副将戦

『ついに副将戦を迎えました、清澄高校の原村和は昨年のインターミドル王者!』

 

『インターハイへのチケットを手に入れるのは果たしてどの学校になるのでしょうか!』

 

「原村さん! 何か意気込みは?」

 

和「意気込み…別に」

 

「対局相手については?」

 

和「特にありません」

 

 

久「や、来たね。あとはよろしく」

 

和「お疲れ様です」

 

久「なんか言っとくことある?」

 

和「特にありません」

 

久「下着は?」

 

和「穿いてません」

 

久「りょーかい、頑張ってね」

 

和「はい」

 

 

 

一「ごめん、逆転できなかった」

 

透華「いーえ、全然問題ナッシングですわ」

 

透華「1位の原村和をわたくしが華麗にまくりまくりで一層目立ちますわ!」

 

一「ん…お願いね」

 

透華「ええ。ところで一?」

 

一「なに?」

 

透華「その鎖、もう必要ありませんわね。卒業としましょうか」

 

一「いや、ボクはこのままでいいよ」

 

一「この鎖が無くなったら…透華に飼われてる感じがしなくなっちゃうから…」

 

透華「で、でも…家では毎日外してるでしょう?」

 

一「そのときはご主人様が隣にいるから…」

 

一「ほら…ボクは透華付きのアレだから」

 

透華「も、もう…」カアッ

 

透華「馬鹿な事言ってないでワンと鳴きなさいな、ワンと!」

 

一「わんわんっ!」

 

 

 

京太郎「道に迷ったならそう言えばいいのに」

 

衣「うー…彷徨の徒にしてやっただけありがたいと思えっ」

 

京太郎「へいへい。早く行こうぜ、俺も和の応援があるし」

 

衣「ふんっ…如何に清澄が奮迅しようと、大将戦で散らし毀してくれる!」

 

京太郎「へー、でもウチの大将はすげーぞ。勝てないかもなー」ナデナデ

 

衣「ぬがーっ! 子供扱いするなー!」ペチッ

 

京太郎「悪い悪い」ポフポフ

 

衣「もーっ!」

 

 

 

和(結局、咲さんは起きませんでしたね)

 

和(一緒に全国でイこうって約束したのに、試合は見て貰えないなんて…)

 

和「お預けプレイでしょうか…」

 

タッタッタッタッタ

 

咲「和ちゃん!」

 

和「咲さん…」

 

咲「頑張って!」グッ

 

和「……」グッ

 

 

京太郎「親指の位置はそこじゃねーだろ!」

 

衣「自然と中指と薬指の間に差し込んでいった…治水の如き滑らかさ…呆け者めっ」プルプル

 

 

 

『さあ副将戦、注目はやはり前年度インターミドル王者、清澄高校の原村和でしょう』

 

透華「ふっ、前情報なんて意味のないこと。さあ始めますわよ! トップスタァを決める闘いを!」

 

和「よろしくお願いします」

 

純代「お願いします…」

 

「よ  くお願     すっす」

 

透華(さて…原村和。焼きすぎたおもちはともかく)

 

透華(そのプライドくらいは潰して善哉に入れて差し上げたいところですけど…)

 

 

ゆみ「こうしてカメラを通すとよく見えるな」

 

智美「ワハハ、あの中だとモモが一番おもちが膨れてるなー」

 

ゆみ「風越の深堀もなかなか…特に興味はないが、こう、抱きしめてみたいものだ」

 

智美「なら私は佳織にしとくかー」モニュン

 

佳織「ふえ!? あ、あうっ、やっ!」

 

睦月「…手刀一閃っ!」スパァン!

 

智美「あだっ」

 

睦月「桃子に託されたツッコミ…妹尾さんは守りますよ」ゴゴゴ

 

智美「ぶ、物理的ツッコミは辛いなー…」

 

 

 

『副将戦スタート!』

 

 

靖子「もったいないことだな」

 

実況「何がでしょう?」

 

靖子「今年の試合、赤ドラに試合数の減少と随分運の要素が強い」

 

実況「そうですね、鶴賀と清澄の決勝進出もその影響との声もありますが…」

 

靖子「それは分からないがな。しかし試合自体が劇的な展開を見せやすくなったのは事実」

 

靖子「この卓はデジタルの堅実な打ち手ばかり。半荘2回で結果を決めるのは惜しいものだ」

 

靖子「……」

 

靖子「たった2回の食事で合う合わないを決めつける男はこっちから願い下げだがな」ギリギリ

 

実況「風越のリーチに対して他家はオリてきています」

 

 

 

純「まだ東一局で全員オリか。なんつーかなあ」

 

一「牌譜見たけど、みんなほとんど徹底したデジタル派だからね」

 

智紀「…でも、透華は…」

 

一「ただのデジタルじゃないね。多分今、大興奮じゃないかなあ」

 

 

透華「ふふふふふふふふふふふ」ジュルリ

 

桃子(ヤバイっすよ…風越さんはボケじゃなさそうっすけど)

 

透華(ああ、興奮してしまいますわ! 原村和を盛大にアレしてコレできるのだと思うと!)

 

和(たくさんの人に見られているんでしょうか…エロペンで隠して正解でした)

 

桃子(両側から変な水音がするっす…! ゆみ先輩以上にアレっすよこの二人!)

 

 

 

純「ありゃ相当興奮してるな」

 

一「相手が強いほど燃えるからね。ただ燃えれば燃えるほど、もう一人の透華が目を覚ますんだ」

 

一「あの透華は氷みたいに冷たくて、一分の隙もなくて――衣さえ超えてるよ」

 

純「それを溶かしてくれる男がそのうち出てくるんじゃねーの?」

 

一「彼氏かあ…できるのかなあ」

 

智紀「身長…条件は容易…」

 

一「まあもしもできたら」

 

純「種馬共有だな」

 

智紀「ハメ殺し…赤玉放出…」

 

一「ボクは受けのほうがいいんだけどね」

 

 

 

和「ロン、1000は1300です」

 

純代「はい」

 

実況『ここで副将戦初和了、清澄の原村和です』

 

実況『しかし随分と地味な和了りですね』

 

靖子『堅実というべきか。配牌から考えれば最速で確実な和了だな』

 

 

池田「あちゃー、すーみん和了られたか」

 

美穂子「まだまだ始まったばかり、深堀さん頑張って…」

 

未春「大丈夫ですよキャプテン。ここからです」

 

池田「そーそー。ビデオテープ巻き返しだし! ヌキ所がバレないように巻き返しだし!」

 

未春「そんな無理やり絡めなくていいよ」

 

池田「無理ヤリ絡んでないし! 言うなればフェザータッチ」

 

未春「……」ジトッ

 

池田「この目がいい感じだし…」ゾクゾク

 

 

 

透華(妙ですわね)

 

和「ポン…チー」

 

透華(原村和がのどっちで間違いないと言いますのに)

 

透華「リーチですわっ」

 

透華(この、微かな違和感)

 

透華(なによりも、いつの間にか下も乾いてますし)

 

透華(龍門渕透華、確信に至りましたわ!)

 

透華(原村和はまだ「のどっち」へ完全に羽化していない…!)

 

 

 

和(…不思議ですね)トン

 

和(興奮していると奮い立たせても、そのじつ緊張しています)

 

和(ジョークでは消しきれない責任とチームの気持ち…)

 

和(集中しなければなりませんね)

 

和(……)スッ

 

桃子「…え?」

 

 

ゆみ「なんだ? モモの表情が変わったが」

 

佳織「困ってる感じでしょうか…?」

 

睦月「いえ、あれは…」

 

 

京太郎「お、来たか」

 

衣「……なんだ、此の感覚は」

 

 

 

透華「原村和…なんでそんなに顔を赤らめてますの?」

 

桃 「風邪 す ?」

 

純代「調子が悪いなら…」

 

和「いえ…大丈夫です」ハア…

 

 

優希「のどちゃん発熱! 相手は死ぬ!」

 

まこ「合宿でもあったのう」

 

久「普段から真顔でボケる和が、エロペンを抱いてると余計に酷くなるんだけど」

 

久「ある点を超えると急に発情したようになる」

 

優希「こうなったのどちゃんは手が出せないじょー」

 

まこ「京太郎の何倍も恐ろしいからのー…しっかしえらく遅いが、何しとるんじゃ京太郎は」

 

 

 

透華(なんでしょうか…先ほどまでの原村和とは別人ですわ)

 

透華(この気配、このプレッシャー…お、おはよう、のどっち!)ゾクゾクッ

 

透華「その身体っ、舐るように味わわせていただきますわ…!」

 

和「……」ハアハァ

 

和「下らないことを言っていないで、早く進めましょう」

 

 

京太郎「やっぱキッツイなー」

 

衣「なんだ? ハラムラノノカの天衣が永水の神降ろしが如く変異した…」

 

京太郎「なんかこう、冷静っていうか下ネタに冷たくなるんだよなあ」

 

衣「高天原から降るは異界の自己か? 呆け者じゃないならいいけど…」

 

 

 

久「思い出すわねえ…合宿の時のこと」

 

まこ「ありゃ酷かったのぉ」

 

優希「えぐえぐだったじょー」

 

咲「うん…今でも思い出せるよ」

 

 

和『……』ハァハァ

 

京太郎『和? 顔赤いけど大丈夫か?』

 

和『はい…大丈夫です』ホゥ…

 

咲『濡れてちゃったら体が冷えるから、温泉行こうか?』

 

優希『昼から発情とは、のどちゃんもお盛んさんだじぇ』

 

久『大丈夫? 薬はないけどマッサージ機なら…』ヴヴヴ

 

まこ『もしホントに体調悪いなら言い』

 

和『……』スゥ…

 

京太郎『和?』

 

和『今は…』

 

和『今は、頭の悪そうな言葉を垂れ流す場合ではありませんよ』

 

 

 

和『大体なんですか。きちんと髪を乾かしたのに、今から何に濡れると言うんです? お茶でも零したんですか?』ハアハア

 

咲『え』

 

和『ゆーきも意味が分かりませんね。確かに人間は明確な発情期はありませんが、さすがに麻雀の途中にはあり得ません』ン…

 

優希『じょ』

 

和『部長、お心遣いはありがたいのですが…それは肩に当てるべきものです』ホゥ…

 

久『へっ?』

 

和『染谷先輩、ありがとうございます。風邪などではありませんからご心配なく』ハフ…

 

まこ『お、おぉ?』

 

和『それにしたって、須賀君がいるのに妙なことを言うべきではないと思います』

 

京太郎『えっ、ああ、うん』

 

和『…すみません、特訓を再開しましょうか。予選まで日もありませんからね』キリッ

 

 

 

久「アレが解除されるまでは凄かったわねえ」

 

まこ「京太郎がツッコむ前に切り捨てるからのー…」

 

優希「愛のないツッコミは肉のないタコスと同じだじぇ…」

 

咲「正論で潰されるのが一番辛いよね…」

 

 

京太郎「っていう感じでさ」

 

衣「ジキルとハイド、菩薩と阿修羅…雰囲気が変わったのはそういうことか」

 

 

 

ハギヨシ「衣様、お茶の準備が整いました」

 

衣「む、ハギヨシか…ご苦労。行くぞ」

 

京太郎「お、保護者さんっすか。それじゃーまたな」

 

衣「むがあっ! さっきからしつこいっ! ハギヨシ、疾くと案内しろ!」

 

ハギヨシ「承知致しました…それでは失礼致します」ペコリ

 

 

ハギヨシ「先ほどの方は清澄高校の?」

 

衣「うん、そう言ってた。其れがどうかしたか?」

 

ハギヨシ「…衣様の相手で、中々面倒そうな相手が一人」

 

ハギヨシ「それが清澄高校の大将なのです」

 

衣「……」

 

衣「そいつは、あの金色雑魚と仲がいいのか?」

 

ハギヨシ「遠目に見た限りでは…」

 

衣「……そうか」

 

 

 

衣「心地良い風だな。寒くもなく、暑くもなく。新緑も輝いている」

 

衣「幸せは刹那の内にある。光と風を感じることこそが幸福で……」

 

衣「刹那の楽しみを共有できることが共存で、他者と共に在ることなんだ」

 

衣「けれど衣と相対する相手は楽しみなど無く、世界の終焉を見るような顔をする」

 

衣「…そうじゃないのは、呆けたことしか言わないし」

 

衣「衣はそれでまた、独りぼっちになってしまうんだ…」

 

衣「あの雑魚とて同じこと。卓に在る衣を知れば、きっと居なくなってしまう」

 

衣「衣はそれが――」

 

 

 

『南二局も流局! ここまで流局の多い試合はそうそうありません』

 

『この膠着状態から抜け出すのは、どの高校なのか!』

 

 

純代「ポン」

 

透華(ポンで飛ばされるのもウザったいですけど…露骨な索子臭が鼻につきまくりますわ)

 

桃 「リーチ す」

 

純代(いいところが来た。これで跳満手、なら多少の危険は…)トン

 

和「……」ヒュッ

 

 

京太郎「ただいま戻りましたー」

 

まこ「遅いわ京太郎。どこほっつき歩いとったんじゃ」

 

京太郎「いやあ、迷子の世話に…ところで和はどうですか?」

 

久「ごらんの通り、テンパってはいるけれど」

 

優希「見事フリテン待ちも少なめー」

 

咲「あ…最後の中、出されちゃう…」

 

久「中出しねー」

 

まこ「ここで中出しか」

 

優希「中出しだけど当たらなくて良かったな鶴賀の小娘!」

 

京太郎「絶対文字に起こすなよ…絶対だぞ!」

 

 

 

和「ポン」ポヨン

 

透華(鳴くんですの…? てっきり和了れないものだと…)

 

和「ツモです、2100、4100」パシッ

 

透華「は…?」

 

桃子(親リーと風越さんのツッパ相手にその和了りっすか…)

 

純代「はい」チャラ

 

『清澄の原村和、二校を躱して鮮やかな和了。更にリードを広げました!』

 

『前半戦はついにオーラスを迎えます!』

 

透華「もうオーラスですの? 何もした気が…」ハッ

 

桃 「ほん  何も て いっ よ」

 

透華「かんっぜんにマグロ状態ですわ! むきーっ!」

 

桃 「 るで猿  よ…あの、聞こえ   ?」

 

和「マグロならマグロらしく横たわって黙っていて下さい」

 

 

 

透華(パーフェクトゲームですって…!?)

 

透華(おふざけも大概にしぐされですわっ!)

 

透華(このラス親…原村のパーフェクトすら越えるほど派手に! 和了ってみせますわっ!)トン

 

透華(ふん…ヤミテンで11600点。悪目立ちも目立ちの一つとはいえ…)キュッ

 

透華「格好良く目立ってなんぼ! 目立ってなんぼですわっ! リーチ!」

 

和「その大声はあまりマナーがよくありませんね…」トン

 

 

衣「む…トーカ、真逆」

 

一「普段の透華ならリーチはしないけど」

 

智紀「本人の言うとおり…」

 

純「ヤミの11600より、拍手喝采の派手和了りってか。さしずめ」

 

一「さしずめ、知らない人に見られるよりもビデオレターってことかな」

 

智紀「NTRは…NG…」

 

衣「細意は不明だがそれ以上は年齢的に不許可!」

 

 

 

透華「さてみなさん、ここらで一つご質問ですけれど」ギュッ

 

透華「爛漫な和了りと絢爛な和了り、どちらがお好みかしら?」ピキーン

 

透華「ま、ここは聞くまでもなく…」ダンッ!

 

透華「両方ですわね。8000オール、頂戴しますわっ!」

 

『お、親倍! 原村和のパーフェクトを阻止し、更に逆転トップに躍り出ました!』

 

 

美穂子「深堀さん…」

 

星夏「清澄と龍門渕、とんでもないですね…」

 

池田「大丈夫だし! すーみんはここで終わらない、それに華菜ちゃんも控えおろうだし!」

 

貴子「池田ァ!」

 

池田「んにゃっ! へ、へへー…」

 

未春「それじゃ悪代官だよ華菜ちゃん」

 

 

 

透華(ふんふん、いい感じのリャンシャンテンですわ)

 

純代(一人沈み…)

 

和(下家はテンパイが近そうですね)

 

「     」

 

透華(いい感じですわ…これで来たらヤミテンで行きましょうか)トン

 

桃子「ロォンッ!」

 

透華「んなっ!? な、なんですのいきなり大声で!」

 

桃 「大声じゃないと気付 てもら  いっすよ…」

 

 

 

『10分の休憩の後、後半戦となります』

 

ゆみ「モモ、いるか?」

 

桃 「こ  す」

 

ゆみ「モモー、どこだ?」

 

桃 「だ らこ  す」

 

ゆみ「モモー、どこだー?」ナデナデ

 

桃子「ちょっ、どこ触ってるっすか!? 見えてないフリはやめるっすよ!」

 

ゆみ「参ったな。こうまでモモが早く消えるとは、相当相手が強いということだろう」サワサワ

 

桃子「逆っすよ! 消えるのに時間がかかったっす! は、はーなーしーてー!」

 

ゆみ「ふむ。いけそうか?」スッ

 

桃子「いきなりマトモになられても調子狂うっす…」

 

桃子「……ま、そこが先輩らしいっすね」

 

桃子「影のちょーちょー薄い私を拾ってくれた先輩に、恩返ししてあげないとダメですし」

 

桃子「私のリー は マと同 」

 

桃 「リー に振っ も相 がフリ ンになる け」

 

ゆみ「フリ○ンになるのは男子だろう」ズバッ

 

桃子「リーチに振っても相手がフリテンになるだけ!」クワッ!

 

 

 

ゆみ「ただいま」

 

佳織「おかえりなさい~」

 

智美「モモはどうだった?」

 

ゆみ「そろそろ消えるそうだ」

 

睦月「時間が掛かりましたね…2回戦でもそうでしたが」

 

ゆみ「それでも南2で見失っていたからな、決勝の手ごわさが分かるというものだ」

 

佳織「桃子さんは何か言ってましたか?」

 

ゆみ「ああ、確か…」

 

 

桃 『ここ  はス   モモの  場っすよ』

 

 

ゆみ「ここからはス○ルマモモのハッテン」

 

睦月「せいっ!」ベシッ

 

ゆみ「……痛いぞ」

 

 

 

佳織「そういえば、桃子さんはいつから部活に入ってたんですか?」

 

智美「ワハハ、モモは佳織が入る前に見つけたからなー。丁度1か月前かー」

 

睦月「…勧誘活動の一環で、校内のLANで麻雀がてら募集してた時でしたね」

 

ゆみ「ああ。そこにひょっこり入ってきてな。打ち筋が気に入ったんだがチャットじゃ埒があかなくて」

 

智美「そこでどの教室から入ってきてるか割り出して、強硬手段に出たんだ」

 

智美「ユミちん1年A組乱交事件」

 

佳織「え…あれって加治木先輩だったんですか?」

 

ゆみ「乗り込んでもそこに居るはずの姿が見つからない…」

 

ゆみ「居るはずなのに居ないという透明人間プレイかと思ったぞ」

 

睦月「……まだ我慢する所ですか?」

 

智美「おー、まだ実力行使には早いぞー」

 

 

 

睦月「そしてあの発言ですか」

 

智美「おお、さすがに言葉は知ってるかー」

 

佳織「聞いたことあります…」

 

ゆみ「あの時は思わず叫んでしまってな」

 

 

ゆみ『私は、君が欲しい!』

 

ゆみ『君に(チャットで)突っ込んでもらった、かたく(なで)太い(フォント)の(文字)が忘れられないんだ!』

 

ゆみ『君(と)なら私のはじめて(の大会出場)を捧げられるんだ!』

 

ゆみ『なんならここで脱もがもが』

 

桃子『わかったっす! わかったからその口を閉じるっすよ!』

 

 

智美「ユミちんの奇行が、岩戸をこじ開けたんだ」

 

睦月「改めて聞くと奇行にもほどがありますが」

 

佳織「?? 加治木先輩の言葉の意味が…」

 

睦月「分かる必要のない頭の悪い言葉だから気にしなくていいよ」

 

ゆみ「睦月も中々鋭利なツッコミだな」

 

 

 

『副将戦スタート!』

 

桃子(しかしとんでもなく目立ちたがりな人もいるっすねー)

 

桃子(もう一人はとんでもない存在感のパーツの持ち主だし)

 

桃子(私にももうちょっとプラスの気配があれば良かったけど)

 

桃子(ま、今は丁度いいっすけど)

 

桃子(私の存在感はゼロどころかドマイナス。捨て牌さえも巻き込むっすよ!)

 

 

ゆみ「相変わらずモニター越しでは気味が悪いくらい見えるな」

 

智美「普段はモモがわざと大きな音を出さないと麻雀にならないからなー」

 

ゆみ「なんら興味は湧かないが、いつでもどこでも欲求不満を解消できるのは羨ましいものだ」

 

智美「そのせいか、モモも意外とだらしないけどなー」

 

ゆみ「何!? そんなに寝てるのかふっ」ドスッ

 

睦月「ふー…」

 

佳織(桃子さん、居眠りとかしちゃうのかなあ…)

 

 

 

透華(さて、また絶好のテンパイですわね)

 

透華「リーチ! ですわっ」

 

桃 「い  すか れ…ドラ   ?」

 

桃 「ロ 」

 

透華「さあ早くツモりなさいまし! えーと次のツモ巡は…」

 

桃子「ロンっす!」

 

透華「えわっ!? なんですのいきなり!」

 

桃子「あーもう! なんか存在感減りすぎっすよ!」

 

 

一「どうしたんだろう透華…物凄く驚いてるけど」

 

純「なんか妙な感じだな。透華の奴、下家を見てねえぞ」

 

衣「…ふん、自らを虚ろに還すか。猪口才な」

 

 

 

桃子(今頃、たくさんの人が私を見てるんだっけ)

 

桃子(…ちゃんと見てて下さいよ先輩。先輩が私をここまで引きずり込んだんですから)

 

桃子(いっつもボケてばっかですけど…)

 

桃子(私を必要としてくれたこと、本当に嬉しかったんですよ)

 

桃子(やり方は完全にアレでしたけど…)

 

桃子(とにかくおかしな人っすよね)

 

桃子「がんばるっすよ…私、がんばるっす」

 

 

ゆみ「……」ジッ

 

智美「どーしたユミちん、そんなにモモを見つめて」

 

睦月「いつになく真剣ですね。いえ、いつも真顔でボケてますが」

 

ゆみ「ああ…こうして見ると、モモの胸はいい物だな」キリ

 

ゆみ(それ以上に、大事な後輩だ。見守らざるを得ないだろう)

 

 

 

和「リーチ」

 

桃子(また調子いいっすね、膨れもちさん。でもこっちももうオリないっすよ)トン

 

桃子(……なんでツモらないっすか)

 

和「失礼……少し目がボヤけていたようです。ロン、8000」

 

桃子「なっ! 私の牌が見 るっすか?」

 

和「? 見えるとか見えないとか、そんなオカルトありえません」

 

桃子「っ…てことは、 方と ガチで る て  っすね」

 

桃子(…私が見える人と打つっすか。これはこれで、嬉しいかもしれないっすね)

 

 

智美「モモ、振り込んだのに笑ってるなー」

 

睦月「ええ…けど楽しそうです」

 

佳織「桃子さんってこんなに可愛く笑うんですね」

 

ゆみ「……対局中のモモがあんな笑顔を向けるとはな」

 

ゆみ「これがNTRか…」フッ

 

睦月「ドツキますよ?」ドスッ

 

 

 

『副将戦終了ー!』

 

『後半は鶴賀と清澄の新鋭校の一騎打ちとなりましたが、徐々に名門と昨年優勝校が応戦!』

 

『圧倒的な点差とはなりませんでした!』

 

 

透華「うぐぐぐぐ…め、目立ちすぎですわ原村和!」

 

純代「参った…」

 

桃 「 疲れ っす 。楽し   っす」

 

和「お疲れ様でした。こちらこそ楽しく打たせていただきました…ありがとうございます」ホウ…

 

 

『まだまだ勝負の行方はわからないまま、勝負はついに大将戦に突入します!』

 

 

京太郎「咲」

 

優希「ゆけー!」

 

久「頑張ってね」

 

まこ「頼んだけえ」

 

咲「はいっ、行ってきます!」

 

 

咲「あ、イッてきますって言ってもそういう」アセアセ

 

京太郎「それ前やったからもういいよ」

 

 

 

咲「……」テクテク

 

和「……」ハアハア

 

咲「あ、和ちゃん」

 

和「咲さん」フー…

 

咲「頑張るね」ギュッ

 

和「はい」

 

咲「行ってきます!」

 

和「イってらっしゃい」キリッ

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最終更新:2014年04月21日 06:07