熊本シルフィード

熊本シルフィード(くまもとシルフィード、英語:Kumamoto Sylphid)は、PGBに所属する日本の女子プロ野球球団。
本拠地は熊本県熊本市のリブワーク藤崎台球場。


概要

チーム名 熊本シルフィード
創設年度 2013年
加盟リーグ マーメイド・リーグ
チーム名遍歴 熊本シルフィード(2013-)
フランチャイズ遍歴 熊本県(2013-)
本拠地 リブワーク藤崎台球場
キャパ 24,000人
監督 糀本緑
リーグ優勝回数 1回
リーグ優勝 2016
日本一回数 0回
日本一
ユニフォーム リンク

歴代監督

就任年度 監督名
2013~2017 玉名翔
2018 佐屋木桐香
2019~ 糀本緑

球団の歴史

2012年

 2013年のPGB拡張に伴う新規参入4チームのうちの一つ。横浜アクアマリンズ、同じく新規の広島レッドリーブスとともにマーメイド・リーグに所属。
 選手分配ドラフトでは東京フレイズから藤野由美子横川琉水ら、横浜から牛島紗耶香大塚ひばりらを獲得。ドラフトでは前田智を1位指名する。

2013年

 開幕戦は福岡クローネ相手に逆転負けを喫し、その後2連敗。以降は連勝と連敗を繰り返すがチームは低空飛行、最終的には14勝21敗5分け、勝率.400で首位の横浜とは6ゲーム差の最下位に終わる。
個人タイトルは若林雅が最多勝を獲得。
 オフに藤野が退団、錠崎雪美松浦光が引退してそれぞれ投手コーチ・広報に就任。トレードでは横浜からナスターシャ・海堂大阪ナイトブレイカーズから姫ノ島美晴を獲得している。
ドラフトでは信濃大津田つぐみを1位指名した。

2014年

 開幕戦は東京を相手に1-2で惜敗。序盤は5月に4連敗を喫するなど連敗が重なり下位に低迷するが、直後に2連勝、3連勝、2連勝を記録して借金を完済。7月下旬には横浜を抜いて2位に浮上、最終戦で大阪に敗れて借金1でシーズンを終えたが前年より順位を1つ上げることに成功した。
個人タイトルは武雷蒼がPGB新記録となる11本塁打を放つ活躍で本塁打・打点の2冠を達成。また水沢舞が盗塁王を獲得している。ドラフトでは佐賀南高新多霧子を1位指名した。

2015年

 開幕戦で前年日本一の広島に1-2で逆転負けを喫すると、その後4連敗でスタートし開幕ダッシュに失敗。その後も連勝がなかなか続かず、広島、東京に大きく負け越したことで星を伸ばせなかった。オールスター明けにはリーグ優勝の可能性が消滅し、最終戦で大阪相手に12-4で快勝し大阪の連覇を阻止するも、前年と同じ19勝20敗1分けながら最下位でシーズンを終えた。
 個人タイトルのうち、投手陣はドラフト1位の新多が最優秀防御率、ドラフト外の曙川笙子が最多勝、狛が最多奪三振、真壁桜が最多セーブ、小村舞が最優秀中継ぎをそれぞれ受賞し1チームで全てのタイトルを総なめ。ほかに武雷が2年連続の二桁本塁打で本塁打王、葛木燁菜と水沢が盗塁王をそれぞれ獲得している。
 シーズン終了後に盗塁王を獲得した葛木を上条結衣佐屋木桐香とのトレードで大阪へ、セーブ王の真壁を堤口奈菜美とともに秋田ゆかり茂部黒子とのトレードで広島へ放出。ドラフトでは五本松高溝渕彩芽を1位で指名した。

2016年

 開幕戦は2年連続で広島と対戦し、8-5で逃げ切る。開幕からしばらくは勝率5割前後をキープ。4月27日の対広島戦(藤崎台)において、秋田ゆかりがPGB史上初のノーヒットノーランを達成。チームの持ち味である投手力をもって首位の横浜を追いかけていたが、14節から6連敗を喫して最下位に転落。広島と2位争いが続いたが、オールスター前に4連勝を飾って2位に浮上。オールスター明けには3連勝を記録して徐々に横浜との差を詰める。そしてシーズン終盤の33・34節の横浜との直接対決を連勝して首位に浮上すると、そこから一気に加速。9月4日(37節)の横浜戦(横浜)を5-2で制して悲願のリーグ初優勝を飾った。
 チャンピンオンシップはシ・リーグを独走で制した福岡クローネとの九州決戦と話題になった。第1戦は先発の曙川笙子が7回無失点の好投を見せ、蒼守静流の犠飛とディートリント・D・ドラエモフのソロで加点し2-0で先勝。曙川は球団初のCS勝利投手、試合を締めた小村舞が同セーブ投手となった。しかし、第2戦は福岡の一発攻勢に屈して3-6で落とし、決着の第3戦も1-4で敗戦。日本一にはあと一歩及ばなかった。
個人タイトルは、秋田がMVPと最優秀防御率、小村が最多セーブを獲得。打者では武雷が本塁打王、水沢が盗塁王をともに三年連続で獲得し、ルーキーの蒼守が首位打者・最多安打・最高出塁率を獲得してリーグ新人王も受賞した。
 オフシーズンの選手の移動は、まず分配ドラフトで大友道雪溝渕彩芽が名古屋へ、赤井牡丹白縫賢美半田多恵が札幌へ移籍し、牧野佑奈小野塚知夏との交換トレードで広島に移った。一方で葛木が1年で大阪から復帰し、ドラフトでは1位にメキシカン・リーグで活躍した法条早を指名。重複した東京との抽選の末に交渉権を獲得した。

2017年

 3年連続で広島相手との開幕戦は、前年のノーヒッター、秋田ゆかりが開幕投手となり3-2で勝利。しばらくは一進一退となるが、中盤で6連敗を喫し失速。オールスターを挟んで5連勝で借金を返済するが、そのままシーズンを終えリーグ3位。
 個人成績を見ると、タイトルホルダーは新設された最高勝率の曙川笙子のみ。惜しいところまで含めると、武雷蒼水海道みらいがHR6本(最多は広島・青木、札幌・海月、横浜・小松の7本)。武雷は49安打(最多は広島、青木の52安打)、水海道は打点でも22(最多は広島・青木の24打点)だった。
シーズン終了後にはアリス・バーナード吾妻小春福田繭山口緑の4選手が退団、引退。ドラフトではPICの米代表で、ゴースティーブン高クリス・K・トムを1位指名した。
 また、佐屋木桐香が選手兼任監督となったことに伴い、玉名翔監督が打撃コーチへ異動となった。

2018年

 4年連続で広島相手との開幕戦は、開幕投手となった曙川笙子の快投もあり7-2で勝利。だがその後、引き分けを挟んで7連敗。交流戦を挟んで5連勝はするが、序盤の連敗が大きく響いた。
札幌との同率となったためプレーオフへの進出決定戦に挑むが、終盤の反撃及ばず4-5で敗戦。2年連続のシーズン3位となった。
 個人成績を見ると、タイトルホルダーは高倉伶花が最多ホールド(13H)、武雷蒼が最多HR(10本)、最多打点(32打点)と二冠、葛木燁菜が最多盗塁(35盗塁、PGB新記録)。
シーズン終了後には上条結衣蒼守静流ディートリント・D・ドラエモフの3選手が退団、引退。横浜の高村翔子原田やぶきとのトレードで獲得。ドラフトでは加越能交通大森紗良を、札幌との抽選の結果、1位指名となった。
また、佐屋木桐香が監督を辞任し、糀本緑が監督に新任となった。

2019年

 横浜との開幕戦では4年ぶりに若林を開幕投手に指名するが黒星スタート。翌節に白星を挙げるも、そこからPGB歴代ワーストの8連敗(引き分け挟まず)を喫し、大きく出遅れる。結局オールスターの時点で借金8を抱えるなど連敗が相次ぎ、球団史上ワーストの勝率.350を記録して4年ぶりにリーグ最下位に沈んだ。
個人タイトルでは武雷が2年連続4度目の最多本塁打とベストナイン(DH部門)、受賞ポジションが拡張されたプラチナグラブに、外野手部門でルーキーNAGIが受賞した。
シーズンオフにはそのNAGIや高村、前監督の佐屋木、小野塚知夏の他、姫ノ島、横川といった長くチームを支えたベテラン選手が退団。オフのドラフトでは金沢女子短大付属宇ノ気高校の外野手古美門恋を単独で1位指名し、トレードではクリスを札幌に放出して八十嶋叶を獲得した。

2020年

 前年最下位の汚名返上を図った糀本監督2年目のシーズンは、2年連続で敵地横浜で開幕。先制を許すものの中盤に一挙4点を挙げて逆転し、自身3度目の開幕投手となった曙川の好投もあって白星スタート。だが、交流戦で星を延ばせず、連勝を上回る連敗を重ねる状況も変わらず最下位に。一時一つ上の札幌に詰め寄り脱出の期待を抱かせたが、31節からの直接対決で連敗を喫すると再浮上できず。前年と同じ26敗、勝率.333は前年のワーストを更新し2年連続の最下位に沈んだ。
 個人成績では狛が最多勝、武雷が3年連続の最多本塁打とベストナイン、プラチナグラブ賞に古美門(左翼手部門)、海老名舞里南(一塁手部門)が輝いた。
 オフには小村、葛木、氏家浅葱秋間鶉が退団。トレードで常磐メロとの交換で、札幌から筑波暁を、秋田と海老名舞との交換で、横浜から右川優左田凛を獲得。FA宣言していた浜田ショコラを名古屋から獲得し、人的補償として高倉伶花が移籍。ドラフトでは1位指名で大獅望里奈を競合の末に獲得した。

2021年

 開幕前のオープン戦は未勝利で終了し、不安を抱えて横浜アクアマリンズとの開幕戦に臨んだが、いずれも延長12回までもつれた末にサヨナラ負けの連敗スタート。交流戦に入ってからもサヨナラ負けで試合を落とすことが続いたが、シーズン後半に政権後最長の5連勝を飾り交流戦も勝ち越し。シーズン終盤まで札幌との2位争いを繰り広げるなど粘りを見せて3年ぶりに最下位を脱出した。
 個人成績では、曙川が最多勝と最高勝率、大森が最多セーブ、武雷が首位打者・最多本塁打・最高出塁率のタイトルを獲得し、プラチナグラブ賞は左田(一塁手)、水沢(三塁手)、古美門(左翼手)の3人が受賞し、リーグのベストナインには武雷(指名打者)と、前年途中にドラフト外で入団した紀野まこと(二塁手)が選ばれた。
 閉幕後、チームの投打の象徴的存在だった狛と武雷のほか、シェリー=ウィルカーソン辻堂綾、ルーキーのミラ・タルティーニが退団。さらに古美門と紀野がFA権を行使。紀野は後に残留するも、古美門は広島に移籍(人的補償で上村出雲を獲得)した。
 年明けのドラフトでは櫻井女子学院の椿井忍を単独で1位指名し、合わせて4人の高卒選手を獲得した。

2022年

 前年と同じく、敵地横浜でリーグ女王の横浜アクアマリンズとの開幕戦を制すると、次戦も勝利し球団史上初めての開幕連勝を達成(その後3まで伸ばす)。春先の交流戦は苦しんだもののこの時期に首位に立つとリーグ戦再開後は5連勝を飾って加速。二度目の交流戦も踏ん張って首位でオールスター中断に突入。6年ぶりのリーグ優勝に向けて期待が高まった。
 だが、オールスター明け直後、札幌ホワイトエンジェルスとの首位攻防戦でスイープを喫し2位に順位を落とすると潮目が変わったか、33節の横浜戦からなんと閉幕まで8連敗を喫し、優勝どころかプレーオフ進出も逃す。結局、前年よりわずかに勝率を上げたものの同じ3位に終わった。
 一方、個人成績に目を向けると、投手部門ではPGB通算30勝を達成した曙川が2年連続3度目の最多勝を獲得(エロフアリソン・ブレイクと同率)。野手部門では紀野が首位打者、最多安打、最高出塁率、右川が最多本塁打と最多打点を獲得。両者のほか、正捕手定着のエヴァがマ・リーグベストナインに輝き、プラチナグラブ賞はエヴァ、紀野(二塁手)、水沢(三塁手)が獲得した。
 そしてシーズン終了後、10年にわたって熊本一筋でプレーした水沢、ベテラン捕手の法条の他、糀本監督となって以降に獲得に携わった八十嶋、大森の両左腕に、浜田とルーキーの椿井の外野手二人が退団となった。
 一方でオフのFA期間には積極的に動き、東京から実績のある左腕橘川亜由美、福岡から若手内野手のアーデルハイト・ラインホルトを獲得(それに伴う人的保障で水海道が東京、野留加そるかが福岡入り)。また広島へFA移籍をした山村つゆの人的保障で末永悠波を獲得。年明けのドラフトでは異色の社会人スラッガー羽生美郷を1位指名した。

2023年

 敵地札幌に乗り込んでの開幕戦は、開幕投手を任された橘川が完投するも打線沈黙で惜敗。次節でシーズン初勝利を挙げるも、前年と違い勝率5割をなかなか超えられず。ドラフト外で瀬戸あさひ投手の獲得、元大阪のシンディー・アンダーソンコーチの招聘、右川兼任コーチの選手専任など様々なテコ入れを重ねるが、春先の交流戦が明けると5連敗を喫し失速すると借金生活に突入。最終戦こそ勝利したものの3年連続で3位に終わり、5年連続のBクラスとなった。
 個人成績では曙川が3年連続4度目の最多勝(広島小野冬桜と同率)と、初の最優秀防御率の二冠。今季から新たにクローザーに回った不来方京が最多セーブ(札幌斉藤麻希、横浜矢作郁慧と同率)に輝き、打者部門では右川が2年連続で本塁打、打点(横浜相山美嶺と同点)の二冠を獲得。曙川、右川はベストナインにも選出され、プラチナグラブ賞は左田(2年ぶり三度目)がチームで唯一受賞した。




チーム成績・記録

年度別成績

年度 順位 試合 勝率
2013 3 40 14 21 5 .400
2014 2 40 19 20 1 .487
2015 3 40 19 20 1 .487
2016 1 40 22 17 1 .564
2017 3 40 19 19 2 .500
2018 2 40 17 19 4 .472
2019 4 40 14 26 0 .350
2020 4 40 13 26 1 .333
2021 3 40 18 22 0 .450
2022 3 40 18 21 1 .462
2023 3 40 18 22 0 .450
通算:11年 440 191 233 16 .450

タイトル

  • リーグ優勝:1回(2016年)

歴代開幕投手


チームの特徴

  • 「sylphid」は「森の妖精」を意味する単語。熊本の緑と大地と風をイメージしたネーミング。

所属選手

コーチ・スタッフ

名前 背番号 役職
糀本緑 88 監督
玉名翔 81 助監督
千秋由夏 89 投手コーチ兼打撃投手
福永茉希 71 打撃コーチ
シンディー・アンダーソン 86 バッテリー兼打撃コーチ補佐
すーか(墨屋緒図) 096 内野守備走塁コーチ
今鹿駿 87 外野守備走塁コーチ

投手

名前 背番号 備考
川村陽香里 11
長崎史燕 14
瀬戸あさひ 15
前平郁花 19 2023年ドラフト3位
奥田朱美 20
藤巴 24
聖優子 26
末永悠波 33
曙川笙子 40
皇更紗 58 2023年ドラフト2位
若林雅 69

捕手

名前 背番号 備考
エヴァ 2
アナベル・マルティネス 60

内野手

名前 背番号 備考
大獅望里奈 3
並中華奈名 7
右川優 8
左田凛 10
小師陽向 29 東京フレイズから移籍
茂部黒子 96
円谷蘭 99

外野手

名前 背番号 備考
七五三一 1 2023年ドラフト1位
ワグー 4
羽生美郷 9
中村真殊 31 2023年ドラフト4位
神宮美乃凛 36 広島レッドリーブスから移籍
服部忍 52

OG選手

あ行


か行



さ行


た行


な行


は行


ま行


や行


ら行


わ行


監督・コーチ

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最終更新:2024年02月09日 19:28