西にある街

■西にある街

かつて大規模破壊絶技で削られて作られた新海に面した山の街。
かつて、山の上に街があったと思われ、今は山全部を覆うように街ができている。
建物は裾野(山麓の緩やかな傾斜地)に近いほど近年になって作られている。これは戦争被害から
我が身を守るために、山の上の方に街を作り、その後段々と安全が確保されるに従い下に降りてきたと考えられる。

上の方ほど立派で、豪華な建物が建っている。
山に作られたこの街は、当然斜面ばかりであり、道も建物も斜面に作られている。

土地不足の関係から道は狭い。

建物は、無理に無理を重ねて五階建てになっている。無茶だと、素人が一目で見ても分かるほどの無理な増築である。
右にずれたら上層を左にずらそうとか、そういう適当な感じで上に建て増しをして一見して倒壊しそうな建物になっている。
実際に上の方が崩れて落ちてくる事もあるという。

しかし住民は気にもしていなく、日常的にある風景だと思われる。
なおちゃんと土台工事をしていないので、毎日のように街のどこかで倒壊が起きる。

五階建ての建物が多いがこれらはいずれも危険な違法建築で作られたもので、貧民がここに住む。

火災を防ぐため、木材を使わずレンガ、石材で建築されている。 窓は海に面した面だ存在し、山側は風通し用程度である。

この地には下水道はなく、代わりに屋根で個々処理をしている具体的には、生分解力の強い木々をいれてそれで処理している。
買い物は行商が主である。

この地では、希望世界での浜松で衣服や食事に使われる曵獣(牛)は、聖なる生き物とされており
殺したり、皮を剥いだりしたら呪われると考えられている。
曵獣は農耕に広く用いられており、かつての戦争で数が激減した。
それで極端な保護政策をとったが、それが世代を経るうちに宗教的な信念、慣習になってしまったという

この地域の主食は、魚と野菜。

この地には巨人や半巨人がおり、かつて人間と一緒に戦闘騎と戦って勝ったと言われている。
この地は、フェルトや魚の皮などで服が作られることが多い。

 


■オカザキさんの家

岡崎にある他の建物と同じく、いかにも倒壊しそうなちぐはぐな建物の最上階の五階。
貧乏だと上の方に住んでいるという。理由は、階段の上り下りが大変で、昼は日差しが強いかだという。
用を足すのもいちいち大変そうでだというハママツさんの感想。
地上に、共同炊事場があるのでそこで煮炊きを行っている。

ー他の建物と同じく、いかにも倒壊しそうなちぐはぐな建物である。
しかも、最上階である五階だった。「貧乏だと上の方に住んでいるんです」
階段の上り下りが大変で、昼は日差しが強いからだという。用を足すのもいちいち大変そうである。
こと、貧乏人や高齢者にとっては、崖の街もあまり変わらない気がした。(第四十六話)

またも下に降りて野菜を洗ったり、焼いたりした。
煮炊きの場所はなく、地上の共同炊事場でやっている、とのこと。(第四十六話)


■オカザキさんの部屋

窓があり、雨戸がある。 屋根の上に植物を生やしておりそれで涼しくなったという。
水とかどうしてるの?かというとオカザキさんは恥ずかしくしている。
部屋の中は土煉瓦を積み上げただけで、そこの上に敷物をしいている。
煮炊きをする場所がなく、地上の共同炊事場で行っている。
一部屋しかない。 窓からは町並みと海が見え、見事な眺めだという。
床は敷物が敷かれているが、床がでこぼこして野宿とあまりかわらないという。


ー雨戸を開けて風通しを良くした。屋根の上に植物を生やして、それで随分涼しくなったと言う。
「水とかどうしてるの?」そう尋ねたら恥ずかしそうにしていた。詳しく聞く勇気はなかった。(第四十六話)

ー部屋の中は土煉瓦を積み上げただけで、そこの上に敷物をしいてどうにか人間が住む場所であることを主張している。
煮炊きの場所はなく、地上の共同炊事場でやっている、とのこと。
「まあ、ここじゃ燃料もってあがるのも大変そうだしね」
「というより、一部屋しかないので、煙が酷いんです」
オカザキは笑って言った。(第四十六話)

ー窓際に立って、手招き。近づくと風が吹いて髪を踊らせ、潮の匂いがした。
 「ここだって結構いい場所なんですよ。ほら。こんなに綺麗」
町並みに海が見えて、確かに見事な眺めであった。一幅の絵画のようであり、動く分、絵画よりも良いもののようにも思えた。(第四十六話)

ー床がでこぼこして野宿とあまりかわらない。(第四十六話)

 


■希望世界の岡崎の根拠ログ

かつてこの地では大規模破壊魔法で陸地が削り取られ、平地はほぼ、消失。
残った山地に避難民や生き残りは住んだ。
結果どうなったかといえばシチリア島のようにあらゆる斜面、土地を限界まで利用して家を作っている。

傾き25度まではどうにか家を作って暮らしていて、それも3階建てという状況である。
なお、ちゃんとした土台工事はしてないので、毎日のように街のどこかで倒壊が起きる。

5階建ての建物も多いがこれらはいずれも危険な違法建築で後付けでつくられたもので、貧民がここに住む。
この部分は木材で建築する。道は極細く、家はくっついており、火災を防ぐために木材を使わずレンガ、石材で建築されている。
窓は海に面した面だけ存在し、山側は風通し用程度である。
ベランダなどは崖の上の建築物以外、存在しない。地権的問題で作れない。

この地は下水道がなく、代わりに屋根で個々、処理している。
具体的には屋根の上に生分解力の強い木々を入れて、それで処理している。
肥溜めを作って畑を作ればいいのだが、肥溜めはあれで高度な技術品であり、異世界では開発ができていない。
単に糞尿を畑に入れればいい、というものでもないのである。

買い物は行商が主である。道に張り出す看板は原則として掲示できず、道が狭いので大きな看板を立てても見通しもできない。ドアの上にちょっと飾るのが限界である。

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絶技を使えぬ”地べたすり”が、骨を片づけだしたのは。どうにか水路を引きなおしたのは。
そのうち稲穂が顔を出し、かつて女神だった美しい巨人は、足下を猫が歩いているのに気づいた。
とうの昔に絶滅したと思っていた弱い種族。 (第三話)

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動物の皮がないというか、この地では獣を殺さないんだよ”
”戦闘騎はやっつけたんでしょ”
”いや、それとこれは別というか。資料を見ると、この地では牛みたいな、そっちでいう曳獣は
聖なる生き物で、殺したり皮をはいだりしたら呪われると考えられている”
”なんでそんなことになってるのよ”
”農耕に広く用いられているみたいなんだが、戦争で数が激減してな。
それで極端な保護政策をとったんだが、それが世代を経るうちに宗教的な信念、慣習になってしまってな”
”じゃあ、この人達何食べてるわけ?”
”魚と野菜かな”(第四十二話)

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「ありがとうございます。実は私、服屋をやってるんです。まだ見習いですけど」(オカザキさんの台詞)(第四十二話)

「変わった服ですね。皮ですか。すごい、どんな種類の魚の皮ですか?」「え、魚の皮って着れるの?」(第四十二話)

「おお、服屋、相変わらず染色材料探しか」(第四十三話)

オカザキが慌ててひれ伏すのが見えた。(第四十三話)

腰から下げた剣は飾りではないだろうが、戦闘騎と戦うには心許ない気もする。(第四十三話)

領主は煌びやかな冠をずらして頭をかいている。(第四十四話)

「西の街には戦闘騎いなかったの?」
”いた。しかし、巨人や半巨人もいて、これらが人間と一緒に戦闘騎と戦って勝ったと聞いている”(第三十六話)

「まあ、領主の館よりは狭いし汚いし、色んな壺があるんですけどね」(第四十四話)

「彼女の服を作ってやってくれ、全部まるっとフェルトあたりで」
 「承知いたしました」「靴も、こちら風にサンダルにした方がいい」「はい」(第四十三話)

ー絶技で削られて作られた新海に面した山の街
かつては山の上の街だったのだろう。今は山全部を覆うように街ができている。
建物からして裾野に近いほど近年になって作られたもののようである。そして上の方ほど立派で、豪華な建物が建っていた。
たぶん、戦争被害から我が身を守るため、山の上の方に街を作り、その後段々と安全が確保されるに従って下に降りてきたのだろう。
ハママツは狭い坂道を登りながら、そう思った。
山に作られたこの街は、当然斜面ばかりである。(第四十六話)

ー道も建物も斜面に作られていて、さらに土地不足が圧し掛かってこの街を大層不便なものにしていた。
道が狭く、建物は無理に無理を重ねて五階立てになっている。無茶だと、素人が一目で見ても分かるほどの無理な増築である。
右にずれたら上層階は左にずらそうとか、そういう適当な感じで上に建て増しをして一見して倒壊しそうな建物になっている。
実際、上の方が崩れて落ちてくるなんてこともあった。ところが住人は気にもしていないときている。きっと日常的にある光景なのだろう。(第四十六話)

ーそれにしても、なんだってここまで過密になっているのか。
いや、考えるまでもなかった。戦闘騎。あれを恐れてこうなったのだろう。
そう考えると、自分の故郷である崖の街と似ている部分も結構ある。
逆に言えば人間を追い回している戦闘騎は、ちょっとした隆起にも弱いのではないかと、そんなことを思った。(第四十六話)

 

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最終更新:2016年08月05日 17:51