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ブロントさんの小冒険  ◆i7XcZU0oTM






 ジッと待つより、こうやっていた方が気も紛れる……。
 そんな事を考えながら、船着場辺りをうろつくブロントさん。
 また船を逃しても困るので、普通に船着場が見える範囲にしか行かないようにしているが。
 この辺りから船着場まで、急げば3分もかからないだろう。
 それなら、もし船が来ても間に合うと言う寸法だ。
 とはいえこの範囲で気になる場所は……1つしかなかった。

「……」

 ――――暗闇の中、明かりが煌々と灯るコンビニであった。
 船着場の明かりが比にならない程の強い光が、ブロントさんの目を刺激する。
 あまりにも眩しくて、反射的に目を瞑ってしまう。
 ……やはり、暗闇ばかりを見つめていたからか。
 だが、それも永遠に続く訳ではなかった。
 その光にも慣れて来た頃に、店内を覗く。……当然の事だが、誰もいない。
 客どころか店員もいないコンビニと言うのも、少々気味の悪い物である。
 だが、そんなことは意にも介さず店内へと入るブロントさん。

「……ほほう」

 小さな音で、軽快な音楽が流れている。
 そして……食欲を誘う良い匂いが、ほのかに匂っている。
 それに釣られるように、ぐうとブロントさんの腹の虫が声を上げた。
 ――――そう言えば、始まってから何も食べていない。
 ここらで、何かを食べておくのも悪くないかもな。
 そう思って、おもむろにカウンターの中へ踏みいるブロントさん。
 から揚げにおでん、アメリカンドッグに肉まん。
 どれもこれも、食欲を刺激するには十分すぎる程だった。
 そんな中から、ブロントさんが選んだ物は……。

「……9個で……いや、3個でいい」

 ……肉まんだった。幾つか種類のある内から適当に選んで取り出し、早速口に運ぶ。
 ふんわりと蒸された生地、旨味の詰まった中身。一回、二回と噛む度に、口の中が、旨味で溢れる。
 久しぶりの食事に、思わず頬も緩む。

「見事な味だと感心はするがどこもおかしくはない」

 瞬く間に、肉まんはブロントさんのお腹の中に。
 ……同じ調子で、2つ、3つと平らげた所で、手が止まる。
 あまり食べ過ぎるのは良くない。何かあったら困る。
 謙虚なナイトであるブロントさんは、そこの所もちゃんと計画しているのだ。
 とは言え、これから何があるか分からない。
 一応、肉まんを3個ほど袋に入れて鞄に仕舞う。
 もしもの事態に備え、あんまんも幾つか仕舞った。

「……」

 程よく腹も膨れた。他に、何か持って行った方がいい物はないか?
 そう思い、カウンターを出て店内を歩き回る。
 ……だが、ブロントさんの思いとは裏腹に、役に立つと思うような物はなかった。
 ハァ、と溜息をついてコンビニを出る。

「役に立たない物ばかりとかふざけすぎでしょう?」

 グチグチと、苛立たしげに文句を言いながら船着場に戻るブロントさんであった。













「……」

 コンビニにいた時間は、大体10分程だった。
 それで、また歩いて船着場に帰ってきたのだが……まだ、船は来ていなかった。
 もう一度、愚痴をこぼしてやろうか。そう思い、口を開いた時だった。

「……お?」

 海上に、何かが見える。
 それは、ゆっくりとこちらに近づいている……と言う事は。
 あれは……先程乗り逃がしてしまった、渡し船ではないか!?
 良かった、今度は乗り逃がさずに済む。


『到着いたしました。お降りの方は足元にご注意ください。
 次はB-5船着場へと向かいます。B-5船着場には約15分ほどで到着致します』


 くたびれたスピーカーから、声が聞こえてくる。
 グチグチと、ひろゆきへの文句をこぼしながら、船に乗り込むブロントさん。
 ……やっと船に乗れたが、今度は港に着くまで待つ必要がある。
 確か……次の船着場に到着するまでは15分程度だったか。
 船着場で待つよりは短いが、それでも待つのはブロントさんにとっては面倒な事なのだ。
 このままでは、何も出来ずに"時既に時間切れ"になってしまうかも。
 ――――謙虚なナイトとしてのプライドが、それを許す訳には行かない。

(もしこれで手遅れになったりしたらsYれならんしょ……? やはり汚いな、ひろゆき汚い)

 心の中で、ひろゆきに毒づきながら船内を見回す。
 ……安っぽい電灯がデッキを照らし、一定の明るさを維持している。
 だが、ブロントさんの興味はそんな所にはなかった。
 ブロントさんの興味は……1つの椅子に惹かれていた。
 ――――とある机の上に、ペットボトルが置かれている。一体、何故こんなところに。

「おいィ? こんな所にペットボトルがあるとか、怪しすぎでしょう?」

 もしかして、誰かが何か危険な物を仕掛けておいたのでは?
 そんな考えが、ブロントさんの脳裏をよぎる。
 ――――こういう物は、不用意に触れない方がいい。
 謙虚なナイトとしての経験と勘が、そう告げていた。
 とは言え、放っておくのも気分が悪いので、一応調べてみる事にした。
 とりあえず……離れて観察してみる。
 見た目は普通のジュース。特に変わった所もない。
 パッケージのイラストから察するに、オレンジジュースか。
 中身は半分ほどまで減っているようだ。


 ……ブロントさんは知る由も無いが、これは至って普通のペットボトルである。
 以前乗っていた人物……カーチャンが置いていっただけの物である。
 だが、何も知らないブロントさんにとっては、ただの"怪しい何か"でしかないのだ。


 ゆっくりと近づき、剣でつつく。当然の事だが、異常な反応は何もない。
 次に、思い切って掴んでみる。これも、大した反応はない。
 近くで見てみると、内部が良く分かる。…………怪しい物は、何もない。

「……マジでかなぐり捨てンぞ?」

 想像を絶する徒労感がブロントさんを襲った。
 腹立ち紛れに、近くのゴミ箱にペットボトルを放り込む。
 その場に投げ捨てたりしない所が、モテる秘訣はここにあるのかも(と、本人は思っている)。
 その時だった。


『まもなく渡し舟は発船いたします。次の船着場までは約15分程かけて到着致します』


 発船のアナウンスだ。
 やっと出発か……そんな思いで、ブロントさんは近くにあった椅子に腰かけた。
 ……そろそろ、明るくなるかな。そんな事を考えながら、船が到着するのを待つブロントさんであった。



 ――――これからどうなるか、それは誰にも分からない。



【C-6・渡し船内部/1日目・早朝】
【ブロントさん@ネトゲ実況】
[状態]:健康、苛立ち(少し解消)、腹八分目
[装備]:そんな装備@エルシャダイ
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、拡声器@現実、手裏剣@AA(20/20)、肉まん×3、あんまん×3
[思考・状況]
基本:殺し合いを止め、ひろゆきを倒す
1:早く誰かの下へときょうきょ駆けつける
2:拡声器で仲間を集めるのも一つの手かもしれない
3:汚いなひろゆきさすがきたない


No.63:良識を持って行動してきた結果www 時系列順 No.65:人間の証明 ~ A place in the sun~
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No.39:汚いなさすがひろゆききたない ブロントさん No.78:存在があまりに大き過ぎた