ちょっと手間を掛けて美味いもんを食べたいとなると、俺のメニューの一つはこれだ。
用意するのは卵、玉ねぎ、米、鶏肉。そして便利な基本のトマトソース。
まずは米を研ぐぜ? 普通にな。さすがに説明なんていらないだろ…みんな、いらないよな?
咲「それくらいは大丈夫だよ…京ちゃん? なんでそんな目で見るの?」
……まあ、洗剤を入れようとしたのは中一の頃だもんな。今は大丈夫だもんな。
炊くときにトマトソースを入れる。水代わりにドバっといっとけ。
そんであらかじめ炊いておいたものがこちらです。三時間待ちなんてありえないぜ。
和「あらかじめ濡らしておいたのを、今濡れましたって演出されると萎えますよね」
もちろんフライパンは拭いたものを用意しようね!
鶏肉は一口大、玉ねぎは細かく刻んでフライパンへ。おっと、見て見ろよ。玉ねぎから出た水分が良い音しながら湯気出してるだろ。
嗅いでみればもちろん…おおう、刺激的で食欲をそそられる!
優希「んっ…ふ、あ…きょーたろー…もう、我慢できないじぇ…」
おすわり。よしって言うまで待機な。
玉ねぎから出る水分がしっかり飛んで肉と玉ねぎが絡んだら、ここに炊いたトマトライスに投入!
香りで言えば、さっきの比じゃあない。トマトの芳香が部屋全体に広がって、涎が止まらないね。
シャモジでかき混ぜればかき混ぜるほど…くあー! 匂いが襲い掛かってくる!
久「いやー、さすがにシャモジは入らないわよ? 柄の方ならまだしも」
すみません、全然違う話してるんで。部屋間違えてません?
最後はこれだ。むしろこれが無いとそもそも完成しない。
卵はたっぷり一人三個。ケチケチしないで使ってくのが贅沢だよな。
しっかり菜箸でかき混ぜたら、油を敷いたフライパンへ流し込む…フライパンは動かし続けるのがミソだ。
まこ「しかし、腰を動かし続けるとどこで出したかわからんのう…」
なんか直接的すぎやしないか? ネタ切れかよ。
フライパンを振ると黄色い卵が金色のさざ波を作っていく。固まらないように慎重に…好みは半熟だ。
最後に熱を通した卵を、盛り付けておいたトマトライスの上に掛ければ、今日はこれで決まり!
半熟ふわとろ卵のオムライス、召し上がれ!
「「「「「いただきまーす」」」」」
まあ卵を焼くのに6人だと時間がかかりすぎるのが難点だけどな。
そろそろ俺の分を…
「おかわりー」「私も卵おかわり!」「すみません、こっちにも」「同じく」「はよう頼むわ」
ちょっと待て。コレステロール取りすぎだ!
ああ――もう、ちょっと待ってろ! 今焼くから!