女子力向上委員会。over18
「ん……朝?」
鳴る音は時計のさえずり。私も、彼も気に入って、それからは毎日朝を飾ってくれる音。
シーツの滑る音。少しだけ騒がしい彼のいびきの音。温かい、彼の鼓動の音。
「やっぱり男の子だね…固くて…安心できるよ」
仕事前にこうしていると時間を忘れてしまいそうになるけれど、こうしないとやる気が起きないなんて。
「ほんと、私もダメだよね。どうしてこんな風になっちゃったのかな…」
肌と肌の重なる部分が火傷してしまいそうな気さえする。頬も、胸も、絡めた足も…大事な、場所も。
「でも、嫌じゃないよ」
顔を埋めた胸板から上げて、彼の顔へ。気持ちよさそうに眠るのに少し、むっとして。
ゆっくりと彼の体に全身を重ねるように、顔と顔を重ねるように。
「…もう。早く起きないと、行っちゃうからね?」
唇と唇。手と手、胸と胸、足と足。少しでも感じる部分を増やそうと、重なっていない部分を消していく。
そして離れようとしたとき――目と目が、重なった。
「ねぼすけさん…おはよう、って、きゃあっ!?」
私の背中と彼の腕が触れ合って、唇と唇が強く重なり合っていく。
悪戯っぽく笑う顔は年下のくせに…もう。
「…遅れたら、代わりに謝ってもらうからね」
時計の鳴き声は部屋に響き続けている。私と彼の、触れ合う音を遮るように。