――なによ、これ。
神崎麗美は、緊張した面持ちで夜の空を見上げた。
彼女は、天才児だ。
IQ200を超える頭脳に、一度見たものを決して忘れない記憶能力。
それをもってすれば。
大概の難題に答えを出すことは出来るし、自力で解決までだって導いてやれる。
自らの出生についてこそ強いコンプレックスを抱いているものの、自分が天才だという自負はある。
事実、いまこのセカイに迷い込んだ者たちを引っ括めても、彼女と並び立てる頭を持つ者は数える程しかいないだろう。
その彼女をしても、理解できなかった。
脳裏で受け止めていても、理解が追いつかない。
あまりにも非日常過ぎる現状は、麗美の状況適応力を遥かに上回っていた。
いつものように、布団に入り。
いつものように、眠りに堕ちた。
そうして気が付いたら、目の前には薄気味の悪い風貌をした猫。
衣服はどういうわけかパジャマから制服に変わり、辺りの風景は見たこともないそれ。
猫は云った。
これは虚像であると。
あらゆる者の心が繋ぎ合わせられ、偶然形を結んだセカイなのだと。
理屈のへったくれもない、結果だけが目の前にある。
「覚めないユメ……」
医学的に考えれば、レム睡眠から昏睡に陥るなど他の要因がない限り有り得ない。
自分を取り巻く風景も、猫の存在も、彼の語った言葉さえも。
まるっきり全部が全部、神崎麗美の深層心理が作り出した幻影である可能性は十分にある。
なら、ただ受動的に覚めるのを待っていれば済むこと。
なにもしなくたっていい。
ただぼーっと、俗に云われる〝明晰夢〟を楽しんでみればいいだけだ。
……そう、なにもする必要はない。
帰還を急いてカギを求め、アリスを殺める必要なんて、何処にもありはしないのだ。
「……なーんか、腑に落ちないのよね……」
引っ掛かるものがある。
一言で片付けてしまえばいいものを、納得できない箇所がある。
――――気持ち悪い。もとい、心地悪い。
目を瞑ればチェシャ猫の聲が蘇る。反響する。
其れを己の心が見せる夢幻の一環と片付けるのは単純だ。
けれど、そうした結果どうなるのかが、麗美にも分からない。
ほんとうに、時間が経てば覚めるのか。
胡蝶の夢、邯鄲の夢という言葉がある。
片や夢の中で胡蝶になり、自分が胡蝶か、胡蝶が自分か区別がつかなくなったという故事に基づく物我一体の境地、また現実と夢とが区別できないことのたとえ。
片や貧しい若者が枕を借りて一眠りしたときに、立身出世を極めるという体験をした。しかし、それは実際には炊いていた黄梁もまだ煮え切らないような、ごく短い間の夢にすぎなかったという伝説に基づく諺。
似たようなものだと思う。今の自分が置かれた状況と。
いつ終わるのだろう、この悪夢(ナイトメア)は。
「まあ、探索くらいはしてみるかな。途中で覚めてくれたら御の字だ」
草原に座り込んでいた腰を挙げ、伸びをして歩き出す。
草木を踏み締める触感からどこか湿った夜風まで、なにもかもがリアリティに溢れている。
――そして、懐に忍ばせた小さな〝凶器〟の質感までも。
麗美へとチェシャ猫が残していった武器は、掌に収まりそうなほど小さな銃だった。
デリンジャー。かのリンカーン大統領暗殺にも用いられたとされる、暗殺にこの上なく適した品。
目にしたのは何かの映画だったか。
流石に使ったことはないものの、見よう見まねで扱えないこともあるまい。
……ユメだというなら、無意味な武装だ。
なのに持たずにはいられない。
どこかに、紛れもなく恐怖している自分がいる。
そのことに薄々気付きつつ、馬鹿らしいと目を背けて笑う。
つくづく、厭な感覚だった。
しゃく、しゃく。
土と草を踏む音が連続する。
一定の歩幅で、止まることなく進む。
ヒトの気配はない。
それどころか、虫の一匹さえ見当たらない。
野生動物などもってのほかだ。
――平穏故の、無気味。
宵闇の中に、足音と風の音色だけが聞こえている。
麗美は歩く。思い描くのは、自分がここ数ヶ月で辿ってきた鮮烈な日々のこと。
問題児を地で行く素行を続けていた自分。
そんな時、現れたのが――先生だった。
型破りな手段と常識離れした性格で、心の殻を外側から打ち壊してくれた。
本当に、救われたと思う。
あの人がいなければ、自分はどうなっていたかわからないとさえいえるほどに。
(会いたいなあ……)
こんなときだからこそ、そう考えてしまう自分がいる。
先生なら、猫の甘言など聞く耳持たず、いつも通りに捩じ伏せてくれる。
気取った余裕を崩させて、スカッと悪を倒して、さあ帰るぞとみんなでユメから覚めて終わる。
理想的すぎるハッピーエンド。
いつか思い出として語り合い、きっと笑い話にできる。
そうだったらいいのに。
淡い願いを懐きながら、麗美は微笑を湛え――心臓が止まるかと思った。
「え――」
少女がいる。
ちっとも、気付かなかった。
木の陰になっていることを踏まえても、彼女はあまりに希薄だった。
小学生か中学生か、おそらく年下と見える幼さを残した顔立ち。
身につけた衣服が、また漂う儚なげさを引き立てている。
まるで、少女人形。
骨董屋なんかで売られている、アンティークドールを麗美は連想した。
「……あなた、いきてるわね」
少女は淡白に、要領を得ない台詞を吐く。
いきてる。裏を返せば、自分は生きていないと言っているようなものだ。
神崎麗美は、当然生きている人間だ。
少女は、麗美のユメが作り出した存在とするのが妥当な判断。
しかしながら、麗美にはそうは思えなかった。
「……あんたも、でしょ。
幽霊みたいに見えなくもないけど、あたしの目は騙せないよ」
「そう、ね。わたしはいきてるわ。それがいいことかわるいことかは、しらないけど」
気味悪いとは、感じなかった。
名前も知らない少女に突然こんなことを語られては、普通電波系かと疑うのが普通だろう。
麗美も、相手が彼女でなかったらそうしていたに違いない。
彼女の紡ぐ言霊には、不思議な説得力があった。
それを齎すのは透き通った瞳なのか、無表情な顔(かんばせ)なのか。
兎に角、キレイだと感じた。
同時に、物悲しさすら覚えさせる。
大きすぎる美しさと二律背反に常に存在する、哀愁。
「いきてるひとは、きらいなの。
いきてるひととはなすときは、こえがでないわ。
けど、いまはでる。あなたは、いきてるようにしかみえないのにね。ふしぎ」
少女の足元には、無造作にネイルハンマーが打ち捨てられていた。
興味ないとばかりに、少女は自己を防衛するための凶器(どうぐ)に興味を示さない。
チェシャ猫の言葉に耳を貸すつもりなど、彼女には皆無だ。
彼女は彼女で完結し、だからこそ解き得ぬ難題に足を止め続ける非業のアリス。
「わたし、ステラっていうの。
ねえ――あなたはわたしをころすかしら?」
くす。
静かに、冗談めかしてステラは笑む。
本当に殺されても構わないと言わんばかりの無防備を晒して。
仮に、麗美が彼女の細い首に手を回したとしても、彼女は恐れず死を受け入れるだろう。
死を恐れない、強さ。
もしくは、弱さなのか。
「答えはNOよ。あたしはあんな訳分かんないやつの口車にはいそうですかって乗ってやるほど馬鹿じゃないっつーの」
「へえ、あなた、やさしいのね。あまい、っていうべきかもしれないけど」
表情は再び無表情に戻ってしまったが、機嫌が悪いわけでもなさそうだ。
元々、感情表現の起伏に乏しい質らしい。
それにしても、やけに達観した少女だ。
自分も大概だと自覚しているが、彼女はあまりに其れが徹底されている。
まさに、異常。――口に出す無神経な真似はしないものの、そう思わずにはいられない。
そして、麗美は思うのだ。
「……こういうのこそ、先生に会わせてみたいんだけどね」
親近感を感じる。
そりゃ、確かに彼女と自分はまったくの別物だ。
辿ってきた道程も、経てきた経験も、トラウマも。
何もかも違う、人間という生物に部類されるだけの別個体。
――共通しているのは、生きていること。
生きているのに、諦めていること。
過去の自分を思い出す。
いつ死んでもよかった。
きっかけがあれば、いつだって死んでやった。
もちろん、今は違う。生きる喜びを教えてもらったから。
「なにか、いったかしら?」
「いーや、別に。こっちの話よ」
まあ今はそれよりも、自分以外の迷子(アリス)と出会えたという事実の方が重要だ。
此処に置いていくという選択肢は、当然ながらない。
女の子をこんな夜闇の中に放置する時点で有り得ないし、カギを引き出す為、擬似的なバトル・ロワイアルが起こっている現況なら尚更のことだ。
彼女が拒んでも連れて行くつもりだったが、意外なことに彼女は自ずから麗美の後についてきた。
「……ついてくるんだ。案外かわいいとこあるじゃん」
「べつに。ただ、ちょうどよかっただけよ。わたしもしりたいことがあるから」
「ふうん。ああ、あたしは神崎麗美っていうの。
麗美おねーちゃんとでも呼んでくれてもいいのよ?」
「遠慮しとくわ」
見た目からして、体力がありそうにも見えない。
彼女も彼女なりに、現状は正しく理解しているようだった。
知りたいことがある。だから〝まだ〟死にたくはない。
……それが何か少しだけ気になったけれど、そこは追々聞いてみるとしよう。
まずはこの森を抜けたい。
施設みたいなものがあるならそこを目指したいし、そうでなくてもこんな見通しの悪い場所に長居するのが得策でないのは明白だ。猫に誑かされた殺人者(アリス)にしたら格好の獲物となろう。
しゃく、しゃく。
数分前と同じ、地を踏み締める音。
少し遅れて後ろから、小さな足音がついてくる。
ちらりと視線をやれば、無表情な少女。
「…………」
突然、ステラの足が止まった。
不思議に思い振り向くと、彼女は無表情のままで、明後日の方向を見つめていた。
「どうしたのよ。なんかいたの?」
「……いきてない」
「え?」
ステラが小さく、指をさす。
目を凝らしてその方角を見ると、人影があることに気が付いた。
学生服に身を包んだ、陰気そうな少年。
「あのひとは、先生やみんなとも、麗美ともちがう。
……ほんとに、いきていない。しんでるわ」
死んでいる。
ステラは、言った。
その言葉が聞こえたのか、少年の口許は――弓を描いた。
普通、気を悪くして然るべきところ。
ましてやこの状況で、冗談でもそんな行動に出る馬鹿がいるとは思えない。
麗美の背筋に、冷たいものが走る。
雲間から覗いた月明かりが、少年の姿をぼんやりと照らし出す。
――〝薄い〟。存在感や気配が、あまりにも薄い。
実際はそんなことない筈なのに、彼についてははっきりと解る。
ステラにも希薄という印象を抱いた麗美だったが、アレはそれ以上だ。
本当に、あれではまるで――
「……半分正解で、半分不正解です」
――死人のようではないか。
少年は死者と呼ばれたことについて、少しだけ肯定して、少しだけ否定した。
「僕は、謂わば形のないモノ。
……いえ、ずっと昔に形をなくしたとでも言いましょうか」
「そうみたいね。はじめてみたわ、あなたみたいなひと」
「しかし、どういうわけか今僕は此処に存在している。
形を取り戻し、此処にいる――とうに終わった僕には、持てる役割などないというのに」
二人の言っていることが、ちっとも理解できない。
麗美も、流石にこのセカイを単なる幻のフィクションとは思わなくなっていた。
そうさせた理由は、言わずもがなステラとの邂逅によるところが大きい。
ひどく変わった、年下とは思えないほど達観視した少女――だからこそ、か。
彼女までも自らの心理が作り出した空想と云われたら、どうしても納得がいかない。
「ねえ、ききたいことがあるの」
ステラは、踏み込む。
半死半生。生きていて、死んでいる。
そんな存在は今まで見たことがない、それ即ち、彼女にとって特別な意味を持つ。
――ずっとずっと、知りたかったことがある。
あの町で、自分一人だけが死ねなかったあの日から、ずっと抱いていた疑問がある。
「―――、―――――、―――?」
麗美には、ステラがなんと言ったのか聞き取ることは出来なかった。
「―――――。―――、――――――――、―――――――――」
だから、少年がなんと答えたのかも聞き取れはしなかった。
ただ一つ分かるのは、その問答が小さな少女にとってこの上なく大きな意味を持つそれであったこと。
正直なところ、不安があった。
さして強い思い入れがあるわけでもない。
出会って十数分かそこらの少女がどうなろうと、知ったことでないといえばそれまでだ。
なのにそうさせないのは、一種の庇護欲からくる節介なのか。
ああ、そうかもしれない。
彼女へ過去の自分の面影を重ね、〝なんとかしてやりたい〟と、そんな心が働いたのかもしれない。
そして、麗美は――駄目だと、半直感的に感じた。
少年の紡ぎ出す回答は、ステラという存在を、根底から変えてしまう気がしたからだ。
「……ステラ!」
「……そう剣呑な目つきをしないでくださいよ。
僕は、あなた方を取って食おうってつもりはありません」
ステラは、なにを言うでもなく、けれどなにかを得た目をしていた。
違いなく。彼の答えた〝なにか〟は、一人の迷子を出口へと導いたのだ。
それが、良いことなのか悪いことなのか。
光明なのか、それともより深い暗黒なのか。
真実とは時に何よりも有害な毒物であることを、麗美は知っている。
知られたくないこと、果てには自分自身にまつわることまで。
自分もまたひとつの大きなトラウマを抱えているからこそ――痛いほどそれを知っている。
「――むしろ、逆なんですよ。あなた方……いえ、特にあなた」
「…………」
「あなた――僕を殺してくれませんか?」
少年は、喜悦さえ声色に滲ませて、そう懇願した。
陰気、根暗。あらゆるマイナスイメージを見る者に与える、昏い雰囲気。
彼は明らかに澱んでいた。生きているのに死んでいる、そんな矛盾も納得できてしまうくらい。
そんな澱んだ存在だからこそか。
彼の物腰、表情、視線全てが、彼が猪口才な打算を秘めてなどいないことを如実に告げていた。
「なに――言ってるのよ」
「疲れたんですよ、僕は。
もう休みたいんです。あなた方には、分からない苦しみでしょうがね」
かしゃん。
麗美の足元に、少年の擲った小さな刀が落ちる。
「殺してくださいよ。
大丈夫、ここはユメです。……いや、正しくは似て非なるモノなのかもしれませんが。
ここで僕を殺しても、あなたの罪にはなりません。
だって――――」
心臓の鼓動が、喧しく身体の内側で反響していた。
少年が一言喋る毎に、空気の温度が下がっていくような錯覚すら覚える。
この状況を前にしては、天才も凡才も等しく単なる肉人形でしかなかった。
津波さながらに押し寄せる感情。
その種類を定義するならば――〝恐怖〟の二文字こそ、最も正しい。
「――――僕は、とっくに死んでいるんですから」
× ×
はあ、はあ、はあ、はあ――
どのくらい、走ったか知れない。
いつの間にか森を抜け、景色は開けていた。
ステラの小さな手をしっかり掴んで、走ってきた。
彼女はなにも言わずに、されるがままになっていた。
「……麗美。ちょっと、つかれたわ」
だから。彼女が少し乱れた息を整えつつそう言ったとき、初めて麗美は冷静さを取り戻したのだった。
僕は、とっくに死んでいる。
少年の告白と、足が動き出すのはまったく同時。
あれを聞いた瞬間、破裂した。
恐怖という空気をめいっぱい詰め込んだ心の風船が、甲高い音を鳴らして粉々になった。
叫びをあげなかったのは、精一杯取り繕った冷静さのおかげだったのか。
「……ごめん。大丈夫?」
「なんとか、ね。けど、みずがのみたいわ。のどかわいちゃった」
やはり、体力がある方ではないらしい。
……落ち着いたら、自分も喉が渇いてきた。
辺りを見渡してみるが、水源は見当たらないし、勿論麗美も水は持っていない。
我ながら、さっきは冷静ではなかった。
しかし、後悔はしていない。
確信があったからだ。あの少年は、関わってはならないモノだったと。
彼を殺すにしろ、殺さないにしろ。
――〝関わらない〟。それが、麗美の脳が弾き出した最善の結論であった。
「じゃあ、もうちょっとだけ我慢して。川とかあるかもしんないし」
「まあ、いいわ。それでだきょうしてあげる」
「か、かわいくねー……」
口許を引きつらせながらも、麗美は確かな安堵を感じていた。
ステラが少年と交わしていた、問答。
なにを問い、なにを答えられたのかは知らないが。
少なくとも、こうしている内はなにもおかしなところは見当たらない。
(大丈夫…………よね?)
真実とは、猛毒だ。
ヒトを導く。時に成長へ、時に破滅へ。
「――――」
すべては、遅かった。
白雪姫は、もう知ってしまったから。
自分が辿るべき結末を知り、認めてしまったから。
あとは、その時を待つだけなのだ。
毒リンゴが、目の前に現れるそのときを。
――わたしはあのとき、どくリンゴをたべるべきだった。
たどり着いた答えを反芻しながら、声には出さず、ステラは空を見上げる。
奇しくも、あの日によく似た夜空が広がっていた。
とても、キレイだった。
【E-6/野原/一日目/深夜】
【神崎麗美@GTO】
[状態]:疲労(小)、不安
[装備]:デリンジャー(2/2)@現実
[道具]:デリンジャー予備弾薬(10/10)、ネイルハンマー@現実
[思考-状況]
基本:ユメから覚める手段を探す。
1:ステラと行動する。少しだけ彼女のことが心配。
2:少年(荒井昭二)への恐怖。関わらないようにする。
[備考]
【ステラ@Alice mare】
[状態]:疲労(中)
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考-状況]
基本:こたえを、しりたい
1:どくリンゴをたべて、すべてをおわらせる
[備考]
クローゼットを開ける前からの参戦です。
荒井昭二となにを問答したのかは、後の話に準拠します
× ×
残された少年は、ひとり溜め息を吐き出した。
彼の名は、荒井昭二。
もう何年も前に、この世を去った存在だ。
にも関わらず、彼はこうしてユメの世界で再び命と形を獲得している。
そんなこと、望んではいないのに。
生きることは、苦ではなかった。
死ぬことも、苦しいとは感じなかった。
死にながら生き続けることは、ひどく苦しい。
疲れる。永遠に休むことのできない地獄が、常に彼を責め立てる。
父の愛が。どんな犠牲を払ってでも自分を生き返らせようという想いが、苦痛だ。
もう、自分は死んだ。
死したものは、甦らない。
蘇りたいなんて、思わない。
「…………父さん」
僕はもう、休みたいんだ。
――そんな言葉は、誰にも届かず。
夜の闇に溶けて、虚しく溶けていった。
【E-7/森/一日目/森】
【荒井昭二@学校であった怖い話】
[状態]:健康
[装備]:小刀@現実
[道具]:なし
[思考-状況]
基本:休みたい。その為に、死を願う。
[備考]
荒井六話目開始前からの参加です。
ステラとなにを問答したのかは、後の話に準拠します。
007:兄 |
時系列順 |
009:[[]] |
Open the Nightmare |
ステラ |
:[[]] |
Open the Nightmare |
神崎麗美 |
:[[]] |
Open the Nightmare |
荒井昭二 |
:[[]] |
最終更新:2014年01月02日 14:11