■はじめに

  • 当ページは、自民・民主両党に関する様々な俗論、例えば
(1)「小選挙区制で、日本の政治は自民・民主の保守二大政党制になってしまった。リベラル派の人には選択肢がない」
(2)「民主党はリベラル左翼政党で論外だが、自民党も今や保守というよりリベラル政党だから保守派の人には投票先がない」
   のような、曖昧・主観的、また断片的で、相矛盾した言説に対して、
政党及び個々の政治家の <1>政治的立ち位置(Political Stance)の類型化(モデル化)、 <2>保守-リベラル度の数値化、
という定式化・定量化手法を用いて分析し、客観的・統計的な結論を見出すこと、を目的としたページです。
また、自民党の応援サイトでもありません。あくまでも民主党よりはマシというスタンスです。自民党への苦言

  • 検証の必要上、自民・民主両党を同等に分析していきます。
  • なお、自民・民主両党の違いを定性的・直感的かつ簡便に掴みたい方は、自民党と民主党の違い(簡易版)を先に参照して下さい。
⇒当ページ編集方針・編集内容に関するご意見を是非掲示板までお寄せ下さい。

■目次


■両党を簡易に比較 ⇒ 自民党と民主党の違い(簡易版)


■Political Stance (政治的立ち位置):

 ※分析の前段階として、先ず以下の8類型を想定します。
◆政治的スタンス五分類(内枠)
進歩重視 伝統重視
親・全体主義
(閉ざされた社会)
I 左翼
(共産主義、社会主義、リベラル左派)
⇔親和性高い⇔
(左/右しばしば転向)
V 右翼
(国民社会主義※1、ナショナリズム)
反・白人/反・英米的
親アジア傾向、独裁制
‡非常に対立的 II 中間(便宜主義) ‡反・左翼で一致だが潜在的には対立 モボクラシー(衆愚制)
親・自由主義
(開かれた社会)
III 真正リベラル
本来のリベラル=リベラル右派)
⇔親和性高い⇔
(伝統に根ざした自由)
IV 真正保守
伝統保守
親・文明/親・英米的
デモクラシー(民主制)


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◆政治的スタンス八分類 (外枠)           極右と極左は隣接 「ナチスとコチスは兄弟」
Political Stance Ultra-Left Left-Winger Liberal Centrist Neo-Liberal Conservative Right-Winger Ultra-Right
政治的
立ち位置
極左
(急進・過激派)
左翼
(革新)
リベラル左派
(中道左派・進歩派)
中間
(オポチュニズム)
リベラル右派
(新自由主義)
保守
(伝統保守)
右翼
(ナショナリズム)
極右
(急進・過激派)
政治制度 一党独裁
(全体主義)
指導政党制
(準全体主義)
選択的多党制・政権交代を前提
(純度の高い議会制デモクラシー = 自由民主制 liberal democracy)※2
指導政党制
(準全体主義・権威主義)
一党独裁
(全体主義)
革命(Revolution)断行 革命・クーデターによる政体変更を否認 維新(Restoration)断行 クーデター断行
経済制度 共産主義 社会主義 資本主義 国民社会主義※1
経済政策 国家管理 高負担・高福祉 やや高負担・高福祉 功利主義・無定見 最小限の介入 中負担・中福祉 高負担・高福祉 国家管理
外交政策 親大陸(反英米) 親英米(反大陸) 反英米・反大陸
日本の事例 社民党(旧社会党) 自民党 大日本愛国党(ほぼ消滅)
日本共産党 民主党 国民新党(消滅) 維新政党新風
みどりの風・生活の党 公明党 みんなの党 日本維新の会
海外の事例 米・露 ソ連共産党(現:ロシア共産党) 民主党(米) 共和党(米) 統一ロシア(プーチンの与党)  
英国   労働党(英) 自由民主党(英) 保守党(英)
ドイツ 左翼党(旧東独社会主義統一党) 社会民主党(独) 自由民主党(独) キリスト教民主同盟・社会同盟(独) ナチス党(消滅)
国内メディアの
立ち位置
赤旗
(共産党支持)
朝日・毎日・中日・NHK
(民主・社民支持)
読売・日経
(大連立志向)
産経
(自民支持)
チャンネル桜
(保守派支持)
読売は「保守」ではなく「便宜主義」
産経も「保守」ではなく「中道右派」
※政治現象を読み解くために…上の図は頭に入れて置こう⇒上図の詳しい説明は 政治の基礎知識 参照                           ※意見はこちらへ⇒ 政治的スタンス分析
※1国民社会主義 … 「国民」を神聖視した戦後はナチスと結びついた national socialism を「国家社会主義」とワザと誤訳してきたが、戦前の刊行物は「国民社会主義」と正しく訳しており最近の高校教科書の記述も語義どおり正しく翻訳するようになってきた(例:2006年検定合格の山川世界史教科書:「国民(国家)社会主義」と表記)。
※2自由民主制 … 「国民」を神聖視したのと同様に「デモクラシー」を「民主主義」とワザと誤訳して神聖視した戦後は liberal democracy をも「自由民主主義」とワザと誤訳してきた。⇒詳しくは デモクラシーの真実 参照。しかし厳密に学問的な政治学の著作は democracy を「民主主義」ではなく、ちゃんと「民主制」「民主政体」「民主政治」「衆民制」などと表記している。

■自民・民主両党のP.S.分析  ※演繹的分析

政党    政治的立ち位置(P.S.)   主な議員
1 自民党 (1) 進歩 数は多くないがマスコミの支援を受ける有力議員が多い 河野太郎、河野洋平、加藤紘一
    (2) リベラル 岸田派、旧二階派に多い 福田康夫、二階俊博、古賀誠、谷垣禎一、野田毅
    (3) 中間 額賀派、大島派、石原派に多い 青木幹雄、山崎拓、小泉純一郎、町村信孝、細田博之
    (4) 保守 町村派、旧伊吹派、麻生派に多い 森喜朗、麻生太郎、安倍晋三、下村博文
2 民主党 (1) 革新 旧社会党・社民連出身者に多い 江田五月、横路孝弘、菅直人、仙谷由人、千葉景子、岡崎トミ子、齋藤勁、今野東
    (2) 進歩 旧民社党(労組系)、旧さきがけ出身者に多い 鳩山由紀夫、岡田克也、直嶋正行、川端達夫、高木義明、平岡秀夫
    (3) リベラル 旧日本新党、松下政経塾出身者に多い 前原誠司、藤村修
    (4) 中間 旧新生党(自由党)出身者に多い 小沢一郎、渡部恒三、藤井裕久、羽田孜、北澤俊美、野田佳彦、中井洽、山岡賢次、奥村展三
    (5) 保守 ほぼ絶滅 牧義夫、渡辺周、笠浩史、長尾敬
※以上は、一般に認知されている党の構成や成り立ちから演繹的に導き出した分類結果です。
※実際には後出の帰納的分析により、自民党にも無視できない数の革新・進歩派議員が存在することになります。

■歴代首相・歴代党首のP.S.分析(直近10年)  ※演繹的分析

政党     氏名   政治的立ち位置(P.S.) 補足説明
1 自民党 首相 (1) 小渕恵三 保守 安定政権を求めて、公明・自由党に接近し自自公政権を樹立する。2党に譲歩する一方で江沢民主席の謝罪要求を拒否、国旗国歌法・周辺事態法を成立、憲法調査会を設置した。経世会系の議員としては珍しい反中派・保守寄りの議員。脳梗塞で倒れ、1ヵ月半後に死去。
       (2) 森喜朗 保守 「神の国発言」でマスゴミの理不尽なまでのバッシングを受けた被害者第一号。
しかし、このバッシングの真の理由は森氏が後の安倍・麻生両氏と同じく真正保守であったことに対するマスゴミほs側の反感・敵意による(当時はネットによる歯止めが無かったため国民の多数が騙されてしまった)
       (3) 小泉純一郎 中間 政権発足当初はリベラル色が濃く(福田官房長官・田中(川口)外相)、中期は中間的(細田官房長官・町村外相)、そして末期は保守寄り(安倍官房長官・麻生外相)と、国民意識の右傾化(健全化)と共に次第に政治姿勢を変化させていった稀有の存在。 北朝鮮工作船に厳正に対処、中韓が反対する中で靖国神社に参拝した。
       (4) 安倍晋三 保守 「戦後レジームからの脱却」を掲げて憲法改正への国民投票法や日教組を弱体化させる教育改革を断行するが、反日マスコミの異常なバッシングを受けて参院選に大敗、健康まで害して退陣を余儀なくされた
       (5) 福田康夫 リベラル 自虐史観・親中派のため小泉政権の官房長官時代からマスゴミには好評だった
       (6) 麻生太郎 保守 反日マスコミの猛バッシングと格闘したが、2009年衆院総選挙での大敗を受けて辞任に追い込まれた
    党総裁 (7) 谷垣禎一 リベラル 加藤紘一の子分で親中派、但し総裁在任中は保守派に配慮する姿勢も見せた。
2 民主党 党代表 (1) 菅直人 革新 対米関係の改善を目指し、日米同盟深化を標榜するなど野党時代よりは現実的となった。しかし親特亜路線は変わらず、植民地支配謝罪談話発表や地検に責任を押し付けた尖閣諸島漁船衝突事件などで特亜への弱腰を露呈
       (2) 岡田克也 進歩
       (3) 前原誠司 リベラル
       (4) 小沢一郎 中間 中間派というより、オポチュニスト(便宜主義者)で特定の政治的信条を有さないノンポリ。権力獲得だけが目的のpolitician(政治屋)タイプ
自由党時代は「自民党より右」を売り物にしていたはずなのに、民主党に合流した途端、旧社会党系と手を結び革新寄りの政治姿勢を強めている。
       (5) 鳩山由紀夫 進歩 保守政治家であった鳩山一郎元首相の孫であり、保守派と勘違いしている人が多いが、民主党結党前の1996年に朝日新聞社発行の月刊誌『論座』への寄稿記事 「わがリベラル友愛革命」 で、既に「日本列島は日本人だけのものではない」「定住外国人に(地方参政権だけではなく)国政参政権を与えることも真剣に検討している」と表明しており、確固とした信念を持ったリベラル進歩派である。
       (6) 野田佳彦 中間 首相就任以前は外国人参政権や人権侵害救済法案に反対するなど民主党内では珍しい保守派の議員だった。
しかし、就任後すぐにリベラル左派議員を法務大臣として任命し、人権侵害救済法案などをするなど革新寄りの政治姿勢を見せた。
       (7) 海江田万里 進歩

■自民・民主両党の総選挙候補者のP.S.分析  ※帰納的分析

  • 次に、私達にとって直接・直近の選択対象となる、自民・民主両党の次期衆議院議員選挙(総選挙)立候補予定者(小選挙区全員)についてP.S.分析を行います。
  • この立候補者の個別分析は、総選挙★愛国・売国議員候補リストの分析を援用します。
  • 但し、ここでは、《愛国-売国》という価値判断ではなく、《保守-リベラル》という政治的立ち位置(P.S.)の測定を目的としているため、同リストの「評価基準」を次の「測定基準」に置き換えます。

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最終更新:2014年01月13日 15:43