幻想交流時系列表2

幻想交流時系列表2

●希望世界ーエルス
■幻想交流世界 ←NEFCOのある世界。


■幻想交流世界

(第四十話の一日前)

ハママツが1人泣きながら、岡崎に向かって走ることになると、香取は即座に緊急事態として、本件を処理することにした。

時刻は15時。

艦橋と藤前が必死にそれぞれの担当に呼びかける。
緊急事態にしていいのか、名鳥が香取に尋ねた。

緊急事態にするとドワンゴや NEXCO中日本の社長にまで情報が流れる。
人命がどうこうという話になると企業PR活動という側面を超えてこれを問題視する動きも出るだろう。
それを警戒して名鳥は尋ねる。

「これが緊急事態じゃなければなんだ」と投げやりにいう香取。こうなる事なんざ事の最初から分かっていたし
そういう覚悟もなく異世界を助けようと始めた方が惡いと、香取は原理原則を述べる。
コーヒーをまずそうに飲みながら、まだ心配そうな名鳥を見る。
「面倒くさい俗世界のあれそれは岩井さんや荒木さんに任せておく。俺たちは異世界の方に集中するぞ」 と香取

緊急連絡で電話を貰った荒木異世界復興支援本部長は頭を盛大に掻いて、まあ、そういうこともあるよなと呟いた。

荒木、即座に管制部門を預かる岩井部長に電話を掛ける。
「緊急対応はいいとして、その後をどうします?」と荒木
 「チャンスだと思いましょう」と荒木が言うにドワンゴ風に返す岩井。
いくらかの話し合いの後、荒木は電話を切って、宙を見て息を吹いた。
アポを取って本社側に説明することにする。個別に説明して変な空気できないよう、切り崩しに入る。

岩井はこの日、ドワンゴの方に顔を出していたが、即座に対応することになった。
愛知に戻る時間も惜しいと川崎の道路管制センターへ赴く。
管内で何か起きた場合、ここが道路復旧、連絡線復活の司令塔になる。
NEFCO と岩井はこの施設を借りて臨時で指揮所を置き、テレビ会議で一宮管制に詰めている香取たちを指揮しはじめた。

「ハママツさんは一切の戦闘力を持っていません」と蒼白な顔で語る藤前。
「分かっている。普通に言って、戦うのはなしだな。戦わないで済む方法を考えよう」
とする岩井(恐らく岩井、後の文章で岩井自身と言っているので。たぶん藤前が蒼白なのは岩井との受け答えというせいもありそう。)

危険地帯から戦わないで脱出する。現場でやりとりして、極度のストレス下にある藤前に
この問題を考えさせるのは得策ではないと判断し、応急的に検討チームを作って考えることになる。

検討チーム、戦闘インストラクターとして政府の斡旋で雇った新田(あらた)、香取、名鳥、そして岩井自身。
 
義勇社員を動員して意見を募る、という方法もあったが、今回は断念された。
意見を集約するシステムがないし、ハママツが死んだ時に多くの義勇社員が強い心的外傷を負うことが予測されたためだった。

「戦えないのですから、選択肢はないと思いますよ」と気楽にいう新田。
名鳥、岩井、香取はそれほど簡単に割り切れない。
体温が上昇し汗が止まらない。人の命ってやつを左右する立場とは、こういうものかと岩井は思った。

「避難するしかないのは分かっています。一番安全な方法を選びたい」という岩井。
「技術的な話でいえば、さっき藤前さんがやってた音を拾って索敵する方式が一番確実で危険回避に使える気がします」と名鳥
 「ハママツさんは気が小さいんだ。脅威が近づいているかもしれない状況で聴音とかまでやらせるとストレスで泣き出したり動けなくなったりすると思う」と岩井
香取は眉をひそめる。

「そうは言っても音の分析や方向を知るなんて、管制室ではできませんよ。音を集めるまではできても、評価の段階でミスをする可能性が高い」
(この発言は誰かは不明 眉をひそめた香取か、名鳥か)

「そういう人材を連れてくるのは難しいかな。義勇社員に潜水艦のソナーマンでもいれば……」と提案する岩井。
「まあ、見つかって仕事をしてもらう前に終わってると思いますよ」静かに言う新田。皆が黙った。
「今あるものでどうにかしましょう」と新田は表情を消して、なるべく軽く言った。

名鳥がスクリーンに映る赤い点を指さした。
「ロードパンサーはナガシノに展開してますから、音情報などは700か所で取れます。ハママツさんに向かっている音くらいなら素人でも分析できます」と説明。
「ハママツさんに向かい始めたら終わりだ。走る速度が違う」という岩井の指摘に、名鳥が難しい顔をする。
その手前で分析するなんて……」無理ですよと名鳥は言いかけて、香取が机を何度も小突いているのを迷惑そうに見た。
「なんですか、香取さん」「逆で言ってみよう」香取は机に拳を当てたまま言った。

「定点からならこっちから音声や画像を流せる。向こうの 長篠 ながしの   側に大音量の音を出して、それで攪乱してしまおう」と香取。
「いいと思いますよ。できたら脅威度の高い何かに思わせることができれば幸いです」と新田は微笑みながら言う。
 「爆発音かなんかだな」と言った後、藤前を見る香取。
「あいつがハママツさんに聞かせているCDの中に、そういうのあったろ。それでいこう」


●希望世界ーエルス
既に原型をとどめていない砦の廃墟から巨大な爆音とともにロック音楽が鳴り始める。
戦闘騎の意識が向く中、ナガシノとシタラがその隙をついて刀を振るい、喉笛を噛み切ってもう数体倒す。
戦闘騎は戦闘力を持たないハママツの追撃より、脅威度の高い方へ戦力をシフトさせた。戦力を分散する愚をおかさず、ナガシノとシタラに全戦力をあてて、各個撃破を狙い出す。
ナガシノは、勝った。少なくともハママツは守ったと、ナガシノは火薬玉に火を入れながら微笑む。
四方は既に敵に囲まれている。戦いはいよいよ絶頂である。(第四十一話)


■幻想交流世界

藤前、正直に言えば、NEFCOに出向するのが嫌だったらしい。
入社10年でようやく仕事の面白さが分かってきて、第二東名が完成し
東名高速道路の大規模補修工事の計画に携われると思ったところでNEFCOに出向することになった。

藤前圭介は、自室の布団の上でごろごろ転がる。
もうダメだとか思った。人生も仕事も続く。そりゃそうだ。
道路の仕事に終わりはない、作ればそれで終わりではない。大事に補修していけば人間の寿命も超える
古代の地図の道路のことを思い出すなどしていたら元気が出てくる藤前圭介。

藤前、再度布団の上で転がる。 先程から右に左に布団の上を転がる。
死んだ目で起き上がり、ハママツが1人泣きながら歩いているのを見て、感じて、重大なダメージを受ける。

再び布団に戻ってゴロゴロする。ハママツのこと。自分の人生のことを考える。
ゾンビのように起き上がり、おもむろにお湯を沸かし、カップ麺をすすって勉強しようと思う。
その前に髭を剃ろうと思う。

勉強をしようと思い立ち、15歳少女のプロに僕はなる。 とかいいだす。 すぐに駄目だ犯罪だとか言い出す。

深い穴を覗いた気がして、カップ麺ごとぶっ倒れそうになりながら、再度彼女が幸せになるオペレートを
目指そうとする。 <15歳少女 幸せにする方法> で検索、かなりダメですぐに消去。
森の歩き方とかを調べ出すがそちらは義勇社員が検討していると想い出す。

幻想交流と名付けられた異世界支援プロジェクトの義勇社員掲示板を見る。
家でこのページにアクセスするのははじめてだという藤前は、進捗を確認する為に掲示板を見る。
<フジマエってどうよ PART13>  という記事を見て愕然とする藤前。
<フジマエは陥落したわけですが> でお前に何がわかると怒る藤前。
<ぶっちゃけフジマエのビジュアルがわかんないので私の中では太った若禿の人(海法さん)で再生されるんですよねー>
海法という謎の人物の名前が浮上する。フサフサだと豪語する藤前。
藤前ノートパソコンを閉じる。(第四十話)


■希望世界ーエルスー

ハママツさんは、不自然なくらい、形の整った海岸沿いに移動していた。
おそらく大規模破壊絶技を使われた後だと推測する。

大妖精とも絶技使いとも言われているかつての支配種族とその顛末には
呆れ、力を持っていても、賢いとは限らないと思う。

フジマエ、ナガシノさんと連絡が付かないことを報告する。

フジマエさん、ハママツさんいつもの適当なやりとり。
フジマエさん変な歌を歌うもハママツさんに馬鹿にされる。

そんなやり取りの後、入江で一人女の子が花を摘んでいたのを見つける。
年の頃は自分と同じくらい。地味というか、貧乏な格好だと一目見て分かった。
服のあちこちに継ぎ接ぎがしてある。生地もまあ、随分と古そう。
その一方で、カラフルでおしゃれでもある。
ハママツは、貧乏な格好とおしゃれカラフルは両立できるんだと思った。

ハママツその女の子と話をする。服の話。 彼女が服屋の見習いをしている話。
魚の皮の服の話。 ハママツさんの皮の服は野生化した曵獣から取られているという話。

曵獣について話をする中で、呪われるという話で、ハママツさん藤前に聞く。
この地域では、獣を殺さない。
この地では牛みたいな、そっちでいう曵獣は聖なる生き物で殺したり皮をはいだりしたら
呪われると考えられている。なぜそんなことになっているかというと
農耕に広く用いられているみたいなんだが、戦争で数が激減している。
それで極端な保護政策をとったが、それが世代を経るうちに宗教的な信念、慣習になってしまったという。

ハママツさん、その女の子と話すが、藤前の事をしらない女の子は本名を言おうとするので
慌てて口を塞ぐ。
そして、ハママツさんは、その子をオカザキさんと命名した。(第四十二話)


 

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最終更新:2016年07月29日 17:04