リタガン16回C1考察

■リタガン考察16回 C-1

■概要
これはリタガン16回C-1の内容を明確化するために作られたものです。


(抜粋)

滝川は顔をうずめながら自分を嘲ると、TVアニメのヒーローを思った。ハードボイルドペンギン、格好いい。
こういう路地で身寄りのない少年が座っていると、ペンギンは言うのだ。
白いマフラーを緩めながら。もう勝負はやめたのか、坊主。



滝川はハードボイルドペンギンが好きである。格好いいと思っている。
ハードボイルドペンギンは、エヅ・タカヒロ原作「ペンギンさんパリに行く」の登場人物。

■根拠
「作家だよ。ゴージャスタンゴやペンギンさんパリに行くのシナリオも書いているんだぜ。」(return to gunparade 10-1)



滝川はTVアニメが好きだった。なによりも無料というところがいい。
無料なのはオモチャを売るためだと、誰かが言ったが、滝川は信じていない。信じるわけにはいかないのだった。
世の中には一つくらい、 損得を抜いたところに子供の味方がいてもいい。

滝川は空を見上げた。星々が輝きだしていた。

この時間、ごみごみした周囲の風景を見たくなくて、滝川は毎日空を見ていたが、これははじめてのことだった。
銀河が、見える。何千の星が瞬いて、滝川は不意に遠い大地をポンコツ車で旅するペンギンを見たように思った。



※ 
遠い大地をポンコツ車で旅するペンギンを見たように思った。
こちらと似た描写がある。

■根拠
一方その頃。
ブルガリア国境。
猛スピードで大地を駆け抜ける、一台のスバル360があった。
ハードボイルドは泥棒さんではないのでフィアットより国産なのであった。(return to gunparade 19-B3)



滝川は立ち上がると、視界の隅を邪魔するビルを排して、銀河の果てを見たいと思った。

銀河の終る先に、ハードボイルドペンギンが 銀河をたどって日本に戻ってくる姿が見えると思ったのだった。
そう、パリについたペンギンは、遠い故国の危機を聞いて、平和な生活を投げうって また旅に出たのだと、そう幻視した。



関連があるかは不明。ここで銀河の話が出てくる。
(return to gunparade 14-後半3話)にて銀河を行く冒険艦に乗るエルンストが確認されている。

■根拠
冒険にして自由の天地である銀河を行く冒険艦。
全長43m。重量わずかに180tのその空飛ぶ船は、大逆転号と言った。
ブータは一等航海士として、遠くオリオンアームの向うまで駆け巡っていた。
そう、それなのに。
操舵手、エルンストがブータの姿を見て笑っている。



そうするとたまらなくなり、滝川は朝も暗いうちに自転車を漕いで、銀河を追って移動を開始していた。
朝になれば銀河は消えてしまう。滝川は銀河を追いながらそう思った。地平線が見たい。
見るために考える。高いところに行きたい。朝までは、もう少し。

この近くで自分が立ち入りを許される高いところといえば、そういくつもない。具体的に言えば、一個所しかなかった。


(中略)

 


紫色の空に鳥達が円を描き、テントの上に、黄金色の草原に見える猫の背が並ぶ光景。


 一際大きな風が吹いた。滝川のゴーグルが風で飛び、額の古い傷口が現れる。
滝川は、それを隠すことすら忘れた。傷口が、黄金の風で癒される。

それは、魂までは傷ついてはいないことだと、足元を旅する兎が言った。
人族のおとこしよ、そなたもまた、運命を決める宝剣に導かれたのだろう。
そこで見ているといい。我らの姿を。我らの生き様を。そなたは証。我らがあって戦ったことを残す証。
そなたの血が永代に残るよう祝詞を授けよう。 子々孫々まで我らの生き様を語られよ。


※兎について:
おそらくストライダー兎だと思われるが不明。

※そなたの血が永代に残るよう祝詞を授けよう。 子々孫々まで我らの生き様を語られよ。
確かに滝川は緑のオーケストラの台詞を見る限り、子孫を残したいと考えているようだ。



滝川は大口を開けて、傷の浮いてない我が身を見て、今まさに滅びの戦争をはじめようとする神々を見上げた。
人には理解できようもない、不可解な美しい秩序に触れて心が震える。
猫と鳥達が整然と並ぶだけで、なぜここまで不可解に美しく見えるのだろう。
世界は行儀良く座る猫と鳥を並べただけで、容易に異形の様相を示しはじめる。

また風が、近づいてくる。風は思い出だった。何年も先まで思い出す優しい風だった。
滝川の肩に、優しい誰かが手を置いた。


※この時滝川と士魂号の肩に優しく手を置いたのは誰だろうか。

この場合、滝川と士魂号の肩に手を置いた誰かが同じというわけではないと思われる。

滝川は整備テントの外、士魂号はおそらく中だからであり距離が離れているからだ。

この場合、「また風が、近づいてくる。風は思い出だった。何年も先まで思い出す優しい風だった。」

という文章が前にあるので、士魂号と滝川に触れた誰かというのは、誰かはわからないが

その「思い出の風」であると思われる。


士魂号の肩にも、手が触れた。

 

滝川の目の前、3mの所に少女がいた。
草の蔓で髪を結わえ、世界を呑みこむような稀有壮大な青色の瞳が印象的な、眉の太い少女だった。
 それは言うのだ。絶望の真中で。
 <全てをなくしたその時に、これはその者の胸に燦然と輝きだすのよ>


※おそらくシオネアラダだと思われる。



 耳元で剣鈴を抜く音が聞こえる。
 <心、震えました。我ら兄弟、貴方の騎士となりましょう>


※おそらくエイジャ兄弟だと思われる。



 遥か遠くで魔王のような男が、優しく言った。
 <それは夜が暗ければ暗いほど闇が深ければ深いほど、燦然と輝く一条の光だよ。ラスタロロス>



※この時魔王のような男が優しく言う。 滝川の肩に優しく手を置いた人物だろうか。
この魔王のような男は、ラスタロロスに優しく言っている。

※このフレーズは、似たような歌詞があるが、ハンニバル曰く「それはの歌」という。
主に猫神族や悲しみの聖戦のメンバーが歌うようだ。


■根拠
(return to gunparade 12-5話)
「それは世界の総意により、世界の尊厳を守る最後の剣として、全ての災厄と共にパンドラの箱に封じられていた災厄の災厄。
自ら望んで生まれ出る人の形をした人でなきもの」
(中略)
「それはの歌か……」
(中略)
「それは、夜が暗ければ暗いほど、闇が深ければ深いほど、燦然と輝く一条の光」
「それは、悲しみを終らせるために抜かれた刃。猫の形をした猫でなきもの。怒りの顔をした怒りでなきもの」
スピキオは喉を振るわせて、高らかに歌った。
「それは絶望と悲しみの空から満を待して現れる、ただの幻想。暗黒に沈む心の中に沸き上がる、悠久不滅の大義の炎。失われそうになれば舞い戻り、忘れそうになれば蘇る、原初の感情 ただ一つのはじまりの力」
 猫達は一斉に我が胸を叩いた。
「それはここに! この中に!」
「我は未来の護り手なり 我が一撃は空の一撃 空を割るは我が前脚なり」

父の横顔は、自分の知らない人のようであった。お話に出てくる伝説や神話の一つのように見える。
そう、夜の闇を言葉で照らす術を人類に教えた伝説の巨人だ。

「それは世界の総意により、世界の尊厳を守る最後の剣として、全ての災厄と共にパンドラの箱に封じられていた災厄の災厄。自ら望んで生まれ出る人の形をした人でなきもの」

言葉が使われるたびに、父の右手が燃えるように熱くなるのが分かった。

「それは、夜が暗ければ暗いほど、闇が深ければ深いほど、燦然と輝く一条の光……」

父がそう言えば、光がその拳に集まるような気がした。
闇は遠ざかり、善き神々の軍勢が右と左を駆け抜けていく感触があった。
赤い短衣をつけた猫神が、走り抜ける最中に自分の目を見て笑ったような気がする。(5-2)



これは古謡らしい。同じ歌らしいものは幾つもある。

■根拠
「それは悲しみが深ければ深いほど、絶望が濃ければ濃いほどに、燦然と輝く一条の光……」(17-後編-2)
「そのもの、悲しみが深ければ深いほど、絶望が濃ければ濃いほどに、燦然と輝く一条の光」(19-1)

 白犬が歌った。
 -それは悲しみが深ければ深いほど、絶望が濃ければ濃いほど、燦然と輝く一条の光-
 -それは夜が深ければ深いほど、闇が濃ければ濃いほど、天を見上げよと言うときの声-(18-後編-2)

「それは世界の危機に対応して出現し、世界の危機を消滅させて、また消えていく存在。ありうざるべきそこにある者。夜明けを呼ぶ騒々しい足音。人が目を閉じるときに現れて、人が目を開く時に姿を消す最も新しき伝説。世界の最終防衛機構」

 

※おそらく、「夜が暗ければ暗いほど、闇が深ければ深いほど、燦然と輝く一条の光」
は、悲しみの聖戦に参加したメンバーが歌う歌であると思われる。
「悲しみが深ければ深いほど、絶望が濃ければ濃いほどに、燦然と輝く一条の光」
は別の歌か、もしくは悲しみの聖戦以降の神族や人間が歌う歌と思われる。



 鼓杖を持った絶世の美女が、善行に見える。
 <ブータニアス卿、ビアナオーマはたった今決めた。参戦する! いくぞ!>
 <猫前進! 姫を守れ>
 <にゃーぁぁぁ!> 猫神族80万がときの声をあげる。

 滝川は思念の輝きに飲まれ、その輝きの中で我が身を見失った。


C-2:

/*/

髭を揺らし、ブータはひしめく神々に言った。

「善き神々よ、子らの夜をまもるものは誰か」
「それは、我ら」

青い瞳のブータの胸の下にゆれる光の勾玉が、燦然と青く青く輝きだした。
「そう、我ら。……絶望のまなかで我らは、一番大切なものを取り戻したな。……今からでも遅くない」
善き神々は、それぞれが顔をあげて青い瞳を輝かせた。明日ここで死ぬかもしれないが、何よりも大切な誇りは守られた。
神々は、シオネを愛したことを思い出していた。それは誇り。あの女を愛したことが、神々の誇りであった。

ブータは鳴いた。猛獣のごとく。

「人族にも盟約を覚えていた者がいた。その一事をもって我らは再び戦おう」
「志は引き継がれた。優しさは地に残った」
「愛もまたここに」

 神々は我が胸を叩いた。神々のごとく。
ブータは誇り高く言った。

「よかろう、では滅びよう」

/*/

 そして善き神々はあるべきところに帰った。
すなわちそこは神話である。猫は、竜と戦うだろう。

 


/*/

 それから20分後。

 滝川は、今までと違うまぶしさに目を醒ました。

 太陽だった。日はまた帰ってきたのだった。いつもの通り。
  目を細める。心配そうな速水と舞が、顔を覗き込んでいた。

「どうしたの、こんな時間に?」
  速水は、優しく言った。

 滝川は夜の残滓で、速水を見た。絶望の中で舞う光を大切そうに胸に抱いた、悪しきもの。



※夜の残滓で速水を見たというのは、滝川のビジョンでは速水はこのように見えるようだ。



 「速水、意地を見つけたら、意地を通せ。善いとは、ただそれだけだ」



※この台詞は、恐らく滝川が言った台詞だと思われる。



(抜粋終わり)


■まとめ

滝川の視点の人物は、人族であり男。
その人物は、シオネ、兎神族、猫神族、魔王のような男、エイジャ兄弟、赤にして深紅ではない。
その人物の可能性がある人物は、姿が出てきていないラスタロロスか、それ以外の人物である。
その人物は悲しみの聖戦参加者である。

位置関係:


■16回C-1から見る、悲しみの聖戦参戦者
シオネ・アラダ
兎神族
猫神族
魔王のような男
ラスタロロス
エイジャ兄弟
鼓杖を持った絶世の美女ビアナオーマ(善行に見えるとの事なのでおそらく、赤にして深紅)

(他にもいらっしゃるかもしれないが描写なし。)

■悲しみの聖戦参加者と滝川の視点。

■1:滝川の幻視(ビジョン)では、その場の滝川は額に傷がないので過去悲しみの聖戦に参加した別人物の記憶であると思われる。
■2:その記憶の人物は、兎神族より人族のおとこし(男士?)と呼ばれている事から人間であり、男である。

■3:その記憶の視点で語られる為、以下の人物は滝川の視点の共有者ではない。

シオネ・アラダ : 滝川が実際に見ているため。
兎神族 : 滝川が実際に見ているため。そもそも兎であり人ではない。
猫神族 : 滝川が実際に見ているため。そもそも猫であり人ではない。
魔王のような男 : 滝川が実際に見ているため。
エイジャ兄弟 : 滝川が実際に見てはいないが、剣鈴を鳴らす音を聞いている為
鼓杖を持った絶世の美女ビアナオーマ : 滝川が実際見ているため。

■4;滝川にこの悲しみの聖戦の記憶を見せている人族の男の可能性ある人物。

○ラスタロロス:滝川が見ていない人物。

ラスタロロス:http://www59.atwiki.jp/punksidress/pages/205.html

登場人物の中で唯一、姿が見えてない人物でラスタロロスがいる。
記憶を見せている人物は、ラスタロロスの可能性がある。
又、ラスタロロスは、ハードボイルドペンギンの弟子であり、前述のペンギンが故国へ帰ってくる描写や
銀河をたどって戻ってくる描写はその関連である可能性がある。

また、ガンパレード・オーケストラhttp://blog.tendice.jp/200602/article_8.html 瀧川奮戦では、瀧川陽平=滝川陽平は

ハードボイルドペンギンの弟子であり、彼の持つ回転式大口径拳銃は、ハードボイルドペンギンが選んだ拳銃であるので

面識はある。

 

△魔王のような男と速水

又、滝川は夜の残滓で、速水を見た。絶望の中で舞う光を大切そうに胸に抱いた、悪しきもの。と
あるので、この描写が速水に魔王のような男を見た描写なのかもしれない。

しかし、ただ単に速水の印象を表しているだけの描写の可能性もある。


○それ以外の人物:
ラスタロロスという人物が滝川の見えない場所におり、ラスタロロスと魔王のような男が
話している内容を、滝川の視点の共有者が聞いた場合も可能性としては考えられる。
ただその人物は人族で男としかわからない。

 

■5:滝川の視点の共有者は、悲しみの聖戦の参加者。

<それは夜が暗ければ暗いほど闇が深ければ深いほど、燦然と輝く一条の光だよ。ラスタロロス>

おそらく、「夜が暗ければ暗いほど、闇が深ければ深いほど、燦然と輝く一条の光」
は、悲しみの聖戦に参加したメンバーが歌う歌であると思われる。

「悲しみが深ければ深いほど、絶望が濃ければ濃いほどに、燦然と輝く一条の光」
は別の歌か、もしくは悲しみの聖戦以降の神族や人間が歌う歌と思われる。(理由:速水や来須や白犬が歌うので。)

なので、この歌は悲しみの聖戦参戦者が知っている歌であり、滝川の視点の人物は悲しみの聖戦の参加者である。

 

■6:滝川と士魂号の肩に手を触れた存在(9/22更新 玄霧さんの指摘から)

この時滝川と士魂号の肩に優しく手を置いたのは誰だろうか。

この場合、滝川と士魂号の肩に手を置いた誰かが同じというわけではないと思われる。

滝川は整備テントの外、士魂号はおそらく中だからであり距離が離れているからだ。

この場合、「また風が、近づいてくる。風は思い出だった。何年も先まで思い出す優しい風だった。」

という文章が前にあるので、士魂号と滝川に触れた誰かというのは、誰かはわからないが

その「思い出の風」であると思われる。

 

 


以上。

■更新履歴

9/22 ラスタロロスの項目、 滝川と士魂号の肩に手を触れた存在 更新

 

最終更新:2015年09月22日 09:27
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