ベバシズマブ bevacizumab


概要

血管新生を阻害することにより、癌を"兵糧攻め"にして縮める抗癌剤。分子標的薬。
語尾(-mab)の示すとおり、モノクローナル抗体薬(Monoclonal AntiBodies)であり、マウスの卵巣細胞を用いて産生される。

効果効能

細胞は、血管と接続されていない場合、栄養分や酸素を受け取れないため、VEGF(Vascular Endothelial Growth Factor、血管内皮細胞増殖因子)というタンパク質を出して血管新生を促す。
この機構はがん細胞の場合特に顕著で、健常細胞より多くのVEGFを放出し、異常な血管新生が起こり、癌は更に成長することになる(但しここで新生される血管は非常にできが悪い)。
また、癌は約2mmを超える大きさの場合、血管と接続されていないと維持・成長することが出来ない。
そこで、ベバシズマブを投与することにより、血管新生を阻害し、癌を縮めることが可能となる。

副作用としては、癌部位以外でもVEGFを阻害してしまうこと。但し、大人の場合、怪我や月経でもない限りVEGFを使うことはほとんどないため、影響は低いと考えられている。
具体的には、消化管出血や、動脈血栓(心筋梗塞)など血管トラブルがある。


薬物動態・作用機序

免疫グロブリンの一種、つまりタンパク質であるため、経口投与はできない。通常はIVD(点滴静注)を行う。
分子標的薬であり、VEGFのうちVEGF-Aに結合し、VEGFが受容体と結合するのを阻害する。

参考

商標はアバスチン(Avastin)。Roche社。世界の薬剤売り上げでもトップクラス(金額ベース)。

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最終更新:2013年06月07日 11:14