent wash(liguid ? distill?の液) Asidを含まず故肥料として農 夫?み取る無代との事なり wash back(Fermenting tub) volume 6600 gls.~40000 (但し40000gals入りgrain distillery patent stillを使用す) ---- 常に上面に回転せるscrewにて泡を消して おります。醗酵桶の容積は6600gal入? 165石入であります。一回の糖化で一週間に 一度の割合です。桶は満量でなくとも四個 使用するのです。一週間に五日と半日の作 業で実際呑氣なものです。三日目に蒸餾 を始めるのです。税務官が来て技?の様なもの で温度と糖度を見ます。そして糖度に依って 醗酵の状態を定めるのでMicroscope などは一回も使った事がないととんだ自慢らしい 事を云っておりました。醗酵中攪拌は一度も しないのです。只mashをポンプで送る時は日本 と違って上部からでなく下部から圧の力を以て 送る様にしますから醗酵しつつも又自然と 攪拌が行はれる事になります。ポンプは大抵 タービンを使用しておりますが日本の如く醪が 濃厚ではturbineは無理だと思ひます。 税務官の子で今は兵隊から帰った男が居っ たので親の礼にHotelに夕食と活動寫眞を奢ってやりました ---- Castom duty whisky proof gallon 80/- (50% whisky 2升5合が15円の税金) En?op 1919 April へthe duty increased to £2.10 per 1 gallon ---- 22nd April 1919. Tuesday cloudy 支配人に會ひました。Mr Grantと云ひま して仲々親切な男です??実習を許して くれましてその上色々Whiskyに付説明を も加えてくれました。多分Cigerのきヽめだと思ひます。 彼れの話す所はこうなのです。我々はWhiskyの度数 をpercentageでは現はさずproofなる言葉 を以てするのですがこれはHundred proof と云ひますと50%のpure alcohol に50% の水を加へた50%alcohol whiskyの事 を云ふのです。?? over proofとはその上 ??だけoverしたので??underproof を以て下段のものを示しております。 Whiskyを製造するのはMaltが尤も大 切でそのmaltはkilnに於て操作が大関係をします御存じ の通りあまりburnが過ぎるとbeer製造の如くなりま すので我々はpeatと云うものをcoalの代りに使用し Cokesと共用します。peatは大変よい香氣をWhisky に興へるもので今から二三十年??? ---- peat piece ---- 百年以前にCider?外の草木が土に埋れたものです Scotlandの山にはどこにもあります無代怎labour 賃がかヽるのであります。?siln,start.,90°F ?初めて順次100~130~最高で140°Fと致します そしてCrush machineに送るのであります。 mashing tempは142°Fで我々はmaltose を造ります。147°FにするとDextroseが出来ます 23rd April Wednesday fineweather 職工長Niccolと云ふ男に6シリングのTabaccoと 職工全部に8ペニーのCigerを奢ってやりましたそして工 場内の寫眞を数十●枚とりましたが内部の??機 は光線が少ないので失敗に終りました。 24th April Thusday Cloudy Longmornのdistillery実習はおしてRothes の諸工場を撮影に出掛けました。Rothesに行く 時は三等切符を買ったので帰りにCraigellachie から一等に乗って帰っておるとRothesのStation master がとがめて失敗したのはおかしく思ひました。三等行ったら 帰りも三等にしなければならぬのですか、この?では ---- 問答 私がLongmorn glenlivet distilleriesの gactorial managerに尋問した??とその Mr Nicolが返答した事を記して見ます 1. 酵母は培養しますか?    酵母は培養しないで主としてStout beerの    工場からbeer?醸造上のyeastを求    めて居ります。Irland dublin townか    ら来ます。brown color,? pasteで    2~3backで20貫目位を使用します 2. Scotlandに顕微鏡を使用している醸造場    がありますか?    先つ先づないと云ってよござんしょー 3. 醗酵のtempは?    F79°から、97°までであります。 4. 水は、井戸ですか    3哩も山の中に噴泉があって、そこからぱいを引    いてあの小山のtankに移しております 5. 分析した事がありますか? ---- Rothesに降りると目につくものはdistilleryばかりです 位置のよい所と光線の強い時を待って撮影するのです からその困難と云ったら一?ではありませんでした。?んだ家 の立派な庭園に迷い込んで主人に道を尋ねたり した事もありました。今日は全部で拾哩歩いた と思ひます。Rothesで?して少し南に行ったら又あろー と思ってDandaleithに行きましたが駄目でした それからCraigellachieで二三枚とって そこで立派な橋がありましたからそれもとりましたこヽ? は川の?所の為めに立派なStation Holetがありました 思はぬ立派な所でこんな立派なHotelは日本の 田舎ではとても見出せませぬ。teaを飲んでで六時 いくらの汽車で帰りました。Hotelではdance が初まっておりました。 25h April Friday Cloudy 今日は最後の実習ですから色々の事を尋ねた ?から皆んな????とりました。質問に答えてくれたのは distilleries managerのNicol君でその後に Exciserと一所にwarehouseを見せて ----    未だ嘗てありません 6. 何故Scotchwhiskyは有名ですか    この水です。雪水の多くの砂に濾過せられて    流れ流れたこの水です。そしてpeatも又    Scotlandの特有のものです。風味に?って    力あります 7. CaskはScotlandのOakですか    いやCanadaのoakでScotland    のoakは香氣は思はしくありません、然し    Whiskyの本当の風味はSherry Cask    に限ります 8. Caskの相場は?    plain caskで2 poundsから2 pounds    ten shilling、Sherry caskはfour pounds 9. Whiskyの相場は    1 gallon 戦争以前は3シリングでしたが今は    10シリングとなっております 10.Barleyの相場は    8 bushels(1 quater)が71シリングですが以前は30シリング ---- くれました。私はwarehouseはdampではいけないか らConeliteにしなければならぬと云った所がwhisky のstorageはdampとcoolに限ると云って そまヽならべております。一番長いは21年もので その味と云ふたらお話になりません初年のdiminish は5%でその後一年に2%平均?減する のだそーです。Managerが内緒で12 年のものと先日蒸餾したwhiskyを見本施して くれました。Whiskyは決して二三年であんなに色 のつくものではない為Caramel着色です? sherry Caskの?のplain Caskでは幾年 へても着色しないそーです。賣出す時は幾通の ものを混じて出すので税金はwarehouseに ある時はFreeですscotlandの南方に ??のwarehouseがありましてそこに皆集 めて賣買をするのです。そしてdistilleryを出る 時しでもそのwarehouseに行く時はduty はFreeです。とにかくdistilleryとdutyとは ---- 11.peatの相場は(malt kiln用として)    これはbank of hillに存在しておるので20~30    years oldのものです。無代ですけれどもlabourがヽ    かりますかそれで戦前は3シリング6ペンスper cubic yard    でしたけれども?今では7シリングper cubic yard 12.Coalの相場は(boiler用として)    戦前は21shilling per ton.でしたが    今は2 pounds per ton.となっております    凡そ16 cwtのcoalから100gallons    のwhiskyが??されます(distillation)    (5銭六厘の石炭で50%のウスキー一升を得) 13.醗酵中saccharomerの減少は如何です    Mashingをしますと第一回で送らるヽmash    のSacchrometer degeesは80°第二回    のMash washing washは25°第三    回は7degrceであります。凡そ二日?    で醗酵を終りますが最後Meter    は2°まで下ります。 ---- 全く無関係で云はばExciserを自分の事務員? ?っている様なものです。warehouse中の whiskyの欠減は決して逐次がへたす事がしないの です。それですから十年も二十年もすると殆んど caskの底に少し残っておる事になります。これ?の Whiskyの含有量し定めるにはRatter slide secle がありまして簡単に分る様になっております そして日本で申しますとDip ????のさし尺があり まして、これをDip rodと云って居りますがこれをCask の中に入れて中味を知る様になって居ります。 午後になって職工全部を支配人税務吏 等を撮影いたしましてお別れをなしElgin Hotelに帰りました この夜Hotelでは或る人の結婚式が あって大変な騒ぎに夜分遅くまでdanceを して居りました。その楽しい音楽の調●にそって 天女の聲の様な歌を歌っているのが私一人 悲しい喫煙室のstoneの前に立って 色々の事を考えているのとよい対照でした ---- 26th April 1919. Saturday Fine Elginを9時20分発の汽車に乗って 十日間実習そして利益の多かったHighland を去る事と致しました。Elginは??の寒くも ありませんでしたが段々と山の中に入るにつれて 凛然として吹雪は烈しい事と云ったらありませ んでした。AberdeenはHighlandでは 第一の都会で40万人口と云ふていましたが北 ??にありまして景色は絶好です。二時間 市中を見物いたしましてCaredonian Rail wayをとってperthを通過しGlasgow には夕方到着いたしました。矢張煙は多く て騒がしいでも都は都でありましてGlasgow は何となくなつかしく思はれます。これから又 しばらくは本の上の研究に移ります。

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