涎に濡れた舌が、赤く膨れ上がった先端を撫でる。恐る恐る舌を伸ばしながらこっちを窺うのが可愛くて、つい手が伸びてしまう。
「あ…えへへ、わふぅ…」
長い髪を梳くように。軽く耳の裏を撫でるようにしてやると、心地よさそうな声で鳴く。
そのまま手を頭の後ろに当てて引き寄せれば…意図は理解できたようで。赤くなりながらも、舌を伸ばし始めた。
「んっ、れろ、ちゅ…ふあ…固いねー…」
根元から先端へ。下から上へ。時々落ちてしまいそうになる滴を舐めとりながら、飽きもせず舌を這わせる。これが本当に美味しそうに、嬉しそうな顔をするから、つい意地悪を言いたくなるんだ。
「ほら、舌出してくださいよ」
「うー…こ、こう?」
戸惑いつつも従う先輩は、本当に犬みたいだ。無防備な顔から伸びた舌にはトロリと唾液じゃない粘液が光っている。
分かっているのかいないのか…ああ、そろそろ急がないと、みんなが来るよな。
「それじゃ、一気にいきますよ…しっかり咥えてください」
「うん、垂れたらもったいないもん。頑張るよー」
そう言って、開けた口に頭から咥えこんでいく。
さすがに言わなくても十分で。ジュプジュプと水音を立てながら舌を激しく動かし、同時に顔を上下させて。
「んぐっ、んぶ…じゅるっ、んんんんっ!」
ひどく汚い音。涎と交じり合った粘液を啜りたてる、下品な音が部室に響く。みんなが居ないうちにこんなことしていいのか…そう、思わなくもないけど。
「よしよし…最後まで零さずいけましたね。よくできました」
「もー、大丈夫だよー。すっごく美味しいんだよー?」
「いや、俺は苦手ですけどね…」
にこにこと笑う先輩は本当に嬉しそうで、チロチロと覗く舌先が艶やかに光っている。
今の今までしていたことを、心から喜んでいた。
「それじゃみんなが来るまでに片付けましょうか。見つかったら大変ですし」
「そうだねー。じゃあ窓開けておくね? 匂いはしないと思うけど、念のためー」
胡桃「…ミルクアイスの匂い!」
白望「二人で食べてた? 私にも…」
塞「匂いはともかく、ゴミ箱に捨てたらバレバレだよ?」
京太郎「はは…意外とみんなが来るのが早くて」
豊音「ばれちゃったよー」
エイスリン「ンー…キョータロ! ワタシニモ!」
京太郎「へいへい。みんなの分も買ってきますから、ちょっと待っててくださいね」
胡桃「ゆっくりでいいよ」
エイスリン「アト、ヨニンブンダカラ、ジカンカカリソウ…」ワクワク
白望「濃度が薄いかも…しかたないか…」
胡桃「やっぱり急いで! 一回につき三往復半で!」
京太郎「臼沢先輩、あとはよろしくおねがいします」ピシャッ
塞「あ、逃げた!」