生体機関への(ryた場合(仮)

「なんで私じゃなくてあいつなのよ」
通路を足早に歩く女(便宜上A)。
通路の端には
『立ち入り禁止』
と書かれた扉が。
しかし、Aはお構いなしに扉の向こうへと進む。
なんだかんだ言っても、鍵などかかってない場合がほとんどだ。
扉の向こうをさらに進むと肉塊のようなものが見えた。
Aは一瞬立ち止まったが、支給品のナイフを取り出し肉塊に刃を入れた。
刃を当てた瞬間に警報が鳴り響く。
もう戻れない
そう思ったAは可能な限り刃を奥まで入れ肉塊に切れ目を入れた。
Aが思っていたほど肉厚はなく、人ひとりが通れるだけの空間を開けると、
半ば強引に肉塊の中へとAは入っていった。
肉塊の中には得体の知れないものに覆われつつある少女が一人。
相手の姿を見て恐怖心を覚えるとともに、自分はこうならずに済んだという安堵も感じていた。
「へっ、いい気味だわ」
ある程度周りを見ることができるようになると、少女の○○(伏字)にその得体の知れないものが入っていることに気づいた。
これを抜いたらどうなるかしら
Aはそう思った。
好奇心に駆られ、少女の○○に入っている得体の知れないものをAは抜いてしまった。
すると少女の体に異変が起こり始めた。
まず目に付いたのは腹部だった。
目に見えて腹部が肥大化し、ついには破裂して内臓が身体の外へと溢れた。
次に目に付いたのは背中であった。
背中に刺さった電極のようなものを抜き出そうとして、こちらはこぶ状に肥大した。
と思っていると、いきなりAを血しぶきが襲った。
気が付くと、少女の腕や脚の一部がなくなり、そこから肉や骨が見えていた。
生体機関との融合が進んでいた腕や脚の部分は、生体機関が自分と勘違いして引っ張ってしまったのだ。
少女はもはや自力で動くこともままならない状況だったが何とか首を動かしてAを見つけるとこう言った。
ありがとう・・・
Aは耳で聞いたのではなく、脳内に直接その言葉を受け取った。

 

最終更新:2014年05月12日 20:56